77 / 86
第76話 犯人の移動手段
しおりを挟む
「すいませんけどあそこまで俺を持ち上げてくれませんか?」
「持ち上げるってお前……」
「もしかしたら犯人の手掛かりが見つかったかもしれないんです!!」
「……仕方ねえな」
レノは壁に残った痕跡を調べるため、ガイアに協力してもらう。彼がレノを両手で持ち上げると、丁度いい高さで痕跡を調べることができた。
「これでいいのか?」
「はい、もうしばらくお願いします」
「おう」
「わあ、レノ君楽しそうだね~」
「楽しそうかあれ?」
まるで大人が小さい子供を抱きかかえるような光景に見えてハルナは羨ましがるが、当のレノ本人は真面目に痕跡を調べた。
(これって……足跡か?)
壁に残っていたのは誰かが強く壁を蹴り込んだような痕跡が残っており、反対の方向にレノは視線を向けると反対側に存在する建物にも同じような痕跡が残っていた。但し、反対側の建物の方の方が高い位置に痕跡がある。
(まさか壁を蹴って飛んだのか!?この高さと距離を!?)
壁に蹴り込んだ痕跡があることから犯人は建物の壁を足場に利用し、二つの建物の壁を交互に跳躍しながら屋根の上に移動した可能性が出てきた。しかし、この方法だと犯人は途轍もない脚力の持ち主ということになる。
レノも屋根の上を移動する際に壁を蹴って跳躍したが、あの時は狭い路地裏だったので建物間の距離が小さかったので出来た芸当であり、巨人族が隠れられるほどの大きな空き地ではとてもではないが建物の間を飛び回る真似はできない。そう考えると犯人は人間離れした跳躍力の持ち主ということになる。
(こんなに離れている建物の壁を跳躍して移動するなんて人間技じゃない……もしかして犯人は人間以外の種族なのか?)
仮に強化術を使用しても今のレノでは犯人の真似は到底できず、反対側の建物に跳び移ろうとしても途中で地面に落ちてしまう。それを考慮すると犯人は人間よりも身体能力が高い種族の可能性が出てきた。
人間よりも身体能力が高い種族と言えばエルフや巨人族が思いつくが、エルフは滅多に人里には訪れず、巨人族の場合は身体が大き過ぎて目立ち過ぎる。第一にレノが発見した足跡は巨人族の足の大きさではなかった。
「多分、犯人は壁を蹴って屋根の上まで登ったと思うけど……この距離を跳び越えるだけの脚力を持っているなんて信じられない」
「なるほどな。それなら犯人は獣人族の可能性があるんじゃないか?」
「獣人族?」
「何だ知らないのか?人間と獣が合体したような種族だよ」
「……正確には人間と獣の両方の性質を併せ持つ種族」
ガイアは犯人の正体は獣人族ではないかと考察すると、レノは獣人族のことをよく知らないので尋ねるとヒカゲが詳しく説明してくれる。レノは街の中で時折見かけた頭に獣耳を生やした人たちを思い出す。
(獣人族……そういえば昔師匠から聞いたことがあったな。容姿は人間にそっくりだけど、獣のように身軽に動ける種族だって)
獣人族は多種多様で様々な獣の特徴を併せ持ち、例えば犬型の獣人族は嗅覚が鋭くて足が速い。猫型の獣人族は身軽な者が多く、牛型の獣人族は怪力を誇る。彼等の殆どは人間離れした身体能力を持って生まれるため、獣人族ならば壁を跳び越えて屋根に乗り移れる者が居てもおかしくはない。
「犯人がもしも壁を跳躍して移動しているとしたら厄介なことはない……これだと臭いを追跡するのも困難」
「ウルが臭いを辿れないのは屋根に逃げたせいで臭いが途絶えたからか……」
「クゥ~ンッ」
ここまで頼りにしてきたウルの嗅覚でも屋根を自由に飛び回れる犯人の追跡は難しく、残念ながら折角見つけた手掛かりも犯人を追い詰めるまでには至らなかった。だが、今まで誰にも突き止められなかった犯人の手掛かりが掴めただけでも進展した言える。
「レノ、ありがとう。犯人の手掛かりが掴めたのも貴方とウルのお陰」
「あ、いや……俺はただウルの後を付いてきただけですから」
「ウォンッ!!」
ヒカゲの感謝にレノはウルのお陰だと答えるが、ウルは誇らしげに鳴き声を上げる。ガイアから下ろして貰うとレノはこれからのことを話し合う。
「それでどうしますか?一応、屋根の上に移動してウルに臭いを嗅がせてみます?」
「その必要はない。相手が屋根の上を跳び回れるのなら臭いだけの追跡は困難……それに魔獣が屋根を飛び回る姿を見られたら住民が騒ぐ」
「クゥ~ンッ……」
「じゃあ、どうするんだよ?折角手掛かりを見つけたのにこのまま帰るのか?」
犯人が建物を跳び越えるだけの身体能力を持っていることは確かであり、仮にウルが屋根に上って臭いを嗅がせても追跡は困難だと思われた。だが、臭いを辿れないのであればどうやって犯人を追うのかダインが問うと、ヒカゲはレノが発見した足跡を指差す。
「一先ずはあの足跡のサイズを記録しておく」
「おいおい、まさか足跡だけで犯人を捜すつもりか!?そりゃ無茶だろうがっ!!」
「確かにその通り、だけど犯人を獣人族の冒険者に絞れば数は減らせる」
「え?冒険者?」
ヒカゲの言葉にレノは不思議に思うが、彼女は発見した足跡を利用しての犯人捜しを提案する。
――現場に残った足跡を正確に記録し、この街に滞在している獣人族の冒険者を重点的に調べ上げるのがヒカゲの提案だった。どうして調査の対象を冒険者だけにするのかというと、これまで殺された被害者達は黒虎の中堅冒険者であり、簡単に殺される相手ではない。だから殺人犯は相当に腕の立つ人物だと思われた。
冒険者を殺せるだけの実力者が一般人だとは考えにくく、黒虎の冒険者だけを殺していることから犯人は黒虎に恨みを抱く人物の可能性が高い。そう考えると他のギルドの冒険者が怪しく、黒虎の名声のせいで彼等は不遇な扱いを受けている。だから黒虎に恨みを抱く冒険者が居てもおかしくはない。
ヒカゲの読みでは犯人は獣人族の冒険者の可能性が高く、他のギルドに所属する獣人族の冒険者の足跡を調べ、現場に残された足跡と一致する獣人がいないか探し出すという内容だった。だが、それを聞いて真っ先にガイアが激高した。
「てめえ!!まだうちのギルドの連中を疑っているのか!?俺のところのギルドには人殺しするようなクズはいねえっ!!」
「……それは貴方の主観に過ぎない」
「何だと!?」
「や、止めてください!!こんなところで喧嘩はしないでください!!」
「どうか落ち着いて!!」
ガイアは自分のギルドに所属する冒険者を疑うヒカゲに激怒するが、警備兵が慌てて割り込んだ。ガイアにとっては仲間を疑われるのは屈辱でしかないが、ヒカゲは冷静に答える。
「今の時点で犯人がいる可能性が高いのはギルドは赤獅子……黒虎が信用を失えば、必然的に二番目に人気が高い赤獅子がこの街の代表各となる」
「ふざけんなっ!!確かに俺達はお前等が大嫌いだが、だからといって殺してまで名誉を取り戻そうとは考えていねえ!!」
「貴方はそう考えていても他の人間が同じように考えているとは限らない。実際、赤獅子の冒険者はよくうちの冒険者に因縁をつけて来る。さっきの貴方も私に突っかかったように……」
「ぐっ!?」
痛い所を突かれたガイアは言い返すことができず、どうやらガイア以外の赤獅子の冒険者も黒虎に絡んでくるというのは本当の話らしい。
「だ、だがよ……獣人族の冒険者が一番多いのはお前等のところのギルドだろうが!?」
「え、そうなの?」
「まあ、うちは一番人数が多いから……」
「獣人族の子もたくさんいるよ~」
黒虎にも獣人族の冒険者は多数所属しており、ガイアはそれを指摘して犯人捜しを行うのならば黒虎も同じように調査するように告げる。
「持ち上げるってお前……」
「もしかしたら犯人の手掛かりが見つかったかもしれないんです!!」
「……仕方ねえな」
レノは壁に残った痕跡を調べるため、ガイアに協力してもらう。彼がレノを両手で持ち上げると、丁度いい高さで痕跡を調べることができた。
「これでいいのか?」
「はい、もうしばらくお願いします」
「おう」
「わあ、レノ君楽しそうだね~」
「楽しそうかあれ?」
まるで大人が小さい子供を抱きかかえるような光景に見えてハルナは羨ましがるが、当のレノ本人は真面目に痕跡を調べた。
(これって……足跡か?)
壁に残っていたのは誰かが強く壁を蹴り込んだような痕跡が残っており、反対の方向にレノは視線を向けると反対側に存在する建物にも同じような痕跡が残っていた。但し、反対側の建物の方の方が高い位置に痕跡がある。
(まさか壁を蹴って飛んだのか!?この高さと距離を!?)
壁に蹴り込んだ痕跡があることから犯人は建物の壁を足場に利用し、二つの建物の壁を交互に跳躍しながら屋根の上に移動した可能性が出てきた。しかし、この方法だと犯人は途轍もない脚力の持ち主ということになる。
レノも屋根の上を移動する際に壁を蹴って跳躍したが、あの時は狭い路地裏だったので建物間の距離が小さかったので出来た芸当であり、巨人族が隠れられるほどの大きな空き地ではとてもではないが建物の間を飛び回る真似はできない。そう考えると犯人は人間離れした跳躍力の持ち主ということになる。
(こんなに離れている建物の壁を跳躍して移動するなんて人間技じゃない……もしかして犯人は人間以外の種族なのか?)
仮に強化術を使用しても今のレノでは犯人の真似は到底できず、反対側の建物に跳び移ろうとしても途中で地面に落ちてしまう。それを考慮すると犯人は人間よりも身体能力が高い種族の可能性が出てきた。
人間よりも身体能力が高い種族と言えばエルフや巨人族が思いつくが、エルフは滅多に人里には訪れず、巨人族の場合は身体が大き過ぎて目立ち過ぎる。第一にレノが発見した足跡は巨人族の足の大きさではなかった。
「多分、犯人は壁を蹴って屋根の上まで登ったと思うけど……この距離を跳び越えるだけの脚力を持っているなんて信じられない」
「なるほどな。それなら犯人は獣人族の可能性があるんじゃないか?」
「獣人族?」
「何だ知らないのか?人間と獣が合体したような種族だよ」
「……正確には人間と獣の両方の性質を併せ持つ種族」
ガイアは犯人の正体は獣人族ではないかと考察すると、レノは獣人族のことをよく知らないので尋ねるとヒカゲが詳しく説明してくれる。レノは街の中で時折見かけた頭に獣耳を生やした人たちを思い出す。
(獣人族……そういえば昔師匠から聞いたことがあったな。容姿は人間にそっくりだけど、獣のように身軽に動ける種族だって)
獣人族は多種多様で様々な獣の特徴を併せ持ち、例えば犬型の獣人族は嗅覚が鋭くて足が速い。猫型の獣人族は身軽な者が多く、牛型の獣人族は怪力を誇る。彼等の殆どは人間離れした身体能力を持って生まれるため、獣人族ならば壁を跳び越えて屋根に乗り移れる者が居てもおかしくはない。
「犯人がもしも壁を跳躍して移動しているとしたら厄介なことはない……これだと臭いを追跡するのも困難」
「ウルが臭いを辿れないのは屋根に逃げたせいで臭いが途絶えたからか……」
「クゥ~ンッ」
ここまで頼りにしてきたウルの嗅覚でも屋根を自由に飛び回れる犯人の追跡は難しく、残念ながら折角見つけた手掛かりも犯人を追い詰めるまでには至らなかった。だが、今まで誰にも突き止められなかった犯人の手掛かりが掴めただけでも進展した言える。
「レノ、ありがとう。犯人の手掛かりが掴めたのも貴方とウルのお陰」
「あ、いや……俺はただウルの後を付いてきただけですから」
「ウォンッ!!」
ヒカゲの感謝にレノはウルのお陰だと答えるが、ウルは誇らしげに鳴き声を上げる。ガイアから下ろして貰うとレノはこれからのことを話し合う。
「それでどうしますか?一応、屋根の上に移動してウルに臭いを嗅がせてみます?」
「その必要はない。相手が屋根の上を跳び回れるのなら臭いだけの追跡は困難……それに魔獣が屋根を飛び回る姿を見られたら住民が騒ぐ」
「クゥ~ンッ……」
「じゃあ、どうするんだよ?折角手掛かりを見つけたのにこのまま帰るのか?」
犯人が建物を跳び越えるだけの身体能力を持っていることは確かであり、仮にウルが屋根に上って臭いを嗅がせても追跡は困難だと思われた。だが、臭いを辿れないのであればどうやって犯人を追うのかダインが問うと、ヒカゲはレノが発見した足跡を指差す。
「一先ずはあの足跡のサイズを記録しておく」
「おいおい、まさか足跡だけで犯人を捜すつもりか!?そりゃ無茶だろうがっ!!」
「確かにその通り、だけど犯人を獣人族の冒険者に絞れば数は減らせる」
「え?冒険者?」
ヒカゲの言葉にレノは不思議に思うが、彼女は発見した足跡を利用しての犯人捜しを提案する。
――現場に残った足跡を正確に記録し、この街に滞在している獣人族の冒険者を重点的に調べ上げるのがヒカゲの提案だった。どうして調査の対象を冒険者だけにするのかというと、これまで殺された被害者達は黒虎の中堅冒険者であり、簡単に殺される相手ではない。だから殺人犯は相当に腕の立つ人物だと思われた。
冒険者を殺せるだけの実力者が一般人だとは考えにくく、黒虎の冒険者だけを殺していることから犯人は黒虎に恨みを抱く人物の可能性が高い。そう考えると他のギルドの冒険者が怪しく、黒虎の名声のせいで彼等は不遇な扱いを受けている。だから黒虎に恨みを抱く冒険者が居てもおかしくはない。
ヒカゲの読みでは犯人は獣人族の冒険者の可能性が高く、他のギルドに所属する獣人族の冒険者の足跡を調べ、現場に残された足跡と一致する獣人がいないか探し出すという内容だった。だが、それを聞いて真っ先にガイアが激高した。
「てめえ!!まだうちのギルドの連中を疑っているのか!?俺のところのギルドには人殺しするようなクズはいねえっ!!」
「……それは貴方の主観に過ぎない」
「何だと!?」
「や、止めてください!!こんなところで喧嘩はしないでください!!」
「どうか落ち着いて!!」
ガイアは自分のギルドに所属する冒険者を疑うヒカゲに激怒するが、警備兵が慌てて割り込んだ。ガイアにとっては仲間を疑われるのは屈辱でしかないが、ヒカゲは冷静に答える。
「今の時点で犯人がいる可能性が高いのはギルドは赤獅子……黒虎が信用を失えば、必然的に二番目に人気が高い赤獅子がこの街の代表各となる」
「ふざけんなっ!!確かに俺達はお前等が大嫌いだが、だからといって殺してまで名誉を取り戻そうとは考えていねえ!!」
「貴方はそう考えていても他の人間が同じように考えているとは限らない。実際、赤獅子の冒険者はよくうちの冒険者に因縁をつけて来る。さっきの貴方も私に突っかかったように……」
「ぐっ!?」
痛い所を突かれたガイアは言い返すことができず、どうやらガイア以外の赤獅子の冒険者も黒虎に絡んでくるというのは本当の話らしい。
「だ、だがよ……獣人族の冒険者が一番多いのはお前等のところのギルドだろうが!?」
「え、そうなの?」
「まあ、うちは一番人数が多いから……」
「獣人族の子もたくさんいるよ~」
黒虎にも獣人族の冒険者は多数所属しており、ガイアはそれを指摘して犯人捜しを行うのならば黒虎も同じように調査するように告げる。
10
お気に入りに追加
784
あなたにおすすめの小説

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています


雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる