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第29話 弓魔術
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――初めて風属性の付与魔法を試してから数日が経過し、付与魔法と弓矢を組み合わせた攻撃法をレノは「弓魔術」と名付けた。弓魔術は矢に宿した魔力の分だけ効果が大きく変化し、多めに魔力を注ぎ込めば樹木を貫通する程の威力を誇るが、その代わりに矢の精度は落ちてしまう。
最初の実験の時にレノは樹木に目掛けて矢を放ったが、調べてみるとレノが射抜いた矢は的から大きく外れていた。最近は弓矢の練習で的から外したことは一度もなかったレノだが、どうやら付与魔法を施したせいで矢の狙いが大きくずれたらしい。
(どんなに威力があっても的に当たらなければ意味ないんだ)
時は現在に戻り、川で魚を取りに来たレノは練習した弓魔術の成果を試すために岩の上から川を見下ろす。弓を構えながら付与魔法を発動する準備も行い、緊張した様子で川の中を泳ぐ魚を探す。
(大丈夫、あんなに練習したんだ。上手くいくはず……今だっ!!)
視界に水中を泳ぐ魚を捕えたレノは矢を番えると、付与魔法を発動させて撃ちこむ。使用するのは風属性の魔力であり、矢は目にも止まらぬ速度で発射された。川の中に放たれた矢は水中でも速度を全く落とさずに突っ込み、泳いでいた魚を射抜く。
「当たった!!」
川の中から矢が突き刺さった魚が浮かび上がり、それを見てレノは感激の声を上げた。喜んだ理由は魚を仕留めたからではなく、無駄な被害を生み出さずに矢を放てたからである。
最初に風属性の魔力を宿した矢を放った際、予想外にも樹木をへし折ってしまった。威力は凄まじいがその代わりに命中精度が大きく下がり、実戦で使うには大きな不安があった。ホブゴブリンのような巨体の相手との戦闘ならば通じるかもしれないが、一角兎などの小さな魔物の場合は当てられる自信はない(仮に当てられたとしても矢の威力で死骸が粉々に吹き飛ぶ)。
そこでレノはこの数日の間に弓魔術の練習に没頭し、どの程度の魔力を注げば命中精度も下げずに適確な射撃ができるようになるのか試した。そして遂に命中精度を殆ど下げず、それでいながら今までの射撃よりも素早く威力もある矢を撃てるようになった。
「上手くいって良かった……それにしてもこの矢、水中でも殆ど速度は落ちなかったな」
水中に突っ込んだ際も矢は移動速度を落とさずに直進し、泳いでいる魚が逃げる暇もなく仕留めた。もしかしたら付与魔法の効果で移動中の矢は風の魔力を纏っており、その魔力が水を弾いて移動したお陰で速度を保っているように見えた。
(水中でも速度を落とさないのはいいな。これなら魚を取り放題だ)
練習の成果が出たことにレノは嬉しく思い、水面に浮かんだ魚を回収するともう一度試してみることにした。今度はもっと大きな魚を狙い、狙いを定めるために川に視線を向ける。
「お、次はあいつにしよう」
川を泳いでいる魚の中からレノは大きめの魚を選び、再び弓を構えて準備を行う。先ほどのように矢を射かけようとした際、後ろから聞き覚えのある声が響く。
「おい、レノ!!釣竿も持って行かずにどうやって魚を取るつもりだい!!」
「うわぁっ!?」
いきなり後ろから声をかけられたレノは驚き、いつの間にか釣竿を手にしたアルが近付いていた。彼女はレノが魚釣りに出向いたはずなのに釣り道具を忘れたことに気付いて届けに来たのだが、声をかけたのが最悪のタイミングだった。
急に声をかけられたせいでレノは集中力が乱れてしまい、先ほどよりも多めに魔力を矢に付与してしまう。矢に付与された風属性の魔力が先端に集中し、螺旋状の風の渦巻へと変貌する。そして矢が弓から離れた瞬間、凄まじい勢いで川の中に矢が突っ込んだ。
螺旋状の風の魔力をまとった矢が水面に衝突した瞬間、凄まじい水飛沫が上がった。まるで川の中で爆発でも起きたかのように激しく水が溢れ、岩の上に立っていたレノの身体に大量の水が降り注ぐ。
「ぶはぁっ!?」
「な、何だ!?何が起きたんだい!?」
水飛沫を浴びたレノは岩の上から滑り落ちてしまい、そのまま川の中に突っ込む。それを見たアルは何が起きたのか理解できず、慌ててレノが落ちた川に駆け込む――
――川の中に沈んだレノをアルはどうにか救出すると、二人は服を脱いで焚火で身体を温める。家に戻らなかったのはレノが捕まえた魚を焼いて食べるためであり、服を乾かすついでに串刺しした魚を焼く。
「はあっ……弓魔術ね、あんたが最近こそこそと何かしてたとは思ってたけど、まさかこんな術を編み出していたなんてね」
「ううっ……すいません、隠すつもりはなかったんですけど」
「別に謝らなくていいよ。それにしてもあんた、相変わらずカナヅチだね……」
「うぐぅっ!?」
実を言えばレノは泳ぐのが大の苦手であり、川に行くときも浅瀬までしか身体を浸かれない。運動神経は高いのだが何故か水泳だけは大の苦手であり、先ほども川に沈んだ時はアルが助けてくれなかったら危なかった。
「魔法の練習もいいけど泳ぎの練習もやっておきな。こんな川ぐらいで溺れるようじゃいざという時に大変な目に遭うよ」
「す、すいません……これからは頑張ります」
「まあいい、ほら焼けたよ」
不幸中の幸いだったのはレノが矢を撃ち込んだ際に派手な水飛沫が上がり、そのせいか川の中を泳いでいた魚の何匹かが巻き込まれて陸に打ち上げられていた。お陰で今日は魚が食べ放題であり、服を乾かすついでに焼いた魚を二人は食べる。
食事しながらアルはレノに視線を向け、服を脱いでみて分かったが何時の間にかレノも男らしい体格になっており、毎日の厳しい訓練のお陰でしっかりと筋肉は身に着けていた。しかも見かけ倒しの筋肉などではなく、あらゆる運動に適した柔軟な筋肉を身に着けていた。
(こうしてみるとこいつも男なんだと意識させられるね……あの小さなガキが随分とデカくなったね)
成長したレノを見てアルは感慨深い表情を浮かべるが、その一方で寂しさを感じていた。アルがレノと一緒に居られる時間はもう長くはないことを語る。
「レノ……あんた、この森から出て行きな」
「えっ!?」
食事中にいきなり言われた言葉にレノは驚き、食べようとしていた魚を落としてしまう。真剣な表情を浮かべたアルはレノを森から追い出す理由を語る。
「この森はあたしの一族が何百年も管理してきた土地なんだよ。本来なら人間は立ち入ることも禁じられている場所なんだ」
「そ、そうだったんですか!?」
「まあ、うちの親父はいい加減な奴で管理がずさんになっていたせいで人間が時々立ち寄るようになったけど、本当なら人間を見つけたらすぐに追い返すのが私等の役目なんだよ」
「ならどうして師匠は俺を……」
立場的にはアルは森の守護者として人間が侵入してきたら追い出さなければならないのだが、彼女は両親を失って頼れる人間がいないレノを放置することはできず、仕方なく自分の手で育てることにした。
「エルフは人間を毛嫌いしているけれど、うちの母親は前にも言ったように変わり者で人間に興味があったんだよ。小さい頃からあたしに人間が面白い生き物だって言い聞かせたからあたしは他のエルフと違って人間に嫌悪感を抱いてはいなかった。それにエルフの掟で例え異種族であろうと子供には危害を加えてはならないというのがあってね。だからあたしはあんたが大人になるまで育つことを決めたんだ」
「そ、そうだったんですか……」
アルがレノを拾って育てたのは彼がまだ子供だったからであり、もしも出会った当時にレノが大人だったら彼女は森から追い出していたという。しかし、両親を失ったばかりの幼い子供を可哀想に思って自分で育てることを決める。
最初の実験の時にレノは樹木に目掛けて矢を放ったが、調べてみるとレノが射抜いた矢は的から大きく外れていた。最近は弓矢の練習で的から外したことは一度もなかったレノだが、どうやら付与魔法を施したせいで矢の狙いが大きくずれたらしい。
(どんなに威力があっても的に当たらなければ意味ないんだ)
時は現在に戻り、川で魚を取りに来たレノは練習した弓魔術の成果を試すために岩の上から川を見下ろす。弓を構えながら付与魔法を発動する準備も行い、緊張した様子で川の中を泳ぐ魚を探す。
(大丈夫、あんなに練習したんだ。上手くいくはず……今だっ!!)
視界に水中を泳ぐ魚を捕えたレノは矢を番えると、付与魔法を発動させて撃ちこむ。使用するのは風属性の魔力であり、矢は目にも止まらぬ速度で発射された。川の中に放たれた矢は水中でも速度を全く落とさずに突っ込み、泳いでいた魚を射抜く。
「当たった!!」
川の中から矢が突き刺さった魚が浮かび上がり、それを見てレノは感激の声を上げた。喜んだ理由は魚を仕留めたからではなく、無駄な被害を生み出さずに矢を放てたからである。
最初に風属性の魔力を宿した矢を放った際、予想外にも樹木をへし折ってしまった。威力は凄まじいがその代わりに命中精度が大きく下がり、実戦で使うには大きな不安があった。ホブゴブリンのような巨体の相手との戦闘ならば通じるかもしれないが、一角兎などの小さな魔物の場合は当てられる自信はない(仮に当てられたとしても矢の威力で死骸が粉々に吹き飛ぶ)。
そこでレノはこの数日の間に弓魔術の練習に没頭し、どの程度の魔力を注げば命中精度も下げずに適確な射撃ができるようになるのか試した。そして遂に命中精度を殆ど下げず、それでいながら今までの射撃よりも素早く威力もある矢を撃てるようになった。
「上手くいって良かった……それにしてもこの矢、水中でも殆ど速度は落ちなかったな」
水中に突っ込んだ際も矢は移動速度を落とさずに直進し、泳いでいる魚が逃げる暇もなく仕留めた。もしかしたら付与魔法の効果で移動中の矢は風の魔力を纏っており、その魔力が水を弾いて移動したお陰で速度を保っているように見えた。
(水中でも速度を落とさないのはいいな。これなら魚を取り放題だ)
練習の成果が出たことにレノは嬉しく思い、水面に浮かんだ魚を回収するともう一度試してみることにした。今度はもっと大きな魚を狙い、狙いを定めるために川に視線を向ける。
「お、次はあいつにしよう」
川を泳いでいる魚の中からレノは大きめの魚を選び、再び弓を構えて準備を行う。先ほどのように矢を射かけようとした際、後ろから聞き覚えのある声が響く。
「おい、レノ!!釣竿も持って行かずにどうやって魚を取るつもりだい!!」
「うわぁっ!?」
いきなり後ろから声をかけられたレノは驚き、いつの間にか釣竿を手にしたアルが近付いていた。彼女はレノが魚釣りに出向いたはずなのに釣り道具を忘れたことに気付いて届けに来たのだが、声をかけたのが最悪のタイミングだった。
急に声をかけられたせいでレノは集中力が乱れてしまい、先ほどよりも多めに魔力を矢に付与してしまう。矢に付与された風属性の魔力が先端に集中し、螺旋状の風の渦巻へと変貌する。そして矢が弓から離れた瞬間、凄まじい勢いで川の中に矢が突っ込んだ。
螺旋状の風の魔力をまとった矢が水面に衝突した瞬間、凄まじい水飛沫が上がった。まるで川の中で爆発でも起きたかのように激しく水が溢れ、岩の上に立っていたレノの身体に大量の水が降り注ぐ。
「ぶはぁっ!?」
「な、何だ!?何が起きたんだい!?」
水飛沫を浴びたレノは岩の上から滑り落ちてしまい、そのまま川の中に突っ込む。それを見たアルは何が起きたのか理解できず、慌ててレノが落ちた川に駆け込む――
――川の中に沈んだレノをアルはどうにか救出すると、二人は服を脱いで焚火で身体を温める。家に戻らなかったのはレノが捕まえた魚を焼いて食べるためであり、服を乾かすついでに串刺しした魚を焼く。
「はあっ……弓魔術ね、あんたが最近こそこそと何かしてたとは思ってたけど、まさかこんな術を編み出していたなんてね」
「ううっ……すいません、隠すつもりはなかったんですけど」
「別に謝らなくていいよ。それにしてもあんた、相変わらずカナヅチだね……」
「うぐぅっ!?」
実を言えばレノは泳ぐのが大の苦手であり、川に行くときも浅瀬までしか身体を浸かれない。運動神経は高いのだが何故か水泳だけは大の苦手であり、先ほども川に沈んだ時はアルが助けてくれなかったら危なかった。
「魔法の練習もいいけど泳ぎの練習もやっておきな。こんな川ぐらいで溺れるようじゃいざという時に大変な目に遭うよ」
「す、すいません……これからは頑張ります」
「まあいい、ほら焼けたよ」
不幸中の幸いだったのはレノが矢を撃ち込んだ際に派手な水飛沫が上がり、そのせいか川の中を泳いでいた魚の何匹かが巻き込まれて陸に打ち上げられていた。お陰で今日は魚が食べ放題であり、服を乾かすついでに焼いた魚を二人は食べる。
食事しながらアルはレノに視線を向け、服を脱いでみて分かったが何時の間にかレノも男らしい体格になっており、毎日の厳しい訓練のお陰でしっかりと筋肉は身に着けていた。しかも見かけ倒しの筋肉などではなく、あらゆる運動に適した柔軟な筋肉を身に着けていた。
(こうしてみるとこいつも男なんだと意識させられるね……あの小さなガキが随分とデカくなったね)
成長したレノを見てアルは感慨深い表情を浮かべるが、その一方で寂しさを感じていた。アルがレノと一緒に居られる時間はもう長くはないことを語る。
「レノ……あんた、この森から出て行きな」
「えっ!?」
食事中にいきなり言われた言葉にレノは驚き、食べようとしていた魚を落としてしまう。真剣な表情を浮かべたアルはレノを森から追い出す理由を語る。
「この森はあたしの一族が何百年も管理してきた土地なんだよ。本来なら人間は立ち入ることも禁じられている場所なんだ」
「そ、そうだったんですか!?」
「まあ、うちの親父はいい加減な奴で管理がずさんになっていたせいで人間が時々立ち寄るようになったけど、本当なら人間を見つけたらすぐに追い返すのが私等の役目なんだよ」
「ならどうして師匠は俺を……」
立場的にはアルは森の守護者として人間が侵入してきたら追い出さなければならないのだが、彼女は両親を失って頼れる人間がいないレノを放置することはできず、仕方なく自分の手で育てることにした。
「エルフは人間を毛嫌いしているけれど、うちの母親は前にも言ったように変わり者で人間に興味があったんだよ。小さい頃からあたしに人間が面白い生き物だって言い聞かせたからあたしは他のエルフと違って人間に嫌悪感を抱いてはいなかった。それにエルフの掟で例え異種族であろうと子供には危害を加えてはならないというのがあってね。だからあたしはあんたが大人になるまで育つことを決めたんだ」
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