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第67話 本気を出していない
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「おい、誰だあの子?」
「新人の冒険者か?それにしては若すぎるような……」
「ダイン君とハルナちゃんと仲が良いみたいだけど、友達なのかしら?」
「さっきからうるさいよあんたら!!見学するなら静かにしな!!」
見学しにきた冒険者達にバルが注意する間もレノは的に視線を向け、先ほどの練習で感覚は掴めたので今度は焦らずに矢を構えた。
(あんまり魔力を込め過ぎると後ろの柵まで壊しそうだからな……これぐらいの魔力で十分かな)
矢を撃つ前にレノは右手に送り込む魔力を最低限に調整させてから付与魔法を発動させた。
「付与《エンチャント》」
「っ!?」
「こいつは……」
レノが付与魔法を発動した瞬間、それを見ていたヒカゲは目を見開き、バルも目つきを鋭くさせた。レノは矢に魔力を付与させると的に狙いを定めて放つ。
風の魔力をまとった矢は先ほどとは比べ物にならない移動速度で的に向かい、今度は的を貫通して後方の柵にまで突き刺さった。それを見ていた者達は驚きの声を上げ、レノは冷や汗を流す。
「あ、しまった……まだ魔力が多かったか」
「ま、的を貫いたぞ!?」
「なんて威力だ!!」
「は、早過ぎて見えなかった……」
冒険者の中にはレノが射抜いた矢を目で追い切れなかった者もおり、間近で見学していたヒカゲとバルでさえも弓魔術で撃ちこまれた矢を目で追うのがやっとだった。
「なるほど……大したもんだね。これだけの速さと貫通力なら確かにホブゴブリンぐらいなら倒せそうだ」
「……確かに凄い腕前。エルフの弟子という話も本当みたい」
「信じてなかったのかよ!?」
「やったね、流石はレノ君!!」
「あ、ありがとう」
ハルナがハイタッチを要求してきたのでレノは戸惑いながらも行うと、それを見ていた冒険者達はひそひそと話し合う。彼等からすればいきなり訪れた少年が見たこともない魔法を使って的を貫いたので何者なのか気になった。
「ギルドマスター!!その子供は誰なんですか?」
「新しい冒険者?それにしてはちょっと若すぎるような……」
「まさかギルドマスターの隠し子!?」
「馬鹿なことを言ってんじゃないよ!!こいつはダインとハルナが連れてきた……えっと、どういえばいいんだい?」
「……そんなことよりも今のをもう一度見てみたい」
「え?別にいいけど……」
バルが冒険者に説明を求められる中、ヒカゲは別の的を指差してレノにもう一度撃つように頼む。矢も魔力もまだ余裕があるのでレノは構わなかったが、何故かヒカゲは的の隣に移動した。
「私を当てずに的を撃つことはできる?」
「ええっ!?」
「何やってんだよヒカゲ!?危ないから下がれよ!?」
「当たったら大怪我しちゃうよ!?」
「大丈夫、レノが当てなければ問題ない」
「おいおい、何のつもりだい?」
的の隣に移動したヒカゲに全員が驚く中、彼女は腰に刺した短剣に手を伸ばした状態で待機する。そんな彼女にレノは戸惑うが、バルはヒカゲの意図を読んでレノに促す。
「仕方ないね。あの子に言う通りにしてやりな」
「えっ!?でも……」
「何だい、的に当てられる自信はないのかい?」
「……どうなっても知りませんよ」
バルに言われてレノは的の位置とヒカゲが立っている場所を確認し、ヒカゲが動かなければレノは的に確実に当てる自信はあった。
(大丈夫だ。焦らなければ絶対に当てられる……やるんだ!!)
的の近くに人間が居るだけで上手く狙いを定められないようではエルフ(アル)の弟子など名乗れず、レノは意識を集中させて準備を行う。彼が弓を構えるとヒカゲも真剣な表情を浮かべた。
「付与《エンチャント》!!」
「……ふっ!!」
矢に風の魔力を纏わせた状態で先ほどのようにレノは撃つと、凄まじい速度で的に目掛けて矢は真っ直ぐに飛来した。それに対してヒカゲは短剣を引き抜き、迫りくる矢に目掛けて刃を放つ。
ヒカゲが繰り出した短剣の刃はレノが撃ちこんだ訓練用の矢に衝突した瞬間、訓練場に突風が発生した。レノの矢は短剣の刃に触れた瞬間に蓄積されていた風の魔力が解放されて周囲に風圧が広がり、肝心の矢は粉々に砕けてしまった。ヒカゲは間近で風圧を浴びて地面に倒れてしまう。
「うわっ!?な、何だ!?」
「ヒカゲちゃん!?大丈夫!?」
「……問題ない、転んだだけ」
「転んだだけって……な、何してるんですか!?」
ヒカゲは怪我はしていないのかすぐに起き上がるが、レノとしては彼女の行動の意味が分からなかった。自分の放った矢を短剣で攻撃した彼女に混乱し、どうしてこんな真似をしたのかを問い質す。するとヒカゲの代わりにバルが口を挟む。
「ヒカゲはあんたの魔法を試したんだよ」
「試すって……」
「見てれば分かるよ。あんた、本気でその魔法を使っていないね?」
「えっ!?」
「本気じゃないって……」
「あれで手加減してたのか!?」
バルの発言に驚いたのはレノだけではなく、見学していた冒険者達も驚く。レノの付与魔法の矢は先ほど的を貫通するだけの威力を見せつけたが、それはあくまでも最低限の魔力で撃ちこんだ矢に過ぎず、一番弱い威力の矢に過ぎない。
「これぐらいの矢なら一度見れば私でも対処できる。だから私は本気で撃ったレノの矢を見てみたい」
「そ、そう言われても……」
「私も気になるね。あんたの魔法がどれくらい凄いのか見せてくれるかい?」
「バルさんまで!?」
ヒカゲだけならともかく、バルにまで自分の付与魔法の本当の力を催促されたレノは戸惑う。別にレノが付与魔法を発動させるときに最低限の魔力しか矢に込めないのは理由があり、彼本人も本気で付与魔法を発動すればどうなるのか分からないからである。
これまでにレノは何度か通常よりも多めに魔力を矢に込めて撃ったことはある。しかし、風属性の魔力を付与させる際に魔力量が大きいだけ矢が衝突した際に発生する風圧の威力が増加する。もしもレノが限界まで矢を魔力に注ぎ込んだ場合、どれほどの被害が生まれるのか想像もできない。
「無理です!!俺にはこれ以上の矢なんて撃てません!!」
「嘘を吐くのは良くないね。あんたは本気を隠している……大方、被害を気にして本気が出せないだけだろ?」
「そ、それは……」
「それならあんたがいくら本気を出しても壊れない物を用意してやるよ」
「え?」
バルの言葉にレノは不思議に思うが、彼女は何を考えたのかヒカゲの元へ向かう。ヒカゲはバルと二言三言話し合うと、呆れた表情を浮かべてレノ達の元へ戻る。バルは的の前に立つと、大声で見学していた冒険者達に声を指示を出す。
「私の部屋から退魔刀を持ってきな!!」
「た、退魔刀!?」
「それってギルドマスターの持っている大剣のことですか!?」
「その通りだよ!!いいからさっさと持ってきな!!1分以内に持ってこないとここにいる全員お仕置きだよ!!」
『ひええ~!?』
冒険者達はバルの言葉を聞いて悲鳴をあげ、全員が慌てて建物の中に戻った――
――数十秒後、男性冒険者が数人がかりでバルの部屋から大剣を持ち出してきた。大剣はレノも見覚えがあり、最初に部屋に入った時に上半身裸のバルが素振りをしていた大剣だと気が付く。
「ひいっ、ひいっ……お、重い!!」
「何キロあるんだこれ……」
「し、しっかり持てよ!!」
「お前の方こそ力を入れてんのか!?」
「たくっ、貧弱な奴等だね……さっさと持ってきな!!」
魔物と戦うために常日頃から厳しい鍛錬で身体を鍛えている男性冒険者達でさえも運び出すのが精いっぱいであり、彼等は何とかバルの元に退魔刀を移動させる。それに対してバルは片手で退魔刀の柄を掴むと軽々と持ち上げた。
「新人の冒険者か?それにしては若すぎるような……」
「ダイン君とハルナちゃんと仲が良いみたいだけど、友達なのかしら?」
「さっきからうるさいよあんたら!!見学するなら静かにしな!!」
見学しにきた冒険者達にバルが注意する間もレノは的に視線を向け、先ほどの練習で感覚は掴めたので今度は焦らずに矢を構えた。
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矢を撃つ前にレノは右手に送り込む魔力を最低限に調整させてから付与魔法を発動させた。
「付与《エンチャント》」
「っ!?」
「こいつは……」
レノが付与魔法を発動した瞬間、それを見ていたヒカゲは目を見開き、バルも目つきを鋭くさせた。レノは矢に魔力を付与させると的に狙いを定めて放つ。
風の魔力をまとった矢は先ほどとは比べ物にならない移動速度で的に向かい、今度は的を貫通して後方の柵にまで突き刺さった。それを見ていた者達は驚きの声を上げ、レノは冷や汗を流す。
「あ、しまった……まだ魔力が多かったか」
「ま、的を貫いたぞ!?」
「なんて威力だ!!」
「は、早過ぎて見えなかった……」
冒険者の中にはレノが射抜いた矢を目で追い切れなかった者もおり、間近で見学していたヒカゲとバルでさえも弓魔術で撃ちこまれた矢を目で追うのがやっとだった。
「なるほど……大したもんだね。これだけの速さと貫通力なら確かにホブゴブリンぐらいなら倒せそうだ」
「……確かに凄い腕前。エルフの弟子という話も本当みたい」
「信じてなかったのかよ!?」
「やったね、流石はレノ君!!」
「あ、ありがとう」
ハルナがハイタッチを要求してきたのでレノは戸惑いながらも行うと、それを見ていた冒険者達はひそひそと話し合う。彼等からすればいきなり訪れた少年が見たこともない魔法を使って的を貫いたので何者なのか気になった。
「ギルドマスター!!その子供は誰なんですか?」
「新しい冒険者?それにしてはちょっと若すぎるような……」
「まさかギルドマスターの隠し子!?」
「馬鹿なことを言ってんじゃないよ!!こいつはダインとハルナが連れてきた……えっと、どういえばいいんだい?」
「……そんなことよりも今のをもう一度見てみたい」
「え?別にいいけど……」
バルが冒険者に説明を求められる中、ヒカゲは別の的を指差してレノにもう一度撃つように頼む。矢も魔力もまだ余裕があるのでレノは構わなかったが、何故かヒカゲは的の隣に移動した。
「私を当てずに的を撃つことはできる?」
「ええっ!?」
「何やってんだよヒカゲ!?危ないから下がれよ!?」
「当たったら大怪我しちゃうよ!?」
「大丈夫、レノが当てなければ問題ない」
「おいおい、何のつもりだい?」
的の隣に移動したヒカゲに全員が驚く中、彼女は腰に刺した短剣に手を伸ばした状態で待機する。そんな彼女にレノは戸惑うが、バルはヒカゲの意図を読んでレノに促す。
「仕方ないね。あの子に言う通りにしてやりな」
「えっ!?でも……」
「何だい、的に当てられる自信はないのかい?」
「……どうなっても知りませんよ」
バルに言われてレノは的の位置とヒカゲが立っている場所を確認し、ヒカゲが動かなければレノは的に確実に当てる自信はあった。
(大丈夫だ。焦らなければ絶対に当てられる……やるんだ!!)
的の近くに人間が居るだけで上手く狙いを定められないようではエルフ(アル)の弟子など名乗れず、レノは意識を集中させて準備を行う。彼が弓を構えるとヒカゲも真剣な表情を浮かべた。
「付与《エンチャント》!!」
「……ふっ!!」
矢に風の魔力を纏わせた状態で先ほどのようにレノは撃つと、凄まじい速度で的に目掛けて矢は真っ直ぐに飛来した。それに対してヒカゲは短剣を引き抜き、迫りくる矢に目掛けて刃を放つ。
ヒカゲが繰り出した短剣の刃はレノが撃ちこんだ訓練用の矢に衝突した瞬間、訓練場に突風が発生した。レノの矢は短剣の刃に触れた瞬間に蓄積されていた風の魔力が解放されて周囲に風圧が広がり、肝心の矢は粉々に砕けてしまった。ヒカゲは間近で風圧を浴びて地面に倒れてしまう。
「うわっ!?な、何だ!?」
「ヒカゲちゃん!?大丈夫!?」
「……問題ない、転んだだけ」
「転んだだけって……な、何してるんですか!?」
ヒカゲは怪我はしていないのかすぐに起き上がるが、レノとしては彼女の行動の意味が分からなかった。自分の放った矢を短剣で攻撃した彼女に混乱し、どうしてこんな真似をしたのかを問い質す。するとヒカゲの代わりにバルが口を挟む。
「ヒカゲはあんたの魔法を試したんだよ」
「試すって……」
「見てれば分かるよ。あんた、本気でその魔法を使っていないね?」
「えっ!?」
「本気じゃないって……」
「あれで手加減してたのか!?」
バルの発言に驚いたのはレノだけではなく、見学していた冒険者達も驚く。レノの付与魔法の矢は先ほど的を貫通するだけの威力を見せつけたが、それはあくまでも最低限の魔力で撃ちこんだ矢に過ぎず、一番弱い威力の矢に過ぎない。
「これぐらいの矢なら一度見れば私でも対処できる。だから私は本気で撃ったレノの矢を見てみたい」
「そ、そう言われても……」
「私も気になるね。あんたの魔法がどれくらい凄いのか見せてくれるかい?」
「バルさんまで!?」
ヒカゲだけならともかく、バルにまで自分の付与魔法の本当の力を催促されたレノは戸惑う。別にレノが付与魔法を発動させるときに最低限の魔力しか矢に込めないのは理由があり、彼本人も本気で付与魔法を発動すればどうなるのか分からないからである。
これまでにレノは何度か通常よりも多めに魔力を矢に込めて撃ったことはある。しかし、風属性の魔力を付与させる際に魔力量が大きいだけ矢が衝突した際に発生する風圧の威力が増加する。もしもレノが限界まで矢を魔力に注ぎ込んだ場合、どれほどの被害が生まれるのか想像もできない。
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「それならあんたがいくら本気を出しても壊れない物を用意してやるよ」
「え?」
バルの言葉にレノは不思議に思うが、彼女は何を考えたのかヒカゲの元へ向かう。ヒカゲはバルと二言三言話し合うと、呆れた表情を浮かべてレノ達の元へ戻る。バルは的の前に立つと、大声で見学していた冒険者達に声を指示を出す。
「私の部屋から退魔刀を持ってきな!!」
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「それってギルドマスターの持っている大剣のことですか!?」
「その通りだよ!!いいからさっさと持ってきな!!1分以内に持ってこないとここにいる全員お仕置きだよ!!」
『ひええ~!?』
冒険者達はバルの言葉を聞いて悲鳴をあげ、全員が慌てて建物の中に戻った――
――数十秒後、男性冒険者が数人がかりでバルの部屋から大剣を持ち出してきた。大剣はレノも見覚えがあり、最初に部屋に入った時に上半身裸のバルが素振りをしていた大剣だと気が付く。
「ひいっ、ひいっ……お、重い!!」
「何キロあるんだこれ……」
「し、しっかり持てよ!!」
「お前の方こそ力を入れてんのか!?」
「たくっ、貧弱な奴等だね……さっさと持ってきな!!」
魔物と戦うために常日頃から厳しい鍛錬で身体を鍛えている男性冒険者達でさえも運び出すのが精いっぱいであり、彼等は何とかバルの元に退魔刀を移動させる。それに対してバルは片手で退魔刀の柄を掴むと軽々と持ち上げた。
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