977 / 1,110
嵐の前の静けさ
第957話 退散
しおりを挟む
「「「ゴォオオオッ……!!」」」
「な、なんだ!?」
「こ、こいつら……止まったぞ?」
「どうなってるんだ!?」
兵士や冒険者に攻撃を繰り出していたロックゴーレムの集団が唐突に停止し、その様子を見て戦っていた者達は戸惑う。城壁の上に立っていたエルマも異変に気付き、彼女さえも何が起きたのかと分からなかった。
何時の間にか時刻は夕方を迎えていたらしく、ロックゴーレム達は太陽が沈む光景を確認すると、その場で地面を掘り始める。その行為に兵士と冒険者は唖然とするが、ロックゴーレムは地面の中に潜り込む。
「な、何だ!?こいつら、何をしてるんだ!?」
「まさか……逃げたのか!?」
「いったいどうして……」
戦況を有利に運んでいたにも関わらず、ロックゴーレムの集団が地面に潜り込んで姿を消した事に誰もが戸惑う。エルマも何が起きたのか理解できなかったが、敵が消えた瞬間に緊張の糸が切れたのか大勢の人間がその場にへたり込む。
(……勝った?)
状況的に考えれば街を襲撃したロックゴーレムは退散し、被害はあったが無事に街を守り通す事はできた。エルマは自分の矢を撃ち尽くしている事に気付き、もしも戦闘が続行していればと思うとぞっとした。
彼女の扱う矢は普通の矢ではなく、事前に魔力が込めやすいように紋様を刻む。つまり、矢を失っていれば彼女は戦う事はできなかった。だからロックゴーレムが退いて一番命拾いしたのは彼女かもしれない。
(いったいどうして……)
ロックゴーレムが退いた事でエルマは安心したが、あまり喜んでばかりはいられない。本当にロックゴーレムが退散したのかは分からず、もしかしたら自分達の隙を伺うために隠れただけかもしれないと彼女は警戒する。
しかし、エルマの予想に反してその日はいくら待とうとロックゴーレムが現れる事はなく、無事に夜を迎える事ができた――
――城壁の防衛に成功したマホ達は街を収める領主の屋敷に招かれ、身体を休める事にした。3人とも疲労困憊だったが、特にマホは二つの城壁の守護のために無理をしてしまう。
ベッドに横たわったマホの元にエルマとフィルは訪れ、城壁で起きた出来事を話す。エルマが守護した西側の城壁以外でも同時刻にロックゴーレムの集団が退散したらしく、それを知ったマホは難しい表情を浮かべる。
「そうか……夕方を迎えた途端にロックゴーレム共は退いたという事か」
「いったい、奴等は何だったのでしょうか……」
「私の目には太陽が下りる前にロックゴーレムが逃げた様に見えましたが……」
街を襲撃してきたロックゴーレムの集団が退散した理由は未だに分からず、現在は倒す事に成功したロックゴーレムの調査を行っていた。
「こちらがマホ魔導士が破壊したロックゴーレムの残骸から発見された核です……壊れた破片を繋ぎとめた結果、やはり紋様が刻まれていたようです」
「おおっ、よく直せたのう」
「老師、この紋様は……」
兵士が集めた核の残骸を繋ぎ合わせた結果、街を襲撃したロックゴーレムの核には紋様が刻まれていた。しかも以前に発見した魔物の死体と同じく、死んだはずのバートンの「鞭の紋様」で間違いない。
「これはどういう事でしょうか?あのロックゴーレム達は魔物使いに操られていたという事でしょうか?」
「待ってください!!生身の生物ならばともかく、ロックゴーレムのような魔物も魔物使いは操れるのですか!?」
「うむ……前例がなかったわけではない」
魔物使いが操れるのは生身の肉体を持つ魔物だけではなく、ゴーレム種の様な生身の肉体を持たない存在も従える事が発覚した。但し、ゴーレム種の場合は本体の核その物に紋様を施す必要があり、その方法は決して簡単ではない。
街を襲撃したロックゴーレムの3分の1はマホが倒したが、その全てのゴーレムの核に紋様が刻まれていた形跡があった。この事から「鞭の紋様」は只の模様《シンボル》ではなく、魔物使いが魔物を服従する際に刻む必要がある印の可能性が出てきた。
「老師、これからどうしますか?」
「どうするも何もこの状態ではまともに戦う事もできん……こんな事ならばゴンザレスとガロも呼べば良かったな」
「もしも奴等がまた現れたら……」
「その時は……覚悟する必要があるのう」
今回の襲撃を乗り越えられたのは運が良かったとしか言いようがなく、再びロックゴーレムの集団が襲撃を仕掛けたら今度は防ぐ手立てはない。頼りになる魔導士のマホは魔力切れで碌に身体も動けず、フィルもエルマだけでは対処はできない。しかし、三人の不安とは裏腹にその日を境にゴノの街が襲われる事態は訪れずなかった。
――地中に潜り込んで姿を消したロックゴーレム達は街を離れると、草原に存在する丘に辿り着く。丘の上には人影が存在し、全身をローブで覆い隠した人物が座っていた。
この人物こそが街にロックゴーレムを襲撃させた黒幕であり、史上最悪の犯罪者と謳われたアルバートンの血を継ぐ人物だった。彼女の名前は「アン」今では父親を越える魔物使いへと成長していた。
「……思っていたよりもやられたようね」
「「「ゴオオッ……」」」
帰還したロックゴーレムの数を確認してアンは3分の1ほど倒された事を知り、それでも気分を害した様子はない。ロックゴーレムを従えるために苦労させられたが、この程度の数がやられようと彼女にとっては些細な問題だった。
(命令通りに夕暮れを迎える前には戻ってきた……やっとこいつらも使える手駒になったわ)
アンは昨夜のうちにロックゴーレムに三つの命令を与え、それを実行するかどうか確かめるために彼等にゴノの街を襲撃させた。まず一つ目の命令が「瓦礫に擬態して身を隠す事」この命令を受けたロックゴーレムはトロールに破壊された城壁の瓦礫に擬態して一晩中身を隠す。
二つ目の命令が「昼時を迎えたら人間を襲え」この命令を受けたロックゴーレムは昼時を迎えると、擬態を止めて兵士へ襲い掛かった。マホ達は気付かなかったが、ロックゴーレムの狙いは最初から街の中に侵入する事ではなく、城壁を守護する兵士や冒険者を狙って行動を起こしていた。
そして最後の命令は「夕暮れを迎えたら自分の元に戻る」この三つの命令をロックゴーレムは果たし、時間は掛かったがアンは「忠実な手駒」を手に入れた。
(父でさえも三つの命令を与えて実行させる事はできなかった……もう私は父を越えた)
普通の魔物使いは服従させた魔物に命令を与える場合、せいぜい与えられる命令は一つだけである。しかも知能が低い魔物はまともに命令を従わない事もある。
例えばコボルトやファングなどの魔獣系は相手に襲い掛かる場合、本能のままに従って相手に攻撃する。これらの魔物に相手を「襲え」という命令は従うが、戦う相手を「殺すな」や「生け捕りにしろ」という命令で従えさせるのは難しい。
魔獣系の魔物は戦闘の際は本能のままに攻撃するため、主人である魔物使いの命令でも聞く耳を持たない。仮に従えさせる事ができるとしたら「ミノタウロス」などの知能が高い存在しかおらず、逆に「オーク」などの知能が低い魔物はそもそも命令をまともに従わない。
ロックゴーレムの場合は知能はそれほど高いとは言えず、本来であれば魔物使いが服従させる魔物としては不適合だと言える。しかし、アンは十数年の時を費やして魔物使いの腕を磨き、遂には複雑な命令でも従える完璧な手駒を作り出す事に成功した。
(もう私に従わない魔物はいない……それにいざという時はあいつがいる)
自分の命令を完璧に遂行したロックゴーレムの集団を見てアンは魔物使いの能力を極めた事を自覚し、丘の裏側で寝入っている生物に視線を向ける。この生物こそがアンにとっての最高にして最強の魔物であり、どんな相手が現れようと負ける気がしない。
(けれど実験のためとはいえ、手駒をいくつか失ったのは惜しい……そろそろ新しい手駒を補充する必要があるわね)
今回の実験でアンは従えさせたロックゴーレムの3分の1を失ってしまい、それを補うために新しい魔物を従えさせることにした。彼女は地図を取り出してこの付近に出没する魔物を確認すると、とある火山に注目した。
(……この場所なら新しいゴーレムも手に入りそうね)
ゴーレム種は主に山岳地帯に生息するため、火山にもゴーレム種がいる可能性は高い。アンは失った魔物の補充を兼ねて「グツグ火山」と地図に記された場所へ向かう。
――後にこの時の彼女の選択が王国の歴史を変える事になる。
「な、なんだ!?」
「こ、こいつら……止まったぞ?」
「どうなってるんだ!?」
兵士や冒険者に攻撃を繰り出していたロックゴーレムの集団が唐突に停止し、その様子を見て戦っていた者達は戸惑う。城壁の上に立っていたエルマも異変に気付き、彼女さえも何が起きたのかと分からなかった。
何時の間にか時刻は夕方を迎えていたらしく、ロックゴーレム達は太陽が沈む光景を確認すると、その場で地面を掘り始める。その行為に兵士と冒険者は唖然とするが、ロックゴーレムは地面の中に潜り込む。
「な、何だ!?こいつら、何をしてるんだ!?」
「まさか……逃げたのか!?」
「いったいどうして……」
戦況を有利に運んでいたにも関わらず、ロックゴーレムの集団が地面に潜り込んで姿を消した事に誰もが戸惑う。エルマも何が起きたのか理解できなかったが、敵が消えた瞬間に緊張の糸が切れたのか大勢の人間がその場にへたり込む。
(……勝った?)
状況的に考えれば街を襲撃したロックゴーレムは退散し、被害はあったが無事に街を守り通す事はできた。エルマは自分の矢を撃ち尽くしている事に気付き、もしも戦闘が続行していればと思うとぞっとした。
彼女の扱う矢は普通の矢ではなく、事前に魔力が込めやすいように紋様を刻む。つまり、矢を失っていれば彼女は戦う事はできなかった。だからロックゴーレムが退いて一番命拾いしたのは彼女かもしれない。
(いったいどうして……)
ロックゴーレムが退いた事でエルマは安心したが、あまり喜んでばかりはいられない。本当にロックゴーレムが退散したのかは分からず、もしかしたら自分達の隙を伺うために隠れただけかもしれないと彼女は警戒する。
しかし、エルマの予想に反してその日はいくら待とうとロックゴーレムが現れる事はなく、無事に夜を迎える事ができた――
――城壁の防衛に成功したマホ達は街を収める領主の屋敷に招かれ、身体を休める事にした。3人とも疲労困憊だったが、特にマホは二つの城壁の守護のために無理をしてしまう。
ベッドに横たわったマホの元にエルマとフィルは訪れ、城壁で起きた出来事を話す。エルマが守護した西側の城壁以外でも同時刻にロックゴーレムの集団が退散したらしく、それを知ったマホは難しい表情を浮かべる。
「そうか……夕方を迎えた途端にロックゴーレム共は退いたという事か」
「いったい、奴等は何だったのでしょうか……」
「私の目には太陽が下りる前にロックゴーレムが逃げた様に見えましたが……」
街を襲撃してきたロックゴーレムの集団が退散した理由は未だに分からず、現在は倒す事に成功したロックゴーレムの調査を行っていた。
「こちらがマホ魔導士が破壊したロックゴーレムの残骸から発見された核です……壊れた破片を繋ぎとめた結果、やはり紋様が刻まれていたようです」
「おおっ、よく直せたのう」
「老師、この紋様は……」
兵士が集めた核の残骸を繋ぎ合わせた結果、街を襲撃したロックゴーレムの核には紋様が刻まれていた。しかも以前に発見した魔物の死体と同じく、死んだはずのバートンの「鞭の紋様」で間違いない。
「これはどういう事でしょうか?あのロックゴーレム達は魔物使いに操られていたという事でしょうか?」
「待ってください!!生身の生物ならばともかく、ロックゴーレムのような魔物も魔物使いは操れるのですか!?」
「うむ……前例がなかったわけではない」
魔物使いが操れるのは生身の肉体を持つ魔物だけではなく、ゴーレム種の様な生身の肉体を持たない存在も従える事が発覚した。但し、ゴーレム種の場合は本体の核その物に紋様を施す必要があり、その方法は決して簡単ではない。
街を襲撃したロックゴーレムの3分の1はマホが倒したが、その全てのゴーレムの核に紋様が刻まれていた形跡があった。この事から「鞭の紋様」は只の模様《シンボル》ではなく、魔物使いが魔物を服従する際に刻む必要がある印の可能性が出てきた。
「老師、これからどうしますか?」
「どうするも何もこの状態ではまともに戦う事もできん……こんな事ならばゴンザレスとガロも呼べば良かったな」
「もしも奴等がまた現れたら……」
「その時は……覚悟する必要があるのう」
今回の襲撃を乗り越えられたのは運が良かったとしか言いようがなく、再びロックゴーレムの集団が襲撃を仕掛けたら今度は防ぐ手立てはない。頼りになる魔導士のマホは魔力切れで碌に身体も動けず、フィルもエルマだけでは対処はできない。しかし、三人の不安とは裏腹にその日を境にゴノの街が襲われる事態は訪れずなかった。
――地中に潜り込んで姿を消したロックゴーレム達は街を離れると、草原に存在する丘に辿り着く。丘の上には人影が存在し、全身をローブで覆い隠した人物が座っていた。
この人物こそが街にロックゴーレムを襲撃させた黒幕であり、史上最悪の犯罪者と謳われたアルバートンの血を継ぐ人物だった。彼女の名前は「アン」今では父親を越える魔物使いへと成長していた。
「……思っていたよりもやられたようね」
「「「ゴオオッ……」」」
帰還したロックゴーレムの数を確認してアンは3分の1ほど倒された事を知り、それでも気分を害した様子はない。ロックゴーレムを従えるために苦労させられたが、この程度の数がやられようと彼女にとっては些細な問題だった。
(命令通りに夕暮れを迎える前には戻ってきた……やっとこいつらも使える手駒になったわ)
アンは昨夜のうちにロックゴーレムに三つの命令を与え、それを実行するかどうか確かめるために彼等にゴノの街を襲撃させた。まず一つ目の命令が「瓦礫に擬態して身を隠す事」この命令を受けたロックゴーレムはトロールに破壊された城壁の瓦礫に擬態して一晩中身を隠す。
二つ目の命令が「昼時を迎えたら人間を襲え」この命令を受けたロックゴーレムは昼時を迎えると、擬態を止めて兵士へ襲い掛かった。マホ達は気付かなかったが、ロックゴーレムの狙いは最初から街の中に侵入する事ではなく、城壁を守護する兵士や冒険者を狙って行動を起こしていた。
そして最後の命令は「夕暮れを迎えたら自分の元に戻る」この三つの命令をロックゴーレムは果たし、時間は掛かったがアンは「忠実な手駒」を手に入れた。
(父でさえも三つの命令を与えて実行させる事はできなかった……もう私は父を越えた)
普通の魔物使いは服従させた魔物に命令を与える場合、せいぜい与えられる命令は一つだけである。しかも知能が低い魔物はまともに命令を従わない事もある。
例えばコボルトやファングなどの魔獣系は相手に襲い掛かる場合、本能のままに従って相手に攻撃する。これらの魔物に相手を「襲え」という命令は従うが、戦う相手を「殺すな」や「生け捕りにしろ」という命令で従えさせるのは難しい。
魔獣系の魔物は戦闘の際は本能のままに攻撃するため、主人である魔物使いの命令でも聞く耳を持たない。仮に従えさせる事ができるとしたら「ミノタウロス」などの知能が高い存在しかおらず、逆に「オーク」などの知能が低い魔物はそもそも命令をまともに従わない。
ロックゴーレムの場合は知能はそれほど高いとは言えず、本来であれば魔物使いが服従させる魔物としては不適合だと言える。しかし、アンは十数年の時を費やして魔物使いの腕を磨き、遂には複雑な命令でも従える完璧な手駒を作り出す事に成功した。
(もう私に従わない魔物はいない……それにいざという時はあいつがいる)
自分の命令を完璧に遂行したロックゴーレムの集団を見てアンは魔物使いの能力を極めた事を自覚し、丘の裏側で寝入っている生物に視線を向ける。この生物こそがアンにとっての最高にして最強の魔物であり、どんな相手が現れようと負ける気がしない。
(けれど実験のためとはいえ、手駒をいくつか失ったのは惜しい……そろそろ新しい手駒を補充する必要があるわね)
今回の実験でアンは従えさせたロックゴーレムの3分の1を失ってしまい、それを補うために新しい魔物を従えさせることにした。彼女は地図を取り出してこの付近に出没する魔物を確認すると、とある火山に注目した。
(……この場所なら新しいゴーレムも手に入りそうね)
ゴーレム種は主に山岳地帯に生息するため、火山にもゴーレム種がいる可能性は高い。アンは失った魔物の補充を兼ねて「グツグ火山」と地図に記された場所へ向かう。
――後にこの時の彼女の選択が王国の歴史を変える事になる。
0
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる