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聖域でのんびり暮らしたい
40 姫巫女はXデイを予告される。
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それは聖域に戻って二ヶ月ぐらい経った頃の事だった。
その時、私はすっかり王都での暮らしを忘れ、姫巫女生活と門前町でのお忍び歩きを満喫中。
うん、やっぱり私って貴族娘なんて似合わないわぁ。
などと思いながらも、可愛いヴァイスとの奉仕活動や、もふもふなくま蔵くん達との楽しい森のお散歩、フォルとの魔法修行で大好きな魔法の技術を磨いて、その合間に錬金術や薬草類の研究などもしつつ……。
「はあ、やっぱり聖域はいいなぁ。とっても落ち着くわ」
忙しくも充実した毎日の中、都会の匂いを振りまく美麗なお方がやって来た。
本日も素晴らしく麗しい公爵様は、フロックコート風の長い上着を白衣に見立て、ドレスシャツと細身のスラックスという出で立ちで私に会いに来たんだけれど。
曰く、私が公爵様にお願いしていた件の調査書を持参してきた、とのことだが。
「ええと……?」
私は彼の向かいに座りながら思わず首を傾げたが、すぐに何のことかを思い出した。
ああ、そうか。白い子供ことヴァイスのことね。そういえば、こんな特徴の子供が貴族にいませんかと、王都にも問い合わせていた気がする……。毎日が充実し過ぎてすっかりその事忘れていたけど。
彼の調査結果がやってきた、という事か。
ちなみに、私の横には王家の動きを警戒したフォル……大神官フォルセティも座ってる。と、いうことは、当然彼は補佐である神官アドラーも一緒に連れてて。
私は姫巫女の護衛であるもふもふ……じゃない森の仲間、サイズと威圧感的にうってつけということで、ブライトウルフのギンくんを呼び出している。きちんとお座りした姿はりりしくも可愛いのよ。
まあ、あれね。
王族だからって警戒心は緩めないぞ、みたいな感じ?
友人が折角来てくれたというのにこの陣容ですよ。偉い人って色々考えないといけなくて大変ね……。
そんなわけで、聖樹教のシンボルが織り込まれた緻密なタペストリーの掛かる、歴史を感じる重厚な貴賓室に招くと、公爵様ことアマデウス様がさっくりと用件を言い出した。
「これは姫巫女にお願いされていた調査書だ。まあ、ざっくりと言えば白き髪に赤い瞳という特徴を持つ貴族は、我が国には該当しない、という結果なんだけれど」
そう言ってローテーブルに置かれたのは、封蝋で留められた羊皮紙。
「そうですか。わざわざ調査結果を届けに来て頂いて有り難うございます。ではお帰りはあちらで」
いや、フォル。確かに公爵様は癖のある人ではあるけれども、わざわざ遠いところをやって来た人をにっこりと笑って追い返そうとするのはどうなの?
「いやだなぁ、大人げない。これはついでで、本題は別にあるのだけれど?」
そう言って、彼は別の紙束をベルトに通された小洒落たポーチ……推定マジックボックス……から取り出すと、ローテーブルに広げ、さまざまなデータを見せる。
人体の中央、胸部から臍に向けての魔力分布を示すそれは、個人の魔力的気配を現す時に描かれる魔力マップだ。
魂魄や呪いを専門に扱う彼だけあって、魔力の質を魔法的に解釈されたそのデータは、なかなかに興味深いものだった。
「ほう……」
思わず、フォルの後ろについたアドラーさんが感嘆を漏らすほど。
「これが王太子の呪いを受けてからの魔力。こちらが例の男爵令嬢のもの。で、これがうちの研究員のもので。見比べてみると、見事に悪魔的というか、個人の魔力を呪詛が浸食してるのが分かるだろう?」
魔方陣のように、緻密に描き出された魔力の構成。サンプルとして出された彼の研究所の所員のものと比べると、なるほどそれはおかしなデータを示していた。
「均一な数値を示す所員のデータと比べると、お二人のものは不均一というか、何かが混じっているような感じね……」
「そう。それが呪いだ」
彼は私の言葉にこくりと頷いて、すっと指先を羊皮紙から離した。
「で、これらの中で異物となっているもの……王太子の魅了の呪法の詳細を探るべく、世界樹の記憶領域を利用させて貰いたいんだ」
「ほう?」
フォルはすっと目を細める。
「世界樹には膨大な人類の歴史が刻まれている。しかも王樹のオーナーたる王太子に関しては、世界樹的に孫のような存在だろう? 祖母が孫を気に掛けるよう、健常であった時期の彼の記録があるのではないか、と思ってね。でも、素人が過去の記録に触れる事など出来る訳もないし。だから、世界樹の専門家である僕の姫を頼ったという訳だ」
真剣な顔で羊皮紙の束を見つめる彼のそれは研究者の顔だ。
彼は続ける。
「僕は、王太子の汚染前の個人的資質、彼の魔力的気配が知りたい。その差異を知る事で、別の角度からアプローチ出来るのではないかと思っている」
「つまりは、問題となっている魅了の呪いを取り除き、元の資質に近づける為の資料が欲しい、と」
「うん、そういう事だね」
フォルの言葉に、公爵様は鷹揚に頷いた。
「……相変わらず、天才の考えている事はよく分からないわ。樹のお母様をこうも気軽に扱おうとする人がいるとは。別に、王太子様のデータを取り出すくらいの手伝いはするけれど、研究はそちらでお願いね」
私はお手上げとばかりに肩を竦めた。
まさか、世界樹をデータベースのように使う人間が教会以外から出てくるとは思わなかったわ。
こんな罰当たりな事を考えた研究者なんて、歴史上初じゃないかしら。
呆れる私の横で、フォルは何やら考え事をしている。
公爵様は長い足を組み替え、ソファに背を預けながら私をじっと見つめる。
……期待しても、私は大して役に立てないわよ?
「とにかく、王家としても聖樹教としても、王太子殿下から当時の状況を話して貰わねばならない。魅了汚染の治療は今後とも進めなくてはならない課題だ。何せ本人の口からはっきりと姫巫女に無礼を詫びさせ臣に降る事を誓わせねばならない。彼に筋を通して貰わねば、示しがつかないからね。そこが最短で、僕の姫が自由を取り戻せる日になるだろう」
……つまり、聖樹教と王家の話し合いの日が、私にとっても王太子にとってもXデーであると。
王太子の罰としては……まあ、臣籍降下は相応なのかしらね。
王族が、それも王太子が降格するとなれば、相当な罰であると感じさせる事が出来るし。
それに、他国も今回の事で姫巫女や聖樹教に対し余計なちょっかいを考えていたようだけれど、目に見える形で手を出す事を躊躇う事になるんじゃないかしら。
「自由を取り戻せる、ね……。それって、どれくらいを想定しているの?」
「うーん、王太子の健常な状態を確認してから治療方法を選定し、彼の回復を待ってからだから、半年から一年後……すぐにとはいかないだろうと思っていたが、実は思わぬ進展があってね」
「それは、どういうこと?」
私が問えば、公爵様は困ったような顔をして、なぜかちらりとフォルを見る。
そうしたら、フォルから変なことをアウグスト様に持ちかけたのよね。
「……アウグスト殿。此度の件で彼女を守る為、私たちが協力する余地があると思いませんか」
真顔でそんな事を言うものだから、私は思わずフォルをぎょっとして見つめちゃったわよ。
これがまた、アウグスト様もたったそれだけの事で何か掴んだみたいに頷いてね。
「ふむ? 成る程……いいね」
テーブル越しに二人はがっしりと手を握り合ったわけ。
うわあ、エルフの中でもずば抜けて美しいフォルと、中性的で華やかな容姿の公爵様が笑顔を浮かべると目がくらみそうな程まばゆいんだけど……。
「……?」
しかし、いきなり手を握り合うなんて、今の短い会話で二人の間で難の取り決めがあったのよ?
私が疑問に傾げていると、男二人は何か示し合わせたようにうなずき合い、「ではのちほど詳細を」 と、口を噤んでしまう。
「え、私だけ蚊帳の外?」
ここまで教えておきながら仲間はずれはずるい、と私がムッとなると、何でか二人から優しい笑顔を向けられて。
「なに、大した事ではないからね」
「ええ、貴女が知るまでもない事です。万事上手くいきますとも」
と、それはそれは優しく、子供に言い聞かせるように言われたのだけれど。
むう、どういう事かしらね。
その時、私はすっかり王都での暮らしを忘れ、姫巫女生活と門前町でのお忍び歩きを満喫中。
うん、やっぱり私って貴族娘なんて似合わないわぁ。
などと思いながらも、可愛いヴァイスとの奉仕活動や、もふもふなくま蔵くん達との楽しい森のお散歩、フォルとの魔法修行で大好きな魔法の技術を磨いて、その合間に錬金術や薬草類の研究などもしつつ……。
「はあ、やっぱり聖域はいいなぁ。とっても落ち着くわ」
忙しくも充実した毎日の中、都会の匂いを振りまく美麗なお方がやって来た。
本日も素晴らしく麗しい公爵様は、フロックコート風の長い上着を白衣に見立て、ドレスシャツと細身のスラックスという出で立ちで私に会いに来たんだけれど。
曰く、私が公爵様にお願いしていた件の調査書を持参してきた、とのことだが。
「ええと……?」
私は彼の向かいに座りながら思わず首を傾げたが、すぐに何のことかを思い出した。
ああ、そうか。白い子供ことヴァイスのことね。そういえば、こんな特徴の子供が貴族にいませんかと、王都にも問い合わせていた気がする……。毎日が充実し過ぎてすっかりその事忘れていたけど。
彼の調査結果がやってきた、という事か。
ちなみに、私の横には王家の動きを警戒したフォル……大神官フォルセティも座ってる。と、いうことは、当然彼は補佐である神官アドラーも一緒に連れてて。
私は姫巫女の護衛であるもふもふ……じゃない森の仲間、サイズと威圧感的にうってつけということで、ブライトウルフのギンくんを呼び出している。きちんとお座りした姿はりりしくも可愛いのよ。
まあ、あれね。
王族だからって警戒心は緩めないぞ、みたいな感じ?
友人が折角来てくれたというのにこの陣容ですよ。偉い人って色々考えないといけなくて大変ね……。
そんなわけで、聖樹教のシンボルが織り込まれた緻密なタペストリーの掛かる、歴史を感じる重厚な貴賓室に招くと、公爵様ことアマデウス様がさっくりと用件を言い出した。
「これは姫巫女にお願いされていた調査書だ。まあ、ざっくりと言えば白き髪に赤い瞳という特徴を持つ貴族は、我が国には該当しない、という結果なんだけれど」
そう言ってローテーブルに置かれたのは、封蝋で留められた羊皮紙。
「そうですか。わざわざ調査結果を届けに来て頂いて有り難うございます。ではお帰りはあちらで」
いや、フォル。確かに公爵様は癖のある人ではあるけれども、わざわざ遠いところをやって来た人をにっこりと笑って追い返そうとするのはどうなの?
「いやだなぁ、大人げない。これはついでで、本題は別にあるのだけれど?」
そう言って、彼は別の紙束をベルトに通された小洒落たポーチ……推定マジックボックス……から取り出すと、ローテーブルに広げ、さまざまなデータを見せる。
人体の中央、胸部から臍に向けての魔力分布を示すそれは、個人の魔力的気配を現す時に描かれる魔力マップだ。
魂魄や呪いを専門に扱う彼だけあって、魔力の質を魔法的に解釈されたそのデータは、なかなかに興味深いものだった。
「ほう……」
思わず、フォルの後ろについたアドラーさんが感嘆を漏らすほど。
「これが王太子の呪いを受けてからの魔力。こちらが例の男爵令嬢のもの。で、これがうちの研究員のもので。見比べてみると、見事に悪魔的というか、個人の魔力を呪詛が浸食してるのが分かるだろう?」
魔方陣のように、緻密に描き出された魔力の構成。サンプルとして出された彼の研究所の所員のものと比べると、なるほどそれはおかしなデータを示していた。
「均一な数値を示す所員のデータと比べると、お二人のものは不均一というか、何かが混じっているような感じね……」
「そう。それが呪いだ」
彼は私の言葉にこくりと頷いて、すっと指先を羊皮紙から離した。
「で、これらの中で異物となっているもの……王太子の魅了の呪法の詳細を探るべく、世界樹の記憶領域を利用させて貰いたいんだ」
「ほう?」
フォルはすっと目を細める。
「世界樹には膨大な人類の歴史が刻まれている。しかも王樹のオーナーたる王太子に関しては、世界樹的に孫のような存在だろう? 祖母が孫を気に掛けるよう、健常であった時期の彼の記録があるのではないか、と思ってね。でも、素人が過去の記録に触れる事など出来る訳もないし。だから、世界樹の専門家である僕の姫を頼ったという訳だ」
真剣な顔で羊皮紙の束を見つめる彼のそれは研究者の顔だ。
彼は続ける。
「僕は、王太子の汚染前の個人的資質、彼の魔力的気配が知りたい。その差異を知る事で、別の角度からアプローチ出来るのではないかと思っている」
「つまりは、問題となっている魅了の呪いを取り除き、元の資質に近づける為の資料が欲しい、と」
「うん、そういう事だね」
フォルの言葉に、公爵様は鷹揚に頷いた。
「……相変わらず、天才の考えている事はよく分からないわ。樹のお母様をこうも気軽に扱おうとする人がいるとは。別に、王太子様のデータを取り出すくらいの手伝いはするけれど、研究はそちらでお願いね」
私はお手上げとばかりに肩を竦めた。
まさか、世界樹をデータベースのように使う人間が教会以外から出てくるとは思わなかったわ。
こんな罰当たりな事を考えた研究者なんて、歴史上初じゃないかしら。
呆れる私の横で、フォルは何やら考え事をしている。
公爵様は長い足を組み替え、ソファに背を預けながら私をじっと見つめる。
……期待しても、私は大して役に立てないわよ?
「とにかく、王家としても聖樹教としても、王太子殿下から当時の状況を話して貰わねばならない。魅了汚染の治療は今後とも進めなくてはならない課題だ。何せ本人の口からはっきりと姫巫女に無礼を詫びさせ臣に降る事を誓わせねばならない。彼に筋を通して貰わねば、示しがつかないからね。そこが最短で、僕の姫が自由を取り戻せる日になるだろう」
……つまり、聖樹教と王家の話し合いの日が、私にとっても王太子にとってもXデーであると。
王太子の罰としては……まあ、臣籍降下は相応なのかしらね。
王族が、それも王太子が降格するとなれば、相当な罰であると感じさせる事が出来るし。
それに、他国も今回の事で姫巫女や聖樹教に対し余計なちょっかいを考えていたようだけれど、目に見える形で手を出す事を躊躇う事になるんじゃないかしら。
「自由を取り戻せる、ね……。それって、どれくらいを想定しているの?」
「うーん、王太子の健常な状態を確認してから治療方法を選定し、彼の回復を待ってからだから、半年から一年後……すぐにとはいかないだろうと思っていたが、実は思わぬ進展があってね」
「それは、どういうこと?」
私が問えば、公爵様は困ったような顔をして、なぜかちらりとフォルを見る。
そうしたら、フォルから変なことをアウグスト様に持ちかけたのよね。
「……アウグスト殿。此度の件で彼女を守る為、私たちが協力する余地があると思いませんか」
真顔でそんな事を言うものだから、私は思わずフォルをぎょっとして見つめちゃったわよ。
これがまた、アウグスト様もたったそれだけの事で何か掴んだみたいに頷いてね。
「ふむ? 成る程……いいね」
テーブル越しに二人はがっしりと手を握り合ったわけ。
うわあ、エルフの中でもずば抜けて美しいフォルと、中性的で華やかな容姿の公爵様が笑顔を浮かべると目がくらみそうな程まばゆいんだけど……。
「……?」
しかし、いきなり手を握り合うなんて、今の短い会話で二人の間で難の取り決めがあったのよ?
私が疑問に傾げていると、男二人は何か示し合わせたようにうなずき合い、「ではのちほど詳細を」 と、口を噤んでしまう。
「え、私だけ蚊帳の外?」
ここまで教えておきながら仲間はずれはずるい、と私がムッとなると、何でか二人から優しい笑顔を向けられて。
「なに、大した事ではないからね」
「ええ、貴女が知るまでもない事です。万事上手くいきますとも」
と、それはそれは優しく、子供に言い聞かせるように言われたのだけれど。
むう、どういう事かしらね。
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