貧弱の英雄

カタナヅキ

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最終章

第1012話 他国からの挑戦者

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王都を発った聖女騎士団はクーノにてアンの目撃情報を確認し、次の街へと向かう。彼女達はアンを捕まえるまでは王都へ戻るつもりはなく、必ずやレイラの仇を討つまでは王都に戻るつもりはない。

旅の道中、彼女達は小さな村に辿り着く。その村でも念のために聞き込みを行ったところ、アンらしき女性を見かけたという話はなかったが、気になる話が聞けた。


「森の奥で赤毛熊の死体を見つけた?」
「はい……儂は猟師なんですが、この近くにある森の奥で赤毛熊を見かけたんです。恐らく、元々は飼育されていた魔獣だと思われますが」
「どうしてそんな事が分かるんだい?」
「首元に魔獣用の首輪が取り付けられていました。証拠がこれです」


村に暮らす猟師の老人からテンは話を聞き、彼は血塗れの首輪を机の上に置く。首輪を確認したテンは赤毛熊が森の奥でどのように死んでいたのか気になった。


「その赤毛熊はどんな風に死んでいたんだい?」
「心臓を貫かれていたのです。鋭い刃物か何かで……」
「刃物か……冒険者の仕業じゃないのかい?」
「分かりません、ですけど気がかりなのは赤毛熊の死体が放置されていたんです。殺した後は何も手に付けずに立ち去ったような……」
「わざわざ赤毛熊を殺しておいて放置した?何のために……?」


鋭い刃物のような物で赤毛熊は心臓を貫かれて殺されたらしいが、殺した人物は赤毛熊の死骸に目をくれずに立ち去ったという点がテンも気になった。赤毛熊は魔獣の中でも危険度は高く、赤毛熊の素材は高値で取引されている。

赤毛熊を倒したのが冒険者の仕業ならば素材の回収を行うのが普通だが、赤毛熊は心臓以外の箇所は傷一つなく、しかも発見した猟師によると殺されてからかなりの時間が経過していたらしい。


「儂が発見した時には既に赤毛熊の死体は腐りかけ、死んでから何日も経過している様子でした。森に暮らす動物が食い荒らさなかった事が不思議なぐらいです」
「そうかい……ちょいと確かめる必要があるね」
「うむ、そうだな」


猟師の話によると赤毛熊が殺されてから死後何日か経過しているらしく、既に死体の方は腐っていた。その話を聞いたテンとランファンは死体を調べる必要があると思い、猟師が見つけた赤毛熊の死骸を確認する事にした――





――赤毛熊の死骸は森の奥に存在し、未だに放置されていた。猟師が発見したのは今朝の事らしく、テンとランファンは死骸を確認すると腐敗臭を感じ取り、確かに死んでから相当な時間が経過している様子だった。


「こいつは酷い臭いだね……それにしてもこんな場所でよく他の魔物や動物に喰われなかったね」
「……いや、こいつを他の動物が食べなかったのは毒のせいだ」
「毒?」
「臭いに僅かに毒が混じっている……猛毒だ、もしもこいつを食べれば死ぬぞ」
「ひいっ!?」


ランファンの言葉に猟師は怯えた表情を浮かべ、テンは赤毛熊の死骸を確認する。ランファンによれば他の魔物や動物が死骸に喰いつかなかったのは、赤毛熊に毒が仕込まれているせいだと語る。

死骸に毒が混じっているために赤毛熊の死骸は食べられず、他の魔物や動物も近づかなかった。毒が仕込まれている事を見抜いたランファンは早急に死骸を処理するように提案する。


「このまま死骸を放置するのはまずい。病気の素になるかもしれない、焼いて処理するべきだ」
「仕方ないね……それにしても鋭い刃物に毒かい、まるで暗殺者の殺し方だね」
「暗殺者、か……」


テンの言葉にランファンは頷き、赤毛熊を殺したのは何者なのかは知らないが、少なくとも赤毛熊の素材が目当てではない。赤毛熊を殺した人物が何者なのかは不明だが、とりあえずは死骸の処理を行う――





――聖女騎士団は村で一晩世話になった後、次の街に向けて移動を再開した。アンの手掛かりは掴めず、それどころか赤毛熊を殺した謎の人物の事も気がかりだが、先を急いだ聖女騎士団は村人に頼んでクーノの街に伝言を頼む。

今はアンの捜索を最優先し、死骸の件に関してはクーノの警備兵に知らせて彼等に対応を任せる。後の事はクーノの兵士と冒険者に任せて彼女達は先を急ぐ。


(あの傷跡……まさかね)


赤毛熊が一撃で殺されていた事がテンは気にかかり、彼女はレイラが言い残した遺言を思い出す。レイラは死ぬ直前にアリシアに自分を殺した相手の手掛かりを残していた。


『テンに伝えてくれ……私を殺したのは人でも魔物でもない……巨大な……だ』


致命傷を負っていたレイラは最後の言葉を言い切る事ができず、彼女は死を迎えた。結局はレイラを殺した存在がどんな相手なのかは不明のままだが、テンは赤毛熊を殺した存在の事が気にかかる――





――聖女騎士団が王都を発ってから数日の時が経過し、白猫亭の元に他国から数多くの武芸者が集う。彼等は獣人国から訪れた冒険者や傭兵であり、この宿に噂の「貧弱の英雄」が泊っていると聞いて尋ねに来たという。


「頼もう!!ここに貧弱の英雄と呼ばれる剣士が暮らしていると聞いている!!手合わせを願いたい!!」
「我が名はバオウ!!獣人国の北の地から参った!!」
「この俺と戦えっ!!」
「ちょ、ちょっと!!お客様困ります、店の外で騒がないでください!!」


宿屋の前で騒ぎ立てる外国人たちにヒナは慌てて駆けつけて注意するが、彼等はナイと戦うためにわざわざ王都に訪れ、ナイを出す様にヒナに促す。


「お主はこの店の従業員か?丁度いい、すぐに貧弱の英雄とやらを呼んできてくれ」
「我々は英雄に挑みにここへやってきた。不在ならばここで待たせてもらうぞ」
「それは困りますってば!!ああもう、ナイ君なら今は闘技場に居ます!!」
「「「闘技場?」」」


闘技場という言葉に彼等は首を傾げ、ヒナは闘技場がある方角へ指差す。ナイが宿屋にいないのは今日はアッシュ公爵に頼まれて闘技場に出場している事を伝えた。


「ナイ君は工場区にある闘技場で今頃は試合をする予定です。今から行けば試合には間に合うと思いますよ」
「試合?闘技場で試合をしているのか?」
「相手は誰だ?冒険者か、傭兵か?」
「さあ?そこまでは聞いてません。まあ、どんな相手でもナイ君が負けるなんてあり得ないと思いますけど……」
「ふむ……闘技場か。よし、行くぞ!!」


ヒナの話を聞いた挑戦者たちはナイの元へ向かい、闘技場が存在する工場区へと直行した――





――闘技場へ向かう途中、挑戦者たちは大勢の人間が闘技場の前に集まっている事を知る。闘技場は王都内でも人気が高い娯楽場だが、今日は貧弱の英雄が試合に出場すると聞いて大勢の人間が集まっていた。


「落ち着いて下さい、ちゃんと並んでください!!試合開始までまだ時間はありますから!!」
「さあ、賭けた賭けた!!今回の試合は英雄様がで勝てるのか賭けた!!」
「よし、俺は30秒台だ!!」
「なら俺は40秒台だ!!」
「よし、俺は大穴の1分以上だ!!」


闘技場の受付の前では大勢の人間が列をなして並んでおり、その中には賭けを行っている者もいた。しかも賭けの内容がナイの勝敗ではなく、彼が試合でどれほどの時間で試合を終わらせるのかという内容だった。


「な、なんだこの人だかりは……」
「英雄の試合を見に来るためにこれだけ集まったのか?」
「ちっ……何が英雄だ、くだらん。どうせ八百長試合だろう」
「何だとてめえ!!今なんて言いやがった!?」
「何処のどいつだ!!あの人が八百長なんてするわけないだろ馬鹿がっ!!」
「え、いや……」


人だかりの中でナイを乏しめるような発言をした武芸者に他の人間が押し寄せ、ナイを馬鹿にした事を怒る。そんな彼等の反応に武芸者たちは戸惑う。

王都においてナイの人気は高く、彼が試合に出ると聞けば闘技場は必ずや満員になる。今日も今朝方にナイが試合に出場すると告知された瞬間に数千人の観客が集まり、その中にはナイの知り合いも多く含まれていた。


「よう、お前等何処かで見た顔だな」
「き、貴様は……ガオウ!?何故ここに居る!?」
「おのれ、国を捨てた裏切り者がっ!!」
「別に捨てた覚えはないけどな」


ガオウが武芸者たちの前に現れると彼等は焦った表情を浮かべ、ガオウは獣人国の間でも有名な人物だった。元々は彼は獣人国の出身で金級冒険者にまで上り詰めた男である。

武芸者の中にはガオウの事を知っている者も多く、彼等の姿を見たガオウはナイの噂を聞きつけて彼等が挑戦しにきた事を悟り、小馬鹿にしたような態度で言い放つ。


「大方、坊主に挑みにわざわざここまで来たのか?それなら残念だったな、今日は先約が入ってるんだよ」
「せ、先約だと!?」
「良い事を教えてやろうか?今日の坊主の試合の相手は巨人国からやってきた武芸者だ。坊主はそいつと戦う、何だったら俺が特等席まで案内してやろうか?黄金級冒険者は特別に特等席で観戦できるんだよ」
「貴様……!!」
「今から列に並んでも試合なんてみれないぞ。さあ、早く決めろ」
「ぐぐぐっ……!!」


ガオウの言葉に武芸者は顔を合わせ、折角ここまで来たのだから噂のナイがどれほどの剣士なのか気にかかり、彼等は恥を忍んでガオウの言う通りに従う。黄金級冒険者のガオウは闘技場にも顔が利き、すぐに彼等を連れて特等席へと向かう。
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