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隙間埋まった?
しおりを挟む「思ったよりも重症だった?」
事後、寝落ちした翠の体を丁寧に拭く。
ゴミをまとめて捨てると、翠の枕を整えて体勢を楽になるように変える。
蒼「翠。楽になった?」
翠「(スースー…)」
蒼「はは、ぐっすりだな。良かった。チュッ💋」
俺は翠の髪を梳くと、サラサラと流れていく様を見ていた。
この髪に触れていると、酷く安心する。
それに、俺に髪を触られている時の翠の顔を見るのが好きだ。
翠の顔も、心から安心し切ったような表情になる。
蒼「さむ…布団かけておくか。風邪ひくといけないからな」
そう言って、ベッドサイドに落ちてしまった布団を引き上げようと翠から手を離した。
布団を引き上げていると、腰に翠が抱きついてきた。
そのままぎゅっと力を込められた。
蒼「翠? 布団かけないと風邪ひくから。ちょっとだけ手、離してくんない?」
翠「やだ。離したら置いて行くでしょ?」
蒼「……翠?」
俺は体を捻って、翠を見た。
目を閉じたまま、口を半開きにして眠っている。
くーくーと寝息を立てながら、俺の腰にはしがみついたままだ。
蒼「なに? 寝ぼけてんの?」
笑いながら翠の頭をポンポンと軽く叩くと、そのまま布団を引き上げた。そしてそれを翠にかける。
布団に体温が馴染みやすいように、布団ごと翠を抱きしめた。
すると、ポロポロと涙をこぼして泣き始めた。
翠「ごめんなさい。ごめんなさい」
蒼「翠……?」
震えながら泣く翠は、まるで小さな子供のようだった。
きっと、小さな頃の事を夢に見ているんだろう。
見え過ぎて、聞こえ過ぎて、感じ取りすぎてしまって、煙たがられたあの頃の事を。
蒼「大丈夫だよ。幸せになるからね」
俺は布団をめくって、中に入り込んだ。
そして、小さく丸まった翠の体に入り込むと、上から覆い被さってキスをした。
蒼「俺は、死んでもお前を離さないよ」
翠の目がうっすらと開いた。
多分、まだ眠っている。
半覚醒のまま、手を泳がせて俺を探していた。
翠「蒼……手、握って」
俺を探すその手が、迷子の子供のようだった。
そっと優しくその手を取ると、甲に唇を軽く触れた。
蒼「ここにいるよ。お前の隣は、いつも俺がいるからね」
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