34 / 86
第34話 廃村と狼 ※連載再開しました。
しおりを挟む
――アルと別れたレノは荷物の中から地図を取り出す。こちらの地図はアルが用意した物であり、森から一番近い村を探す。
「えっと……この村が一番近いみたいだな」
アルが用意してくれた地図を確認してレノは森から北の方に村があることを確認するとまずはそこへ向かう。徒歩での移動だと数時間はかかる距離だったが、これから旅を続けるのであればどこかで馬など調達しなければならない。
「お金は父さんと母さんが残したのがあるし、食料や水も余裕があるから大丈夫かな」
両親が死んだ際に金銭の類もしっかりとアルが保管してくれていたお陰で当分の間は生活に困ることはなさそうだった。だが、旅をする以上はレノも自分で金を稼ぐ手段を身に付けなければならず、どのような方法で金を稼ぐのかを考える。
(とりあえずは村に着いて宿を確保してから考えよう。まずは村に目指すことだけ集中するか)
旅に出たばかりで色々と不安はあるがレノは余計なことを考えずに村に向かうことだけに専念する。だが、この数時間後にレノは思いもよらぬ事態に陥る――
――時刻は昼間を迎え、ようやくレノは目的地の村へと辿り着いた。だが、そこで見たのは予想外の風景だった。
「ど、どうなってるんだこれ……ここで間違いないはずだよな?」
レノは古びた地図を取り出して目的地を確認し、この場所が地図に記されている村であることを確かめると、力が抜けて膝を着く。辿り着いたのは村というよりも「廃村」という表現が正しい。
地図に記されていた村の建物はどれも倒壊しており、人の気配は一切感じない。既に人間が離れてから数十年は経過しているらしく、慌ててレノは地図を確認すると発行日が100年前の日付だと判明した。
「し、師匠ぉっ……いったい何時の地図を渡してるんですかぁっ!?」
自分が貰った地図がまさかの100年前の地図だと判明し、今更ながらにレノはアルがエルフであることを思い出す。彼女は人間よりも寿命が長いエルフであり、しかも普段は人間と接触しない森の中で生活していたことを思い出す。恐らくアルが地図を買った当時は村は存在したのだろうが、何らかの理由で村に住んでいた人間はいなくなって廃村と化した。
「ど、どうしよう……」
村に辿り着ければ休めると思っていただけにレノのショックは大きく、とりあえずは地図をもう一度確認してみるが他の村まで移動する時間はなく、今から出発しても今日中に辿り着ける保証はない。
「はあっ……しょうがない、今日はここで一晩明かすしかないか」
深いため息を吐きながらレノは廃村を一通り確認し、せめて雨風を防げる場所は残っていないのか調べることにした――
――村を調査した結果、倒壊していない建物が一つだけ残っていた。その建物は馬小屋であり、今夜はここで過ごすしかないと思った夜営の準備を行う。
「はあっ……旅ってこんなに苦労するのか」
馬小屋の中でレノは干し肉に嚙り付き、食料と水はまだ余裕はあるが今日のところは干し肉を一切れだけ食べて我慢することにした。まさか旅の初日で廃村に泊まることになるとは思いもしなかった。
アルから渡された地図を見て他の村も廃村になっていないのか心配するが、とりあえずは無駄な体力の消耗を抑えるためにレノは早々に休むことにする。しかし、疲れているはずなのに妙に緊張して眠れない。
(ううっ……落ち着かない。人がいないのは分かってるんだけど)
廃村を調査した結果、やはりここには人間は誰一人住んでいないのは確認済みである。それでもレノは落ち着いて休むことができず、仕方ないので弓を手にして外へ出た。
「もう少しだけこの村を調べてみようかな……」
眠くなるまでの暇つぶしも兼ねてレノは廃村を調査するために小屋を出た。念のために武器だけは手放さず、用心のために魔力感知を発動して周囲の様子を伺う。だが、人間の魔力は感じられなかった。
(やっぱりこの村には誰も……ん?何だこの魔力?)
昼間に探索した時は感じなかった魔力を感知し、疑問を抱いたレノは魔力が感じる場所へ向かう。
(もしかして誰かがここへ来たのか?いや、この魔力は……)
魔力を感知した場所に辿り着くと、そこには白色の毛皮に覆われた狼が倒れていた。狼は身体のあちこちに怪我を負っており、それを見たレノは急いで駆けつける。
「狼!?どうしてこんなところに……」
「クゥ~ンッ……」
「酷い怪我をしてるな……」
狼はレノを見ても逃げる素振りはなく、怯えた様子で鳴き声を漏らす。それを見てレノは可哀想に思ったが狼を助けるべきか悩む。
(どうしよう。これぐらいの傷なら治せなくないはないと思うけど……)
アルが渡してくれた荷物の中には薬草の類も入っており、それらを調合すれば薬も作れる。しかし、狼を治すために貴重な薬を使うことに躊躇した。
怪我をしている狼は別にレノが飼っているわけではなく、仮に治した所で逃げ出すかあるいは襲い掛かってくるかもしれない。それでも自分に助けを求めるように見つめる狼にレノは冷や汗を流す。
「……助けてほしいのか?」
「クゥンッ……」
「ああ、もう……仕方ないな!!」
レノは急いで自分の荷物を取りへと戻り、狼の治療のために薬草を調合して傷薬を生み出す。怪我をした箇所に傷薬を塗った後、包帯代わりに大きな葉を張り付けて狼に動かないように注意する。
「いいか、死にたくなかったら大人しくしてるんだぞ」
「ウォンッ……」
「はあっ……もしも襲ってきたら返り討ちにするからな」
警戒しながらもレノは狼が大人しく眠るまで傍に居てやり、その日は夜明けまで共に過ごした――
――翌朝、いつの間にかレノは眠っていたらしく、目を覚ますと狼の姿が消えていることに気が付く。まだ怪我は完全に治ってはいないはずだが、消えた狼を探してみたが既に村から出て行ったのか見つからない。
「あいつ……出て行くなら礼ぐらい言えよ」
勝手に消えてしまった狼にレノはため息を吐くが、姿が見えないということは動けるまでに回復したことは確かであり、自分が調合した薬が効いたことに安堵する。
疲れは多少残っているがレノは早々に村から出ることにした。こんな廃村に残っていても人が来るとは思えず、急いで次の村に向かう必要があった。あまり当てにできないがアルから貰った地図を確認して次の村がある方向を確認する。
「ここから北西の方角か……はあっ、次の村は廃村じゃないといいけど」
この村のように次の村も人間がいなくなっていないことを祈りながらレノは村を出ようとすると、村の出入口に昨日助けた狼が待ち構えていた。
「ウォンッ!!」
「うわっ!?何だお前、こんな所にいたのか?」
「ウォンウォンッ!!」
狼はレノを見ると尻尾を振って鳴き声を上げ、襲い掛かってくる様子はないのでレノは近づいてみると、狼の足元に魚が落ちていることに気が付く。よく見ると狼は全身が濡れており、昨日張り付けた薬草の葉が全部剥がれ落ちていることに気が付く。
「まさかお前、川に入って魚を獲ってきたのか!?なんて無茶な真似を……」
「クゥンッ?」
どうやら狼は川の中に潜って魚を捕まえてきたらしく、その魚をレノに届けに来たらしい。怪我の治療のために張り付けた葉は川に潜った際に剥がれたらしく、それを知ったレノは困惑する。
(こいつ、自分が怪我をしてるのに俺のためにわざわざ川まで出向いて魚を獲ってきたのか?なんでそこまでして……)
落ちている魚を拾い上げてレノは狼からのお礼を受け取ると、狼は嬉しそうに尻尾を振る。その様子を見てレノは苦笑いを浮かべながら狼に礼を告げた。
「ありがとな」
「ウォンッ♪」
狼はレノが魚を受け取ったのをみて嬉しそうに鳴き声を上げ、その様子を見てレノはこの狼が妙に人に懐いている気がした。もしかしたら猟犬のように人間に飼育されていた可能性もあり、言葉もある程度理解しているように思えた。
「えっと……この村が一番近いみたいだな」
アルが用意してくれた地図を確認してレノは森から北の方に村があることを確認するとまずはそこへ向かう。徒歩での移動だと数時間はかかる距離だったが、これから旅を続けるのであればどこかで馬など調達しなければならない。
「お金は父さんと母さんが残したのがあるし、食料や水も余裕があるから大丈夫かな」
両親が死んだ際に金銭の類もしっかりとアルが保管してくれていたお陰で当分の間は生活に困ることはなさそうだった。だが、旅をする以上はレノも自分で金を稼ぐ手段を身に付けなければならず、どのような方法で金を稼ぐのかを考える。
(とりあえずは村に着いて宿を確保してから考えよう。まずは村に目指すことだけ集中するか)
旅に出たばかりで色々と不安はあるがレノは余計なことを考えずに村に向かうことだけに専念する。だが、この数時間後にレノは思いもよらぬ事態に陥る――
――時刻は昼間を迎え、ようやくレノは目的地の村へと辿り着いた。だが、そこで見たのは予想外の風景だった。
「ど、どうなってるんだこれ……ここで間違いないはずだよな?」
レノは古びた地図を取り出して目的地を確認し、この場所が地図に記されている村であることを確かめると、力が抜けて膝を着く。辿り着いたのは村というよりも「廃村」という表現が正しい。
地図に記されていた村の建物はどれも倒壊しており、人の気配は一切感じない。既に人間が離れてから数十年は経過しているらしく、慌ててレノは地図を確認すると発行日が100年前の日付だと判明した。
「し、師匠ぉっ……いったい何時の地図を渡してるんですかぁっ!?」
自分が貰った地図がまさかの100年前の地図だと判明し、今更ながらにレノはアルがエルフであることを思い出す。彼女は人間よりも寿命が長いエルフであり、しかも普段は人間と接触しない森の中で生活していたことを思い出す。恐らくアルが地図を買った当時は村は存在したのだろうが、何らかの理由で村に住んでいた人間はいなくなって廃村と化した。
「ど、どうしよう……」
村に辿り着ければ休めると思っていただけにレノのショックは大きく、とりあえずは地図をもう一度確認してみるが他の村まで移動する時間はなく、今から出発しても今日中に辿り着ける保証はない。
「はあっ……しょうがない、今日はここで一晩明かすしかないか」
深いため息を吐きながらレノは廃村を一通り確認し、せめて雨風を防げる場所は残っていないのか調べることにした――
――村を調査した結果、倒壊していない建物が一つだけ残っていた。その建物は馬小屋であり、今夜はここで過ごすしかないと思った夜営の準備を行う。
「はあっ……旅ってこんなに苦労するのか」
馬小屋の中でレノは干し肉に嚙り付き、食料と水はまだ余裕はあるが今日のところは干し肉を一切れだけ食べて我慢することにした。まさか旅の初日で廃村に泊まることになるとは思いもしなかった。
アルから渡された地図を見て他の村も廃村になっていないのか心配するが、とりあえずは無駄な体力の消耗を抑えるためにレノは早々に休むことにする。しかし、疲れているはずなのに妙に緊張して眠れない。
(ううっ……落ち着かない。人がいないのは分かってるんだけど)
廃村を調査した結果、やはりここには人間は誰一人住んでいないのは確認済みである。それでもレノは落ち着いて休むことができず、仕方ないので弓を手にして外へ出た。
「もう少しだけこの村を調べてみようかな……」
眠くなるまでの暇つぶしも兼ねてレノは廃村を調査するために小屋を出た。念のために武器だけは手放さず、用心のために魔力感知を発動して周囲の様子を伺う。だが、人間の魔力は感じられなかった。
(やっぱりこの村には誰も……ん?何だこの魔力?)
昼間に探索した時は感じなかった魔力を感知し、疑問を抱いたレノは魔力が感じる場所へ向かう。
(もしかして誰かがここへ来たのか?いや、この魔力は……)
魔力を感知した場所に辿り着くと、そこには白色の毛皮に覆われた狼が倒れていた。狼は身体のあちこちに怪我を負っており、それを見たレノは急いで駆けつける。
「狼!?どうしてこんなところに……」
「クゥ~ンッ……」
「酷い怪我をしてるな……」
狼はレノを見ても逃げる素振りはなく、怯えた様子で鳴き声を漏らす。それを見てレノは可哀想に思ったが狼を助けるべきか悩む。
(どうしよう。これぐらいの傷なら治せなくないはないと思うけど……)
アルが渡してくれた荷物の中には薬草の類も入っており、それらを調合すれば薬も作れる。しかし、狼を治すために貴重な薬を使うことに躊躇した。
怪我をしている狼は別にレノが飼っているわけではなく、仮に治した所で逃げ出すかあるいは襲い掛かってくるかもしれない。それでも自分に助けを求めるように見つめる狼にレノは冷や汗を流す。
「……助けてほしいのか?」
「クゥンッ……」
「ああ、もう……仕方ないな!!」
レノは急いで自分の荷物を取りへと戻り、狼の治療のために薬草を調合して傷薬を生み出す。怪我をした箇所に傷薬を塗った後、包帯代わりに大きな葉を張り付けて狼に動かないように注意する。
「いいか、死にたくなかったら大人しくしてるんだぞ」
「ウォンッ……」
「はあっ……もしも襲ってきたら返り討ちにするからな」
警戒しながらもレノは狼が大人しく眠るまで傍に居てやり、その日は夜明けまで共に過ごした――
――翌朝、いつの間にかレノは眠っていたらしく、目を覚ますと狼の姿が消えていることに気が付く。まだ怪我は完全に治ってはいないはずだが、消えた狼を探してみたが既に村から出て行ったのか見つからない。
「あいつ……出て行くなら礼ぐらい言えよ」
勝手に消えてしまった狼にレノはため息を吐くが、姿が見えないということは動けるまでに回復したことは確かであり、自分が調合した薬が効いたことに安堵する。
疲れは多少残っているがレノは早々に村から出ることにした。こんな廃村に残っていても人が来るとは思えず、急いで次の村に向かう必要があった。あまり当てにできないがアルから貰った地図を確認して次の村がある方向を確認する。
「ここから北西の方角か……はあっ、次の村は廃村じゃないといいけど」
この村のように次の村も人間がいなくなっていないことを祈りながらレノは村を出ようとすると、村の出入口に昨日助けた狼が待ち構えていた。
「ウォンッ!!」
「うわっ!?何だお前、こんな所にいたのか?」
「ウォンウォンッ!!」
狼はレノを見ると尻尾を振って鳴き声を上げ、襲い掛かってくる様子はないのでレノは近づいてみると、狼の足元に魚が落ちていることに気が付く。よく見ると狼は全身が濡れており、昨日張り付けた薬草の葉が全部剥がれ落ちていることに気が付く。
「まさかお前、川に入って魚を獲ってきたのか!?なんて無茶な真似を……」
「クゥンッ?」
どうやら狼は川の中に潜って魚を捕まえてきたらしく、その魚をレノに届けに来たらしい。怪我の治療のために張り付けた葉は川に潜った際に剥がれたらしく、それを知ったレノは困惑する。
(こいつ、自分が怪我をしてるのに俺のためにわざわざ川まで出向いて魚を獲ってきたのか?なんでそこまでして……)
落ちている魚を拾い上げてレノは狼からのお礼を受け取ると、狼は嬉しそうに尻尾を振る。その様子を見てレノは苦笑いを浮かべながら狼に礼を告げた。
「ありがとな」
「ウォンッ♪」
狼はレノが魚を受け取ったのをみて嬉しそうに鳴き声を上げ、その様子を見てレノはこの狼が妙に人に懐いている気がした。もしかしたら猟犬のように人間に飼育されていた可能性もあり、言葉もある程度理解しているように思えた。
10
お気に入りに追加
784
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる