73 / 86
第72話 殺人事件の調査
しおりを挟む
「はあっ……仕方ない。皆、私に付いて来て」
「付いて来てこいって……何処へ行くんだよ?」
「今日起きた殺人現場」
「ええっ!?」
ヒカゲに連れられてレノ達は本日起きた殺人事件の現場に向かうことになり、冒険者ギルドを後にした。向かう途中でレノは色々と事件の質問を行う。
「あの……今まで起きた事件のことを聞かせてくれませんか?」
「……分かった。でも、事件の情報は他の人に絶対に漏らさないようにして」
「分かりました」
「僕達にも聞かせろよ!!」
「殺人事件……聞くの怖いよ~」
「クゥ~ンッ……」
移動中にレノ達はヒカゲが知る限りの連続殺人事件の詳細を教えてもらう。ハルナだけは怖がってウルを抱きしめるが、事件の捜査を行う以上は情報は共有しておかなければならない。
――ヒカゲによれば最初に起きた事件から一貫しているのは殺される人間は黒虎に所属する冒険者であり、全員が銀級冒険者だった。彼等は同じ階級であること以外に共通点はなく、性別も年齢もバラバラだった。
最初に殺されたのは「セレブロ」という名前の男性冒険者で去年に銀級冒険者に昇格を果たした。20才の時に冒険者となって10年間も働き続け、一昨年に銀級冒険者に昇格した。黒虎の中では10本指に入る程の優秀な槍使いだったが、首を切られて殺害された。
次に殺されたのは「シル」という名前の21才の女性冒険者であり、彼女は18才の時に冒険者となってわずか2年目で銀級冒険者に昇格した。冒険者になる前は傭兵を勤めており、凄腕の剣士として名が知れ渡っていた。しかし、彼女も何者かに首を切られて殺されたことから連続殺人事件の可能性が浮上する。
最後に殺されたのは「ギン」という名前の40才の男性であり、元は別の冒険者ギルドに所属していたが数年前に黒虎のギルドに移籍した。銀級冒険者だが実際は階級以上の実力を持ち合わせており、他の冒険者からも慕われていた。目撃者によれば街中でいきなり剣を振り回して暴れ始めたらしく、急に首元から血が噴き出して死んだという。
「そ、そんな……あのギンさんまで死んでたなんて」
「嘘……シルさんまで殺されたの?」
「……二人の知り合いだったの?」
話を聞かされたダインとハルナはショックを受けた表情を浮かべ、二人とも殺された被害者とは面識があった。二人も殺された冒険者も黒虎に所属していたので面識があってもおかしくはないが、殺された人間の名前を聞いてダインは信じられない表情を浮かべた。
「ギンさんは階級は銀級だったけど、実力は金級冒険者にも劣らないと言われてたんだぞ!?」
「シルさんだって物凄く強いんだよ!?私と手合わせした時も全然攻撃が当たらなかったもん!!」
「でも殺されたのは事実……犯人も相当な手練れとしか考えられない」
これまで殺された人間は黒虎の中でも上位に入る実力者ばかりのため、殺害した犯人は相当な腕前だと思われた。だが、ハルナとダインは殺された人間の実力を知っているだけに簡単には信じられなかった。
「きっと汚い手を使って殺したんだ!!そうでもなければギンさんが殺されるはずがない!!」
「シルさんもセレブロさんもあんなに強いのに殺されるなんて信じられないよ……」
「二人が信じなくても殺されたことに変わりはない……犯人を侮っては駄目」
「何だよ!?ヒカゲは三人が殺されたのに悔しくないのかよ!?」
「……仕事に私情を挟まない。忍者は常に冷静でなければならない」
ヒカゲも殺された三人とは面識があるが犯人を見つけ出すために余計な感情は出さず、あくまでも冷静に犯人を見つけ出すために行動する。そんなヒカゲにレノは凄いと思った。
(年齢は俺とそんなに変わらないはずなのに……凄く冷静で頼りになるな)
ハルナとダインからすれば知り合いが死んでいるのに冷静に振舞うヒカゲに思う所はあるが、彼女の行動自体は間違いではない。犯人に怒った所で状況が好転するわけではなく、冷静に徹して犯人探しを行う。
「今の所は殺されたのは黒虎の冒険者だけなんですか?」
「そう、警備兵に調べて貰ったけどこの一週間に死んだ人間はこの三人だけ……犯人は黒虎に恨みのある人間の可能性が高い」
「恨み?例えばどんな人間が恨んでるんですか?」
「……一番可能性があるのは他所のギルドの冒険者」
黒虎に恨みを抱く人間がいるとすれば同じ街に存在するギルドの冒険者であり、黒虎の存在で他のギルドの冒険者は肩身の狭い思いをしている。街の人間は黒虎を頼りにしており、他の冒険者ギルドはあまり当てにされていない。
元黄金級冒険者のバルがギルドマスターを勤める黒虎は世間の人間からの信頼は厚く、実際に彼女の指導で育てられた黒虎の冒険者は優秀な人材が多い。元々はこの街には多数の冒険者ギルドが存在したが、現在は殆どのギルドが黒虎に合併されている。残されている冒険者ギルドは二つだけであり、どちらも黒虎よりも規模が小さくて人材も少ない。
「この数年で黒虎の知名度が広がったせいで街の人間の殆どは黒虎に仕事を依頼する。そのせいで他所のギルドの仕事は激減して、黒虎に恨みを抱く人間が現れてもおかしくはない」
「じゃあ、ヒカゲは他のギルドの奴等がギンさんたちを殺したと思ってるのか!?」
「声が大きい、もっと静かに話して……可能性としては十分に有り得る」
「冒険者が冒険者を殺すなんて……」
所属するギルドは違えども冒険者は本来は魔物から人々を守るため、そして警備兵と同様に街の治安維持のために必要な存在でもある。その冒険者同士が殺し合うなど信じられないが、ヒカゲによれば他所の冒険者を疑う理由は他にもあった。
「これまで殺されたのは黒虎の中でも一流の冒険者ばかり、全員が簡単に殺されるような人たちじゃない。もしも殺せる人間が街の中に居るとしたら相当な強者……つまり、腕利きの冒険者かもしれない」
「た、確かに……」
「なら……シルさん達を殺したのは他のギルドの冒険者さんなの?」
「断定はできない。けど、私はそれ以外にあり得ないと思う」
殺された冒険者が黒虎内でも腕利きの冒険者であり、もしも彼等を殺せる存在がいるとすれば他のギルドの冒険者以外に考えられないとヒカゲは語る。レノはその言葉を聞いて納得しかけたが、少しだけ引っかかりを覚えた。
(犯人は他所のギルドの冒険者……それが一番可能性が高いとは思うけど、何でかしっくりこないな)
自分でも不思議なことにレノはヒカゲの推理が間違っているとは思わないが、どことなく違和感を抱く。何かを見落としているような気がするが、それが何なのかはっきりと分からない。そんなことを考えている内にレノ達は殺人現場に到着した。
「あ、ヒカゲさん!!急にいなくなるからびっくりしましたよ!!」
「……ギルドマスターの報告のために戻っていた」
殺人現場には十数名の警備兵が今だに待機しており、彼等は一般人が近付けないように封鎖していた。ヒカゲが訪れると兵士達は道を開いて殺人現場に入れてくれた。この街では警備兵よりも冒険者の方が市民の信頼が厚く、見た目は子供であるにも関わらずに銀級冒険者のヒカゲに対しても兵士は敬語で話しかける。
「調査の結果は?」
「それが……目撃者の事情聴取では全員がやはり被害者が急に暴れ出したという証言しか得られませんでした。一応は現場も調べてみましたが、怪しい点は見つからず……」
「そう」
兵士の報告を聞いてもヒカゲは特に反応せず、彼等から有力な情報を得られることは期待していない様子だった。殺害現場に残っていた死体は既に運ばれた後らしく、現場には殺された被害者の血の染みだけが残っていた。
「付いて来てこいって……何処へ行くんだよ?」
「今日起きた殺人現場」
「ええっ!?」
ヒカゲに連れられてレノ達は本日起きた殺人事件の現場に向かうことになり、冒険者ギルドを後にした。向かう途中でレノは色々と事件の質問を行う。
「あの……今まで起きた事件のことを聞かせてくれませんか?」
「……分かった。でも、事件の情報は他の人に絶対に漏らさないようにして」
「分かりました」
「僕達にも聞かせろよ!!」
「殺人事件……聞くの怖いよ~」
「クゥ~ンッ……」
移動中にレノ達はヒカゲが知る限りの連続殺人事件の詳細を教えてもらう。ハルナだけは怖がってウルを抱きしめるが、事件の捜査を行う以上は情報は共有しておかなければならない。
――ヒカゲによれば最初に起きた事件から一貫しているのは殺される人間は黒虎に所属する冒険者であり、全員が銀級冒険者だった。彼等は同じ階級であること以外に共通点はなく、性別も年齢もバラバラだった。
最初に殺されたのは「セレブロ」という名前の男性冒険者で去年に銀級冒険者に昇格を果たした。20才の時に冒険者となって10年間も働き続け、一昨年に銀級冒険者に昇格した。黒虎の中では10本指に入る程の優秀な槍使いだったが、首を切られて殺害された。
次に殺されたのは「シル」という名前の21才の女性冒険者であり、彼女は18才の時に冒険者となってわずか2年目で銀級冒険者に昇格した。冒険者になる前は傭兵を勤めており、凄腕の剣士として名が知れ渡っていた。しかし、彼女も何者かに首を切られて殺されたことから連続殺人事件の可能性が浮上する。
最後に殺されたのは「ギン」という名前の40才の男性であり、元は別の冒険者ギルドに所属していたが数年前に黒虎のギルドに移籍した。銀級冒険者だが実際は階級以上の実力を持ち合わせており、他の冒険者からも慕われていた。目撃者によれば街中でいきなり剣を振り回して暴れ始めたらしく、急に首元から血が噴き出して死んだという。
「そ、そんな……あのギンさんまで死んでたなんて」
「嘘……シルさんまで殺されたの?」
「……二人の知り合いだったの?」
話を聞かされたダインとハルナはショックを受けた表情を浮かべ、二人とも殺された被害者とは面識があった。二人も殺された冒険者も黒虎に所属していたので面識があってもおかしくはないが、殺された人間の名前を聞いてダインは信じられない表情を浮かべた。
「ギンさんは階級は銀級だったけど、実力は金級冒険者にも劣らないと言われてたんだぞ!?」
「シルさんだって物凄く強いんだよ!?私と手合わせした時も全然攻撃が当たらなかったもん!!」
「でも殺されたのは事実……犯人も相当な手練れとしか考えられない」
これまで殺された人間は黒虎の中でも上位に入る実力者ばかりのため、殺害した犯人は相当な腕前だと思われた。だが、ハルナとダインは殺された人間の実力を知っているだけに簡単には信じられなかった。
「きっと汚い手を使って殺したんだ!!そうでもなければギンさんが殺されるはずがない!!」
「シルさんもセレブロさんもあんなに強いのに殺されるなんて信じられないよ……」
「二人が信じなくても殺されたことに変わりはない……犯人を侮っては駄目」
「何だよ!?ヒカゲは三人が殺されたのに悔しくないのかよ!?」
「……仕事に私情を挟まない。忍者は常に冷静でなければならない」
ヒカゲも殺された三人とは面識があるが犯人を見つけ出すために余計な感情は出さず、あくまでも冷静に犯人を見つけ出すために行動する。そんなヒカゲにレノは凄いと思った。
(年齢は俺とそんなに変わらないはずなのに……凄く冷静で頼りになるな)
ハルナとダインからすれば知り合いが死んでいるのに冷静に振舞うヒカゲに思う所はあるが、彼女の行動自体は間違いではない。犯人に怒った所で状況が好転するわけではなく、冷静に徹して犯人探しを行う。
「今の所は殺されたのは黒虎の冒険者だけなんですか?」
「そう、警備兵に調べて貰ったけどこの一週間に死んだ人間はこの三人だけ……犯人は黒虎に恨みのある人間の可能性が高い」
「恨み?例えばどんな人間が恨んでるんですか?」
「……一番可能性があるのは他所のギルドの冒険者」
黒虎に恨みを抱く人間がいるとすれば同じ街に存在するギルドの冒険者であり、黒虎の存在で他のギルドの冒険者は肩身の狭い思いをしている。街の人間は黒虎を頼りにしており、他の冒険者ギルドはあまり当てにされていない。
元黄金級冒険者のバルがギルドマスターを勤める黒虎は世間の人間からの信頼は厚く、実際に彼女の指導で育てられた黒虎の冒険者は優秀な人材が多い。元々はこの街には多数の冒険者ギルドが存在したが、現在は殆どのギルドが黒虎に合併されている。残されている冒険者ギルドは二つだけであり、どちらも黒虎よりも規模が小さくて人材も少ない。
「この数年で黒虎の知名度が広がったせいで街の人間の殆どは黒虎に仕事を依頼する。そのせいで他所のギルドの仕事は激減して、黒虎に恨みを抱く人間が現れてもおかしくはない」
「じゃあ、ヒカゲは他のギルドの奴等がギンさんたちを殺したと思ってるのか!?」
「声が大きい、もっと静かに話して……可能性としては十分に有り得る」
「冒険者が冒険者を殺すなんて……」
所属するギルドは違えども冒険者は本来は魔物から人々を守るため、そして警備兵と同様に街の治安維持のために必要な存在でもある。その冒険者同士が殺し合うなど信じられないが、ヒカゲによれば他所の冒険者を疑う理由は他にもあった。
「これまで殺されたのは黒虎の中でも一流の冒険者ばかり、全員が簡単に殺されるような人たちじゃない。もしも殺せる人間が街の中に居るとしたら相当な強者……つまり、腕利きの冒険者かもしれない」
「た、確かに……」
「なら……シルさん達を殺したのは他のギルドの冒険者さんなの?」
「断定はできない。けど、私はそれ以外にあり得ないと思う」
殺された冒険者が黒虎内でも腕利きの冒険者であり、もしも彼等を殺せる存在がいるとすれば他のギルドの冒険者以外に考えられないとヒカゲは語る。レノはその言葉を聞いて納得しかけたが、少しだけ引っかかりを覚えた。
(犯人は他所のギルドの冒険者……それが一番可能性が高いとは思うけど、何でかしっくりこないな)
自分でも不思議なことにレノはヒカゲの推理が間違っているとは思わないが、どことなく違和感を抱く。何かを見落としているような気がするが、それが何なのかはっきりと分からない。そんなことを考えている内にレノ達は殺人現場に到着した。
「あ、ヒカゲさん!!急にいなくなるからびっくりしましたよ!!」
「……ギルドマスターの報告のために戻っていた」
殺人現場には十数名の警備兵が今だに待機しており、彼等は一般人が近付けないように封鎖していた。ヒカゲが訪れると兵士達は道を開いて殺人現場に入れてくれた。この街では警備兵よりも冒険者の方が市民の信頼が厚く、見た目は子供であるにも関わらずに銀級冒険者のヒカゲに対しても兵士は敬語で話しかける。
「調査の結果は?」
「それが……目撃者の事情聴取では全員がやはり被害者が急に暴れ出したという証言しか得られませんでした。一応は現場も調べてみましたが、怪しい点は見つからず……」
「そう」
兵士の報告を聞いてもヒカゲは特に反応せず、彼等から有力な情報を得られることは期待していない様子だった。殺害現場に残っていた死体は既に運ばれた後らしく、現場には殺された被害者の血の染みだけが残っていた。
10
お気に入りに追加
784
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる