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第二章
どちらが許せないか?究極の二択問題。
しおりを挟む以前、不倫騒動で話題になった二人の有名人を覚えているだろうか。
一人は相手に金を払って多目的トイレで不倫をしていた売れっ子芸人。
もう一人は映画で共演した女優との不倫が原因で離婚した売れっ子俳優。
どちらも爽やかで知的なイメージで売り出していた為に、日本中から叩かれまくり大炎上した。記者会見を開いたものの火に油を注ぐ結果となりその後、芸能界から追い出された。たまに何かの番組に出演しているようだが、ローカルや深夜帯ばかりで大勢の人が見る時間帯の番組にはいまだに戻って来る気配はない。
芸人の方は多目的トイレで行為に及んでいた相手の他に複数の女と関係を持っていたらしい。「本気」ではなく「遊び」のつもりだったのだろう。
俳優の方は謝罪会見で「妻と不倫相手、好きなのはどちらか?」という酷な質問を記者に浴びせられ「お答えできません」と答えた。会見の冒頭で「妻を傷つけてしまうので答えられない事が多くなるかもしれない」と先に断りを入れていたようなので、この回答の真意もそういった所にあるのかもしれない。だが、本心を隠したこの回答は様々な憶測を呼んだ。
「不倫相手の方が好きだって事は分かった」
「妻ですって答えたらじゃあ何で不倫したの?ってなるもんね」
「どちらを答えてもマイナスだから明言を避けたんだろ」
結局のところ、この俳優の本心は分からない。しかし「不倫相手を本気で好きになってしまった」と捉えた人々の間でこんな論争が巻き起こった。
「相手を本気で好きになってしまった俳優と、相手に金を払って多目的トイレを使ったり複数の女と遊びで不倫していた芸人、どちらが許せないか?」
意見は真っ二つに分かれ、様々な意見や考えが駆け巡った。前の記事で「1122」というドラマを紹介したが、その中で「不倫相手を本気で愛している夫と性欲を満たす為だけに風俗通いしている妻、どちらが悪いか?」という問題で夫婦が大喧嘩をする場面があった。それを見た時、私はこの究極の二択問題を思い出した。そして、改めて自分ならどちらが許せないだろうか?と考えてみた。
また、俳優は離婚したのに対して芸人は離婚しなかった事も非常に考えさせられる結果だった。当時、私はなぜ芸人の妻は離婚を選ばなかったのだろうと不思議に思っていたのだが、今思うともしかしたら「恋愛感情の有無」が大きく関係しているのかもしれない。
二人の有名人に共通しているのは妻が妊娠、出産、育児中に不倫をした事である。世間的にも妻が妊娠中に不倫に走る夫が多いが、それは恐らく妻と性行為が出来ない事で性的なストレスを溜め込んでしまうからなのだろう。
彼らも例外ではない。他の女に本気になる事で鬱憤を晴らした俳優と、他の女を妻の代わりにする事で鬱憤を晴らした芸人。それぞれの妻はかなりの葛藤があったに違いない。
「俳優は本気になってしまったんだから罪深い。でも芸人は体だけだから割り切れば良い」という意見があったのだが、私の考えはこれに最も近い。
「どちらもクズだが、芸人は妻側の心身が妊娠や育児モードから回復すれば修復の余地あり。だが、俳優の方は心が妻から離れて不倫相手にいってしまったのであればもはや修復不可能、夫婦関係は破綻したも同然。離婚した方がお互いの為」という結論に達した。
とはいえ、自分の夫が芸人のように複数の女と関係を持ち、しかもその内の一人とは多目的トイレで短時間で事を済ませて金まで渡していたなどと知ったらあまりの気持ち悪さに憤り、夫の私物を全て引っ張り出して「今すぐこの家から出ろ!二度とその面見せんな!」と、ほうきで背中をぶっ叩いて追い出すかもしれない。
そう考えると、芸人の妻はよく関係修復を決意したなと思う。しかもその後、その芸人との間に第二子が誕生したというのだから驚きだ。器が大きいというべきか、はたまた夫の弱味を握って尻に敷こうとしていると考えるべきか……。
夫婦というのは実に複雑で不思議な関係である。
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