文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ

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廃墟編

ゴレムの戦闘能力

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「ふうっ……美味かったよ。御馳走様」
「お粗末様でした」
『ゴロロッ』


レアが食事を終えるとゴレムがトレイを受け取り、マカセを形に乗せて退室する。ゴレムが出て行ったことを確認すると、シルフィアはレアと向かい合い、調査の報告を続ける。


「調査の結果、残念ながらこの街に我々以外の生存者が居ない事が確認されました。死体に関しては発見した限りでは火葬しています」
「火葬……そっか」
「死体を放置し続けると疾病を引き起こす可能性があります。アイリス様も事前にこの世界の埋葬は火葬が主流である事を伺っています。それとゴブリンの死骸も同様に焼却しておきました」
「えっ……全部1人でやったの?」
「はい。最も時間はそれ程かかりませんでした。マスターのお陰で魔素が枯渇する事のない身体に改造して貰ったので迅速に行動出来ました」


街中に存在した死体は既にシルフィアが埋葬したらしく、死体を放置すると腐ってしまい、疾病が蔓延する可能性があるので放置は出来ない。そう考えると彼女の行動は間違いではないのだが、もしも街から逃げ出した住民が戻ってきた場合、殺された人間の死体が存在しなければ不審に思うかもしれない。最も今は考える事を優先するのは魔王軍の本隊の対策であり、軍勢がいつ訪れるかも分からない状況の中で他人の心配をしている暇はない。


「魔王軍の軍勢は見つかった?」
「現在のところはドローンの調査範囲内では見つかっていません。ですが、残念な事に何体かのドローンが破壊されました」
「え!?なんで?まさか魔王軍に……」
「いえ、飛行型の魔物に破壊されたようです。今のところはセカンの周辺には魔王軍の軍勢は確認されていません」
「そうか……」


魔王軍がまだ見つかっていないという言葉にレアは安心し、今のところは街中で敵の襲撃を恐れる必要はない。しかし、マカセの言葉が正しければ近日中に魔王軍の本隊が訪れる事は間違いなく、対抗策を考えないといけない。


「さてと……魔王軍の軍勢を撃退する方法を考えないとな」
「その事なのですが、ルノ様に提案があります」
「提案?」
「私の世界には私以上に戦闘に特化した神人が存在します。彼女達を呼び出し、軍勢と戦う準備を行うというのはどうでしょうか?」
「それは……」


シルフィアの言葉にレアは黙り込み、確かに彼女の言葉通りに「龍殺しの英雄」の物語には性能面でシルフィアを上回る神人は複数存在する。シルフィアも神人の中では戦闘能力は高い方だが、彼女は司令塔としての役割を持っており、主人公が不在の時は彼女が他の神人を指示して動いている。だからこそ戦闘に関しては他の神人の支援に回る事が多く、シルフィアよりも戦闘能力が高いキャラクターは意外と多い。

しかし、シルフィアがレアに忠誠を誓うのは彼女が長年恐れていた魔素の枯渇による死の恐怖をレアが取り除いたからであり、他の神人はそのような恐怖は抱いていない。中には戦闘目的で生きている神人も存在するため、無暗にシルフィア以外のキャラクターを作り出す事は危険だとレアは思っている。


(シルフィア以外に真面な神人と言えば……二人ぐらいしかいないな。そもそも作り出したとしてもどう説明すればいいんだろう。シルフィアのように従ってくれるとは限らないし……)


文字変換の能力で作り出す物体はオリジナルと全く同じ性能を誇るため、人間を作り出したとすれば本人と全く変わらない存在が誕生するのはシルフィアで確認済みである。しかし、彼女以外の神人を作り出した場合、必ずしもレアの味方になるとは限らず、対応によっては自分達を身勝手に作り出した存在として恨まれるかも知れない。


(やっぱり、無暗に人間を作り出すのは止めよう。でもそれだと別の対抗策考えないと……)


能力を利用してこれ以上に漫画のキャラクターを作り出す行為は危険と判断したレアは考え込み、不意にゴレムの存在を思い出す。


「そういえば……ゴレムも戦えなかったっけ?確か、緊急時には戦闘装備も支給されて戦うんでしょ?」
「はい。ロボ・ゴーレムは元々は戦闘用へと開発された人造兵器ですので戦闘にも参加できます」
「ちなみに戦闘能力はどれくらい?」
「……装備の内容によりますが、武装していない状態でも小型の龍ならば駆逐できる戦闘力を保有しています。この世界の魔物の基準で説明するならゴブリンキング程度ならば単独で撃破出来るはずです」
「それは凄いな!!」


龍殺しの英雄の物語の中では量産型のロボ・ゴーレムだろうと単体でもゴブリンキングを屠れる戦闘能力を所有している事が判明し、それを確かめたレアは人間のキャラクターを作り出す事は問題があるかもしれないが、ロボ・ゴーレムならばいくら作り出そうとシルフィアが存在すれば支配下に置けるのではないかと考える。


「仮に俺がロボ・ゴーレムをいっぱい作り出してもシルフィアは操作できる?」
「問題ありません。ロボ・ゴーレムは自立型の人造兵器なので私と接続する事が出来れば幾らでも操れます」
「よし、それならこうしない?」


レアは自分が考え出した作戦を伝えると、シルフィアは彼の言葉に賛同し、早速準備に取り掛かった――
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