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外の世界へ
第61話 魔道具店
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「これはナオ殿!!それに他の皆さんも一緒で……大変お見苦しいところを見せてしまいましたな」
「いえ、気にしないでください。それよりもさっきの人、大丈夫なんですか?」
「ははは、冒険者に絡まれるのは日常茶飯事ですよ」
「爺さん!!さっきの格好良かったな!!あんなデカブツ相手によくやり返せたな!!」
「いえいえ、こちらもいっぱいいっぱいでしたよ」
ドルトンが巨人族の冒険者を追い返す姿にネココは感動したが、本人は相当に緊張していたらしく、両手を見せると大量の汗をかいていた。
「私は緊張すると手汗をかきやすい体質でしてな。そのせいで交渉ごとの際には手袋をしていないとならないぐらいですよ」
「そうだったんですか。でも、あんな野蛮な人がよく来るんですか」
「冒険者という方々はよくも悪くも気の強い物ばかりなんです。多少は傲慢でも強い精神力を持つ人間にしか務まらない職業ですからな」
「へえ、そういうもんなんすか」
「……それよりもこの店の中が気になる」
皆がドルトンの話し込む中、ミズネだけは彼の店の看板を見て気になっている様子だった。看板には「ドルトン魔道具店」と示されており、どうやらこの店がドルトンの経営する本店らしい。
「おっと、忘れておりました。ようこそ我が店へ、どうぞお入りください」
「ここがお爺さんの店なんですか?変わった名前ですね」
「魔道具店?」
「何だよ二人とも知らないのか!?珍しい道具をたくさん売ってる店だぞ!!」
「ここなら私の満足できる品物が買えそう。さあ、早く中に入って」
ネココとミズネは魔道具店のことを知っているらしく、二人に背を押されながらナオ達も店の中に入った。これまで訪れたどんなお店よりも広く、様々な道具が並べられていた。
店の中には武器や防具、その他にも衣服や装飾品など様々な品物が置かれており、その中には魔術師も扱う杖や魔石なども置かれていた。貴重品の類は硝子製のケースの中に保管されており、それらを見てミズネは髪の癖っ毛をぶんぶんと振り回す。
「おおっ、これは良い魔石……欲しい」
「よかったらおひとつ好きなものをどうぞ。皆さんも欲しい物があれば遠慮なくおっしゃってください」
「えっ!?もしかしてくれるのか!?」
「それはちょっと悪いですよ。あたしはほとんど何もしてませんし……」
「いえいえ、あなたが警告してくれなければ赤毛熊に襲われていたかもしれません。どうぞ遠慮なくお選びください」
「ドルトンさん、本当にいいんですか?」
「ナオ殿には前にも助けてもらいましたからな。そうそう、地属性の魔石の鑑定もこの場で行いましょう」
「あ、はい」
ナオから受け取った地属性の魔石を鑑定して買い取るため、ドルトンは店の奥へと消えていく。その間に他の者は自分が欲しい物を探す中、ネココは鉤爪を見つけて持ってきた。
「兄ちゃん!!これ、似合うか!?」
「鉤爪?もしかしてネココも戦うつもり?」
「ただの鉤爪じゃないぞ!!ここの部分を引っ張ると普段は爪を隠すことができるんだ!!」
「へえ、便利だね」
ネココが見つけた鉤爪は収納機能付きらしく、普段の生活では邪魔にならないように爪を収納する機能が搭載されていた。その一方でエリオは矢筒を持ってきた。
「兄貴、これを見てくださいよ!!収納石が付いている矢筒ですよ!!」
「収納石?」
「……闇属性の魔石の一種で異空間に物体を収納することができる。収納石の大きさで収納できる量は決まるから、その石の大きさだと数十キロは異空間に預けることができる」
「え、闇属性の魔石?でも、普通の人は魔石を使えないんじゃないの?」
「そこが魔道具の便利な点なんですよ。普通の人間でも魔石を扱えるように加工された道具ですからね。この矢筒は優れ物で間違いないっすよ、弓使いのあたしが断言します!!」
エリオが見つけた矢筒は百本以上の矢を収納できるらしく、彼女は気に入ったのかこちらの矢筒を購入するつもりらしい。そしてミズネは並べられている魔石の中から最も色合いが濃い魔石を指さす。
「この魔石をもらう事にする。これを付ければ当分の間は魔力切れも気にせずに戦える」
「値段は……うわっ!?た、高い!!」
「魔石は高級品ですからね。ちなみに兄貴は杖とか使わないんですか?」
「俺の魔法は杖は必要ないよ」
普通の魔術師とは異なり、ナオの魔法は杖や魔石は必要としない。そもそも彼の魔力は「無属性」であり、一応探してみるが無属性の魔石は存在しない。
ミズネに聞くところでは無属性の魔力を扱う魔術師など見たことも聞いたこともなく、無属性の魔力が込められた魔石は存在しない。だからナオの魔法が強化される事はあり得ず、そもそもナオは魔法の使いすぎて精神力が消耗する事はあっても魔力切れなど滅多に起こさなかった。
(やっぱり杖とか持ってないと魔術師だと思われないかな。でも、使わない物を持っても仕方ないしな)
ドルトンの行為を無碍にするのも悪いと思い、ナオは自分も何か受け取ろうかと考えたとき、武器の中に面白い物を見つけた。
「いえ、気にしないでください。それよりもさっきの人、大丈夫なんですか?」
「ははは、冒険者に絡まれるのは日常茶飯事ですよ」
「爺さん!!さっきの格好良かったな!!あんなデカブツ相手によくやり返せたな!!」
「いえいえ、こちらもいっぱいいっぱいでしたよ」
ドルトンが巨人族の冒険者を追い返す姿にネココは感動したが、本人は相当に緊張していたらしく、両手を見せると大量の汗をかいていた。
「私は緊張すると手汗をかきやすい体質でしてな。そのせいで交渉ごとの際には手袋をしていないとならないぐらいですよ」
「そうだったんですか。でも、あんな野蛮な人がよく来るんですか」
「冒険者という方々はよくも悪くも気の強い物ばかりなんです。多少は傲慢でも強い精神力を持つ人間にしか務まらない職業ですからな」
「へえ、そういうもんなんすか」
「……それよりもこの店の中が気になる」
皆がドルトンの話し込む中、ミズネだけは彼の店の看板を見て気になっている様子だった。看板には「ドルトン魔道具店」と示されており、どうやらこの店がドルトンの経営する本店らしい。
「おっと、忘れておりました。ようこそ我が店へ、どうぞお入りください」
「ここがお爺さんの店なんですか?変わった名前ですね」
「魔道具店?」
「何だよ二人とも知らないのか!?珍しい道具をたくさん売ってる店だぞ!!」
「ここなら私の満足できる品物が買えそう。さあ、早く中に入って」
ネココとミズネは魔道具店のことを知っているらしく、二人に背を押されながらナオ達も店の中に入った。これまで訪れたどんなお店よりも広く、様々な道具が並べられていた。
店の中には武器や防具、その他にも衣服や装飾品など様々な品物が置かれており、その中には魔術師も扱う杖や魔石なども置かれていた。貴重品の類は硝子製のケースの中に保管されており、それらを見てミズネは髪の癖っ毛をぶんぶんと振り回す。
「おおっ、これは良い魔石……欲しい」
「よかったらおひとつ好きなものをどうぞ。皆さんも欲しい物があれば遠慮なくおっしゃってください」
「えっ!?もしかしてくれるのか!?」
「それはちょっと悪いですよ。あたしはほとんど何もしてませんし……」
「いえいえ、あなたが警告してくれなければ赤毛熊に襲われていたかもしれません。どうぞ遠慮なくお選びください」
「ドルトンさん、本当にいいんですか?」
「ナオ殿には前にも助けてもらいましたからな。そうそう、地属性の魔石の鑑定もこの場で行いましょう」
「あ、はい」
ナオから受け取った地属性の魔石を鑑定して買い取るため、ドルトンは店の奥へと消えていく。その間に他の者は自分が欲しい物を探す中、ネココは鉤爪を見つけて持ってきた。
「兄ちゃん!!これ、似合うか!?」
「鉤爪?もしかしてネココも戦うつもり?」
「ただの鉤爪じゃないぞ!!ここの部分を引っ張ると普段は爪を隠すことができるんだ!!」
「へえ、便利だね」
ネココが見つけた鉤爪は収納機能付きらしく、普段の生活では邪魔にならないように爪を収納する機能が搭載されていた。その一方でエリオは矢筒を持ってきた。
「兄貴、これを見てくださいよ!!収納石が付いている矢筒ですよ!!」
「収納石?」
「……闇属性の魔石の一種で異空間に物体を収納することができる。収納石の大きさで収納できる量は決まるから、その石の大きさだと数十キロは異空間に預けることができる」
「え、闇属性の魔石?でも、普通の人は魔石を使えないんじゃないの?」
「そこが魔道具の便利な点なんですよ。普通の人間でも魔石を扱えるように加工された道具ですからね。この矢筒は優れ物で間違いないっすよ、弓使いのあたしが断言します!!」
エリオが見つけた矢筒は百本以上の矢を収納できるらしく、彼女は気に入ったのかこちらの矢筒を購入するつもりらしい。そしてミズネは並べられている魔石の中から最も色合いが濃い魔石を指さす。
「この魔石をもらう事にする。これを付ければ当分の間は魔力切れも気にせずに戦える」
「値段は……うわっ!?た、高い!!」
「魔石は高級品ですからね。ちなみに兄貴は杖とか使わないんですか?」
「俺の魔法は杖は必要ないよ」
普通の魔術師とは異なり、ナオの魔法は杖や魔石は必要としない。そもそも彼の魔力は「無属性」であり、一応探してみるが無属性の魔石は存在しない。
ミズネに聞くところでは無属性の魔力を扱う魔術師など見たことも聞いたこともなく、無属性の魔力が込められた魔石は存在しない。だからナオの魔法が強化される事はあり得ず、そもそもナオは魔法の使いすぎて精神力が消耗する事はあっても魔力切れなど滅多に起こさなかった。
(やっぱり杖とか持ってないと魔術師だと思われないかな。でも、使わない物を持っても仕方ないしな)
ドルトンの行為を無碍にするのも悪いと思い、ナオは自分も何か受け取ろうかと考えたとき、武器の中に面白い物を見つけた。
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