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外の世界へ
第29話 冒険者ギルド
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ミズネの提案を聞き入れてナオはイチノの冒険者ギルドに赴く。向かう途中で何人か冒険者と思われる格好をした人間を見かけた。
「あの人たちも冒険者なのかな?」
「気になるなら魔力を探ればいい。冒険者になれるような人材なら普通の人よりも魔力が強い」
「あ、本当だ……」
試しに魔力感知を試すと冒険者と思われる人間は一般人よりも魔力が大きい事に気づく。魔力とは生命力であり、肉体を鍛えれば自然と上昇する。魔物や悪党を相手に戦う冒険者は普段から身体を鍛えているため、普通の人間とは一線を画す。
そもそも冒険者になるためには厳しい試験を突破しなければならず、少なくとも魔物を倒せるだけの実力を持ち合わせていなければ合格はできない。だから魔術師ではない人間は己の肉体と武器を頼りに戦わなけばならない。
(強そうな人ばかりだな。正直、兵士の人よりも冒険者の方が頼りになりそう)
街の治安を維持するのは兵士の役割だが、実際の所は危険な魔物から街を守っているのは冒険者である。彼等は魔物退治の専門家でもあり、街の住民も冒険者を頼りにしている節があった。
「ボルグさん!!この間は助かったぜ、またうちに来てくれよ!!」
「おう!!酔っ払いがいたら俺が追い払ってやるぜ!!」
酒場の前で掃除を行う従業員が冒険者の男性に気さくに話しかけ、どうやら酒場での揉め事を冒険者が解決したらしい。普通は兵士に頼るのが当たり前だが、この街の兵士は碌な輩はおらず、実際にナオ達も兵士に扮した悪党に襲われたばかりである。
(兵士なんかより冒険者を頼りにする気持ちはちょっと分かるかも……)
冒険者が街の人間に信頼されている事が伺え、相対的に兵士の評価がどんどんと下がっていく。そんな事を考えながら歩いていると、遂に目的の冒険者ギルドに辿り着く。
「ナオ、ここが冒険者ギルドみたい」
「こ、ここか……なんか酒場みたいだね」
冒険者が利用する建物なのだから勝手に大きくて立派な建物だと思い込んでいたが、実際の冒険者ギルドは酒場のような見た目をしていた。実際に中も酒場を意識したつくりとなっており、明らかに冒険者ではない出で立ちの格好をした人間達もくつろいでいた。
どうやら冒険者ギルド内には酒場も経営されているらしく、一般人も普通に出入りする事ができた。但し、流石に酒場なので子供の姿は見当たらず、ナオとミズネが入ると注目を浴びた。
「おいおい、坊主と嬢ちゃん。ここは子供が来るような場所じゃないぞ?」
「間違えて入ったのなら早く出て行った方がいいぜ。おっかないおじさんに絡まれる前にな」
「おいこら、それ俺の事じゃねえだろうな!?ガキに手を出す奴なんて冒険者の風上にも置けないだろうが!!」
「ど、どうも……」
「……思ったよりも楽しそうな場所」
入ってきた二人に何人かの冒険者が話しかけるが、しつこく絡まれはしなかった。ここまで来たがナオは特に目的はなく、どうするべきか考えた。
(冒険者か……そういえばドルトンさんも護衛として雇う事もあると言ってたな)
ドルトンは商人であるため、他所の街に出向いて商業を行う際は冒険者や傭兵を雇うと聞いていた。最近では魔物の被害が多発化しているため、冒険者を雇う事が多いらしい。
金は掛かるが少しでも安全に旅を続けるのならば冒険者を雇うのが一番であり、ナオも金に余裕があれば雇うのもありかと思った。だが、今はこれ以上に人を養う余裕はなく、とりあえずは本物の冒険者を見る目的は果たしたので戻ろうとした。
「ミズネ、もう行こうか……あれ?」
「……ナオ、これを見て」
何時の間にかミズネは掲示板の前に立っており、何事かとナオは彼女が指差す場所を確認すると、先日に街の外で襲ったミノタウロスの手配書が張り出されていた。
「こ、こいつは!?」
「……前にナオが話したミノタウロスじゃない?」
手配書に記されたミノタウロスの顔を見てナオは驚きを隠せず、彼が遭遇した個体と特徴が一致している事から間違いなかった。冒険者ギルドでは人間の賞金首のように特定の魔物に高額な賞金を懸けており、ミノタウロスは掲示板に張り出されているどんな魔物よりも高い賞金が懸けられていた。
「おいおい、まさかそいつに心当たりがあるのか?」
「この化物は最近街の近くで出没するようになったんだ。こいつのせいで観光に来た人間の何人かが被害に遭ったそうだぞ」
「そ、そんな……」
自分が取り逃がしたミノタウロスが他の人間に迷惑をかけていると知ってナオはショックを受け、こんな事ならばミノタウロスを逃がさずに始末するべきだったかと考える。だが、鞄に隠れていたスラミンが飛び出してナオの頭に飛び乗る。
「ぷるぷるっ!!」
「うわっ!?ス、スラミン?」
「……落ち込むなと言ってるみたい」
「うお、スライムを連れ歩いてたのか!?」
「ははは、いくら冒険者でもスライムを退治したりしないから安心しな」
「待てよ、そういえばスライムを細かく刻むと美味しく食べられると聞いたことがあるな……」
「ぷるんっ!?」
「ははは、冗談だよ。スライムを喰う馬鹿なんているわけないだろ」
冒険者達はスライムを見ても特に気にせず、魔物退治の専門家だからこそスライムが危険性のない魔物だと熟知していた。ナオはスラミンを鞄に戻すと、張り出されているミノタウロスの手配書を見て考え込む。
(もしもこいつを倒せば大金が手に入る……これだけのお金があれば王都までの旅費と護衛を雇う分は十分に稼げるぞ)
手配書に記されたミノタウロスの賞金額を確認し、もしもミノタウロスを始末して持ち帰れば大金を手に入れる事ができる。それに既にミノタウロスが他の人間に被害を与えていると知ってナオは放っておけなかった。
「あの……この手配書の賞金は冒険者の人が倒さないと貰えないんですか?」
「お、おいおい……馬鹿な事は考えるなよ?」
「ここに張り出されているのは冒険者専用の手配書だ。一般人が魔物を倒して持ち帰っても死骸は買い取る事はできるが、賞金は渡せないぞ」
「で、ですよね……」
冒険者の言葉を聞いてナオは落胆し、彼は冒険者ではないのでミノタウロスを倒しても賞金は得られない。それでもミノタウロスを放置すればどれだけの人間が被害を被るか分からず、ナオは始末する事に決めた。
「ミズネ、もうちょっとだけ寄り道してもいい?」
「……分かった。付き合う」
「何だかよく分からんが、変な事は考えるなよ?」
「二、三日もすれば他所の街から冒険者が応援に駆けつける予定だ。それまで街の外に出るのは控えて置けよ」
冒険者達もミノタウロスを放置するつもりはなく、十分に人が集まれば大々的な捜索を行ってミノタウロスを討伐する作戦を立てていた。だが、ナオはこれ以上に長居するつもりはなく、自分の手でミノタウロスを倒す事を決意する。
(前の俺とはもう違うんだ。今は魔力感知も覚えたし、ミズネだって一緒に居る。油断しなければ倒せない相手じゃない)
魔力感知を覚えるナオでも撃退に成功した相手であり、ミズネの協力を得れば倒せる自信はあった。手配書に記されている情報を念のために記憶してナオ達は冒険者ギルドを後にした――
「あの人たちも冒険者なのかな?」
「気になるなら魔力を探ればいい。冒険者になれるような人材なら普通の人よりも魔力が強い」
「あ、本当だ……」
試しに魔力感知を試すと冒険者と思われる人間は一般人よりも魔力が大きい事に気づく。魔力とは生命力であり、肉体を鍛えれば自然と上昇する。魔物や悪党を相手に戦う冒険者は普段から身体を鍛えているため、普通の人間とは一線を画す。
そもそも冒険者になるためには厳しい試験を突破しなければならず、少なくとも魔物を倒せるだけの実力を持ち合わせていなければ合格はできない。だから魔術師ではない人間は己の肉体と武器を頼りに戦わなけばならない。
(強そうな人ばかりだな。正直、兵士の人よりも冒険者の方が頼りになりそう)
街の治安を維持するのは兵士の役割だが、実際の所は危険な魔物から街を守っているのは冒険者である。彼等は魔物退治の専門家でもあり、街の住民も冒険者を頼りにしている節があった。
「ボルグさん!!この間は助かったぜ、またうちに来てくれよ!!」
「おう!!酔っ払いがいたら俺が追い払ってやるぜ!!」
酒場の前で掃除を行う従業員が冒険者の男性に気さくに話しかけ、どうやら酒場での揉め事を冒険者が解決したらしい。普通は兵士に頼るのが当たり前だが、この街の兵士は碌な輩はおらず、実際にナオ達も兵士に扮した悪党に襲われたばかりである。
(兵士なんかより冒険者を頼りにする気持ちはちょっと分かるかも……)
冒険者が街の人間に信頼されている事が伺え、相対的に兵士の評価がどんどんと下がっていく。そんな事を考えながら歩いていると、遂に目的の冒険者ギルドに辿り着く。
「ナオ、ここが冒険者ギルドみたい」
「こ、ここか……なんか酒場みたいだね」
冒険者が利用する建物なのだから勝手に大きくて立派な建物だと思い込んでいたが、実際の冒険者ギルドは酒場のような見た目をしていた。実際に中も酒場を意識したつくりとなっており、明らかに冒険者ではない出で立ちの格好をした人間達もくつろいでいた。
どうやら冒険者ギルド内には酒場も経営されているらしく、一般人も普通に出入りする事ができた。但し、流石に酒場なので子供の姿は見当たらず、ナオとミズネが入ると注目を浴びた。
「おいおい、坊主と嬢ちゃん。ここは子供が来るような場所じゃないぞ?」
「間違えて入ったのなら早く出て行った方がいいぜ。おっかないおじさんに絡まれる前にな」
「おいこら、それ俺の事じゃねえだろうな!?ガキに手を出す奴なんて冒険者の風上にも置けないだろうが!!」
「ど、どうも……」
「……思ったよりも楽しそうな場所」
入ってきた二人に何人かの冒険者が話しかけるが、しつこく絡まれはしなかった。ここまで来たがナオは特に目的はなく、どうするべきか考えた。
(冒険者か……そういえばドルトンさんも護衛として雇う事もあると言ってたな)
ドルトンは商人であるため、他所の街に出向いて商業を行う際は冒険者や傭兵を雇うと聞いていた。最近では魔物の被害が多発化しているため、冒険者を雇う事が多いらしい。
金は掛かるが少しでも安全に旅を続けるのならば冒険者を雇うのが一番であり、ナオも金に余裕があれば雇うのもありかと思った。だが、今はこれ以上に人を養う余裕はなく、とりあえずは本物の冒険者を見る目的は果たしたので戻ろうとした。
「ミズネ、もう行こうか……あれ?」
「……ナオ、これを見て」
何時の間にかミズネは掲示板の前に立っており、何事かとナオは彼女が指差す場所を確認すると、先日に街の外で襲ったミノタウロスの手配書が張り出されていた。
「こ、こいつは!?」
「……前にナオが話したミノタウロスじゃない?」
手配書に記されたミノタウロスの顔を見てナオは驚きを隠せず、彼が遭遇した個体と特徴が一致している事から間違いなかった。冒険者ギルドでは人間の賞金首のように特定の魔物に高額な賞金を懸けており、ミノタウロスは掲示板に張り出されているどんな魔物よりも高い賞金が懸けられていた。
「おいおい、まさかそいつに心当たりがあるのか?」
「この化物は最近街の近くで出没するようになったんだ。こいつのせいで観光に来た人間の何人かが被害に遭ったそうだぞ」
「そ、そんな……」
自分が取り逃がしたミノタウロスが他の人間に迷惑をかけていると知ってナオはショックを受け、こんな事ならばミノタウロスを逃がさずに始末するべきだったかと考える。だが、鞄に隠れていたスラミンが飛び出してナオの頭に飛び乗る。
「ぷるぷるっ!!」
「うわっ!?ス、スラミン?」
「……落ち込むなと言ってるみたい」
「うお、スライムを連れ歩いてたのか!?」
「ははは、いくら冒険者でもスライムを退治したりしないから安心しな」
「待てよ、そういえばスライムを細かく刻むと美味しく食べられると聞いたことがあるな……」
「ぷるんっ!?」
「ははは、冗談だよ。スライムを喰う馬鹿なんているわけないだろ」
冒険者達はスライムを見ても特に気にせず、魔物退治の専門家だからこそスライムが危険性のない魔物だと熟知していた。ナオはスラミンを鞄に戻すと、張り出されているミノタウロスの手配書を見て考え込む。
(もしもこいつを倒せば大金が手に入る……これだけのお金があれば王都までの旅費と護衛を雇う分は十分に稼げるぞ)
手配書に記されたミノタウロスの賞金額を確認し、もしもミノタウロスを始末して持ち帰れば大金を手に入れる事ができる。それに既にミノタウロスが他の人間に被害を与えていると知ってナオは放っておけなかった。
「あの……この手配書の賞金は冒険者の人が倒さないと貰えないんですか?」
「お、おいおい……馬鹿な事は考えるなよ?」
「ここに張り出されているのは冒険者専用の手配書だ。一般人が魔物を倒して持ち帰っても死骸は買い取る事はできるが、賞金は渡せないぞ」
「で、ですよね……」
冒険者の言葉を聞いてナオは落胆し、彼は冒険者ではないのでミノタウロスを倒しても賞金は得られない。それでもミノタウロスを放置すればどれだけの人間が被害を被るか分からず、ナオは始末する事に決めた。
「ミズネ、もうちょっとだけ寄り道してもいい?」
「……分かった。付き合う」
「何だかよく分からんが、変な事は考えるなよ?」
「二、三日もすれば他所の街から冒険者が応援に駆けつける予定だ。それまで街の外に出るのは控えて置けよ」
冒険者達もミノタウロスを放置するつもりはなく、十分に人が集まれば大々的な捜索を行ってミノタウロスを討伐する作戦を立てていた。だが、ナオはこれ以上に長居するつもりはなく、自分の手でミノタウロスを倒す事を決意する。
(前の俺とはもう違うんだ。今は魔力感知も覚えたし、ミズネだって一緒に居る。油断しなければ倒せない相手じゃない)
魔力感知を覚えるナオでも撃退に成功した相手であり、ミズネの協力を得れば倒せる自信はあった。手配書に記されている情報を念のために記憶してナオ達は冒険者ギルドを後にした――
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