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四章 冷たい部屋からの救出
十七話 繋がる線と、繋がる糸と
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家に帰り着いても、伊都はまだ夢見心地だった。
(白銀さんと、手を繋いでしまった……)
荷物を置き、手洗いうがいを済ませると部屋着に着替えて、ノートパソコンを本棚から引っ張り出す。
この流れは、最近ついた癖のようなものだ。
毎日数分でもいい、パソコンを触る癖を付けること。先生である白銀の言いつけを守って、伊都はこの動作を毎日律儀に続けている。
こたつ布団を片づけただけのテーブルにそれを置いて、お気に入りのクッションの上に落ち着く。
思わずじっと、伊都は彼のぬくもりが残る片手を見つめてしまった。知らず頬が緩む。
ふわふわした気持ちで、テーブルに置いた無機質な機械を見て、はっと思い付く。
(ああそうだ、ブログ、初めてみよう)
社長に祭りの広報を押し付けられた際、友人から手編み小物の代金だと半ば押し付けられた、中古にしては随分と真新しいような気がする一五インチノートパソコンを立ち上げ、ぽちぽちとパスワードを打ち込む。
デスクトップはすぐに表示され、伊都はマウスをぎこちなく動かしブラウザーのアイコンにマウスポインタを当ててクリックすると、検索サイトへ繋いだ。
何を聞いても「ググれ」 としか言わない不親切な友人のせいで、白銀と出会ってすぐの初冬から夏に掛けてひたすら検索ワードを打ち込んできたせいか、検索だけは得意な伊都だ。
「ええと……とりあえずブログで検索」
ずらずらと情報が並んで悲鳴を上げそうになったが、半年検索してきた伊都はめげない。
「追加で初心者、いえ入門? ビギナー向け講座……あ、あった」
幾つか検索ワードを組みあわせ、そこで見つけた、懇切丁寧な解説を載せたページを開く。画像付きで登録方法から解説してあり、大変にありがたい。
「へえ、無料のサービスも一杯あるのね。メールアドレスがあればいいのなら、私でも作れるかしら。スマホのアドレスでも大丈夫かな……」
しばし画面をスクロールしながら記事を読む。
「最低限、文章を書けばいいと。ランキングサイト? アフィリエイト? などに興味がないなら、html? の知識もそれほどいらないのね。それは助かるわ」
どのキーワードも曖昧だが、とにかくワープロを打つ程度の能力があれば問題ないらしい。それなら出来る。うんうん、と頷きながら目次を再び見返して。
「はあ……本当、こういう解説講座を設けてくれている方には頭が下がるわ」
詳しい図説があれば、流石の機械オンチな伊都も迷わない。
(白銀さんと、手を繋いでしまった……)
荷物を置き、手洗いうがいを済ませると部屋着に着替えて、ノートパソコンを本棚から引っ張り出す。
この流れは、最近ついた癖のようなものだ。
毎日数分でもいい、パソコンを触る癖を付けること。先生である白銀の言いつけを守って、伊都はこの動作を毎日律儀に続けている。
こたつ布団を片づけただけのテーブルにそれを置いて、お気に入りのクッションの上に落ち着く。
思わずじっと、伊都は彼のぬくもりが残る片手を見つめてしまった。知らず頬が緩む。
ふわふわした気持ちで、テーブルに置いた無機質な機械を見て、はっと思い付く。
(ああそうだ、ブログ、初めてみよう)
社長に祭りの広報を押し付けられた際、友人から手編み小物の代金だと半ば押し付けられた、中古にしては随分と真新しいような気がする一五インチノートパソコンを立ち上げ、ぽちぽちとパスワードを打ち込む。
デスクトップはすぐに表示され、伊都はマウスをぎこちなく動かしブラウザーのアイコンにマウスポインタを当ててクリックすると、検索サイトへ繋いだ。
何を聞いても「ググれ」 としか言わない不親切な友人のせいで、白銀と出会ってすぐの初冬から夏に掛けてひたすら検索ワードを打ち込んできたせいか、検索だけは得意な伊都だ。
「ええと……とりあえずブログで検索」
ずらずらと情報が並んで悲鳴を上げそうになったが、半年検索してきた伊都はめげない。
「追加で初心者、いえ入門? ビギナー向け講座……あ、あった」
幾つか検索ワードを組みあわせ、そこで見つけた、懇切丁寧な解説を載せたページを開く。画像付きで登録方法から解説してあり、大変にありがたい。
「へえ、無料のサービスも一杯あるのね。メールアドレスがあればいいのなら、私でも作れるかしら。スマホのアドレスでも大丈夫かな……」
しばし画面をスクロールしながら記事を読む。
「最低限、文章を書けばいいと。ランキングサイト? アフィリエイト? などに興味がないなら、html? の知識もそれほどいらないのね。それは助かるわ」
どのキーワードも曖昧だが、とにかくワープロを打つ程度の能力があれば問題ないらしい。それなら出来る。うんうん、と頷きながら目次を再び見返して。
「はあ……本当、こういう解説講座を設けてくれている方には頭が下がるわ」
詳しい図説があれば、流石の機械オンチな伊都も迷わない。
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