6 / 44
第二章~クライン村編~
第6話『クライン村③ 村長ボー』
しおりを挟む
朝、目が覚めると、同じベッドの横で寝ていた筈のノーラは既におらず、部屋の中にはアキラ以外は、床の上で寝ているケルンだけだった。
部屋の外に出ると、ノーラとその家族は既に起きて、みな何処かに出掛けたようだった。
家の外に出てみると、ノーラの祖母のサマンタが洗濯物を干していた。
「あら、お早うエルフさん。よく眠れたかい?」
「あ、すみません。一人だけゆっくり寝てしまって。」
「いいんだよ。エルフさんはお客さんなんだから。」
「ありがとうございます…
…あ、いや、何かお手伝い出来ることないですか?
お世話になっているのに何もお返ししないのは申し訳なくて…」
「別にいいのに。あ、そうだ、じゃあノーラと一緒に林に薪を取りに行ってくれるかい?」
「ノーラ、ノーラ!」
サマンタが家の傍の畑の方に呼び掛けると、よく茂った葉の中からノーラが飛び出してきた。
「エルフのお姉さんと、一緒に薪を取りに行ってくれるかい?」
「うんっ!」
と、ノーラは勢いよく返事をし、アキラの手を握った。
「ケルンはお留守番しといて。」
と、アキラはようやく目覚めて家の外に出てきたケルンに言い残し、ノーラと一緒に大きなカゴを背負い、村外れの林に向かって出発した。
カゴの中には、祖母のサマンタから渡された包みが入っている。
「朝ごはんに」と渡してくれたもので、中身は昨晩食べた固いパンだった。
林の中で薪になりそうな木の枝や倒木の欠片などをたくさん拾い、朝食のパンを食べた後、アキラが更に薪を求めようと林の奥に進もうとしたところ
「お姉ちゃん、そっち行っちゃダメ。その向こうには泉があるから。
今は泉に行っちゃダメなの。」
と、ノーラがアキラに向かって言った。
(そういや、昨日も言ってたな、泉に行ってはダメだって)
「どうして泉に行ってはいけないの?」
アキラがそう尋ねると、ノーラは少し言葉に詰まりながら
「つい…つい、最近にね、その…その泉に身投げして死んじゃった子がいるの。」
と教えてくれた。
(そうか、こんな過酷な生活環境だと自殺を選んでしまう人もいるんだな…)
と、アキラは独り合点でそう思い、ノーラにその子の自殺の原因を聞こうとはしなかった。
二人ともカゴいっぱいに薪を拾い、帰途につこうとすると
「お姉ちゃん、このまま真っ直ぐ家に帰るのではなくて、村長様のお館に寄らないといけないの。」
とノーラがアキラに向かって言ってきた。
「どうして村長のところに寄らないといけないの?ノーラ。」
「うん。この村で採れたものにはね、全部、税がかかるの。この薪も一部、税として納めないといけないの。」
と、ノーラは辛そうに言った。
村長の館に着くと、家人らしき男が門の前にいた。
その男はアキラを見て驚きの表情を浮かべ、固まってしまったが、ノーラがすかさず
「薪を納めにきました。」
と、男に言ったところ、家人らしき男は我に帰り
「そ、そ、そうか。ならば入れ。」
とアキラとノーラを門内に通し、庭まで案内した。
庭に着くと、その家人らしき男が
「そこにカゴを置け」
と命令口調で言ったので
(こいつ偉そうだな、ムカつく野郎だ)
などと思ったが、ノーラが何も言わずに黙って言葉に従っていたので、アキラも言われた通りにすると、男は無造作にカゴの中から薪を両手で取り出し、庭の土の上に置き始めた。
「よし、いいぞ。」
と、男がカゴから薪を取るのを止めたが、カゴの中には、ほんの僅かしか薪が残されていなかった。
「ちょ、ちょっと!」
アキラが家人の男に何か言おうとしたが、それを察したノーラがアキラの手を引っ張り、それを制した。
アキラがノーラの方を向くと、口に人差し指を当てている。
何も言うな、という意味だろう。
「お姉ちゃん、帰ろう。帰りながら説明するわ。」
ノーラはカゴを背負いつつ、そう言った。
「おい、待て!」
帰ろうとしたアキラとノーラの背後から若い男の声がした。
振り返ると、20歳前後の、茶色い髪のオカッパ頭、小太りで背の低い男がいた。顔中そばかすだらけである。
そして、傍にもう一人、茶髪オカッパより少し背が高い、黒髪くせ毛の、団子っ鼻の男もいた。こちらは中肉である
「お前、エルフだな?この村の住人ではなかろう。何故ここに居る?」
その茶髪オカッパが話すと、出っ歯が目立った。
「こちらは我が家のお客さんです。村長様。」
と、ノーラがそう言ったことで、アキラは目の前の茶髪オカッパが件の村長であると知った。
(たしかに、貴族のくせに全く品性が感じられんな)
村長と呼ばれた茶髪オカッパの若者は、真っ直ぐアキラに近づいて来て、下卑た視線でアキラを舐め回すように見てきた。
そして、ノーラの方を向くと
「お客さんねぇ…お前、前の村長の家の者だったな?
長逗留させるつもりなら、このエルフの女にも納税の義務を課す!」
と居丈高にノーラに言った。
村長は、今度はまたアキラの方を見て
「まあ、納められる物が無ければ、お前が館に来て下働きする事でも代替えがきくが…」
などと言ってきた。
アキラは自分の身体、特に胸や腰回りの辺りをいやらしい目で見てくる村長が、どういう魂胆でそのような事を言ってきたのか、すぐに察しがついた。
(このゲス、今すぐブッ飛ばしてやろうか)
ノーラがまたアキラの手を引いたことで、アキラはグッとこらえ
「それは無用だ。すぐ村を離れる。」
そう言って村長に背を向けてノーラと共に足早に館を出た。
家に戻る途中、ノーラは
「この村では、8割を税として納めなくちゃいけないの…」
とアキラに説明してくれた。
「8割?8割だって!?」
(重税とは聞いていたが、8割とは…それは最早完全な搾取ではないか!)
「うん。以前は4割ほどだったけど。」
「どうして、みんな黙って従ってるの?」
「少しでも反抗的な態度を取ると、鞭打ちの刑にされるの。今まで何人も鞭で打たれて、酷い怪我をさせられて…
それと時々、コロネル男爵様が、いっぱい兵隊達を連れて村を見回りに来るの。
それで、もう、誰も文句を言うことが出来なくなったの。」
(暴力と恐怖による支配か…本っ当にどうにか出来ないものか…)
アキラは怒りに震えつつ、ノーラの家に帰りついた。
翌朝、アキラが目を覚ますと、村中が騒ぎになっていた。
村長のボーが他殺体で発見されたという。
アキラとノーラ、ノーラの家族も死体が放置されているという林に向かった。
ケルンもアキラについてくる。
ボーの死体は、昨日、薪を取りに行った林の、ノーラに止められて行けなかった泉の近くに放置されていた。
一本の木にもたれかかった様な形で座った、その死体には全身に何ヵ所も刺し傷があり、傍に10本ほどの、それぞれ特徴が違う短刀様の刃物が落ちていた。
それぞれ、刃先の部分だけに血が付いている。
それと、ハンカチの様な四角い白い布も傍に落ちていた。
その死体を取り巻く状況から一見すると、複数の人間が寄ってたかってボーを刺殺したように見えるが、アキラはこの状況を見るなり違和感を感じていた。
第6話(終)
※エルデカ捜査メモ⑥
クライン村は元々、ノーラの先祖を含む少数の人達が開墾した小さな村であったが、作物の育ちが良く、実りも豊かな土地であったため、近隣から移住者が増えて大きくなっていった。
かつては、その豊かで良質な収穫物を買い付けに、大勢の商人がクライン村を訪れ、その取引による現金収入も豊富であった。
それらの収入により、ノーラの家にいたっては、本来、貴族や資産家の子弟が通う幼年学校に娘を通わせることが可能になるほどの蓄えがあったが、当代のコロネル男爵が領主となって、一気に状況が悪化した。
たった2年でここまで村の経済状況が悪化したのは、男爵が、村の人達の蓄えにも理由をつけて、その多くを徴収したからである。
ホンマ、どうにかならんか?このクソ男爵。
部屋の外に出ると、ノーラとその家族は既に起きて、みな何処かに出掛けたようだった。
家の外に出てみると、ノーラの祖母のサマンタが洗濯物を干していた。
「あら、お早うエルフさん。よく眠れたかい?」
「あ、すみません。一人だけゆっくり寝てしまって。」
「いいんだよ。エルフさんはお客さんなんだから。」
「ありがとうございます…
…あ、いや、何かお手伝い出来ることないですか?
お世話になっているのに何もお返ししないのは申し訳なくて…」
「別にいいのに。あ、そうだ、じゃあノーラと一緒に林に薪を取りに行ってくれるかい?」
「ノーラ、ノーラ!」
サマンタが家の傍の畑の方に呼び掛けると、よく茂った葉の中からノーラが飛び出してきた。
「エルフのお姉さんと、一緒に薪を取りに行ってくれるかい?」
「うんっ!」
と、ノーラは勢いよく返事をし、アキラの手を握った。
「ケルンはお留守番しといて。」
と、アキラはようやく目覚めて家の外に出てきたケルンに言い残し、ノーラと一緒に大きなカゴを背負い、村外れの林に向かって出発した。
カゴの中には、祖母のサマンタから渡された包みが入っている。
「朝ごはんに」と渡してくれたもので、中身は昨晩食べた固いパンだった。
林の中で薪になりそうな木の枝や倒木の欠片などをたくさん拾い、朝食のパンを食べた後、アキラが更に薪を求めようと林の奥に進もうとしたところ
「お姉ちゃん、そっち行っちゃダメ。その向こうには泉があるから。
今は泉に行っちゃダメなの。」
と、ノーラがアキラに向かって言った。
(そういや、昨日も言ってたな、泉に行ってはダメだって)
「どうして泉に行ってはいけないの?」
アキラがそう尋ねると、ノーラは少し言葉に詰まりながら
「つい…つい、最近にね、その…その泉に身投げして死んじゃった子がいるの。」
と教えてくれた。
(そうか、こんな過酷な生活環境だと自殺を選んでしまう人もいるんだな…)
と、アキラは独り合点でそう思い、ノーラにその子の自殺の原因を聞こうとはしなかった。
二人ともカゴいっぱいに薪を拾い、帰途につこうとすると
「お姉ちゃん、このまま真っ直ぐ家に帰るのではなくて、村長様のお館に寄らないといけないの。」
とノーラがアキラに向かって言ってきた。
「どうして村長のところに寄らないといけないの?ノーラ。」
「うん。この村で採れたものにはね、全部、税がかかるの。この薪も一部、税として納めないといけないの。」
と、ノーラは辛そうに言った。
村長の館に着くと、家人らしき男が門の前にいた。
その男はアキラを見て驚きの表情を浮かべ、固まってしまったが、ノーラがすかさず
「薪を納めにきました。」
と、男に言ったところ、家人らしき男は我に帰り
「そ、そ、そうか。ならば入れ。」
とアキラとノーラを門内に通し、庭まで案内した。
庭に着くと、その家人らしき男が
「そこにカゴを置け」
と命令口調で言ったので
(こいつ偉そうだな、ムカつく野郎だ)
などと思ったが、ノーラが何も言わずに黙って言葉に従っていたので、アキラも言われた通りにすると、男は無造作にカゴの中から薪を両手で取り出し、庭の土の上に置き始めた。
「よし、いいぞ。」
と、男がカゴから薪を取るのを止めたが、カゴの中には、ほんの僅かしか薪が残されていなかった。
「ちょ、ちょっと!」
アキラが家人の男に何か言おうとしたが、それを察したノーラがアキラの手を引っ張り、それを制した。
アキラがノーラの方を向くと、口に人差し指を当てている。
何も言うな、という意味だろう。
「お姉ちゃん、帰ろう。帰りながら説明するわ。」
ノーラはカゴを背負いつつ、そう言った。
「おい、待て!」
帰ろうとしたアキラとノーラの背後から若い男の声がした。
振り返ると、20歳前後の、茶色い髪のオカッパ頭、小太りで背の低い男がいた。顔中そばかすだらけである。
そして、傍にもう一人、茶髪オカッパより少し背が高い、黒髪くせ毛の、団子っ鼻の男もいた。こちらは中肉である
「お前、エルフだな?この村の住人ではなかろう。何故ここに居る?」
その茶髪オカッパが話すと、出っ歯が目立った。
「こちらは我が家のお客さんです。村長様。」
と、ノーラがそう言ったことで、アキラは目の前の茶髪オカッパが件の村長であると知った。
(たしかに、貴族のくせに全く品性が感じられんな)
村長と呼ばれた茶髪オカッパの若者は、真っ直ぐアキラに近づいて来て、下卑た視線でアキラを舐め回すように見てきた。
そして、ノーラの方を向くと
「お客さんねぇ…お前、前の村長の家の者だったな?
長逗留させるつもりなら、このエルフの女にも納税の義務を課す!」
と居丈高にノーラに言った。
村長は、今度はまたアキラの方を見て
「まあ、納められる物が無ければ、お前が館に来て下働きする事でも代替えがきくが…」
などと言ってきた。
アキラは自分の身体、特に胸や腰回りの辺りをいやらしい目で見てくる村長が、どういう魂胆でそのような事を言ってきたのか、すぐに察しがついた。
(このゲス、今すぐブッ飛ばしてやろうか)
ノーラがまたアキラの手を引いたことで、アキラはグッとこらえ
「それは無用だ。すぐ村を離れる。」
そう言って村長に背を向けてノーラと共に足早に館を出た。
家に戻る途中、ノーラは
「この村では、8割を税として納めなくちゃいけないの…」
とアキラに説明してくれた。
「8割?8割だって!?」
(重税とは聞いていたが、8割とは…それは最早完全な搾取ではないか!)
「うん。以前は4割ほどだったけど。」
「どうして、みんな黙って従ってるの?」
「少しでも反抗的な態度を取ると、鞭打ちの刑にされるの。今まで何人も鞭で打たれて、酷い怪我をさせられて…
それと時々、コロネル男爵様が、いっぱい兵隊達を連れて村を見回りに来るの。
それで、もう、誰も文句を言うことが出来なくなったの。」
(暴力と恐怖による支配か…本っ当にどうにか出来ないものか…)
アキラは怒りに震えつつ、ノーラの家に帰りついた。
翌朝、アキラが目を覚ますと、村中が騒ぎになっていた。
村長のボーが他殺体で発見されたという。
アキラとノーラ、ノーラの家族も死体が放置されているという林に向かった。
ケルンもアキラについてくる。
ボーの死体は、昨日、薪を取りに行った林の、ノーラに止められて行けなかった泉の近くに放置されていた。
一本の木にもたれかかった様な形で座った、その死体には全身に何ヵ所も刺し傷があり、傍に10本ほどの、それぞれ特徴が違う短刀様の刃物が落ちていた。
それぞれ、刃先の部分だけに血が付いている。
それと、ハンカチの様な四角い白い布も傍に落ちていた。
その死体を取り巻く状況から一見すると、複数の人間が寄ってたかってボーを刺殺したように見えるが、アキラはこの状況を見るなり違和感を感じていた。
第6話(終)
※エルデカ捜査メモ⑥
クライン村は元々、ノーラの先祖を含む少数の人達が開墾した小さな村であったが、作物の育ちが良く、実りも豊かな土地であったため、近隣から移住者が増えて大きくなっていった。
かつては、その豊かで良質な収穫物を買い付けに、大勢の商人がクライン村を訪れ、その取引による現金収入も豊富であった。
それらの収入により、ノーラの家にいたっては、本来、貴族や資産家の子弟が通う幼年学校に娘を通わせることが可能になるほどの蓄えがあったが、当代のコロネル男爵が領主となって、一気に状況が悪化した。
たった2年でここまで村の経済状況が悪化したのは、男爵が、村の人達の蓄えにも理由をつけて、その多くを徴収したからである。
ホンマ、どうにかならんか?このクソ男爵。
11
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。


婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる