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最終章
第1009話 聖女騎士団の調査
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――二日後、グマグ火山の飛行船は遂に王都へ帰還を果たす。ロラン達の護衛の下、アルトはグマグ火山に辿り着き、彼の運転で飛行船を王都まで戻る事に成功した。アルトはハマーンが死んだ事を確認して衝撃を受けたが、それでも彼が鍛冶師として最後まで誇りをもって生きたと聞いて納得した。
「師匠がまさかいなくなるなんて……いや、師匠が僕に飛行船の運転を教えていたのはこのためだったのかもしれない」
「アルト王子……」
「僕は落ち込まないよ、そんな姿を天国の師匠に見られたらきっとあの世に行ったときに怒られるだろうからね」
アルトにとってはハマーンは第二の父親同然だったが、彼の死に対して涙は流さなかった。彼の代わりに飛行船は今後はアルトが運転する事を決め、討伐隊は王都へ無事に帰還した。
しかし、戻って早々に彼等は次の仕事が与えられる。その仕事内容というのが王都で事件を起こした「アン」の捜索だった。ナイ達はこの時に白猫亭で襲撃があった事、そして聖女騎士団のレイラが殺された事を聞かされる。
「あのレイラさんが死んだなんて……」
「嘘だ!!そんなの嘘だ!!レイラが死ぬはずがない!!」
「……事実だ、彼女はアンを追って殺された」
「嘘だぁあああっ!!」
ルナはレイラが死んだという話を聞かされて頑なに信じず、彼女の墓まで案内された。レイラの名前が刻まれた墓を見てルナは泣き崩れ、他の聖女騎士団の団員に抱えられて立ち去る――
――レイラの死は大勢の人間に影響を与え、特に聖女騎士団の団員達はアンを必ず見つけ出して仇を討つ事を誓う。特に古参の騎士達は血眼になってアンを捜索し、時には無茶な捜査を行う。
聖女騎士団は王都に残っていた闇ギルドの残党を見つけ出し、彼等がアンを匿っていないのかを確かめる。情報を持っていなければ強制的に連行し、強引な尋問を行って本当にアンの居場所を知らないのかを問う。しかし、闇ギルドの人間もアンの所在を知らなかった。
「も、もう許してくれ!!俺達は本当に何も知らないんだ……」
「俺達はもう足を洗って真っ当に生きてるんだ!!それなのにこんな事……」
「偉そうに抜かすんじゃないよ!!あんたらが犯罪を犯したのは事実だろうが!!足を洗ったというのであれば大人しく出頭して監獄で罪を償うべきだったんだよ!!」
「落ち着け、テン!!それ以上したら死んでしまうぞ!!」
闇ギルドの残党の言い分にテンは怒鳴り散らし、彼女は怒りのままに痛めつけて彼等から情報を得ようとした。だが、誰一人としてアンに関する有益な情報は持ち合わせておらず、結局は徒労に終わる。
アンの容姿は判明しており、王都内で彼女が隠れられそうな場所は既に探し回った。それでも見つからないという事は既に王都から抜け出している可能性が高く、捜索範囲を広げて王国は各街にもアンの手配書を送り込む。
「絶対に見つけ出してやる……必ず!!」
「テン……気持ちは分かるが焦るな」
「そうです、私達も貴女と同じ気持ちです」
「分かってる!!そんな事は分かってるんだよ!!けど……」
暴走しかけているテンを抑えたのはランファンとアリシアであり、二人はレイラとは長い付き合いなのでテンが怒りを抱く気持ちは分かる。しかし、だからといってテンの強引なやり方を認めるわけにはいかず、彼女達はテンを落ち着かせようとした。
しかし、そんなテンの元に運がいいのか悪いのかアンの情報が遂に届いた。クーノの街に派遣された兵士が戻ると、事件が起きた日の翌朝にアンらしき女性を見かけたという目撃者が何人も見つかったという。
「クーノの街の目撃者によると、アンは事件が起きた日の翌日の早朝に彼女らしき人物を見かけたそうです!!」
「そんな馬鹿な……レイラが死んだのは深夜の時間帯だよ?だとしたらそいつは数時間足らずでクーノまで移動したのかい?」
「は、はい……クーノの兵士の報告によれば目撃者の証言は信憑性があるとの事です」
「……移動用の魔獣を従えているという事かい」
王都からクーノまで馬で移動するにしてもかなりの時間が掛かるが、アンの場合は馬よりも早い移動用の魔獣を従えている可能性が高い。よくよく考えれば彼女は魔物使いであり、足の速い魔物を従えていたとしても何もおかしくはない。
テンは報告を受けるとすぐに国王の元へ向かい、聖女騎士団を総動員させてアンの行方を追う許可を求める。既にアンが王都を離れてから10日以上が過ぎており、急いで追いかけねば彼女は取り逃がしてしまう。
国王は悩んだ末にテンに許可を与え、アンの一件は聖女騎士団に任せる事にした。エルマも同行させようとテンは彼女を誘ったが、エルマは未だに目覚めないマホの看病のために離れる事はできず、テンも無理強いする事はできずに自分達だけでアンの追跡を行う事にした。
「よし、全員準備は整えたね!!聖女騎士団、出動するよ!!」
「「「おおっ!!」」」
テンの号令の元、聖女騎士団は王都から逃れたアンの追跡のために出発する。見送りの際は他の騎士団やヒナとモモも集まり、テンは彼女達に対してしばらくの別れを告げる。
「それじゃあ、あたし達は行ってくるよ。あたしがいない間に宿を潰すんじゃないよ」
「だ、大丈夫よ……女将さんもお気をつけて」
「モモ、あたしがいなくてもあんたはもう大丈夫さ。ナイの奴と仲良くなりな」
「女将さん……」
「ナイ、二人の事は任せたよ……アンの事は気にしなくていい、あいつの事はあたし達に任せな」
「テンさん……」
言いたいことだけを伝えるとテンは聖女騎士団を引き連れて王都を離れ、彼女達はアンを捕まえるまで戻るつもりはなかった。聖女騎士団が不在の間は白狼騎士団が彼女達が担当を任されていた地区の管理を行い、白猫亭の警護はガロとゴンザレスが行う。
エルマもマホの件がなければ同行したかったが、彼女は意識を失ったマホの面倒を見なければならず、彼女と同じくマホの弟子であるガロとゴンザレスは聖女騎士団がいない間は白猫亭を守る事を約束した。白猫亭は聖女騎士団にとっては大切な場所であり、それにテンと深い繋がりがあるヒナとモモを狙う輩が現れる可能性もあるため、どうしても用心棒は必要だった。
「俺の名前はガロだ……まあ、これからよろしく頼む」
「ゴンザレスだ、前にも会った事はあると思うが……」
「ええ、よろしくね二人とも。それじゃあ、まずはこのメイド服を着て貰って立ってもらっていいかしら?」
「ん?」
「何でだよ!?俺達は従業員じゃねえ、用心棒だぞ!?」
「あ、ごめんなさい!!エリナちゃんはノリノリで着て接客してくれたからつい……」
聖女騎士団が護衛を務めていた時は団員も仕事を手伝ってくれたが、ガロとゴンザレスはあくまでも護衛役として徹する。その一方でナイ達の方も動きがあり、ナイはアルトに呼び出されて相談を受ける。
「えっ……ドゴンの強化?」
「ああ、僕に従っているドゴンは人造ゴーレムというのは覚えているね?今後の事を考えて僕はドゴンを更に強くさせたいんだ」
「強くさせるって……どうやって?」
「ドゴン?」
ビャクのように生身の生物ならば鍛えれば強くなれるが、ドゴンの場合はゴーレムであるため、いくら身体を鍛えようと成長の余地はない。彼を強くさせるには改造を行う以外に方法はないが、ドゴンを構成する肉体は「オリハルコン」である。
オリハルコンは伝説の魔法金属であるために簡単には手に入らず、加工を行うにしてもそれ相応の鍛冶能力を必要とする。しかし、材料に関しては既にアルトは手に入れていた。
「これを見てくれ」
「これは?」
「前に君達が倒した人造ゴーレムの残骸だ」
「え、回収してたの!?」
アルトが取り出した木箱の中にはかつてナイ達が倒した人造ゴーレムの残骸が収められ、これらを利用してアルトはドゴンの強化を行うつもりだった。
「ドゴンとは構成されている素材は違うが、この人造ゴーレムも元々はドゴンと同じく王城を護衛するために作り出された人造ゴーレムだ。だから彼等の残骸を利用し、新しい装備を作り出せるかもしれない」
「そんな事ができるの?」
「そればかりはやってみなければ分からない。だけど、やる価値はあると思う。僕はしばらくの間、師匠の工房を借りる事にするよ」
「工場区にある店の事?」
「そうだ、先輩方と一緒にドゴンの強化を行う。僕一人じゃ加工なんて到底無理だろうからね」
「ドゴンッ!!」
人造ゴーレムの残骸を利用してドゴンの強化を行う事をアルトは告げ、当分の間は彼は工場区のハマーンの店に引きこもり、他の鍛冶師と共に鍛冶を行う事を告げた。アルトとしてもドゴンがアンの従うブラックゴーレムに敗れた事を悔しく思い、彼は最強の人造ゴーレムを作り上げるべく行動を開始する――
――聖女騎士団が王都を去り、アルトがドゴンと共に工場区のハマーンの鍛冶屋に泊まり込みで作業を行う。聖女騎士団が不在の間は白狼騎士団は他の騎士団の協力を受けながら一般区の警備を行う。聖女騎士団が不在の間に悪党が現れる事を想定し、白狼騎士団は連日見回りを行っていた。
「……眠い、まだ遠征の疲れが抜けきっていない」
「何を言ってるんですか!!貴方、グマグ火山に居た時もずっと眠ってたじゃないですか!!」
「私はヒイロと違って胸が重いから……」
「そ、それは私より胸が大きいと言いたいんですか!?言っておきますけど私もそれなりにありますから!!」
「二人とも、そういう話は二人きりの時にしてくれないかな……」
ナイはヒイロとミイナと共に見回りを行い、最近は休む暇もなく働いていた。ミイナの言う通りに疲労が蓄積されており、今日の見回りを終えれば明日は休む事を決める。
「師匠がまさかいなくなるなんて……いや、師匠が僕に飛行船の運転を教えていたのはこのためだったのかもしれない」
「アルト王子……」
「僕は落ち込まないよ、そんな姿を天国の師匠に見られたらきっとあの世に行ったときに怒られるだろうからね」
アルトにとってはハマーンは第二の父親同然だったが、彼の死に対して涙は流さなかった。彼の代わりに飛行船は今後はアルトが運転する事を決め、討伐隊は王都へ無事に帰還した。
しかし、戻って早々に彼等は次の仕事が与えられる。その仕事内容というのが王都で事件を起こした「アン」の捜索だった。ナイ達はこの時に白猫亭で襲撃があった事、そして聖女騎士団のレイラが殺された事を聞かされる。
「あのレイラさんが死んだなんて……」
「嘘だ!!そんなの嘘だ!!レイラが死ぬはずがない!!」
「……事実だ、彼女はアンを追って殺された」
「嘘だぁあああっ!!」
ルナはレイラが死んだという話を聞かされて頑なに信じず、彼女の墓まで案内された。レイラの名前が刻まれた墓を見てルナは泣き崩れ、他の聖女騎士団の団員に抱えられて立ち去る――
――レイラの死は大勢の人間に影響を与え、特に聖女騎士団の団員達はアンを必ず見つけ出して仇を討つ事を誓う。特に古参の騎士達は血眼になってアンを捜索し、時には無茶な捜査を行う。
聖女騎士団は王都に残っていた闇ギルドの残党を見つけ出し、彼等がアンを匿っていないのかを確かめる。情報を持っていなければ強制的に連行し、強引な尋問を行って本当にアンの居場所を知らないのかを問う。しかし、闇ギルドの人間もアンの所在を知らなかった。
「も、もう許してくれ!!俺達は本当に何も知らないんだ……」
「俺達はもう足を洗って真っ当に生きてるんだ!!それなのにこんな事……」
「偉そうに抜かすんじゃないよ!!あんたらが犯罪を犯したのは事実だろうが!!足を洗ったというのであれば大人しく出頭して監獄で罪を償うべきだったんだよ!!」
「落ち着け、テン!!それ以上したら死んでしまうぞ!!」
闇ギルドの残党の言い分にテンは怒鳴り散らし、彼女は怒りのままに痛めつけて彼等から情報を得ようとした。だが、誰一人としてアンに関する有益な情報は持ち合わせておらず、結局は徒労に終わる。
アンの容姿は判明しており、王都内で彼女が隠れられそうな場所は既に探し回った。それでも見つからないという事は既に王都から抜け出している可能性が高く、捜索範囲を広げて王国は各街にもアンの手配書を送り込む。
「絶対に見つけ出してやる……必ず!!」
「テン……気持ちは分かるが焦るな」
「そうです、私達も貴女と同じ気持ちです」
「分かってる!!そんな事は分かってるんだよ!!けど……」
暴走しかけているテンを抑えたのはランファンとアリシアであり、二人はレイラとは長い付き合いなのでテンが怒りを抱く気持ちは分かる。しかし、だからといってテンの強引なやり方を認めるわけにはいかず、彼女達はテンを落ち着かせようとした。
しかし、そんなテンの元に運がいいのか悪いのかアンの情報が遂に届いた。クーノの街に派遣された兵士が戻ると、事件が起きた日の翌朝にアンらしき女性を見かけたという目撃者が何人も見つかったという。
「クーノの街の目撃者によると、アンは事件が起きた日の翌日の早朝に彼女らしき人物を見かけたそうです!!」
「そんな馬鹿な……レイラが死んだのは深夜の時間帯だよ?だとしたらそいつは数時間足らずでクーノまで移動したのかい?」
「は、はい……クーノの兵士の報告によれば目撃者の証言は信憑性があるとの事です」
「……移動用の魔獣を従えているという事かい」
王都からクーノまで馬で移動するにしてもかなりの時間が掛かるが、アンの場合は馬よりも早い移動用の魔獣を従えている可能性が高い。よくよく考えれば彼女は魔物使いであり、足の速い魔物を従えていたとしても何もおかしくはない。
テンは報告を受けるとすぐに国王の元へ向かい、聖女騎士団を総動員させてアンの行方を追う許可を求める。既にアンが王都を離れてから10日以上が過ぎており、急いで追いかけねば彼女は取り逃がしてしまう。
国王は悩んだ末にテンに許可を与え、アンの一件は聖女騎士団に任せる事にした。エルマも同行させようとテンは彼女を誘ったが、エルマは未だに目覚めないマホの看病のために離れる事はできず、テンも無理強いする事はできずに自分達だけでアンの追跡を行う事にした。
「よし、全員準備は整えたね!!聖女騎士団、出動するよ!!」
「「「おおっ!!」」」
テンの号令の元、聖女騎士団は王都から逃れたアンの追跡のために出発する。見送りの際は他の騎士団やヒナとモモも集まり、テンは彼女達に対してしばらくの別れを告げる。
「それじゃあ、あたし達は行ってくるよ。あたしがいない間に宿を潰すんじゃないよ」
「だ、大丈夫よ……女将さんもお気をつけて」
「モモ、あたしがいなくてもあんたはもう大丈夫さ。ナイの奴と仲良くなりな」
「女将さん……」
「ナイ、二人の事は任せたよ……アンの事は気にしなくていい、あいつの事はあたし達に任せな」
「テンさん……」
言いたいことだけを伝えるとテンは聖女騎士団を引き連れて王都を離れ、彼女達はアンを捕まえるまで戻るつもりはなかった。聖女騎士団が不在の間は白狼騎士団が彼女達が担当を任されていた地区の管理を行い、白猫亭の警護はガロとゴンザレスが行う。
エルマもマホの件がなければ同行したかったが、彼女は意識を失ったマホの面倒を見なければならず、彼女と同じくマホの弟子であるガロとゴンザレスは聖女騎士団がいない間は白猫亭を守る事を約束した。白猫亭は聖女騎士団にとっては大切な場所であり、それにテンと深い繋がりがあるヒナとモモを狙う輩が現れる可能性もあるため、どうしても用心棒は必要だった。
「俺の名前はガロだ……まあ、これからよろしく頼む」
「ゴンザレスだ、前にも会った事はあると思うが……」
「ええ、よろしくね二人とも。それじゃあ、まずはこのメイド服を着て貰って立ってもらっていいかしら?」
「ん?」
「何でだよ!?俺達は従業員じゃねえ、用心棒だぞ!?」
「あ、ごめんなさい!!エリナちゃんはノリノリで着て接客してくれたからつい……」
聖女騎士団が護衛を務めていた時は団員も仕事を手伝ってくれたが、ガロとゴンザレスはあくまでも護衛役として徹する。その一方でナイ達の方も動きがあり、ナイはアルトに呼び出されて相談を受ける。
「えっ……ドゴンの強化?」
「ああ、僕に従っているドゴンは人造ゴーレムというのは覚えているね?今後の事を考えて僕はドゴンを更に強くさせたいんだ」
「強くさせるって……どうやって?」
「ドゴン?」
ビャクのように生身の生物ならば鍛えれば強くなれるが、ドゴンの場合はゴーレムであるため、いくら身体を鍛えようと成長の余地はない。彼を強くさせるには改造を行う以外に方法はないが、ドゴンを構成する肉体は「オリハルコン」である。
オリハルコンは伝説の魔法金属であるために簡単には手に入らず、加工を行うにしてもそれ相応の鍛冶能力を必要とする。しかし、材料に関しては既にアルトは手に入れていた。
「これを見てくれ」
「これは?」
「前に君達が倒した人造ゴーレムの残骸だ」
「え、回収してたの!?」
アルトが取り出した木箱の中にはかつてナイ達が倒した人造ゴーレムの残骸が収められ、これらを利用してアルトはドゴンの強化を行うつもりだった。
「ドゴンとは構成されている素材は違うが、この人造ゴーレムも元々はドゴンと同じく王城を護衛するために作り出された人造ゴーレムだ。だから彼等の残骸を利用し、新しい装備を作り出せるかもしれない」
「そんな事ができるの?」
「そればかりはやってみなければ分からない。だけど、やる価値はあると思う。僕はしばらくの間、師匠の工房を借りる事にするよ」
「工場区にある店の事?」
「そうだ、先輩方と一緒にドゴンの強化を行う。僕一人じゃ加工なんて到底無理だろうからね」
「ドゴンッ!!」
人造ゴーレムの残骸を利用してドゴンの強化を行う事をアルトは告げ、当分の間は彼は工場区のハマーンの店に引きこもり、他の鍛冶師と共に鍛冶を行う事を告げた。アルトとしてもドゴンがアンの従うブラックゴーレムに敗れた事を悔しく思い、彼は最強の人造ゴーレムを作り上げるべく行動を開始する――
――聖女騎士団が王都を去り、アルトがドゴンと共に工場区のハマーンの鍛冶屋に泊まり込みで作業を行う。聖女騎士団が不在の間は白狼騎士団は他の騎士団の協力を受けながら一般区の警備を行う。聖女騎士団が不在の間に悪党が現れる事を想定し、白狼騎士団は連日見回りを行っていた。
「……眠い、まだ遠征の疲れが抜けきっていない」
「何を言ってるんですか!!貴方、グマグ火山に居た時もずっと眠ってたじゃないですか!!」
「私はヒイロと違って胸が重いから……」
「そ、それは私より胸が大きいと言いたいんですか!?言っておきますけど私もそれなりにありますから!!」
「二人とも、そういう話は二人きりの時にしてくれないかな……」
ナイはヒイロとミイナと共に見回りを行い、最近は休む暇もなく働いていた。ミイナの言う通りに疲労が蓄積されており、今日の見回りを終えれば明日は休む事を決める。
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