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プロローグ
第3話 魔導書
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「貴方、この文字は読めるかしら?」
「え?それって……何ですか?」
「これは大昔に異界人が書き記したと思われる魔導書よ」
「……まどうしょ?」
マリアが取り出した本は遥か昔、この世界に初めて訪れたと言われる異界人が書き記した「魔導書」と呼ばれる本だった。
「魔導書とは製作者の魔力が封じ込められた書物よ。もしも魔導書を読み解く事ができた場合、本に封じ込められた魔力が読み手へと宿る」
「宿る?魔力?」
「……分かりやすく言えばこの本を読むだけで魔法が覚えられるという事よ」
「えっ!?魔法を覚えられるんですか!?」
この世界において全ての生物には「魔力」と呼ばれる生命の力の源が存在すると信じられており、魔力を利用すれば超常現象を引き起こす事ができる。炎や雷を生み出したり、時には怪我を癒す事もできる。それらの行為を人々は「魔法」と呼び、魔法を扱える人間は魔術師と呼ばれる。
「魔力を操作する技術を学ばない限り、普通の人間は魔法を覚える事はできない。kれど、魔導書を読み解く事ができれば本に封じられていた魔力が身体に流れ込まれ、魔法を扱う術を自然と覚える事ができるはずよ」
「へ、へえ~……そんな便利な物があるんですか」
「……言っておくけれど魔導書は製作者の命と引き換えに作り出せる代物よ」
「ええええっ!?」
魔導書は魔法を覚えるためだけの便利な道具ではなく、制作者の魔力を全て封じ込める事で完成する。魔力が尽きた人間は死を迎え、仮にどんなに膨大な魔力の持ち主だろうと魔導書を作り出せば確実に命を落とす。
マリアが手にした魔導書は異界人が書き残したと伝えられている魔導書であり、彼女は異界人が扱っていたという魔法に興味を抱いて長年に渡って解読を試みた。だが、残念ながら未だに魔導書を読み解く事はできなかった。
「この魔導書は恐らく複数の種類の文字を利用して書き込まれているの。完璧に魔導書を読み解くためには全ての種類の文字を読み解かなければ解読はできないの」
「はあ……何ですか?その文字というのは?」
「それが分かれば苦労しないわ。だけど貴方の母親は異界人なんでしょう?もしかしたら異界の文字とか学んでいないのかしら?」
「文字?」
魔導書を手渡されたナオは不思議に思いながらも覗き込み、表紙に書かれている文字を見て驚く。本に記された文字はこの世界には伝わっていない日本語で記されていた。
「この本……小さい頃に母さんに教えてもらった文字で記されています」
「何ですって!?貴方、まさか本当に読めるの?」
ナオの母親は「日本人」であり、小さい頃にナオは他の人間には内緒で母親から日本の文字を学んでいた。ひらがなやカタカナは完璧に覚えており、ある程度の漢字も読み解く事もできた。マリアはナオが魔導書を読む事ができると聞いて興奮気味に詰め寄る。
「今すぐ教えなさい!!私に異界の文字を!!」
「お、教えろと言われても……」
「安心しなさい、ただで教えろとは言わないわ!!もしも本を読み解く事ができたら森の外まで案内してあげるわ!!」
「ほ、本当ですか!?」
本の内容を読み上げるだけで森の外に連れ出してくれると聞いてナオは魔導書に視線を向け、最初に表紙に記されている文字を読み上げる事にした。
「えっと……ここの文字は「ステータス」と書かれています」
「すてぇたす?それが魔法の名前かしら?」
「さ、さあ……」
魔術師であるマリアでさえも聞いたことがない名前らしく、とりあえずは中身を確認しようとナオは本を開こうとすると、表紙の文字が光り輝く。
「うわっ!?な、何だ!?」
「この光は……まさか!?早く魔導書を手放しなさい!!」
「えっ!?」
本が光り出したのを見てマリアは慌ててナオから本を取り上げようとした。だが、表紙に魔法陣のような紋様が浮き上がると、本を持っていたナオの右手が光り輝く。
魔導書が輝いた瞬間、ナオの身体の中に熱い物が駆け巡る感覚に襲われる。その直後に魔導書に刻まれた文字が消え去り、本の色も真っ白に染まる。そしてナオの右手の甲に魔導書に浮かんだ紋様と同じ物が刻まれた。
「うわぁあああっ!?」
「そ、そんな……」
右手に紋様が浮かんだナオを見てマリアは衝撃の表情を浮かべ、彼が床に落とした魔導書を呆然と見下ろす。魔導書を拾い上げて中身を確認するが、何故か全ての頁から文字が消え去っていた。
「何て事なの……まさか表紙を読み上げる事が魔導書の発動の鍵だったなんて!!」
「う、ううっ……いったい何が?」
「……その手を見せなさい!!」
マリアはナオの右手を掴み取ると、甲の部分に浮かんだ紋様を見て確信を抱く。どうやらナオが魔導書の文字を読み上げた事により、魔導書に封じられていた魔力が彼の身体に流れ込んでしまった。この紋様はナオが異界人の魔法を受け継いだ証だった。
「わ、私の魔導書が……今までの苦労が水の泡に……」
「あ、あの……もしかして俺、とんでもない事をやらかしました?」
「……いいえ、貴方は悪くないわ。文字を教えてくれと頼んだのは私だもの」
ナオの言葉にマリアは正気を取り戻し、顔色を青くしながら椅子に座り込む。相当なショックを受けているようだが、彼女は真っ白に染まった魔導書を机に置いて説明を行う。
「どうやら貴方は魔導書を解き明かした事で魔法を覚えた様ね」
「えっ!?で、でも文字を読んだだけですよ!!」
「それが魔導書の発動条件だったのよ。普通の魔導書ならば全ての内容を読み解く事が封印を解除するはずだけど、どうやらこの魔導書を製作した人間はよっぽどせっかちだったようね」
基本的に魔導書は記されている内容を全て解読しなければ魔法を覚えられないのだが、偶然なのかあるいは別の要因があるのかナオが手にした魔導書は表紙を読み上げるだけで魔法を覚える仕組みになっていた。これが製作者の意図なのかは不明だが、ともかくナオは魔法を覚えた事になる。
まさか自分が魔法を覚える日が来るなど夢にも思わなかったナオだが、森の魔女と呼ばれるマリアが長年も研究してきた魔法と聞かされれば、どんな魔法なのか気になって彼女に訊ねた。
「あの、俺の覚えた魔法は何なんですか!?」
「……知るわけないでしょう。私は魔導書を読み解く事ができなかったんだから、どんな魔法なのか見当もつかないわ」
「えっ……」
マリアの言葉にナオは愕然とするが、冷静に考えれば当たり前の話だった。魔導書にどのような魔法が封じられているのかマリアは調べるために今まで研究してきたが、それを調べる前にナオが魔法を覚えてしまった。
「普通の魔導書なら書かれている内容からどのような魔法を覚えられるのか事前に知ることができる。だけど、貴方の場合は内容を確認する前に覚えてしまったから確かめようがないわ」
「ええっ!?な、なら魔法はどうやって使えばいいんですか?」
「そんなの私が知りたいぐらいよ……だけど、表紙に書かれている文字が魔法の呪文だとしたら、それを唱えてみれば何か起きるかもしれないわね」
「呪文……」
ナオは机の上に置かれた魔導書に目を通すが、既に効力を失った魔導書は表紙も中身も真っ白に染まり、これではどのような魔法を覚えられるのか確かめる術はなかった。
魔導書の制作者が何を考えて作り出したのかは不明だが、とりあえずはマリアの言う通りに表紙に刻まれていた「ステータス」なる言葉が魔法の呪文と信じて唱える事にした。
「じゃあ、試しますね」
「ま、待ちなさい!!ここで試すのは絶対に駄目よ!!」
「え?」
「もしも覚えたのが強力な攻撃魔法だとしたら家が壊れる可能性もあるでしょう!?」
「あ、なるほど……す、すいません。外で試しますね」
「全く……心配だから私もついていくわ」
マリアに注意されてナオは家の外に出ると、周囲に障害物がない開けた場所に移動して魔法の準備を行う。
「え?それって……何ですか?」
「これは大昔に異界人が書き記したと思われる魔導書よ」
「……まどうしょ?」
マリアが取り出した本は遥か昔、この世界に初めて訪れたと言われる異界人が書き記した「魔導書」と呼ばれる本だった。
「魔導書とは製作者の魔力が封じ込められた書物よ。もしも魔導書を読み解く事ができた場合、本に封じ込められた魔力が読み手へと宿る」
「宿る?魔力?」
「……分かりやすく言えばこの本を読むだけで魔法が覚えられるという事よ」
「えっ!?魔法を覚えられるんですか!?」
この世界において全ての生物には「魔力」と呼ばれる生命の力の源が存在すると信じられており、魔力を利用すれば超常現象を引き起こす事ができる。炎や雷を生み出したり、時には怪我を癒す事もできる。それらの行為を人々は「魔法」と呼び、魔法を扱える人間は魔術師と呼ばれる。
「魔力を操作する技術を学ばない限り、普通の人間は魔法を覚える事はできない。kれど、魔導書を読み解く事ができれば本に封じられていた魔力が身体に流れ込まれ、魔法を扱う術を自然と覚える事ができるはずよ」
「へ、へえ~……そんな便利な物があるんですか」
「……言っておくけれど魔導書は製作者の命と引き換えに作り出せる代物よ」
「ええええっ!?」
魔導書は魔法を覚えるためだけの便利な道具ではなく、制作者の魔力を全て封じ込める事で完成する。魔力が尽きた人間は死を迎え、仮にどんなに膨大な魔力の持ち主だろうと魔導書を作り出せば確実に命を落とす。
マリアが手にした魔導書は異界人が書き残したと伝えられている魔導書であり、彼女は異界人が扱っていたという魔法に興味を抱いて長年に渡って解読を試みた。だが、残念ながら未だに魔導書を読み解く事はできなかった。
「この魔導書は恐らく複数の種類の文字を利用して書き込まれているの。完璧に魔導書を読み解くためには全ての種類の文字を読み解かなければ解読はできないの」
「はあ……何ですか?その文字というのは?」
「それが分かれば苦労しないわ。だけど貴方の母親は異界人なんでしょう?もしかしたら異界の文字とか学んでいないのかしら?」
「文字?」
魔導書を手渡されたナオは不思議に思いながらも覗き込み、表紙に書かれている文字を見て驚く。本に記された文字はこの世界には伝わっていない日本語で記されていた。
「この本……小さい頃に母さんに教えてもらった文字で記されています」
「何ですって!?貴方、まさか本当に読めるの?」
ナオの母親は「日本人」であり、小さい頃にナオは他の人間には内緒で母親から日本の文字を学んでいた。ひらがなやカタカナは完璧に覚えており、ある程度の漢字も読み解く事もできた。マリアはナオが魔導書を読む事ができると聞いて興奮気味に詰め寄る。
「今すぐ教えなさい!!私に異界の文字を!!」
「お、教えろと言われても……」
「安心しなさい、ただで教えろとは言わないわ!!もしも本を読み解く事ができたら森の外まで案内してあげるわ!!」
「ほ、本当ですか!?」
本の内容を読み上げるだけで森の外に連れ出してくれると聞いてナオは魔導書に視線を向け、最初に表紙に記されている文字を読み上げる事にした。
「えっと……ここの文字は「ステータス」と書かれています」
「すてぇたす?それが魔法の名前かしら?」
「さ、さあ……」
魔術師であるマリアでさえも聞いたことがない名前らしく、とりあえずは中身を確認しようとナオは本を開こうとすると、表紙の文字が光り輝く。
「うわっ!?な、何だ!?」
「この光は……まさか!?早く魔導書を手放しなさい!!」
「えっ!?」
本が光り出したのを見てマリアは慌ててナオから本を取り上げようとした。だが、表紙に魔法陣のような紋様が浮き上がると、本を持っていたナオの右手が光り輝く。
魔導書が輝いた瞬間、ナオの身体の中に熱い物が駆け巡る感覚に襲われる。その直後に魔導書に刻まれた文字が消え去り、本の色も真っ白に染まる。そしてナオの右手の甲に魔導書に浮かんだ紋様と同じ物が刻まれた。
「うわぁあああっ!?」
「そ、そんな……」
右手に紋様が浮かんだナオを見てマリアは衝撃の表情を浮かべ、彼が床に落とした魔導書を呆然と見下ろす。魔導書を拾い上げて中身を確認するが、何故か全ての頁から文字が消え去っていた。
「何て事なの……まさか表紙を読み上げる事が魔導書の発動の鍵だったなんて!!」
「う、ううっ……いったい何が?」
「……その手を見せなさい!!」
マリアはナオの右手を掴み取ると、甲の部分に浮かんだ紋様を見て確信を抱く。どうやらナオが魔導書の文字を読み上げた事により、魔導書に封じられていた魔力が彼の身体に流れ込んでしまった。この紋様はナオが異界人の魔法を受け継いだ証だった。
「わ、私の魔導書が……今までの苦労が水の泡に……」
「あ、あの……もしかして俺、とんでもない事をやらかしました?」
「……いいえ、貴方は悪くないわ。文字を教えてくれと頼んだのは私だもの」
ナオの言葉にマリアは正気を取り戻し、顔色を青くしながら椅子に座り込む。相当なショックを受けているようだが、彼女は真っ白に染まった魔導書を机に置いて説明を行う。
「どうやら貴方は魔導書を解き明かした事で魔法を覚えた様ね」
「えっ!?で、でも文字を読んだだけですよ!!」
「それが魔導書の発動条件だったのよ。普通の魔導書ならば全ての内容を読み解く事が封印を解除するはずだけど、どうやらこの魔導書を製作した人間はよっぽどせっかちだったようね」
基本的に魔導書は記されている内容を全て解読しなければ魔法を覚えられないのだが、偶然なのかあるいは別の要因があるのかナオが手にした魔導書は表紙を読み上げるだけで魔法を覚える仕組みになっていた。これが製作者の意図なのかは不明だが、ともかくナオは魔法を覚えた事になる。
まさか自分が魔法を覚える日が来るなど夢にも思わなかったナオだが、森の魔女と呼ばれるマリアが長年も研究してきた魔法と聞かされれば、どんな魔法なのか気になって彼女に訊ねた。
「あの、俺の覚えた魔法は何なんですか!?」
「……知るわけないでしょう。私は魔導書を読み解く事ができなかったんだから、どんな魔法なのか見当もつかないわ」
「えっ……」
マリアの言葉にナオは愕然とするが、冷静に考えれば当たり前の話だった。魔導書にどのような魔法が封じられているのかマリアは調べるために今まで研究してきたが、それを調べる前にナオが魔法を覚えてしまった。
「普通の魔導書なら書かれている内容からどのような魔法を覚えられるのか事前に知ることができる。だけど、貴方の場合は内容を確認する前に覚えてしまったから確かめようがないわ」
「ええっ!?な、なら魔法はどうやって使えばいいんですか?」
「そんなの私が知りたいぐらいよ……だけど、表紙に書かれている文字が魔法の呪文だとしたら、それを唱えてみれば何か起きるかもしれないわね」
「呪文……」
ナオは机の上に置かれた魔導書に目を通すが、既に効力を失った魔導書は表紙も中身も真っ白に染まり、これではどのような魔法を覚えられるのか確かめる術はなかった。
魔導書の制作者が何を考えて作り出したのかは不明だが、とりあえずはマリアの言う通りに表紙に刻まれていた「ステータス」なる言葉が魔法の呪文と信じて唱える事にした。
「じゃあ、試しますね」
「ま、待ちなさい!!ここで試すのは絶対に駄目よ!!」
「え?」
「もしも覚えたのが強力な攻撃魔法だとしたら家が壊れる可能性もあるでしょう!?」
「あ、なるほど……す、すいません。外で試しますね」
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