6 / 35
【6】幼なじみがやってきた
しおりを挟む
夜。直くんからのLINEもないし、家には母もいる。
先生との約束通り早めに寝ようと電気を消して布団に潜ってみるものの、やっぱりすぐには寝付けない。
あんまり余計な考え事はしたくないんだけどな。
目を閉じたら、今日のワタナベさんと直くんの姿が目に浮かんでしまって切ない。
それでもやっと眠気が来て、ようやくうとうととしていたら、窓の方からコンコンと音がした。
えっ、と驚いて目を開けると、人影が見えた。
「……直くん?」
おそるおそる窓際に近づき、カーテンを開ける。するとベランダに直くんが立っていた。
慌てて鍵を開けて部屋に入れる。
「今日、来るって知らなかった……」
「ああ。面倒くせえから直接来た」
直くんはまた湯上りで昨日より髪が濡れている。
でも待って。ワタナベさんがいるのに、なんでここに?
我に返った私は、ベッドに入らせないように直くんの前に立った。
いつの間にか見上げたら首が痛いぐらい、背が伸びている。
街灯と月明りだけが私たちを照らして、直くんがどんな顔をしているのかよく見えない。
直くんはしれっと私の肩を軽く押すようにしてベッドに近づいた。
「布団入れて」
「……だ、だめっ」
「だめ?なんで」
な、なんで??
「だって、朝……女の子来てたじゃん」
「来てたけど、別に俺とお前に何も関係ないじゃん」
「え???」
言っている意味がわからない。わからないけど、だんだん腹が立ってきた。
「……お前って呼ばないでよ。偉そうだよ」
なんで。なんで、私だけ取り乱してるの。直くんは冷静で、女の子にも慣れてて。私だけ騒いでて。
私、今日は早く寝ないといけないんだから。明日はあくびするわけにはいかないの。
直くんやワタナベさんは勉強ができるから、補習なんて縁がないだろうけど……。
いつも、どうやって直くんと抱き合っていたんだっけ。
わからない。
なんで直くんはここに来るの?
先生との約束通り早めに寝ようと電気を消して布団に潜ってみるものの、やっぱりすぐには寝付けない。
あんまり余計な考え事はしたくないんだけどな。
目を閉じたら、今日のワタナベさんと直くんの姿が目に浮かんでしまって切ない。
それでもやっと眠気が来て、ようやくうとうととしていたら、窓の方からコンコンと音がした。
えっ、と驚いて目を開けると、人影が見えた。
「……直くん?」
おそるおそる窓際に近づき、カーテンを開ける。するとベランダに直くんが立っていた。
慌てて鍵を開けて部屋に入れる。
「今日、来るって知らなかった……」
「ああ。面倒くせえから直接来た」
直くんはまた湯上りで昨日より髪が濡れている。
でも待って。ワタナベさんがいるのに、なんでここに?
我に返った私は、ベッドに入らせないように直くんの前に立った。
いつの間にか見上げたら首が痛いぐらい、背が伸びている。
街灯と月明りだけが私たちを照らして、直くんがどんな顔をしているのかよく見えない。
直くんはしれっと私の肩を軽く押すようにしてベッドに近づいた。
「布団入れて」
「……だ、だめっ」
「だめ?なんで」
な、なんで??
「だって、朝……女の子来てたじゃん」
「来てたけど、別に俺とお前に何も関係ないじゃん」
「え???」
言っている意味がわからない。わからないけど、だんだん腹が立ってきた。
「……お前って呼ばないでよ。偉そうだよ」
なんで。なんで、私だけ取り乱してるの。直くんは冷静で、女の子にも慣れてて。私だけ騒いでて。
私、今日は早く寝ないといけないんだから。明日はあくびするわけにはいかないの。
直くんやワタナベさんは勉強ができるから、補習なんて縁がないだろうけど……。
いつも、どうやって直くんと抱き合っていたんだっけ。
わからない。
なんで直くんはここに来るの?
0
お気に入りに追加
103
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
クリスマスに咲くバラ
篠原怜
恋愛
亜美は29歳。クリスマスを目前にしてファッションモデルの仕事を引退した。亜美には貴大という婚約者がいるのだが今のところ結婚はの予定はない。彼は実業家の御曹司で、年下だけど頼りになる人。だけど亜美には結婚に踏み切れない複雑な事情があって……。■2012年に著者のサイトで公開したものの再掲です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる