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会食2

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「とにかく、皆はちゃんと大切な友達なので大丈夫ですから。」
「…お前はそう思ってるだけかもしれないぞ。学校行かないでうちの研究室に居たらいい。」
「…何言ってるんですか!研究の前に基礎の勉学しなきゃ応用なんて出来ないですから!!何よりも、憧れの王立魔法学校に入ったんですから卒業させてください。」
「フム…真面目なんだな。」
「……困った人だな。」
「あぁ…それ、なんかいいな。」

掴まれていた両手がもっとぎゅっと力強く包み込まれ、互いの顔の距離が縮まる。本当にこの人は顔がいいな。顔の圧が強すぎて目が潰れそう。
長い睫毛が頬に当たりそう。


ジュンッ!!!!!

「「?!?!?!」」
「いい加減にしてくださいよ。僕の権限で辞職させることなぞ容易いことをお忘れですか?」
「ら、ランドルッ…フ。」

ダンテさんと自分の間に一瞬の赤い光線が貫いた。進行方向先の壁が黒く焼き焦げていたのだった。発射先は声主であるランドルフ第二王子で間違いないのだろう、俺達2人に向けて銃の形を模した手が向けていたのだ。銃口である人差し指から僅かに煙が観測できる。間違いない。

ランドルフが店主に小切手なる物を差し出していた。アフターサービスも抜かりない所は流石王族だと伺える。

「アーサーに当たると考えていないのか?」
「そんなヘマはしません。ダンテ局長ならば分かりませんがね。」
「おやおや王族とは過激で怖いものですね。アーサー、こんな血の気の多い奴らより大人な俺やヴォルフといた方が安全だぞ?」
「えっと…あの。」



「ハンバーガーセットのお客様?」
「あ、き、来た!」
「ほんとね、それは私たちよ。」
「おぉ、美味しそうだ。アーサー一口いるか?」
「え、良いのか!食べる!」
「ならそんな所じゃなくてこっちに来るといい。クラーラとディアナは違う味付けだからそれぞれ楽しめるぞ。」
「マジか、行く!」

この状況どうしたものかと困っていたが、ニコラス…いや神の一声が掛けられた。
女性陣二人も聖女の如く俺の方を向いて微笑んでくれており、それに飛びつかないわけがなかった。ディアナに誘導されるがまま、ニコラスとクラーラの間に腰を下ろした。後ろから三人分の舌打ちが聞こえたが聞かなかったことにする。

「アーサーは何を頼んだの?」
「俺は…海鮮ピザ。あまり家では食べれないからな。」
「確かにここは海から離れた内陸部だし、新鮮な海鮮は中々市場には出回らないよな。」
「基本的に干物とかばかりだしな。それも美味いけど。」

キャッキャウフフと変わらない四人のほんわかした雰囲気が溢れてきて、先程までのドキドキ感が掻き消されて落ち着く。
三人の味の違うハンバーガーを一口ずつ貰って俺自身も満足である。また個人的に来たいお店となった。

「美味しいなぁ…食べ物が美味しければなんでも良くなってくる。」
「ならば、魔法で作る調味料とか研究するのはどうだ?巷で流行っているみたいだぞ。」
「それはあれだろ、惚れ薬とかが主だろ?」
「ご令嬢が主にそれを作成しているみたいだが、純粋にスパイスを調合したもの流行ってるみたいだぞ。アーサーの魔力だと何ができるのか面白そうじゃないか?ポーション以外のも見てみたい。」
「確かに…私もそれは興味がありますね。調味料だけではなく騎士団が使用する攻撃魔法とかも見てみたい。」
「それは興味あるわね!」

「ほら、やっぱりお前に対しては友人としての興味じゃなくて研究対象としてどう生かせるかじゃねぇか!!」
「違うってば!!!延長戦に魔法の興味なんだってば!!」

最早タメ口になってしまうのは致し方ないと思うんだ。
俺に掴みかかるダンテさんを後ろからレンフレッドが押さえつけている。流石将来騎士団エース候補。ダンテさんの自由を完全に奪い取っている。
さてと、どうやって説得するか。
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