58 / 86
第57話 初めての街へ
しおりを挟む
「ギュロッ!!」
「あっ……行っちゃった」
「な、何だったんだ……」
「ウルが追い返してくれたのか?」
「クゥ~ンッ」
サンドワームが地中に戻るとレノ達は安心し、これでもうセマカを助ける存在はいなくなった。今度はセマカの口元をしっかりと塞ぎ、入念に身体を調べて武器や道具を隠していないのを調べる。
「たくっ、こいつのせいで大変な目に遭ったな……目が覚めたら覚えてろよ!!」
「まあまあ、それよりも先に急ごうよ」
「街までもう少しだよ~」
「ウォンッ!!」
縛り直したセマカはハルナが肩で担ぎ、こういう時は彼女の怪力は非常に頼もしい。レノも強化術を発動すれば人間一人くらいなら簡単に持ち上げることはできるが、強化術の場合は一時的にしか身体能力は強化できないので長時間持ち歩くことはできない。
ハルナは動くのは遅いが常人離れした怪力と体力は持ち合わせており、重い鎧と大盾を装備した状態でも人間一人を楽々と持ち上げて歩き回れる。そんな彼女にレノは頼もしく思い、彼女の評価を変える。
(ハルナは凄いな。俺よりもよっぽど役に立ってる)
女騎士に拘るせいで動きにくい鎧を装着し続けるハルナにレノは冷たく当たった。だが、彼女はサンドワームに襲われた時に自分の身が危険に晒されることを承知で囮になった。もしもハルナがサンドワームの注意を引いていなければ今頃はセマカに逃げられていたかもしれない。
(サンドワームか……あんな化物も外の世界にいるんだな)
レノはサンドワームを見た時に戦うしかないと思ったが、仮に弓魔術で殺していた場合は大変なことになっていた。サンドワームは死亡すると身体が破裂して大量の胃液を放出する。そうなればレノだけではなく、ダインやハルナも危険に晒されていた。
相手が魔物だからといって不用意に殺す様な真似は避けねばならず、レノはまだまだ自分が魔物の生態には詳しくないのだと悟る。これから旅をするのならば世界各地の魔物の知識を知らねばならない。
(世界は広いんだ。俺が知らない魔物なんていくらでもいるんだろうな……)
最初は街に着いたら旅の準備を整えたら別の街に向かおうかと考えていた。だが、今回の一件でレノは自分の至らなさを思い知り、魔物の知識を深めるだけではなく色々な勉強をすることにした――
――時刻は正午を迎えた頃、遂にレノ達は目的地の「イチノ」という名前の街に辿り着いた。イチノは子供の頃にレノが両親と向かっていた街でもあり、もしも森の中で魔物に襲われていなかったらレノは両親と共にこの街で暮らしていた。
これまでレノが訪れた村は柵で取り囲まれていたのに対し、イチノの場合は街の周囲を城壁で取り囲まれていた。東西南北に城門が存在し、その内の南門からレノ達は中に入る。街中は活気に満ちており、人間以外の種族も多く暮らしている。
「ここがイチノ……何だか人が多いけど、今日は祭りか何かなの?」
「いつもこんなもんだよ」
「大きなお祭りなら一か月後にあるよ~」
「クゥンッ……」
人込みの多さにレノは祭りでも行われているのかと思ったが、ダインとハルナによると人の多さはいつも通りのことらしい。イチノには1万人以上の人間が暮らしており、彼等の平和を守っているのが冒険者だと語る。
「このイチノにはいくつかの冒険者ギルドがあるけど、その中でも黒虎が一番規模が大きくて冒険者の数も多いんだ」
「へえ、そうなんだ」
「今のギルドマスターさんは元々は黄金級冒険者だったんだよ~」
「黄金級……確か冒険者の最高階級だっけ?」
冒険者には階級が存在し、一番下から「銅級」「鉄級」「銀級」「白銀級」「黄金」の5つに分かれている。最高階級の黄金級冒険者は大陸内の全ての冒険者の中でも10人程度しかいない。
白銀級までは自分が所属する冒険者ギルドのギルドマスターの判断で昇格できるが、黄金級冒険者の場合は複数の冒険者ギルドのギルドマスターから認められるほどの功績を残さないと昇格はできない。だから黄金級冒険者に昇格した人間は実力だけではなく、大勢の人間に認められる程の人格者でなければならない。だから性格面に問題がある人間は実力はあっても黄金級冒険者にはなり得ない。
「そういえばダイン達は銅級だっけ?」
「うっ……そうだよ、僕は5年も昇格してない底辺冒険者だよ。別に笑ってもいいんだぞ!?」
「ううっ……私もこの間、昇格試験が落ちたから笑えないよ」
「な、なんかごめん……」
「ウォンッ」
二人の階級を尋ねるとダインは不貞腐れてハルナは落ち込んでしまう。そんな二人を元気づけるようにウルは鳴き声を上げるが、レノは二人の話を聞いて不思議に思う。
(ダインもハルナも凄い能力を持ってるのにどうして銅級のままなんだろう?試験がそんなに難しいのかな?)
レノは二人と戦ったこともあるがダインの影魔法もハルナの怪力の凄さを理解していた。ダインの影魔法は敵を拘束すれば決して逃さず、どんなに力を込めようと影を振りほどくことはできない。ハルナの怪力はホブゴブリンも裸足で逃げ出すほどであり、単純な力比べならレノはハルナの足元にも及ばない。
能力的にはダインもハルナも優れているはずなのだが、二人がいつまでも銅級から上がらないのには理由があるのではないかとレノは考えた。だが、まずは先にセマカを冒険者ギルドに引き渡して賞金を受け取ることにした。
「セマカの賞金は三等分でいいかな?」
「僕は別に構わないけど……レノはそれでいいのか?何だったら報酬の半分を貰ってもいいんだぞ。残りの報酬は僕とハルナで分けるから……」
「私もそれでいいよ~レノ君がいなかったらこの人を捕まえることもできなかったし」
「いや、三等分にしよう。ここにいる三人とウルが居なかったら捕まえることはできなかったし……」
「ウォンッ!!」
セマカを捕縛できたのはレノのお陰だとダインとハルナは語るが、レノとしてはダインとハルナとウルと力を合わせなければセマカを捕まえることはできなかったと考えている。実際にセマカの行方を追ったのはウルであり、セマカが従えるホブゴブリンにレノが襲われた時に助けてくれたのもダインとハルナだった。
村からイチノの街まで移送の途中でも、セマカを捕まえられたのはハルナとダインが協力してくれたお陰だった。もしもハルナがサンドワームの注意を引き、ダインがセマカを引きずり降ろしていなければ今頃は逃げられていたかもしれない。それを考えるとレノは自分一人だけ多くの報酬を貰うことなどできるはずがなかった。
「よし、それじゃあ僕達の冒険者ギルドへ行こう!!」
「ギルドは何処にあるの?」
「街の中心だよ~やっと帰ってこれたよ~」
レノ達は冒険者ギルドへ向かおうとすると、街の人たちに注目を浴びる。ハルナが一人でセマカを担いでいるせいで奇異の視線を向けられる。
「何か知らあれ……女の子が男の人を運んでいるわ」
「鎧を着ているから傭兵か冒険者か?まさか人さらいじゃないよな……」
「一緒に歩いている男の子達は恥ずかしくないのかしら。女の子一人に運ばせるなんて……」
周囲の冷ややかな視線を浴びてレノとダインはいたたまれなくなり、ハルナにセマカを運ぶ役目は自分達がやることを伝えた。
「ハ、ハルナ……疲れてるでしょ?俺が代わりにそいつを運ぶよ?」
「え、でも……」
「遠慮しなくていいから!!ほら、貸して!!」
レノはハルナから半ば無理やりにセマカは取り上げると、彼女の代わりに運び始める。そんな彼を見てハルナは嬉しそうな表情を浮かべた。
「あっ……行っちゃった」
「な、何だったんだ……」
「ウルが追い返してくれたのか?」
「クゥ~ンッ」
サンドワームが地中に戻るとレノ達は安心し、これでもうセマカを助ける存在はいなくなった。今度はセマカの口元をしっかりと塞ぎ、入念に身体を調べて武器や道具を隠していないのを調べる。
「たくっ、こいつのせいで大変な目に遭ったな……目が覚めたら覚えてろよ!!」
「まあまあ、それよりも先に急ごうよ」
「街までもう少しだよ~」
「ウォンッ!!」
縛り直したセマカはハルナが肩で担ぎ、こういう時は彼女の怪力は非常に頼もしい。レノも強化術を発動すれば人間一人くらいなら簡単に持ち上げることはできるが、強化術の場合は一時的にしか身体能力は強化できないので長時間持ち歩くことはできない。
ハルナは動くのは遅いが常人離れした怪力と体力は持ち合わせており、重い鎧と大盾を装備した状態でも人間一人を楽々と持ち上げて歩き回れる。そんな彼女にレノは頼もしく思い、彼女の評価を変える。
(ハルナは凄いな。俺よりもよっぽど役に立ってる)
女騎士に拘るせいで動きにくい鎧を装着し続けるハルナにレノは冷たく当たった。だが、彼女はサンドワームに襲われた時に自分の身が危険に晒されることを承知で囮になった。もしもハルナがサンドワームの注意を引いていなければ今頃はセマカに逃げられていたかもしれない。
(サンドワームか……あんな化物も外の世界にいるんだな)
レノはサンドワームを見た時に戦うしかないと思ったが、仮に弓魔術で殺していた場合は大変なことになっていた。サンドワームは死亡すると身体が破裂して大量の胃液を放出する。そうなればレノだけではなく、ダインやハルナも危険に晒されていた。
相手が魔物だからといって不用意に殺す様な真似は避けねばならず、レノはまだまだ自分が魔物の生態には詳しくないのだと悟る。これから旅をするのならば世界各地の魔物の知識を知らねばならない。
(世界は広いんだ。俺が知らない魔物なんていくらでもいるんだろうな……)
最初は街に着いたら旅の準備を整えたら別の街に向かおうかと考えていた。だが、今回の一件でレノは自分の至らなさを思い知り、魔物の知識を深めるだけではなく色々な勉強をすることにした――
――時刻は正午を迎えた頃、遂にレノ達は目的地の「イチノ」という名前の街に辿り着いた。イチノは子供の頃にレノが両親と向かっていた街でもあり、もしも森の中で魔物に襲われていなかったらレノは両親と共にこの街で暮らしていた。
これまでレノが訪れた村は柵で取り囲まれていたのに対し、イチノの場合は街の周囲を城壁で取り囲まれていた。東西南北に城門が存在し、その内の南門からレノ達は中に入る。街中は活気に満ちており、人間以外の種族も多く暮らしている。
「ここがイチノ……何だか人が多いけど、今日は祭りか何かなの?」
「いつもこんなもんだよ」
「大きなお祭りなら一か月後にあるよ~」
「クゥンッ……」
人込みの多さにレノは祭りでも行われているのかと思ったが、ダインとハルナによると人の多さはいつも通りのことらしい。イチノには1万人以上の人間が暮らしており、彼等の平和を守っているのが冒険者だと語る。
「このイチノにはいくつかの冒険者ギルドがあるけど、その中でも黒虎が一番規模が大きくて冒険者の数も多いんだ」
「へえ、そうなんだ」
「今のギルドマスターさんは元々は黄金級冒険者だったんだよ~」
「黄金級……確か冒険者の最高階級だっけ?」
冒険者には階級が存在し、一番下から「銅級」「鉄級」「銀級」「白銀級」「黄金」の5つに分かれている。最高階級の黄金級冒険者は大陸内の全ての冒険者の中でも10人程度しかいない。
白銀級までは自分が所属する冒険者ギルドのギルドマスターの判断で昇格できるが、黄金級冒険者の場合は複数の冒険者ギルドのギルドマスターから認められるほどの功績を残さないと昇格はできない。だから黄金級冒険者に昇格した人間は実力だけではなく、大勢の人間に認められる程の人格者でなければならない。だから性格面に問題がある人間は実力はあっても黄金級冒険者にはなり得ない。
「そういえばダイン達は銅級だっけ?」
「うっ……そうだよ、僕は5年も昇格してない底辺冒険者だよ。別に笑ってもいいんだぞ!?」
「ううっ……私もこの間、昇格試験が落ちたから笑えないよ」
「な、なんかごめん……」
「ウォンッ」
二人の階級を尋ねるとダインは不貞腐れてハルナは落ち込んでしまう。そんな二人を元気づけるようにウルは鳴き声を上げるが、レノは二人の話を聞いて不思議に思う。
(ダインもハルナも凄い能力を持ってるのにどうして銅級のままなんだろう?試験がそんなに難しいのかな?)
レノは二人と戦ったこともあるがダインの影魔法もハルナの怪力の凄さを理解していた。ダインの影魔法は敵を拘束すれば決して逃さず、どんなに力を込めようと影を振りほどくことはできない。ハルナの怪力はホブゴブリンも裸足で逃げ出すほどであり、単純な力比べならレノはハルナの足元にも及ばない。
能力的にはダインもハルナも優れているはずなのだが、二人がいつまでも銅級から上がらないのには理由があるのではないかとレノは考えた。だが、まずは先にセマカを冒険者ギルドに引き渡して賞金を受け取ることにした。
「セマカの賞金は三等分でいいかな?」
「僕は別に構わないけど……レノはそれでいいのか?何だったら報酬の半分を貰ってもいいんだぞ。残りの報酬は僕とハルナで分けるから……」
「私もそれでいいよ~レノ君がいなかったらこの人を捕まえることもできなかったし」
「いや、三等分にしよう。ここにいる三人とウルが居なかったら捕まえることはできなかったし……」
「ウォンッ!!」
セマカを捕縛できたのはレノのお陰だとダインとハルナは語るが、レノとしてはダインとハルナとウルと力を合わせなければセマカを捕まえることはできなかったと考えている。実際にセマカの行方を追ったのはウルであり、セマカが従えるホブゴブリンにレノが襲われた時に助けてくれたのもダインとハルナだった。
村からイチノの街まで移送の途中でも、セマカを捕まえられたのはハルナとダインが協力してくれたお陰だった。もしもハルナがサンドワームの注意を引き、ダインがセマカを引きずり降ろしていなければ今頃は逃げられていたかもしれない。それを考えるとレノは自分一人だけ多くの報酬を貰うことなどできるはずがなかった。
「よし、それじゃあ僕達の冒険者ギルドへ行こう!!」
「ギルドは何処にあるの?」
「街の中心だよ~やっと帰ってこれたよ~」
レノ達は冒険者ギルドへ向かおうとすると、街の人たちに注目を浴びる。ハルナが一人でセマカを担いでいるせいで奇異の視線を向けられる。
「何か知らあれ……女の子が男の人を運んでいるわ」
「鎧を着ているから傭兵か冒険者か?まさか人さらいじゃないよな……」
「一緒に歩いている男の子達は恥ずかしくないのかしら。女の子一人に運ばせるなんて……」
周囲の冷ややかな視線を浴びてレノとダインはいたたまれなくなり、ハルナにセマカを運ぶ役目は自分達がやることを伝えた。
「ハ、ハルナ……疲れてるでしょ?俺が代わりにそいつを運ぶよ?」
「え、でも……」
「遠慮しなくていいから!!ほら、貸して!!」
レノはハルナから半ば無理やりにセマカは取り上げると、彼女の代わりに運び始める。そんな彼を見てハルナは嬉しそうな表情を浮かべた。
10
お気に入りに追加
784
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる