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嵐の前の静けさ
第988話 船内の探索
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「――おい、何か見つけたか?」
「いや……」
「油断はするな、ここにいるはずだ」
船内の倉庫にてガオウ、フィル、シノビの三人は荷物を漁っていた。傍から見れば泥棒しているようにも見えかねないが、彼等の目的は倉庫内の荷物ではなく、この場所に隠れているはずの「敵」を探し出す事だった。
討伐部隊がグマグ火山に出発した後、シノビは不穏な気配を感じてガオウ達と共に探索を行う。事前に飛行船には王国関係者以外の人間は乗り込んでいない事は調査済みだが、飛行船が移動中の時にシノビとガオウは怪しい気配を感じた。
「他の場所は探しつくした、隠れているとしたらここしか有り得ん」
「ガオウ、お前の鼻で分からないのか?」
「てめえ、俺の事を犬か何かだと思っていんじゃねえよ……んっ!?」
荷物を漁っているとガオウは何かに勘付いたように鼻を引くつかせ、彼は口元に指を押し当てて二人に黙るように促す。そして彼は部屋の隅に置かれている木箱を指差し、それを見たシノビとフィルは武器を構える。
「……ここだっ!!」
「キィイッ!?」
ガオウが木箱を蹴り飛ばすと、中から穀物と共に隠れていた白色の鼠が飛び出し、それを見たシノビはクナイを取り出す。彼は逃げ出そうとする魔獣に目掛けてクナイを構えるが、この時にフィルが鎖の魔剣を放つ。
「はあっ!!」
「ギィアッ!?」
「待てっ!?」
フィルは反射的に鎖の魔剣を放つと、魔獣の背中に突き刺す。それを見たシノビは彼を止めようとしたが既に時は遅く、魔剣に突き刺さった魔獣は絶命した。それを見たガオウはため息を吐き出し、フィルに怒鳴りつけた。
「この馬鹿!!殺してどうするんだ!?生かして捕まえないとこいつを操っている奴を探し出せないだろうが!!」
「あっ……し、しまった!?」
「……完全に死んでいるな」
ガオウの言葉にフィルは焦るが、残念ながら鎖の魔剣が突き刺さった鼠型の魔獣は絶命し、仕方なく死体だけでも調べるためにフィルの魔剣を引き抜く。
魔獣の死骸はシノビが調べている間、ガオウは魔獣が隠れていた木箱を調べる。中には大量の穀物が入っているが、その中に鼠が嚙り付いた後があり、もしも知らずにこの穀物を利用した料理を食べていれば何かしらの病気になっていたかもしれない。
「うへぇっ……こいつは食べられそうにないな。勿体ねえが捨てるしかない」
「す、すいません……シノビさん」
「いや……死骸でも回収できただけ十分だ」
シノビは魔獣の死骸を二人に差し出すと、彼等は鼠の毛皮を捲ると「紋様」が刻まれている事を知る。しかも紋様の形は以前にも見た事があり、ゴノの街を襲撃したトロールやロックゴーレムにも刻まれていた「鞭の紋様」だと判明する。
「こ、この紋様は!?」
「やっぱり、例の魔物使いの仕業か!!」
「そうとしか考えられん。しかし、この船に乗り込ませているとは……奴は王都に居たというのか?それともゴノの街に下りた時に忍び込ませていたのか……」
ゴノの街を魔物に襲わせた魔物使いが鼠を飛行船に送り込んだ事が発覚し、例の薬箱の中に隠れていた鼠も同様に魔物使いが操っていたとしか考えられず、既に敵は討伐隊に攻撃を仕掛けていた。
魔物使いの目的は不明だが、鼠型の魔獣を利用して薬を破壊したり、食料を汚している当たり相当に質が悪い性格をしていた。まだ船内に魔物使いが使役する魔獣が潜んでいるかもしれず、隈なく船内を探索して魔獣を探し出す必要があった。
「もう一度探索を行うぞ。それと医療室の薬の在庫と食糧庫も点検しておけ」
「薬も食料もやられたらやばいからな……」
「急ぎましょう!!」
シノビの言葉にガオウとフィルも賛同し、彼等は魔獣の捜索も行いながら他の者に報告するために倉庫を出た――
――同時刻、甲板では見張りの騎士が外の様子を伺っていた。雨が降り注いでる間はマグマゴーレムが現れる事はないのは分かっているが、他の魔物が襲い掛かってくる可能性もある。
尤もグマグ火山の周辺にはマグマゴーレムの脅威と火山の熱気のせいで他の魔物どころか生き物自体が住みにくい環境と化しており、飛行船が襲われる可能性は皆無に等しい。それでも見張りを立てるのはロランの指示だった。
「おい、何か見えるか?」
「いいや……はっくしゅん!!くそっ、このままだと風邪を引くぞ……交代はまだか?」
「はははっ、頑張れ」
雨の中、甲板で見張りを行う騎士達は雨に打たれながらぼやいており、彼等は警戒心が緩んでいた。そのせいで飛行船の近くに動いてる小さな影を見落とし、その影は飛行船を観察するように岩陰に隠れる。
「キィイッ……!!」
既に船内から逃げ出した鼠型の魔獣が岩陰から飛行船を観察し、雨に打たれながらも一晩過ごす――
――夜が明けると雨は止み、甲板に上がったロランはこれからの事を考える。一晩中雨が降り注いだせいで地面がぬかるんでおり、行軍の際は足元に気を付ける必要があった。
「負傷者の具合はどうだ?」
「イリア様によれば全員の傷は既に完治しています。しかし、薬の在庫の方がもう余裕がなく、全員分の回復薬を再び支給するとなるともう回復薬は底を尽きるそうです。新しい薬を作り出すにしても時間が掛かると……」
「そうか……」
飛行船が出発する前に用意していた上級回復薬は底を尽きかけ、もしも昨日の様に負傷者を連れて戻ってきても怪我人の治療は不可能だった。新しい薬を作り出すにしても時間が掛かり、それに昨日の激戦で全員の疲れは抜けきっていない。
ロランは考えた末に今日一日は騎士達に休息を取らせ、薬の調合を急がせる事にした。時間の余裕はあるため、無理をする必要はない。
「今日一日は休息を取らせる。但し、見張りの数は倍に増やしておけ」
「倍にですか?」
「ああ、例の鼠型の魔獣の件もある……念のためにな」
昨日からロランは嫌な予感を感じ、彼は妙に落ち着かなかった。自分が何か取り返しのつかない失敗をしているのではないかと考え、その不安を拭うために色々と手を打つが心が落ち着かない。
猛虎騎士団の騎士達はロランの勘が外れた事はない事を知っており、彼が嫌な予感がするのであれば自分達も気を引き締めて行動しなければならないと、緩んだ気持ちを引き締める。改めて騎士達は緊張感を抱いて任務を実行しようとすると、甲板の方で騒がしい声が響く。
『ぶえっくしょんっ!!ぶえっくしょんっ!!』
「な、何だ!?」
「あれは……ゴウカ殿では?」
甲板で響いた大声の正体はゴウカだと判明し、彼は派手なくしゃみを何度も上げていた。しかもひどく咳き込んでもいる様子であり、それを見たロランは彼の元へ向かう。
「おい、どうした?」
『ううっ……どうやら風邪を引いたようだな。昨日、雨に打たれたせいかもしれん』
「えっ!?風邪を……!?」
『うむ、今朝から熱っぽくて関節の節々も痛い……医療室で休ませてもらう』
「そ、そうか……気を付けろ」
ロウカは医療室に向かおうと歩き出し、そんな彼を見てロランは大丈夫かと思ったが、ゴウカは船内に下りる階段に向かわずに見当違いの方向へ歩く。
『うっ……いかん、頭が……』
「おい、そっちじゃないぞ!!落ちるぞ!?」
『ぬああっ……!?』
危うく船から落ちそうになったゴウカをロランと側近の騎士達は慌てて身体を掴み、どうにか全員掛かりで彼を医療室へ運び出す――
――診察の結果、ゴウカは風邪を引いた事が判明した。昨日から雨に濡れた甲冑を身に付けて眠ってしまった事が原因らしく、彼は甲冑を脱いで薬を飲んだ後に医療室のベッドに横たわる。
「ううんっ……猪《ボア》が1匹、牛《ミノタウロス》が2匹」
「そこは羊を数えてください。全く……」
「ぐ、具合はどうだ?」
「これは駄目ですね、絶対安静です。しばらくの間は休ませる必要があります」
「そうか……」
イリアの診察ではゴウカはしばらくはまともに動く事ができず、とても討伐隊に参加できる状態ではなかった。彼が完全に治るまではどれくらいの時間が掛かるか分からず、これで討伐隊の戦力が減ってしまう。
ナイもまだ目覚めてはおらず、負傷者の方も身体は治ったが疲れが抜けきっていない。ナイとゴウカが不在の状態で討伐隊を派遣すると、戦力面に大きな不安が残る。
「二人ともどれくらいで治るか分かるか?」
「ナイさんの方はもう少ししたら目覚めると思いますよ。ゴウカさんの方は……まあ、一日もあれば大丈夫ですよ」
「うう~ん……それは我の獲物だぞ……」
「……呑気な奴だ」
眠っている間も他の人間と獲物を奪い合う夢を見ているらしく、そんな彼にロランは呆れるがゴウカの実力は本物だった。彼が居るのといないのでは討伐隊の戦力は大きく異なり、実際に昨日の戦闘でもナイと同じぐらい活躍していた。
昨日の討伐隊の功績は一番がナイ、二番目がゴウカ、三番目がロランである。打ち倒したマグマゴーレムのうち、半分以上はこの3人が倒している。功績としては十分であり、これでロランも堂々と大将軍に復帰できる。
しかし、ロランの目的は自分が功績を上げる事ではなく、任務を遂行する事だった。何としても彼はマグマゴーレムの討伐作戦を成功させるため、イリアに二人の治療を任せて改めて作戦を練り直す。
「いや……」
「油断はするな、ここにいるはずだ」
船内の倉庫にてガオウ、フィル、シノビの三人は荷物を漁っていた。傍から見れば泥棒しているようにも見えかねないが、彼等の目的は倉庫内の荷物ではなく、この場所に隠れているはずの「敵」を探し出す事だった。
討伐部隊がグマグ火山に出発した後、シノビは不穏な気配を感じてガオウ達と共に探索を行う。事前に飛行船には王国関係者以外の人間は乗り込んでいない事は調査済みだが、飛行船が移動中の時にシノビとガオウは怪しい気配を感じた。
「他の場所は探しつくした、隠れているとしたらここしか有り得ん」
「ガオウ、お前の鼻で分からないのか?」
「てめえ、俺の事を犬か何かだと思っていんじゃねえよ……んっ!?」
荷物を漁っているとガオウは何かに勘付いたように鼻を引くつかせ、彼は口元に指を押し当てて二人に黙るように促す。そして彼は部屋の隅に置かれている木箱を指差し、それを見たシノビとフィルは武器を構える。
「……ここだっ!!」
「キィイッ!?」
ガオウが木箱を蹴り飛ばすと、中から穀物と共に隠れていた白色の鼠が飛び出し、それを見たシノビはクナイを取り出す。彼は逃げ出そうとする魔獣に目掛けてクナイを構えるが、この時にフィルが鎖の魔剣を放つ。
「はあっ!!」
「ギィアッ!?」
「待てっ!?」
フィルは反射的に鎖の魔剣を放つと、魔獣の背中に突き刺す。それを見たシノビは彼を止めようとしたが既に時は遅く、魔剣に突き刺さった魔獣は絶命した。それを見たガオウはため息を吐き出し、フィルに怒鳴りつけた。
「この馬鹿!!殺してどうするんだ!?生かして捕まえないとこいつを操っている奴を探し出せないだろうが!!」
「あっ……し、しまった!?」
「……完全に死んでいるな」
ガオウの言葉にフィルは焦るが、残念ながら鎖の魔剣が突き刺さった鼠型の魔獣は絶命し、仕方なく死体だけでも調べるためにフィルの魔剣を引き抜く。
魔獣の死骸はシノビが調べている間、ガオウは魔獣が隠れていた木箱を調べる。中には大量の穀物が入っているが、その中に鼠が嚙り付いた後があり、もしも知らずにこの穀物を利用した料理を食べていれば何かしらの病気になっていたかもしれない。
「うへぇっ……こいつは食べられそうにないな。勿体ねえが捨てるしかない」
「す、すいません……シノビさん」
「いや……死骸でも回収できただけ十分だ」
シノビは魔獣の死骸を二人に差し出すと、彼等は鼠の毛皮を捲ると「紋様」が刻まれている事を知る。しかも紋様の形は以前にも見た事があり、ゴノの街を襲撃したトロールやロックゴーレムにも刻まれていた「鞭の紋様」だと判明する。
「こ、この紋様は!?」
「やっぱり、例の魔物使いの仕業か!!」
「そうとしか考えられん。しかし、この船に乗り込ませているとは……奴は王都に居たというのか?それともゴノの街に下りた時に忍び込ませていたのか……」
ゴノの街を魔物に襲わせた魔物使いが鼠を飛行船に送り込んだ事が発覚し、例の薬箱の中に隠れていた鼠も同様に魔物使いが操っていたとしか考えられず、既に敵は討伐隊に攻撃を仕掛けていた。
魔物使いの目的は不明だが、鼠型の魔獣を利用して薬を破壊したり、食料を汚している当たり相当に質が悪い性格をしていた。まだ船内に魔物使いが使役する魔獣が潜んでいるかもしれず、隈なく船内を探索して魔獣を探し出す必要があった。
「もう一度探索を行うぞ。それと医療室の薬の在庫と食糧庫も点検しておけ」
「薬も食料もやられたらやばいからな……」
「急ぎましょう!!」
シノビの言葉にガオウとフィルも賛同し、彼等は魔獣の捜索も行いながら他の者に報告するために倉庫を出た――
――同時刻、甲板では見張りの騎士が外の様子を伺っていた。雨が降り注いでる間はマグマゴーレムが現れる事はないのは分かっているが、他の魔物が襲い掛かってくる可能性もある。
尤もグマグ火山の周辺にはマグマゴーレムの脅威と火山の熱気のせいで他の魔物どころか生き物自体が住みにくい環境と化しており、飛行船が襲われる可能性は皆無に等しい。それでも見張りを立てるのはロランの指示だった。
「おい、何か見えるか?」
「いいや……はっくしゅん!!くそっ、このままだと風邪を引くぞ……交代はまだか?」
「はははっ、頑張れ」
雨の中、甲板で見張りを行う騎士達は雨に打たれながらぼやいており、彼等は警戒心が緩んでいた。そのせいで飛行船の近くに動いてる小さな影を見落とし、その影は飛行船を観察するように岩陰に隠れる。
「キィイッ……!!」
既に船内から逃げ出した鼠型の魔獣が岩陰から飛行船を観察し、雨に打たれながらも一晩過ごす――
――夜が明けると雨は止み、甲板に上がったロランはこれからの事を考える。一晩中雨が降り注いだせいで地面がぬかるんでおり、行軍の際は足元に気を付ける必要があった。
「負傷者の具合はどうだ?」
「イリア様によれば全員の傷は既に完治しています。しかし、薬の在庫の方がもう余裕がなく、全員分の回復薬を再び支給するとなるともう回復薬は底を尽きるそうです。新しい薬を作り出すにしても時間が掛かると……」
「そうか……」
飛行船が出発する前に用意していた上級回復薬は底を尽きかけ、もしも昨日の様に負傷者を連れて戻ってきても怪我人の治療は不可能だった。新しい薬を作り出すにしても時間が掛かり、それに昨日の激戦で全員の疲れは抜けきっていない。
ロランは考えた末に今日一日は騎士達に休息を取らせ、薬の調合を急がせる事にした。時間の余裕はあるため、無理をする必要はない。
「今日一日は休息を取らせる。但し、見張りの数は倍に増やしておけ」
「倍にですか?」
「ああ、例の鼠型の魔獣の件もある……念のためにな」
昨日からロランは嫌な予感を感じ、彼は妙に落ち着かなかった。自分が何か取り返しのつかない失敗をしているのではないかと考え、その不安を拭うために色々と手を打つが心が落ち着かない。
猛虎騎士団の騎士達はロランの勘が外れた事はない事を知っており、彼が嫌な予感がするのであれば自分達も気を引き締めて行動しなければならないと、緩んだ気持ちを引き締める。改めて騎士達は緊張感を抱いて任務を実行しようとすると、甲板の方で騒がしい声が響く。
『ぶえっくしょんっ!!ぶえっくしょんっ!!』
「な、何だ!?」
「あれは……ゴウカ殿では?」
甲板で響いた大声の正体はゴウカだと判明し、彼は派手なくしゃみを何度も上げていた。しかもひどく咳き込んでもいる様子であり、それを見たロランは彼の元へ向かう。
「おい、どうした?」
『ううっ……どうやら風邪を引いたようだな。昨日、雨に打たれたせいかもしれん』
「えっ!?風邪を……!?」
『うむ、今朝から熱っぽくて関節の節々も痛い……医療室で休ませてもらう』
「そ、そうか……気を付けろ」
ロウカは医療室に向かおうと歩き出し、そんな彼を見てロランは大丈夫かと思ったが、ゴウカは船内に下りる階段に向かわずに見当違いの方向へ歩く。
『うっ……いかん、頭が……』
「おい、そっちじゃないぞ!!落ちるぞ!?」
『ぬああっ……!?』
危うく船から落ちそうになったゴウカをロランと側近の騎士達は慌てて身体を掴み、どうにか全員掛かりで彼を医療室へ運び出す――
――診察の結果、ゴウカは風邪を引いた事が判明した。昨日から雨に濡れた甲冑を身に付けて眠ってしまった事が原因らしく、彼は甲冑を脱いで薬を飲んだ後に医療室のベッドに横たわる。
「ううんっ……猪《ボア》が1匹、牛《ミノタウロス》が2匹」
「そこは羊を数えてください。全く……」
「ぐ、具合はどうだ?」
「これは駄目ですね、絶対安静です。しばらくの間は休ませる必要があります」
「そうか……」
イリアの診察ではゴウカはしばらくはまともに動く事ができず、とても討伐隊に参加できる状態ではなかった。彼が完全に治るまではどれくらいの時間が掛かるか分からず、これで討伐隊の戦力が減ってしまう。
ナイもまだ目覚めてはおらず、負傷者の方も身体は治ったが疲れが抜けきっていない。ナイとゴウカが不在の状態で討伐隊を派遣すると、戦力面に大きな不安が残る。
「二人ともどれくらいで治るか分かるか?」
「ナイさんの方はもう少ししたら目覚めると思いますよ。ゴウカさんの方は……まあ、一日もあれば大丈夫ですよ」
「うう~ん……それは我の獲物だぞ……」
「……呑気な奴だ」
眠っている間も他の人間と獲物を奪い合う夢を見ているらしく、そんな彼にロランは呆れるがゴウカの実力は本物だった。彼が居るのといないのでは討伐隊の戦力は大きく異なり、実際に昨日の戦闘でもナイと同じぐらい活躍していた。
昨日の討伐隊の功績は一番がナイ、二番目がゴウカ、三番目がロランである。打ち倒したマグマゴーレムのうち、半分以上はこの3人が倒している。功績としては十分であり、これでロランも堂々と大将軍に復帰できる。
しかし、ロランの目的は自分が功績を上げる事ではなく、任務を遂行する事だった。何としても彼はマグマゴーレムの討伐作戦を成功させるため、イリアに二人の治療を任せて改めて作戦を練り直す。
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