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信じると言う強さ
信頼の生む力2
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——心の中がすごく凪いでる。口だけが動いてる。……すごい、すごい感じだ。
それに気がついた貴人様は、すぐに迦楼羅を呼んだ。
右目に飼う禍事を焼き払う鳥は、その美しい眼を飛び出して翼を広げた。貴人様は、迦楼羅が抜け出した方の目から、血のような赤いものを流したまま、迦楼羅へと命を出す。
「やれ、迦楼羅。ウルの体に染みついた呪いを焼き払え」
迦楼羅は、ウルの目の前で数回羽根をはためかせると、「ギイ!」と一声鳴いた。湖畔に立つホテルの一室が、まるで赤い絵の具を散らしたように真っ赤に染まっていく。その後、綾人諸共ウルの全身を、渦巻く炎で一気に包んでいった。
「……っ!」
身の毛もよだつほどの恐怖を肌で感じながらも、精神は冷静でいることが出来ていた綾人は、三度目にして初めて事態を冷静に観察することが出来た。
燃えているのは、体に染みついた呪いと、肌の表面だけのようだけであった。シュウシュウと黒い煙を上げ、何かが爆ぜて消えていく。その度にウルの体の表面に刻まれている傷が、一つずつなくなっていくのがわかった。
——焼かれて浄化されていく過程が目に見えてわかると、恐怖が少し和らぐ感じがする。
ただし、そうやって理解していると言うことは、集中も少し落ちている。ややぶり返す恐怖と、理解したい気持ちをうまくコントロールしながら経緯を見守っていた。
だんだんとウルの体表の傷は消えていき、傍目には無傷のように見えるようになった。そして、体の内側から立ち上っていた黒い煙も、いつの間にか白く変化していた。
——もう少しで終わる……?
気がつくと、炎の勢いも段々と衰えてきていた。仕事を終えたのか、迦楼羅はその場で翼をはためかせたまま、ふわふわと浮いていた。
「綾人、そろそろウルの胸に黒い塊が現れるはずだ。それを消滅させる必要があるのだが、俺にはそれが出来ない」
「え?」と目を見開いて綾人は驚いた。貴人様に出来ないことがある。では、どうするのだろうか。それが何なのかすら綾人には分からないが、消滅させる必要があるのであれば誰かがしないといけないはずだろうと訝しんだ。
「貴人様が出来ないのであれば、誰がやるんですか? さくら様ですか?」
貴人様以外で何かできる人など、さくら様以外に思いつかない。綾人はウルを横にさせて、さくら様を呼びに行こうと思っていた。すると、貴人様は思いもよらない言葉をかけてきた。
「いや、綾人。お前がやれ」
「え? 俺が?」
驚いた綾人が素っ頓狂な声を上げて貴人様を見た瞬間、窓の外にパーン! と音を立てて花火が打ち上がった。その音と光にまた驚きつつ窓の外を見ていると、その光の明滅に導かれて何かを思い出しそうになった。
——倒れた人、暗闇、爆発音、煌めき、はらはらと落ちていく光……
「その呪われし魂を身を以て、浄化せよ。さすればそのもの、精霊となりて人々を救わん」
いつかどこかでかけられたことのある言葉だ。悪いものはそのものが悪なのではなく、悪になるしかない状況下にいることがほとんどなのだと。だからといって生まれながらに善とも限らない。
結局全ては行いの結果であって、それから先にどうするかによって総合的な評価が決まるだけだと。だからお前はこれからは悪い奴だけを食っていけ。そうすることでその最終評価を覆すんだ、と。
「悪いことばっかりしてきたんだ。これから嫌と言うほど善行を積むのだ、そう教えたはずだぞ。やり方は、今の『桂綾人』になってからも伝えたはずだ。お前はどういう浄化の仕方が出来ると言ったか?」
そうだ、そういえば以前一度言われたことがある。最も強い浄化方法は「食うか、体に取りこめ」だった。食べるのは嫌だと言った覚えがある。今でも食べたくはない。では、体に取り込むしかないという事になる。
「体に取り込めってことですよね? それって、その黒い塊を、俺が体に押し付けて取り込めばいいんですか?」
「そうだ。やれるな?」
貴人様は綾人の目をじっと見ていた。いつもの穏やかな目ではなく、鋭く冷徹な光を宿していた。
——それは有無を言わせない目じゃないか。まあ、やらないといけない状況だろうしな。
以前と同じように、瀬川を救う決心をした。以前は結局貴人様が全て片付けて下さっていて、自分は何もしていないように感じていた。今回はしっかり勤めを果たそうと、腹を決めた。
「はい。やります」
ちょうど綾人がそう答えたタイミングで、ウルの胸の中心に黒く光り輝く宝石のようなものが浮かび上がってきた。体の中からズズズ……と音を立てながら、ゆっくりとその姿を表していく。
その全貌が明らかになったタイミングで、綾人はすぐにそれを手に取った。そして、貴人様に言われた通りに、自分の胸にグッと押し当てみた。
先端が皮膚に触れた時、チクリと小さな痛みが走った。どんなものなのか分からないものを体に取り込むと言う、得体の知れない恐怖が綾人の心を支配しそうになっていた。
——ウルをあんなに傷つけるほどの呪いを取り込んで、俺は無事でいられるんだろうか。
これから自分の身に何が起きるのか分からない。その恐怖が、その黒い石と共に体に侵入してくる。鼓動を支配されたかのように息がきれ、肩で息をするようになっていった。
それでもその物体を中へ中へと押し進める。進めば進むほど、動揺は大きくなる。体が汗でじっとりと濡れてしまった頃に、また般若心経が聞こえてきた。綾人は、ハッとして耳をそれに傾けた。
——そうだ。怖いときは、やるべきことを深く掘り下げて集中しろ!
綾人はこれからどうなるか分からないことに意識を向けるのをやめた。その代わりに押し込む手の力を加減したり、速度を気にしてみたり、体に変化が起きないかという今の状況にのみ集中した。
段々恐怖心が薄れていくのを感じた時、またあの青黒い無音の空間に入ることができた。そのまま黒い物体が体の中に入り切るまで集中し続けた。そして、全てが体に埋まり切った頃、綾人の全身がピカッと閃光に包まれた。
ちょうど、外にまたスターマインが打ち上がったタイミングだった。綾人の体の周りに、それと同じような薄い金色の光の粒がブワッと噴出した。
「うわっ! なんだこれ……すごい!」
それは、目の前で花火が上がったのではないかと錯覚するほどの衝撃だった。
弾け飛んだ光の粉は、ふわふわと宙を漂い、ゆっくりと下へ落ちていく。まるで大量の鱗粉を撒いたようで、その降下速度はとてつも無く遅かった。
その様はとてもキラキラとしていて美しく、綾人はぼんやりとそれを眺めていた。その鱗粉のようなものは、ゆっくりとウルの体に降り積もっていく。そしてそれは皮膚を通って体の中に入り込み、消えていった。
まるで毒をもって毒を制すと言う言葉を、そのまま体現したような現象だ。無毒化したウイルスを体に入れるワクチンのようでもある。綾人はその無毒化する行為をしたのが自分自身であることが、信じられなかった。
「これって……俺はさっきの黒い石みたいなのを浄化したってことですか?」
貴人様はそばで黙って見守っていた。綾人が行った行為を見て、感慨深げにしている。うっすら目に涙を溜めているようにすら見えた。
横になったままのウルを挟んで向かい合い、綾人をふわりと抱きしめた。何か思いが溢れているようで、微かに身を震わせているようだった。
「貴人様? どうされました? どこかお辛いですか?」
綾人が貴人様を気遣うと、貴人様は被りを振った。目に溜まっていた涙が、すっと下に流れ落ちた。その雫はウルの頬に落ち、床へと流れ落ちていった。
「綾人。俺のことを信じ抜いてくれたな。恐怖の克服が出来たのは、その証だ。俺はそれがとても嬉しい」
そう言って、力強く綾人を抱きしめた。綾人は貴人様のその言葉の意味がよく理解できなかった。それでも、貴人様が無事であればいいかと思い、貴人様を抱きしめ返した。この言葉の意味を深く理解するのは、随分後のことになる。
「綾人。これから先のいかなる時も、そうやって俺を信じ抜いてくれ。それが出来れば、必ず道は開ける」
「いいな?」と言いながら貴人様は綾人の目を見つめた。綾人は、迦楼羅の戻ったルビーのような目を見つめながら、こくりと頷いた。
窓の外には、連続花火が上がり続けていた。フラッシュのように連続して輝きつづける空を見上げながら、二人は長い口付けを交わした。罪が消え、天人へ近づきつつある綾人と貴人様が、共に天界で暮らすということが、だんだんと現実味を帯びてきつつある。
この時、その喜びに打ち震える貴人様の気持ちとは反して、左目からは悲しみの涙が流れ落ちていた。
それに気がついた貴人様は、すぐに迦楼羅を呼んだ。
右目に飼う禍事を焼き払う鳥は、その美しい眼を飛び出して翼を広げた。貴人様は、迦楼羅が抜け出した方の目から、血のような赤いものを流したまま、迦楼羅へと命を出す。
「やれ、迦楼羅。ウルの体に染みついた呪いを焼き払え」
迦楼羅は、ウルの目の前で数回羽根をはためかせると、「ギイ!」と一声鳴いた。湖畔に立つホテルの一室が、まるで赤い絵の具を散らしたように真っ赤に染まっていく。その後、綾人諸共ウルの全身を、渦巻く炎で一気に包んでいった。
「……っ!」
身の毛もよだつほどの恐怖を肌で感じながらも、精神は冷静でいることが出来ていた綾人は、三度目にして初めて事態を冷静に観察することが出来た。
燃えているのは、体に染みついた呪いと、肌の表面だけのようだけであった。シュウシュウと黒い煙を上げ、何かが爆ぜて消えていく。その度にウルの体の表面に刻まれている傷が、一つずつなくなっていくのがわかった。
——焼かれて浄化されていく過程が目に見えてわかると、恐怖が少し和らぐ感じがする。
ただし、そうやって理解していると言うことは、集中も少し落ちている。ややぶり返す恐怖と、理解したい気持ちをうまくコントロールしながら経緯を見守っていた。
だんだんとウルの体表の傷は消えていき、傍目には無傷のように見えるようになった。そして、体の内側から立ち上っていた黒い煙も、いつの間にか白く変化していた。
——もう少しで終わる……?
気がつくと、炎の勢いも段々と衰えてきていた。仕事を終えたのか、迦楼羅はその場で翼をはためかせたまま、ふわふわと浮いていた。
「綾人、そろそろウルの胸に黒い塊が現れるはずだ。それを消滅させる必要があるのだが、俺にはそれが出来ない」
「え?」と目を見開いて綾人は驚いた。貴人様に出来ないことがある。では、どうするのだろうか。それが何なのかすら綾人には分からないが、消滅させる必要があるのであれば誰かがしないといけないはずだろうと訝しんだ。
「貴人様が出来ないのであれば、誰がやるんですか? さくら様ですか?」
貴人様以外で何かできる人など、さくら様以外に思いつかない。綾人はウルを横にさせて、さくら様を呼びに行こうと思っていた。すると、貴人様は思いもよらない言葉をかけてきた。
「いや、綾人。お前がやれ」
「え? 俺が?」
驚いた綾人が素っ頓狂な声を上げて貴人様を見た瞬間、窓の外にパーン! と音を立てて花火が打ち上がった。その音と光にまた驚きつつ窓の外を見ていると、その光の明滅に導かれて何かを思い出しそうになった。
——倒れた人、暗闇、爆発音、煌めき、はらはらと落ちていく光……
「その呪われし魂を身を以て、浄化せよ。さすればそのもの、精霊となりて人々を救わん」
いつかどこかでかけられたことのある言葉だ。悪いものはそのものが悪なのではなく、悪になるしかない状況下にいることがほとんどなのだと。だからといって生まれながらに善とも限らない。
結局全ては行いの結果であって、それから先にどうするかによって総合的な評価が決まるだけだと。だからお前はこれからは悪い奴だけを食っていけ。そうすることでその最終評価を覆すんだ、と。
「悪いことばっかりしてきたんだ。これから嫌と言うほど善行を積むのだ、そう教えたはずだぞ。やり方は、今の『桂綾人』になってからも伝えたはずだ。お前はどういう浄化の仕方が出来ると言ったか?」
そうだ、そういえば以前一度言われたことがある。最も強い浄化方法は「食うか、体に取りこめ」だった。食べるのは嫌だと言った覚えがある。今でも食べたくはない。では、体に取り込むしかないという事になる。
「体に取り込めってことですよね? それって、その黒い塊を、俺が体に押し付けて取り込めばいいんですか?」
「そうだ。やれるな?」
貴人様は綾人の目をじっと見ていた。いつもの穏やかな目ではなく、鋭く冷徹な光を宿していた。
——それは有無を言わせない目じゃないか。まあ、やらないといけない状況だろうしな。
以前と同じように、瀬川を救う決心をした。以前は結局貴人様が全て片付けて下さっていて、自分は何もしていないように感じていた。今回はしっかり勤めを果たそうと、腹を決めた。
「はい。やります」
ちょうど綾人がそう答えたタイミングで、ウルの胸の中心に黒く光り輝く宝石のようなものが浮かび上がってきた。体の中からズズズ……と音を立てながら、ゆっくりとその姿を表していく。
その全貌が明らかになったタイミングで、綾人はすぐにそれを手に取った。そして、貴人様に言われた通りに、自分の胸にグッと押し当てみた。
先端が皮膚に触れた時、チクリと小さな痛みが走った。どんなものなのか分からないものを体に取り込むと言う、得体の知れない恐怖が綾人の心を支配しそうになっていた。
——ウルをあんなに傷つけるほどの呪いを取り込んで、俺は無事でいられるんだろうか。
これから自分の身に何が起きるのか分からない。その恐怖が、その黒い石と共に体に侵入してくる。鼓動を支配されたかのように息がきれ、肩で息をするようになっていった。
それでもその物体を中へ中へと押し進める。進めば進むほど、動揺は大きくなる。体が汗でじっとりと濡れてしまった頃に、また般若心経が聞こえてきた。綾人は、ハッとして耳をそれに傾けた。
——そうだ。怖いときは、やるべきことを深く掘り下げて集中しろ!
綾人はこれからどうなるか分からないことに意識を向けるのをやめた。その代わりに押し込む手の力を加減したり、速度を気にしてみたり、体に変化が起きないかという今の状況にのみ集中した。
段々恐怖心が薄れていくのを感じた時、またあの青黒い無音の空間に入ることができた。そのまま黒い物体が体の中に入り切るまで集中し続けた。そして、全てが体に埋まり切った頃、綾人の全身がピカッと閃光に包まれた。
ちょうど、外にまたスターマインが打ち上がったタイミングだった。綾人の体の周りに、それと同じような薄い金色の光の粒がブワッと噴出した。
「うわっ! なんだこれ……すごい!」
それは、目の前で花火が上がったのではないかと錯覚するほどの衝撃だった。
弾け飛んだ光の粉は、ふわふわと宙を漂い、ゆっくりと下へ落ちていく。まるで大量の鱗粉を撒いたようで、その降下速度はとてつも無く遅かった。
その様はとてもキラキラとしていて美しく、綾人はぼんやりとそれを眺めていた。その鱗粉のようなものは、ゆっくりとウルの体に降り積もっていく。そしてそれは皮膚を通って体の中に入り込み、消えていった。
まるで毒をもって毒を制すと言う言葉を、そのまま体現したような現象だ。無毒化したウイルスを体に入れるワクチンのようでもある。綾人はその無毒化する行為をしたのが自分自身であることが、信じられなかった。
「これって……俺はさっきの黒い石みたいなのを浄化したってことですか?」
貴人様はそばで黙って見守っていた。綾人が行った行為を見て、感慨深げにしている。うっすら目に涙を溜めているようにすら見えた。
横になったままのウルを挟んで向かい合い、綾人をふわりと抱きしめた。何か思いが溢れているようで、微かに身を震わせているようだった。
「貴人様? どうされました? どこかお辛いですか?」
綾人が貴人様を気遣うと、貴人様は被りを振った。目に溜まっていた涙が、すっと下に流れ落ちた。その雫はウルの頬に落ち、床へと流れ落ちていった。
「綾人。俺のことを信じ抜いてくれたな。恐怖の克服が出来たのは、その証だ。俺はそれがとても嬉しい」
そう言って、力強く綾人を抱きしめた。綾人は貴人様のその言葉の意味がよく理解できなかった。それでも、貴人様が無事であればいいかと思い、貴人様を抱きしめ返した。この言葉の意味を深く理解するのは、随分後のことになる。
「綾人。これから先のいかなる時も、そうやって俺を信じ抜いてくれ。それが出来れば、必ず道は開ける」
「いいな?」と言いながら貴人様は綾人の目を見つめた。綾人は、迦楼羅の戻ったルビーのような目を見つめながら、こくりと頷いた。
窓の外には、連続花火が上がり続けていた。フラッシュのように連続して輝きつづける空を見上げながら、二人は長い口付けを交わした。罪が消え、天人へ近づきつつある綾人と貴人様が、共に天界で暮らすということが、だんだんと現実味を帯びてきつつある。
この時、その喜びに打ち震える貴人様の気持ちとは反して、左目からは悲しみの涙が流れ落ちていた。
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