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変なやつ
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◆◇◆
「いらっしゃいませー!」
二人が飲みに行くという居酒屋の目の前のカフェで、俺はコーヒーを片手にぼーっと外を眺めていた。カフェは全面ガラスで見通しがよく、店内は静かでコーヒーの香りに満ちている。音楽も控えめにしか流されていないためか、居酒屋の店員の声が時折ここまで響き渡っていた。
俺が先にここで待機して、二人が居酒屋に入る前にメッセージを送ってもらうようになっている。そろそろ映画も終わり、ゆっくり移動したとしてもここへ着く時間だろう。俺は「くあー」とあくびをかみ殺した。
昨日の夜は寝つきが悪く、眠りも酷く浅かった。起きてからもうつらうつらし続けてしまっていて、今日が土曜日で休みであるのをいいことに、昼もほぼ寝て過ごしている。それでもまだ、なんとなくぼんやりしていて、気を抜くと眠り込んでしまいそうだった。
ちゃんと情報収集するためにも、しっかり眠気をさまそうと思ってカフェに来たのに、コーヒーのカフェインも負けてしまうほどに眠気が強い。どうしても注意力が散漫になってしまい、焦って何度もおかわりをしてしまった。
このままでは、メッセージが届いても気が付かないかも知れないと思い、スマホを確認してみると、案の定すでに到着のメッセージは届いていた。
『着きました』
『具合が悪そうですけれど大丈夫ですか?』
『後日にしますか?』
颯紀くんから何度もメッセージが届いていた。俺は慌ててその場から荷物を拾い上げ、急いで居酒屋へと走った。
——こんな状態で、大丈夫だろうか……。
俺は、生まれて初めて調和させることに対して恐怖を感じていた。これまで、このことに関しては一度も失敗したことがない。だから、失敗したらどうなるのかを全く知らない。颯紀くんを悲しませるようなことはしたくない。だからこそ、事前の準備をしてきたはずだ。
——落ち着け。大丈夫。いつもよりしっかり準備してるはずだから。
そう自分に言い聞かせながら、店の入り口付近に立ち止まり、深呼吸をした。ここは死角になる。ゆっくり呼吸を整えるために、何度も何度も肺の奥まで空気を巡らせた。
そして、目の前を通り過ぎていく男女のカップルの間に存在するオーラを見つめた。その二人は、色の違いが少なかった。長い付き合いで価値観が似てきた場合にこんなふうになることが多い。音のズレも少ない。今この二人には、特に不穏なものが存在しないのだろう。うまくいっている両思いのカップルだということがわかる。
——よし、ちゃんと判断できてる。
能力がきちんとコントロールできていることを確認すると、胸に手を当ててもう一度だけ深く息を吸った。そしてそれをゆっくりと吐き出すと、「うし、いくぞ!」と拳を握りしめ、店へと入っていった。
「いらっしゃいませ。一名様でよろしいですか? ご予約は?」
店員さんが明るく迎え入れてくれて、俺は一人で予約していることを伝えた。温かい笑顔の店員さんは、俺を店内へと迎え入れると、用意された場所へと案内していく。
「お飲み物は生ビールで伺っておりますけど、お間違い無いですか?」
「はい、お願いします」
椅子を引いて座り直しながらそう答えると、店員さんは「承知いたしました」と笑顔でバックヤードへと戻っていった。
俺は手を拭くふりをしながら店内を見渡し、すぐそこに颯紀くんがいるのを見つけた。快斗くんがちょうど席を立っているようで、手持ち無沙汰にしていたのだろう。バッチリ目が合ってしまい、視線を逸らす方が不自然な状態になってしまった。
仕方がないね、と言わんばかりにふふっと笑う颯紀くんはとても可愛らしくて、思わず俺も釣られて笑ってしまった。そして、ちょっとした知り合いが偶然合ったように首を傾げるような会釈をし、颯紀くんもそれに合わせてくれる。そのやり取りに、俺の胸の中はほんのりと温もりを帯びていった。
「お待たせ。なんか混んでた。具合悪い人がいたみたいでさ」
俺の背後から颯紀くんへ声をかけながら、快斗くんが戻ってきた。写真で見た通り、背が高くて明るく長めの茶髪、白い肌、そして何よりも目立つのは、金色の目。まるでライオンのようだ。彼の目が金色なのは、理由がよくわからないらしく、昔はそれが原因でよくいじめられていたらしい。ただ、颯紀くんはその金色の目がとても好きなのだと言っていた。
「さっき、何話してたんだっけ?」
「あ、えーっと、次の旅行どこに行くかって話……」
「おーそうだった。連休じゃないタイミングで行くのって久しぶりだよな。一泊で行くならもう観光とかじゃなくてゆっくりしに行く感じでいいよな?」
「うん。そうじゃないと俺多分倒れる。旅行の二日前に締め切りの案件があるから」
「ダメじゃん」と言いながら快斗くんが笑い始めた時、二人のオーラに変化が現れた。俺は思わずそれを凝視した。それまで、二人のオーラは、ほぼガッチリ同期していた。それがほんのわずかにズレていった。不自然なほどにカチッとズレたように見えた。
——なんだ、今の。
あんな風にオーラがズレるのは、初めて見た。というより、その逆パターンなら見慣れている。あの、ダイヤルを回すようにカチッとスライドするような現象は、俺が調和させる時に意図的に起こすものだ。そういう時にしか見たことが無かった。
それが不調和を起こすようにズレていった。こんなことは、今まで一度も無かった。ずっと付き纏っているぼんやりとした不安感が、ここで一気に存在感を増した。このままだと、俺のせいでこの話はうまくまとまらなくなるかも知れない。
その責任の重さを実感してしまい、途端に恐怖に飲まれてしまった。
『ごめん。今日ダメかも。どうしても調和させられない』
こんな不可解なことが起きている状態で告白なんてさせてしまったら、もしかしたら、友人に戻ることも出来ないような酷い振られ方を経験させてしまうかも知れない。何をどうしたらいいのかは全くわからないけれど、とにかく一旦仕切り直して貰うしか無かった。
『わかりました。残念ですけど、また日程調整して連絡しますね』
颯紀くんは、快斗くんと話しながら自然にメッセージを返してきてくれた。ふと見ると、また二人のオーラは調和し始めていた。調和して、時折光度を増す。それはつまり、二人が一緒にいて幸せだと強く感じている証拠だった。
——どうしよう。大丈夫そうだよって伝えた方がいいのかな。
今の状態なら、おそらく颯紀くんが告白すれば、俺の介入などなくても二人はうまく行くだろう。ただ、さっきの現象がまた起きないとも限らない。
——俺はここで傷つく颯紀くんを見たくないんだけれどな。
進めるべきなのか中断すべきなのかを迷い始めていると、ふとオーラに変化が起きるのを感じた。何とは無しに顔を上げて見てみると、そこには信じられない光景が広がっていた。
「えっ?」
俺は思わず声を上げて立ち上がってしまった。ガタン! と椅子を倒して立ち上がってしまったため、颯紀くんと快斗くんが思いっきりこちらを見てしまった。
——マズい。これじゃあ他人のフリをするのは不自然だ。
俺は仕方なく、颯紀くんに話しかけようとした。その俺よりわずかに早く、颯紀くんが俺に声をかけてくれた。
「あれ? 公音さん。こんばんは。どうかしたんですか? でっかい声で」
「あ、さ、颯紀くん。こ、こんばんは。あの……ごめんね、大声出して。ちょっと急に思い出したことがあって……。あ、みなさんすみません。なんでもありませんので」
俺は不思議そうにこちらを見ている周囲のお客さんたちにも頭を下げた。そして、近くにいた店員さんにも大きな音を立てたことを詫びた。
一人で来た客が、一人で騒いでいるなんて考えるだけでも恥ずかしい。一刻も早くこの場を去りたいと思い、俺は急いで頼んだものを食べようとした。
「いらっしゃいませー!」
二人が飲みに行くという居酒屋の目の前のカフェで、俺はコーヒーを片手にぼーっと外を眺めていた。カフェは全面ガラスで見通しがよく、店内は静かでコーヒーの香りに満ちている。音楽も控えめにしか流されていないためか、居酒屋の店員の声が時折ここまで響き渡っていた。
俺が先にここで待機して、二人が居酒屋に入る前にメッセージを送ってもらうようになっている。そろそろ映画も終わり、ゆっくり移動したとしてもここへ着く時間だろう。俺は「くあー」とあくびをかみ殺した。
昨日の夜は寝つきが悪く、眠りも酷く浅かった。起きてからもうつらうつらし続けてしまっていて、今日が土曜日で休みであるのをいいことに、昼もほぼ寝て過ごしている。それでもまだ、なんとなくぼんやりしていて、気を抜くと眠り込んでしまいそうだった。
ちゃんと情報収集するためにも、しっかり眠気をさまそうと思ってカフェに来たのに、コーヒーのカフェインも負けてしまうほどに眠気が強い。どうしても注意力が散漫になってしまい、焦って何度もおかわりをしてしまった。
このままでは、メッセージが届いても気が付かないかも知れないと思い、スマホを確認してみると、案の定すでに到着のメッセージは届いていた。
『着きました』
『具合が悪そうですけれど大丈夫ですか?』
『後日にしますか?』
颯紀くんから何度もメッセージが届いていた。俺は慌ててその場から荷物を拾い上げ、急いで居酒屋へと走った。
——こんな状態で、大丈夫だろうか……。
俺は、生まれて初めて調和させることに対して恐怖を感じていた。これまで、このことに関しては一度も失敗したことがない。だから、失敗したらどうなるのかを全く知らない。颯紀くんを悲しませるようなことはしたくない。だからこそ、事前の準備をしてきたはずだ。
——落ち着け。大丈夫。いつもよりしっかり準備してるはずだから。
そう自分に言い聞かせながら、店の入り口付近に立ち止まり、深呼吸をした。ここは死角になる。ゆっくり呼吸を整えるために、何度も何度も肺の奥まで空気を巡らせた。
そして、目の前を通り過ぎていく男女のカップルの間に存在するオーラを見つめた。その二人は、色の違いが少なかった。長い付き合いで価値観が似てきた場合にこんなふうになることが多い。音のズレも少ない。今この二人には、特に不穏なものが存在しないのだろう。うまくいっている両思いのカップルだということがわかる。
——よし、ちゃんと判断できてる。
能力がきちんとコントロールできていることを確認すると、胸に手を当ててもう一度だけ深く息を吸った。そしてそれをゆっくりと吐き出すと、「うし、いくぞ!」と拳を握りしめ、店へと入っていった。
「いらっしゃいませ。一名様でよろしいですか? ご予約は?」
店員さんが明るく迎え入れてくれて、俺は一人で予約していることを伝えた。温かい笑顔の店員さんは、俺を店内へと迎え入れると、用意された場所へと案内していく。
「お飲み物は生ビールで伺っておりますけど、お間違い無いですか?」
「はい、お願いします」
椅子を引いて座り直しながらそう答えると、店員さんは「承知いたしました」と笑顔でバックヤードへと戻っていった。
俺は手を拭くふりをしながら店内を見渡し、すぐそこに颯紀くんがいるのを見つけた。快斗くんがちょうど席を立っているようで、手持ち無沙汰にしていたのだろう。バッチリ目が合ってしまい、視線を逸らす方が不自然な状態になってしまった。
仕方がないね、と言わんばかりにふふっと笑う颯紀くんはとても可愛らしくて、思わず俺も釣られて笑ってしまった。そして、ちょっとした知り合いが偶然合ったように首を傾げるような会釈をし、颯紀くんもそれに合わせてくれる。そのやり取りに、俺の胸の中はほんのりと温もりを帯びていった。
「お待たせ。なんか混んでた。具合悪い人がいたみたいでさ」
俺の背後から颯紀くんへ声をかけながら、快斗くんが戻ってきた。写真で見た通り、背が高くて明るく長めの茶髪、白い肌、そして何よりも目立つのは、金色の目。まるでライオンのようだ。彼の目が金色なのは、理由がよくわからないらしく、昔はそれが原因でよくいじめられていたらしい。ただ、颯紀くんはその金色の目がとても好きなのだと言っていた。
「さっき、何話してたんだっけ?」
「あ、えーっと、次の旅行どこに行くかって話……」
「おーそうだった。連休じゃないタイミングで行くのって久しぶりだよな。一泊で行くならもう観光とかじゃなくてゆっくりしに行く感じでいいよな?」
「うん。そうじゃないと俺多分倒れる。旅行の二日前に締め切りの案件があるから」
「ダメじゃん」と言いながら快斗くんが笑い始めた時、二人のオーラに変化が現れた。俺は思わずそれを凝視した。それまで、二人のオーラは、ほぼガッチリ同期していた。それがほんのわずかにズレていった。不自然なほどにカチッとズレたように見えた。
——なんだ、今の。
あんな風にオーラがズレるのは、初めて見た。というより、その逆パターンなら見慣れている。あの、ダイヤルを回すようにカチッとスライドするような現象は、俺が調和させる時に意図的に起こすものだ。そういう時にしか見たことが無かった。
それが不調和を起こすようにズレていった。こんなことは、今まで一度も無かった。ずっと付き纏っているぼんやりとした不安感が、ここで一気に存在感を増した。このままだと、俺のせいでこの話はうまくまとまらなくなるかも知れない。
その責任の重さを実感してしまい、途端に恐怖に飲まれてしまった。
『ごめん。今日ダメかも。どうしても調和させられない』
こんな不可解なことが起きている状態で告白なんてさせてしまったら、もしかしたら、友人に戻ることも出来ないような酷い振られ方を経験させてしまうかも知れない。何をどうしたらいいのかは全くわからないけれど、とにかく一旦仕切り直して貰うしか無かった。
『わかりました。残念ですけど、また日程調整して連絡しますね』
颯紀くんは、快斗くんと話しながら自然にメッセージを返してきてくれた。ふと見ると、また二人のオーラは調和し始めていた。調和して、時折光度を増す。それはつまり、二人が一緒にいて幸せだと強く感じている証拠だった。
——どうしよう。大丈夫そうだよって伝えた方がいいのかな。
今の状態なら、おそらく颯紀くんが告白すれば、俺の介入などなくても二人はうまく行くだろう。ただ、さっきの現象がまた起きないとも限らない。
——俺はここで傷つく颯紀くんを見たくないんだけれどな。
進めるべきなのか中断すべきなのかを迷い始めていると、ふとオーラに変化が起きるのを感じた。何とは無しに顔を上げて見てみると、そこには信じられない光景が広がっていた。
「えっ?」
俺は思わず声を上げて立ち上がってしまった。ガタン! と椅子を倒して立ち上がってしまったため、颯紀くんと快斗くんが思いっきりこちらを見てしまった。
——マズい。これじゃあ他人のフリをするのは不自然だ。
俺は仕方なく、颯紀くんに話しかけようとした。その俺よりわずかに早く、颯紀くんが俺に声をかけてくれた。
「あれ? 公音さん。こんばんは。どうかしたんですか? でっかい声で」
「あ、さ、颯紀くん。こ、こんばんは。あの……ごめんね、大声出して。ちょっと急に思い出したことがあって……。あ、みなさんすみません。なんでもありませんので」
俺は不思議そうにこちらを見ている周囲のお客さんたちにも頭を下げた。そして、近くにいた店員さんにも大きな音を立てたことを詫びた。
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