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作戦会議1
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俺に嫌がらせしている人物がアレンスさんであるという事がわかった。
ランドルフ達が言うには、彼女は学校内ではトップクラスの人物であるらしい。クラーラやディアナ曰くほぼ毎月開催されているご令嬢達が集うお茶会では常に注目の的であるのだとか。良くも悪くも、だ。
学校内でもトップ、お茶会でも注目の的。つまりは、彼女には様々な情報が集まりやすいのである。
どちらにせよ、様々なご令嬢ご子息が自分の元へとより多い人数が集い、情報が多く集まる事は社交界では一種のステータスらしい。
それを地で行っているアレンスさん。そうとうな努力を重ねてきたのだろう。元のアレンス家は、レンフレッドが言うには余りいい噂は聞かないらしいが、社交界においても政界においても重鎮らしく逆らう者はほぼいないらしい。だが、いくら重鎮と言えど、小さな家門が束となり反アレンス家として声を上げたならば瞬殺だろうとのこと。
だからこそ、俺としてはそうならないように現時点でもアレンス家のご令嬢として日々振る舞い、家を潰されないように手配をしているのは素直にすごいなと思うのだ。まだ俺と同じ十代なのに、尊敬すら感じる。俺はそんなお茶会なぞ参加した事ないし、そんな責任を背負った事が無いからだ。
だからといって、俺の事を傷つけて嘲笑う計画をしているのならばそれは また別の話であるが。
「大体の流れとしては、社交界にて彼女の評判を落とし、ついでに校内での評判も落とす。そして自然と一人にし、ランドルフ殿下から処罰について伝えられる、と言った形になるかな。」
「それだと、ランドルフの負担がでかくないか?」
「僕としては構いませんよ。痛くも痒くもありませんし。ただ……。」
「ただ?」
チラッとランドルフの緋色の瞳が俺の方を向いた。気まずそうな、申し訳なさそうなそんな気持ちが伝わってきた。
「僕が伝えるだけでいいのかと。一番被害にあっているのはアーサーですし。貴方がアレンス嬢に何か伝えたい事があるのなら、そちらを優先にするべきかと……そう思ってます。」
「あー……確かにな。それは俺も思うわ。仕返しじゃないけどよ、もうやめてくれって伝える位には良いんじゃねぇか?」
「え?ちゃんとランドルフが言った後にそれなりにお礼はするつもりだったぞ。」
「「え。」」
え。って、なんで何もしないと思ってんだか。流石に命の危険も感じたし、何なら学校でもあまり良い印象を持たせてくれなかったし、それなりにお返しをさせて頂こうと思っている。
俺の発言がそんなにも以外だったのか、大人の御二方残して他のみんなは唖然としている様子だ。
「あらら。アーサーもそう言った感情があるのね。いやでもそうか、先ほどのダンテ局長に対してやってやるって言ってたしね。」
「それも、そうか。普段のアーサーだとまずそんな選択をしない、と思い込んでいたな。すまない。そうだよな、やり返したいと思うのは当然だ。」
「う、うん!私もそう思う。だから、ちゃんとお手伝いするから。任せて。」
「だよな。ランドルフだけで終わらせるなんて、つまんねぇよな。任せとけ、やり切らせてやるから。」
「えぇ、サポートお任せ下さいね。」
先程の唖然とした態度とは一変し、皆一気に悪どい表情になってきた。
あぁ、特にランドルフとレンフレッドは顕著だ。
いやでもこの二人は俺に対しての前科があるのだ。期待しかない。あの時の様なジメジメとした嫌がらせを思いつくだろう。
……出来るのならば、アレンスさんとは話し合いで終わってくれることを、願っている。
ランドルフ達が言うには、彼女は学校内ではトップクラスの人物であるらしい。クラーラやディアナ曰くほぼ毎月開催されているご令嬢達が集うお茶会では常に注目の的であるのだとか。良くも悪くも、だ。
学校内でもトップ、お茶会でも注目の的。つまりは、彼女には様々な情報が集まりやすいのである。
どちらにせよ、様々なご令嬢ご子息が自分の元へとより多い人数が集い、情報が多く集まる事は社交界では一種のステータスらしい。
それを地で行っているアレンスさん。そうとうな努力を重ねてきたのだろう。元のアレンス家は、レンフレッドが言うには余りいい噂は聞かないらしいが、社交界においても政界においても重鎮らしく逆らう者はほぼいないらしい。だが、いくら重鎮と言えど、小さな家門が束となり反アレンス家として声を上げたならば瞬殺だろうとのこと。
だからこそ、俺としてはそうならないように現時点でもアレンス家のご令嬢として日々振る舞い、家を潰されないように手配をしているのは素直にすごいなと思うのだ。まだ俺と同じ十代なのに、尊敬すら感じる。俺はそんなお茶会なぞ参加した事ないし、そんな責任を背負った事が無いからだ。
だからといって、俺の事を傷つけて嘲笑う計画をしているのならばそれは また別の話であるが。
「大体の流れとしては、社交界にて彼女の評判を落とし、ついでに校内での評判も落とす。そして自然と一人にし、ランドルフ殿下から処罰について伝えられる、と言った形になるかな。」
「それだと、ランドルフの負担がでかくないか?」
「僕としては構いませんよ。痛くも痒くもありませんし。ただ……。」
「ただ?」
チラッとランドルフの緋色の瞳が俺の方を向いた。気まずそうな、申し訳なさそうなそんな気持ちが伝わってきた。
「僕が伝えるだけでいいのかと。一番被害にあっているのはアーサーですし。貴方がアレンス嬢に何か伝えたい事があるのなら、そちらを優先にするべきかと……そう思ってます。」
「あー……確かにな。それは俺も思うわ。仕返しじゃないけどよ、もうやめてくれって伝える位には良いんじゃねぇか?」
「え?ちゃんとランドルフが言った後にそれなりにお礼はするつもりだったぞ。」
「「え。」」
え。って、なんで何もしないと思ってんだか。流石に命の危険も感じたし、何なら学校でもあまり良い印象を持たせてくれなかったし、それなりにお返しをさせて頂こうと思っている。
俺の発言がそんなにも以外だったのか、大人の御二方残して他のみんなは唖然としている様子だ。
「あらら。アーサーもそう言った感情があるのね。いやでもそうか、先ほどのダンテ局長に対してやってやるって言ってたしね。」
「それも、そうか。普段のアーサーだとまずそんな選択をしない、と思い込んでいたな。すまない。そうだよな、やり返したいと思うのは当然だ。」
「う、うん!私もそう思う。だから、ちゃんとお手伝いするから。任せて。」
「だよな。ランドルフだけで終わらせるなんて、つまんねぇよな。任せとけ、やり切らせてやるから。」
「えぇ、サポートお任せ下さいね。」
先程の唖然とした態度とは一変し、皆一気に悪どい表情になってきた。
あぁ、特にランドルフとレンフレッドは顕著だ。
いやでもこの二人は俺に対しての前科があるのだ。期待しかない。あの時の様なジメジメとした嫌がらせを思いつくだろう。
……出来るのならば、アレンスさんとは話し合いで終わってくれることを、願っている。
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