人生やり直ししたと思ったらいじめっ子からの好感度が高くて困惑しています

作戦会議1

ランドルフに連れられて全員で彼の自室へと移動することになった。彼が何かしら声をかけない限り誰も部屋には入っては来れない為、秘密の話をするには十分だとか。

「研究所の方には午後から伺うと伝えたので、午前中は時間が許す限り話し合えますよ。」
「お心遣い感謝する。先程のアーサーの話によると、騎士団員を動かした者がいるとの事だが。それをどう探すか、が第一だと考えてる。皆はどう思う？」
「俺は同意だな。昨日居たやつが誰なのかさっぱりわかんねぇし、買収するなりなんなりして一先ず誰が雇ったのか把握する事の方が話は早いと思うわ。」
「僕も同意見ですね。流石にそれなりの人員がいますから、僕達家族も誰が誰なのか把握してません。」
「話は着いたわね。誰彼構わず聴き込むのではなく、ある程度の目安となる人物を絞りましょう。なるべくこう言ったことは最短で解決する方が得策だわ。」
「た、確かに。王宮で問題を起こすだなんて……今後の国運営とかに支障をきたす場合もある。特に貴族達は面倒。」

クラーラとディアナがそう面倒そうな顔をしながら言っていた。確かに面倒事は手短に済ます方が精神的には良いとするが…。またそういった事とは違う意味で面倒な事があるらしい。二人のその顔に全て書かれている気がした。

「一番怪しいとされるとしたら、僕達が昨日からここに来ると伝えられた騎士だろう。バルリング先生の時と、ランドルフ様の時の者だ。」
「と言っても先生に関しては申請書類のみだったか？…あーでも、受け取り先が受け取れていないことに関して詰める事が出来るか。」
「そうなるわ。ランドルフ様はどう思って？」
「その方向で良いと思います。二手に分かれましょうか。」
「どうだ、アーサー。」
「あぁ、俺は問題ねぇ。」

肝心なチームはというと。
俺、ディアナ、ランドルフ。
ニコラス、クラーラ、レンフレッドとなった。
案の定、レンフレッドが嫌そうな顔をしていた。だが、もしかしたら昨日遭遇した騎士っぽい人と逢うかもしれないという事でバラけようと説得したら、本当に渋々だったが頷いてくれた。ごめんよ。

「水面下で全て行うことにしましょう？もしも探っていると雇われた騎士達に感づかれでもしたら、もしかしたら休まれるなり消息不明になる可能性があるわ。」
「それもそうだな。……レンフレッド、わかってるな？」
「…分かってる、嫌な奴がいたら深呼吸する事を心掛けるさ。」
「約束な。」

昨日のレンフレッドのことを思い出す。
話を聞かずに間髪言わずに手を挙げていく其の姿。俺の事を思ってのことなのだろうが、あれだけは頂けない。

……前世での二人以外のいじめっ子と被ってしまうからだ。
きっと二人にはその事は伝えた方がいいのだろう。楽しい嬉しい事は案外忘れやすいが、恐怖等のマイナスな記憶はずっと残るものだ。
だからこそ好きな二人にはそのマイナスな記憶に彼等自信で上書きをして欲しくない。……やはり言う必要があるだろうな。落ち着いたら伝えてみよう。

「それじゃぁ行動を開始しよう。」