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婚約破棄されました。
設定資料:乙女ゲーム「ととのを」と悪役令嬢。「公式が病気」
しおりを挟む修正が間に合わず設定部分を別項に分けています。修正が適当で済みません。読み飛ばし可です。
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VRMMORPG「ヒーローズVSヴィランズ」 のスピンオフ、英雄達の少年時代、一夏の甘酸っぱい恋を描いた乙女ゲーである「ととのを」。
男爵令嬢が恋する相手は、一応彼女の身の丈に合った相手で。一人だけいる王子だって身体が弱いため、いつかは臣籍降下し外に出されるとされた、気楽な三男の身である。
そんな現実的なゲーム設定だからこそ、王太子ルートなんていうものは、当然ありません。
思い当たるのは、エイプリルフール企画として、一日限定であった、悪役令嬢婚約破棄ものだ。
二十一世紀前半に、乙女系ラノベやWeb小説の界隈で親しまれた設定を、わかりやすくネタとして遊ぶ為か運営側がストーリーとして利用し、ショートストーリーとして遊ばせてくれたのがその、一日限定企画で。
突然生えてきた、王太子殿下とヒロインとの幼なじみ設定!
唐突に現れた赤髪の美形な高位貴族令嬢が、ヒロインを虐める悪役に!
話の終わりには、王妃の主催する茶会に突入しての婚約破棄!?
何もかもが唐突過ぎ、破天荒過ぎて「ええ……何だこれ」 「公式が病気」 と、プレイヤーの皆が目を点にして一日限定の荒唐無稽なお祭りを楽しんだものだった。
だって、ヒロインの聖樹の守り役である姫巫女設定なんて、本当に突然生えてきたんだよ? まあ、元のVRMMORPGには、そのあたりの裏話もきっちりグランドクエストで絡んでくるんで、元ネタの方を遊んでいる人なら、諸々と設備も整ったホームグラウンドとして機能していた聖域を、散々探索しているだろうし、世界樹周りの設定は知っているだろうけれど。
しかし、乙女ゲーではいきなりの事だ。田舎領主の娘が牧歌的な背景で美少年らとらぶらぶする話が……突然、ヒロインに偉い巫女さん設定。
乙女ゲープレイヤーが動揺しない筈もなく。
慌てて、有志らの作った攻略Wikiには、VRMMORPGプレイヤーが国教の説明ページや聖樹教と国の関わり、モンスターの跋扈する魑魅魍魎ダークファンタジーなゲーム背景などもろもろを追加して説明に当たり、ライトゲーマーな乙女ゲープレイヤー達はそ
れでも分からないからって「聖樹?」 「姫巫女?」 「ていうか悪役令嬢って」 と、とかくざわついていたものだったわ。
……何せその日のツイッターのトレンドに乗ったものね、姫巫女と悪役令嬢。
だって、ゲーム本編は、ごくごく普通の乙女ゲーだから、殆ど攻略対象とヒロインの一対一の会話で進むわけで、悪役なんてものはついぞ出てきた事なかったのよ……。
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