67 / 87
廃墟編
要塞建設
しおりを挟む
「集結!!これより各部隊は事前に与えられた任務に着きなさい!!」
『ゴロンッ!!』
「期限は3日です!!材料班は建物を解体し、材料の確保!!建設班は建物の敷地を確保!!護衛班はこれより私がマスターの護衛を行うので他の二つの班を手伝いなさい!!」
『ゴロッ!!ゴロッ!!ゴロッ!!』
3部隊に分けられた100体の機械人形が動き出し、まずは街の中心部に存在する建物の解体を行う。元々長年の間、人間が住んでいなかったので建物の老朽化も激しく、解体作業は順調に進む。解体の際に確保した素材の加工も材料班が行い、建設班が加工済みの材料を利用してまずは要塞を取り囲む防壁の製作を開始する。
『ゴロロロロッ!!』
無数の機械人形が建物の解体作業に移り、その様子を見守りながらレアとイリスも手伝いを行う。まずは不足分の材料を確保するため、レアは文字変換の能力を駆使して新たな材料を作り出す。
「レアさん、追加分の材料の素材を持ってきましたよ」
「ああ、ありがとう。ならそこの机の上に置いてくれる?」
「申し訳ありません。マスターに手伝いをさせるなど……」
「しょうがないよ。この世界では用意できない代物もあるんだし、気にしなくていいよ」
イリスが大量の小石を積んだ籠を持ち込み、その小石を利用してレアは解析と文字変換の能力を利用してシルフィアに頼まれた材料を製作する。生み出された材料は即座に機械人形の元へ運び込まれ、急速的な速度で建物が建設されていく。
「レア様、ドローンの報告によると街に近づくコボルトを確認しました」
「あ、そうなの?追い返せる?」
「問題はありません。この場から撃ち抜きます」
「あんまり目立たないように気を付けてね」
ドローン街の周辺には無数のドローンが配備され、街に近づく存在を監視する。魔物の場合はシルフィアが撃退を行うため、機械人形は建物の建設に集中出来る。
『ゴロロッ!!』
「分かりました。レア様、どうやらこの街には水脈が流れているようです。水道工事を行えばより生活しやすい環境になります」
「あ、本当に?そういえば井戸とかもあったな……工事はどれくらいかかる?」
「新しい機械人形を追加すれば短期間で終了すると思われますが、どうしますか?」
「追加ね。なら、ちょっと待っててね」
レアはアイテムボックスの画面を開き、リストの画面の文章を文字変換の能力で改竄し、新しい機械人形を量産する。即座に異空間から十数体の機械人形が出現し、シルフィアが支配下に収める。
「貴方達はこれより我が主に仕える忠実な僕です。このゴレムを指揮官として働きなさい」
『ゴロロッ!!』
出現した機械人形にシルフィアは命令を下すと、ゴレムを先頭に彼等は水道工事に取り組む。その様子を確認していたイリスはある事に気付く。
「あのレアさん……私、気付いた事があるんですけど」
「何?」
「わざわざ建物を作り出さずとも、レアさんの能力で建物を作り出したり出来ないんですか?あの不思議な乗り物みたいに……」
「ああ、うん……それは俺も考えたんだけどね。そんなに上手くはいかないみたい」
レアもイリスの言葉通りに実は自分の知識の中の建物を作り出そうとした事がある。前に一度だけ、レアは自分の家を文字変換の能力で作り出せないのかを試した事があるが、結果としては見せかけだけの建物が誕生してしまう。
――文字変換の能力で作り出された物体は自動車のような乗物の類ならば問題ないが、建物に関しては外見だけが酷似した物体しか生み出せない。例えば一軒家を作り出したとしても電気やガスや水道も通っておらず、家具の類だけしか存在しない。これは乗物と違い、外部から供給される代物に関してまでは再現できず、建物を作り出してもガスや水道を通していなければ何も意味はない。
「普通に住む分だけなら問題ないんだけど、やっぱり電気もガスも水道も使えないと不便だからな……」
「よく分からないんですけど、レアさんでも作り出せない物があるんですね」
「そういう事。まあ、文字変換の能力で改竄すればどうにかなるかもしれないけど……」
作り出した建物を解析の能力で詳細画面を開き、文字変換の能力を使えば電気やガス等も扱えるだろうが、レアとしては龍殺しの物語の建物というのが気にかかり、漫画の中でしか見たことがない建物に自分が住めるという事に内心期待も抱いていた。
(それにしても凄い勢いだな。これなら3日も立たないうちに出来上がるんじゃないか?)
大量の機械人形が要塞を取り囲む防壁の建設を行い、既に敷地内の建物は全て解体されていた。まだ建設を開始してから1時間足らずで数十の建物を解体し、材料へと加工する姿にレアは圧倒される。
『ゴロンッ!!』
「期限は3日です!!材料班は建物を解体し、材料の確保!!建設班は建物の敷地を確保!!護衛班はこれより私がマスターの護衛を行うので他の二つの班を手伝いなさい!!」
『ゴロッ!!ゴロッ!!ゴロッ!!』
3部隊に分けられた100体の機械人形が動き出し、まずは街の中心部に存在する建物の解体を行う。元々長年の間、人間が住んでいなかったので建物の老朽化も激しく、解体作業は順調に進む。解体の際に確保した素材の加工も材料班が行い、建設班が加工済みの材料を利用してまずは要塞を取り囲む防壁の製作を開始する。
『ゴロロロロッ!!』
無数の機械人形が建物の解体作業に移り、その様子を見守りながらレアとイリスも手伝いを行う。まずは不足分の材料を確保するため、レアは文字変換の能力を駆使して新たな材料を作り出す。
「レアさん、追加分の材料の素材を持ってきましたよ」
「ああ、ありがとう。ならそこの机の上に置いてくれる?」
「申し訳ありません。マスターに手伝いをさせるなど……」
「しょうがないよ。この世界では用意できない代物もあるんだし、気にしなくていいよ」
イリスが大量の小石を積んだ籠を持ち込み、その小石を利用してレアは解析と文字変換の能力を利用してシルフィアに頼まれた材料を製作する。生み出された材料は即座に機械人形の元へ運び込まれ、急速的な速度で建物が建設されていく。
「レア様、ドローンの報告によると街に近づくコボルトを確認しました」
「あ、そうなの?追い返せる?」
「問題はありません。この場から撃ち抜きます」
「あんまり目立たないように気を付けてね」
ドローン街の周辺には無数のドローンが配備され、街に近づく存在を監視する。魔物の場合はシルフィアが撃退を行うため、機械人形は建物の建設に集中出来る。
『ゴロロッ!!』
「分かりました。レア様、どうやらこの街には水脈が流れているようです。水道工事を行えばより生活しやすい環境になります」
「あ、本当に?そういえば井戸とかもあったな……工事はどれくらいかかる?」
「新しい機械人形を追加すれば短期間で終了すると思われますが、どうしますか?」
「追加ね。なら、ちょっと待っててね」
レアはアイテムボックスの画面を開き、リストの画面の文章を文字変換の能力で改竄し、新しい機械人形を量産する。即座に異空間から十数体の機械人形が出現し、シルフィアが支配下に収める。
「貴方達はこれより我が主に仕える忠実な僕です。このゴレムを指揮官として働きなさい」
『ゴロロッ!!』
出現した機械人形にシルフィアは命令を下すと、ゴレムを先頭に彼等は水道工事に取り組む。その様子を確認していたイリスはある事に気付く。
「あのレアさん……私、気付いた事があるんですけど」
「何?」
「わざわざ建物を作り出さずとも、レアさんの能力で建物を作り出したり出来ないんですか?あの不思議な乗り物みたいに……」
「ああ、うん……それは俺も考えたんだけどね。そんなに上手くはいかないみたい」
レアもイリスの言葉通りに実は自分の知識の中の建物を作り出そうとした事がある。前に一度だけ、レアは自分の家を文字変換の能力で作り出せないのかを試した事があるが、結果としては見せかけだけの建物が誕生してしまう。
――文字変換の能力で作り出された物体は自動車のような乗物の類ならば問題ないが、建物に関しては外見だけが酷似した物体しか生み出せない。例えば一軒家を作り出したとしても電気やガスや水道も通っておらず、家具の類だけしか存在しない。これは乗物と違い、外部から供給される代物に関してまでは再現できず、建物を作り出してもガスや水道を通していなければ何も意味はない。
「普通に住む分だけなら問題ないんだけど、やっぱり電気もガスも水道も使えないと不便だからな……」
「よく分からないんですけど、レアさんでも作り出せない物があるんですね」
「そういう事。まあ、文字変換の能力で改竄すればどうにかなるかもしれないけど……」
作り出した建物を解析の能力で詳細画面を開き、文字変換の能力を使えば電気やガス等も扱えるだろうが、レアとしては龍殺しの物語の建物というのが気にかかり、漫画の中でしか見たことがない建物に自分が住めるという事に内心期待も抱いていた。
(それにしても凄い勢いだな。これなら3日も立たないうちに出来上がるんじゃないか?)
大量の機械人形が要塞を取り囲む防壁の建設を行い、既に敷地内の建物は全て解体されていた。まだ建設を開始してから1時間足らずで数十の建物を解体し、材料へと加工する姿にレアは圧倒される。
5
お気に入りに追加
1,676
あなたにおすすめの小説

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる