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嵐の前の静けさ
第975話 仮釈放
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――監獄に収監されていた「ロラン」と「ゴウカ」の仮釈放が正式に決定したのは翌日の昼だった。国王は魔導士であるマホの提案に最初は驚いたが、彼女からロランの王国に対する忠誠心は本物である事、仮に二人が逃げ出そうとすればマホが責任を以て二人を始末する事を誓う。
国王は悩んだ末にマホの条件を受け入れ、二人は条件付きで仮釈放が認められた。二人を迎えるためにアッシュとマホは訪れ、牢獄内の二人に話を伝える。
「……本気で言っているのか?我々を解放するだと?」
「ほう、それは有難い話だな!!いい加減にここには飽きていた所だ!!ふはははっ!!」
ロランは信じられない表情を浮かべ、彼は父親の分まで罪を背負い、生涯監獄の中で過ごすと考えていた。一方でゴウカの方は仮釈放の話を聞いて笑い声をあげ、彼としては監獄生活も意外と悪くはなかったが、やはり身体を鍛える事や誰かと戦えない事に不満を常々抱いていた。
「吾輩は文句はないぞ!!マグマゴーレムだろうとなんだろうと戦ってやる!!」
「……俺はここを出るつもりはない」
「それは認められん。既に国王陛下の許可を貰っている……ここへ残るという事は国王に逆らうという意味だ」
「ぐっ……」
アッシュの言葉にロランは口ごもり、彼とは数十年来の付き合いだった。ロランとしては自分と父親の犯した罪を清算するまでは監獄を出るつもりはなかったが、国王の命令と聞いて彼は葛藤する。
彼の父親は国のために生涯を尽くしたが、ロランが忠誠を誓うのは王族である。国王の命令であるならばロランは逆らう事はできず、彼は仕方なく命令を承った。
「仕方あるまい、陛下がそこまで言うのであれば私は従う……だが、何故この男まで連れていく?」
「お主が収監された後、色々と問題が起きてな……」
「今の王国にお前以外に大将軍を任せられる男はいない。戻ってくるんだ」
ロランが捕まった後はアッシュが大将軍の地位に就く話も合ったが、彼をそれを断って現在も大将軍の座は誰も就いていない。一応はアッシュが代理として勤めてきたが、彼はあくまでも大将軍の地位に正式に就く事はなく、ロランが戻るのを待ちわびていた。
「吾輩としてはここから出してくれるなら何でも言う事を聞くぞ……いや、一つだけ条件がある」
「条件?」
「飯を腹いっぱい食わせてくれ!!ここの飯は大して美味くもなければ量も少ない!!久しぶりにオーク肉が喰いたい!!」
「やれやれ……儂等に協力してくれるのであれば好きなだけ食べさせてやろう」
「よし、約束だぞ!!」
ゴウカは子供の様にマホに小指を差し出して指切りを行い、そんな彼にロランは頭を抱え、アッシュは彼が苦労している事を知って苦笑いを浮かべる。監獄内ではゴウカを抑えられるのはロランだけという事で二人は常に一緒の牢獄で過ごしていた。もしかしたらロランが釈放を受け入れた理由はゴウカから解放されたいという気持ちもあったかもしれない――
――こうして最強の大将軍と冒険者が監獄から解放され、世間にも二人の釈放の件は大騒ぎになった。一般人の間にはグマグ火山の異変は伝えられておらず、急に二人が監獄から解放された事になったため、民衆の間では不安を抱く者も多い。
「お、おい!!聞いたか?あの話……」
「ロラン大将軍が解放された話だろ?いったいどうなってるだ!?」
「黄金級冒険者のゴウカも解放されたとも聞いたぞ。たくっ、あいつのせいで俺の家はめちゃめちゃになったんだぞ!?何を考えてんだ!!」
「でも、ロラン大将軍はそもそも何で捕まってたんだ?ゴウカはともかく、あの人が何か悪い事をしたとか聞いた事もないんだけど……」
「父親の宰相が問題を起こして、それをロラン大将軍が責任に感じて投獄されたとか聞いてたが……別にロラン大将軍は悪くないんじゃないのか?」
「まあ、俺は素直に嬉しいよ。ロラン大将軍がいてこその王国だからな」
「ゴウカは……あんな騒ぎを起こさなければ俺も好きだったけどな」
二人の仮釈放に関しては民衆の間でも賛否両論となり、人々の間で大きな話題になった。だが、そんな民衆の不安もお構いなしにゴウカは仮釈放された途端に飯を喰らう。
「ふはははっ!!美味い、美味いぞぉおおおっ!!」
「うるさい奴だね、静かに食えないのかい!?」
「お、女将さん……どうしてわざわざここへ連れてきたの?」
白猫亭の地下酒場でゴウカの盛大な笑い声が響き、彼はテンと酒場の店主であるクロエ、それに宿屋の経営者であるヒナの作った料理を味わっていた。
ゴウカは釈放された途端に「美味い飯をたらふく喰いたい!!」と条件を加え、色々と話し合ったうえでテンが管理する白猫亭が選ばれた。酒場を貸し切りにしてゴウカのためにテン達は料理を振舞い、彼は嬉しそうに久々の監獄以外の飯を味わう。
「美味い!!美味い!!美味い!!」
「さっきからうるさいんだよ!!大人しく食べられないのかい!?」
「こ、この人凄いわ……常連の巨人族のお客さんよりも食べてる」
「も、もう食材が……」
並の巨人族以上にゴウカは料理を喰らい、遂には酒場内の食材の方が尽きかける。やがて最後の料理を口にするとゴウカは満足したのか笑い声をあげる。
「うむ、美味かったぞ!!はっはっはっ!!」
「こ、こいつ……本当に囚人だったのかい?」
「普通、出所したばかりの人は薄味の食べ物しか食べられないと聞いてたのに……」
「全部食べ切っちゃった……」
ゴウカは3人の料理を食べつくすと彼は満足気に頷き、そんな彼にクロエとヒナは呆然とする中、テンはため息を吐きながらゴウカと向かい合う。
「満足したんならとっとと行くよ!!それと外に出る時はこいつを被りな!!」
「ん?何だこれは?」
「あんたがそのまま出ていくと正体がバレるだろうが!!だからこいつを着て顔を隠しな!!」
テンが用意したのは新しい甲冑であり、以前にゴウカが身に付けていた物とは別の物だった。ゴウカが素顔のまま出ていくと民衆に彼の正体を知られる可能性があり、ハマーンが造り出した特製の甲冑をテンは渡す。
仮釈放が正式に決定する前からハマーンはゴウカ用の装備を作っていたらしく、彼によるとマホから前々にゴウカのために新しい甲冑を作るように依頼されていたという。どうやらマホはかなり前の段階からロランとゴウカを外に出す事を決めていたらしく、彼女は新しい甲冑の製作をハマーンに依頼していた。
「ほう、これを貰っていいのか?」
「ふんっ!!いっておくけどそいつには拘束用の魔道具が内蔵されている。一度身に付けたら自力では外せない仕様になってるんだ。いくらあんたが「馬鹿力」でも壊せないように設計されているから気を付ける事だね!!」
「なんとっ!!それは面白そうだな!!」
「お、面白いかしら……」
「変わった人ね~……」
ゴウカはテンの話を聞いても全く臆さず、新しい甲冑を嬉々として身に付ける。彼が装着した途端に甲冑はいくら力を込めようと自力では引き剥がせず、甲冑から解放されるには外部の人間の協力が必要な仕組みになっている。
『おおっ、これは中々いいな!!前の甲冑も悪くはなかったが、こっちの方がしっくりとくる!!』
「そこは爺さんに感謝するんだね……ほら、行くよ!!王城であんたを皆が待ち構えているんだよ」
『うむ!!では世話になったな、また来るときはちゃんと金を払うからな!!』
「ま、また来るんですか……?」
「……今度から食糧庫を増やそうかしら」
ゴウカの発言にヒナとクロエは新しい食糧庫を増設するべきか悩む。一方でテンはゴウカを引き連れ、全員が待ち構える王城へと向かう――
――王城の玉座の間では国王の前に大将軍の鎧を身に付けたロランが跪き、彼が戻ってきてくれた事に国王は涙を流す。
「ロランよ、よくぞ戻ってきてくれた……これからも国のために尽くしてくれ」
「はっ……国王様の命とあれば」
ロランは国王の言葉に頷き、こうしてまた大将軍として戻る日が来るとは彼は夢にも思わなかった。監獄に収監された時は一生を牢獄内で過ごすかと思ったが、罪を償うのであれば監獄以外で過ごす方法もある事を思い知らされる。
尤も大将軍の復帰に関しては正式に決まったわけではなく、あくまでもロランは一時的に大将軍の座に戻ったに過ぎない。彼がこれまでに犯した罪は完全に許されたわけではなく、今回の作戦でロランが功績を上げなければ彼は監獄に収監される。しかし、この条件を提案したのは他でもないロラン自身だった。
「陛下、もしも私が今回の作戦に不始末を犯した場合、その時は躊躇せずに私の首をお切りください」
「ロラン……儂はこれ以上にお前の罪を問うつもりはないぞ」
「いいえ、これが私のけじめなのです」
今回の作戦が失敗した場合、ロランはその全責任を背負って処刑される事を望む。国王としてはこれからもロランには国を支えて欲しいが、この条件を受け入れなければ彼は大将軍に戻るつもりはないと告げて結局は約束してしまった。
無論、ロランとしても作戦の際は全力を尽くす事を誓い、易々と死ぬつもりはなかった。そして話し込んでいる間にも玉座の間の他の者が訪れる。
国王は悩んだ末にマホの条件を受け入れ、二人は条件付きで仮釈放が認められた。二人を迎えるためにアッシュとマホは訪れ、牢獄内の二人に話を伝える。
「……本気で言っているのか?我々を解放するだと?」
「ほう、それは有難い話だな!!いい加減にここには飽きていた所だ!!ふはははっ!!」
ロランは信じられない表情を浮かべ、彼は父親の分まで罪を背負い、生涯監獄の中で過ごすと考えていた。一方でゴウカの方は仮釈放の話を聞いて笑い声をあげ、彼としては監獄生活も意外と悪くはなかったが、やはり身体を鍛える事や誰かと戦えない事に不満を常々抱いていた。
「吾輩は文句はないぞ!!マグマゴーレムだろうとなんだろうと戦ってやる!!」
「……俺はここを出るつもりはない」
「それは認められん。既に国王陛下の許可を貰っている……ここへ残るという事は国王に逆らうという意味だ」
「ぐっ……」
アッシュの言葉にロランは口ごもり、彼とは数十年来の付き合いだった。ロランとしては自分と父親の犯した罪を清算するまでは監獄を出るつもりはなかったが、国王の命令と聞いて彼は葛藤する。
彼の父親は国のために生涯を尽くしたが、ロランが忠誠を誓うのは王族である。国王の命令であるならばロランは逆らう事はできず、彼は仕方なく命令を承った。
「仕方あるまい、陛下がそこまで言うのであれば私は従う……だが、何故この男まで連れていく?」
「お主が収監された後、色々と問題が起きてな……」
「今の王国にお前以外に大将軍を任せられる男はいない。戻ってくるんだ」
ロランが捕まった後はアッシュが大将軍の地位に就く話も合ったが、彼をそれを断って現在も大将軍の座は誰も就いていない。一応はアッシュが代理として勤めてきたが、彼はあくまでも大将軍の地位に正式に就く事はなく、ロランが戻るのを待ちわびていた。
「吾輩としてはここから出してくれるなら何でも言う事を聞くぞ……いや、一つだけ条件がある」
「条件?」
「飯を腹いっぱい食わせてくれ!!ここの飯は大して美味くもなければ量も少ない!!久しぶりにオーク肉が喰いたい!!」
「やれやれ……儂等に協力してくれるのであれば好きなだけ食べさせてやろう」
「よし、約束だぞ!!」
ゴウカは子供の様にマホに小指を差し出して指切りを行い、そんな彼にロランは頭を抱え、アッシュは彼が苦労している事を知って苦笑いを浮かべる。監獄内ではゴウカを抑えられるのはロランだけという事で二人は常に一緒の牢獄で過ごしていた。もしかしたらロランが釈放を受け入れた理由はゴウカから解放されたいという気持ちもあったかもしれない――
――こうして最強の大将軍と冒険者が監獄から解放され、世間にも二人の釈放の件は大騒ぎになった。一般人の間にはグマグ火山の異変は伝えられておらず、急に二人が監獄から解放された事になったため、民衆の間では不安を抱く者も多い。
「お、おい!!聞いたか?あの話……」
「ロラン大将軍が解放された話だろ?いったいどうなってるだ!?」
「黄金級冒険者のゴウカも解放されたとも聞いたぞ。たくっ、あいつのせいで俺の家はめちゃめちゃになったんだぞ!?何を考えてんだ!!」
「でも、ロラン大将軍はそもそも何で捕まってたんだ?ゴウカはともかく、あの人が何か悪い事をしたとか聞いた事もないんだけど……」
「父親の宰相が問題を起こして、それをロラン大将軍が責任に感じて投獄されたとか聞いてたが……別にロラン大将軍は悪くないんじゃないのか?」
「まあ、俺は素直に嬉しいよ。ロラン大将軍がいてこその王国だからな」
「ゴウカは……あんな騒ぎを起こさなければ俺も好きだったけどな」
二人の仮釈放に関しては民衆の間でも賛否両論となり、人々の間で大きな話題になった。だが、そんな民衆の不安もお構いなしにゴウカは仮釈放された途端に飯を喰らう。
「ふはははっ!!美味い、美味いぞぉおおおっ!!」
「うるさい奴だね、静かに食えないのかい!?」
「お、女将さん……どうしてわざわざここへ連れてきたの?」
白猫亭の地下酒場でゴウカの盛大な笑い声が響き、彼はテンと酒場の店主であるクロエ、それに宿屋の経営者であるヒナの作った料理を味わっていた。
ゴウカは釈放された途端に「美味い飯をたらふく喰いたい!!」と条件を加え、色々と話し合ったうえでテンが管理する白猫亭が選ばれた。酒場を貸し切りにしてゴウカのためにテン達は料理を振舞い、彼は嬉しそうに久々の監獄以外の飯を味わう。
「美味い!!美味い!!美味い!!」
「さっきからうるさいんだよ!!大人しく食べられないのかい!?」
「こ、この人凄いわ……常連の巨人族のお客さんよりも食べてる」
「も、もう食材が……」
並の巨人族以上にゴウカは料理を喰らい、遂には酒場内の食材の方が尽きかける。やがて最後の料理を口にするとゴウカは満足したのか笑い声をあげる。
「うむ、美味かったぞ!!はっはっはっ!!」
「こ、こいつ……本当に囚人だったのかい?」
「普通、出所したばかりの人は薄味の食べ物しか食べられないと聞いてたのに……」
「全部食べ切っちゃった……」
ゴウカは3人の料理を食べつくすと彼は満足気に頷き、そんな彼にクロエとヒナは呆然とする中、テンはため息を吐きながらゴウカと向かい合う。
「満足したんならとっとと行くよ!!それと外に出る時はこいつを被りな!!」
「ん?何だこれは?」
「あんたがそのまま出ていくと正体がバレるだろうが!!だからこいつを着て顔を隠しな!!」
テンが用意したのは新しい甲冑であり、以前にゴウカが身に付けていた物とは別の物だった。ゴウカが素顔のまま出ていくと民衆に彼の正体を知られる可能性があり、ハマーンが造り出した特製の甲冑をテンは渡す。
仮釈放が正式に決定する前からハマーンはゴウカ用の装備を作っていたらしく、彼によるとマホから前々にゴウカのために新しい甲冑を作るように依頼されていたという。どうやらマホはかなり前の段階からロランとゴウカを外に出す事を決めていたらしく、彼女は新しい甲冑の製作をハマーンに依頼していた。
「ほう、これを貰っていいのか?」
「ふんっ!!いっておくけどそいつには拘束用の魔道具が内蔵されている。一度身に付けたら自力では外せない仕様になってるんだ。いくらあんたが「馬鹿力」でも壊せないように設計されているから気を付ける事だね!!」
「なんとっ!!それは面白そうだな!!」
「お、面白いかしら……」
「変わった人ね~……」
ゴウカはテンの話を聞いても全く臆さず、新しい甲冑を嬉々として身に付ける。彼が装着した途端に甲冑はいくら力を込めようと自力では引き剥がせず、甲冑から解放されるには外部の人間の協力が必要な仕組みになっている。
『おおっ、これは中々いいな!!前の甲冑も悪くはなかったが、こっちの方がしっくりとくる!!』
「そこは爺さんに感謝するんだね……ほら、行くよ!!王城であんたを皆が待ち構えているんだよ」
『うむ!!では世話になったな、また来るときはちゃんと金を払うからな!!』
「ま、また来るんですか……?」
「……今度から食糧庫を増やそうかしら」
ゴウカの発言にヒナとクロエは新しい食糧庫を増設するべきか悩む。一方でテンはゴウカを引き連れ、全員が待ち構える王城へと向かう――
――王城の玉座の間では国王の前に大将軍の鎧を身に付けたロランが跪き、彼が戻ってきてくれた事に国王は涙を流す。
「ロランよ、よくぞ戻ってきてくれた……これからも国のために尽くしてくれ」
「はっ……国王様の命とあれば」
ロランは国王の言葉に頷き、こうしてまた大将軍として戻る日が来るとは彼は夢にも思わなかった。監獄に収監された時は一生を牢獄内で過ごすかと思ったが、罪を償うのであれば監獄以外で過ごす方法もある事を思い知らされる。
尤も大将軍の復帰に関しては正式に決まったわけではなく、あくまでもロランは一時的に大将軍の座に戻ったに過ぎない。彼がこれまでに犯した罪は完全に許されたわけではなく、今回の作戦でロランが功績を上げなければ彼は監獄に収監される。しかし、この条件を提案したのは他でもないロラン自身だった。
「陛下、もしも私が今回の作戦に不始末を犯した場合、その時は躊躇せずに私の首をお切りください」
「ロラン……儂はこれ以上にお前の罪を問うつもりはないぞ」
「いいえ、これが私のけじめなのです」
今回の作戦が失敗した場合、ロランはその全責任を背負って処刑される事を望む。国王としてはこれからもロランには国を支えて欲しいが、この条件を受け入れなければ彼は大将軍に戻るつもりはないと告げて結局は約束してしまった。
無論、ロランとしても作戦の際は全力を尽くす事を誓い、易々と死ぬつもりはなかった。そして話し込んでいる間にも玉座の間の他の者が訪れる。
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