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指定大都市アクア8

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警備員さんから教えてもらった通り、教員室へと向かいアレンさんの担任に会う事が出来た。

担任は細めの女性で、オドオドした態度であった。こちらは王子殿下がいるから確かにそうせざる負えないのは分かるが...これは恐らく本質からのものだろう。オドオドを通り抜けてビクビクしてる。

「そ、その...アレンくんですが...本日は登校はしたのですが、先程体調が悪いと...下校してしまいました。」
「なんだって?!...入れ違いになってしまったか。」
「その、体調不良って熱とかですか?」
「なんといいますか、ちょっとアレンくんは......えっとですね。」
「言い難いんですか?」
「そうですね......少し、心が疲れているんです。」
「心が疲れてる?意味がわからないのだが。」
「「あー...。」」
「な、なんだ二人揃って!!私を除け者にするな!!」

分からないというのは、国民性なのかダニエル様ならではなのか...。
心が疲れている、だなんてワード俺と涼ちゃんがいた日本にはよく耳にするワードだし、学生であれば一学年に一人はいるタイプである。

「余り元気じゃないってことですよ。特にダニエル様は刺激しないようにしてくださいよ。」
「な、なんだと。」
「そうですよー。ダニエル様はアレンくんとあったら極力シーですよ?」
「...んぐっ!......わかった。」

涼ちゃんがダニエル様の目の前で人差し指を彼の唇にそっとあてがっていた。
それをモロに食らってしまった為に、唸っていた。首も顔も耳も林檎の如く真っ赤だ。
可愛いですもんねー彼女。



「それでどうしようか、一旦家に帰ってみる?」
「見た目がそもそも分からないですし、一旦お家で待ってみましょう。」
「確かにそうだ、ダニエル様よろしいですか?」
「致し方ないな。」

先生からはアレンくんまだは十歳の子どもということしか教えられていない。一応教材を入れる鞄を手提げているらしいが...。俺達がいた世界では彼の年齢だと義務教育だから今の時間は子どもは皆学校にいる。が、ここの世界は学校は行けたら行く程度らしい。だから来る途中もちらほらと彼と同じくらいの子を見た。大体がおうちのお手伝いをしているらしい。要は見分けがつかないとという事だな。

「それじゃぁ、出発しましょう!」
「あぁ。」
「わかった。」

ふと、彼宛ての手紙は誰からの物だったのかと気になった。
鞄から涼ちゃんから預かったアレンくん宛の手紙。それを取り出して見てみる。
...送り主の住所はレッドウォール。
ここは現在魔獣が多く確認出来る地域じゃなかっただろうか。地形が盆地になっている為瘴気が溜まりやすいからだとヨハンが言っていたのを覚えている。
今一番の激戦区と言うやつだ。
そんな場所からアレンくんへどんな便りが...。

「あ、あれって...。学生が持ってる鞄?じゃない?歳も十歳くらい?じゃないかな。男の子だし...。」

彼女が小声で目先にトボトボ歩く男の子を指さしていた。
背格好からして確かに先生が言っていた通りの子だが...。後ろ姿だし、何よりも全くアレンくんを知らない。本人かも分からない。いきなり声を掛けても良いものか。

「...あ!!!!」
「ん?」
「何を惚けているんだ!!行くぞ!!!」
「...って、誰だアレ!!!」

考えていたら二人が何か声を荒らげていた。
少年を見てみれば...明らかにボロボロの服を着ており顔全体を汚れた布で覆っている...明らかな不審者が少年の腕を掴んで無理やりその場から引っ張っていた。

「...これなら、話しかけても問題ないよな...!!」
「急げ!!!」
「そこの不審者!!!まちなさーーい!!!」
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