貧弱の英雄

カタナヅキ

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砂漠の脅威

第928話 失態

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「フガァアアアッ!!」
『うおっと!?食われてたまるかよ!!』


ガオウに目掛けてポイズンタートルは首を伸ばして飲み込もうとしてきたが、優れた反射神経でガオウはポイズンタートルの頭の上を跳んで回避した。

攻撃を躱された後もポイズンタートルは首を伸ばして倒木に嚙り付き、鋭い牙と凄まじい咬筋力で噛み砕く。その光景を見てナイ達はもしもポイズンタートルに喰われれば自分達など一瞬で肉塊《ミンチ》にされる事を思い知らされる。


『くそ、噛みつく力は火竜級だな!!』
『これは思っていた以上に危険な相手だな』
『でも、やるしかありません』


ポイズンタートルを倒さなければ毒霧は収まらず、こうして戦っている間にも船に残った者達は危険に晒されている。ナイは手にしていた旋斧を背中に戻すと、旋斧よりも硬度が高い岩砕剣を構えた。

先ほどガオウは攻撃を仕掛けた時はポイズンタートルの皮膚に傷一つ与えられなかったが、ナイの剛力と岩砕剣の硬度ならば損傷を与えられる可能性は十分にある。ナイは岩砕剣を握りしめると、二人に援護を申し込む。


『今度は俺が攻撃を仕掛けます。二人はポイズンタートルの注意を引いてくれますか?』
『それは構わないが……何処を攻撃するつもりだ?』
『頭です。一瞬でいいので相手の視界を封じてください』
『よし、任せたぞ』


ガオウとリンはナイの提案を聞き入れ、彼が攻撃を仕掛けるために自分達がポイズンタートルの注意を引く事に集中する。二人を信じてナイも岩砕剣を握りしめると、確実にポイズンタートルを仕留めるための準備を行う。


(一撃で倒す……それしか方法はない)


ナイは意識を集中させて全身の聖属性の魔力を活性化させ、限界まで身体能力を引き上げる「強化術」を発動させる。さらに岩砕剣には魔法腕輪を通して地属性の魔力を流し込み、限界近くまで岩砕剣に重量を増加させる。


(坊主、集中しているな……次の攻撃で仕留める気か)
(本当にこれほどの敵を一撃で仕留められるのか?いや、ナイならばできるはずだ)


ガオウとリンはナイの変化に気付いて彼が次の攻撃でポイズンタートルを仕留めるつもりだと考え、そのためには自分達がポイズンタートルの注意を引かなければならない。そう考えた二人はお互いに視線を躱し、同時に動き出す。


『俺は左目、そっちは右目だ!!』
『いいだろう!!遅れるなよ!!』
「フゴォッ……!?」


ナイが動くためにはガオウとリンがポイズンタートルの注意を反らす必要があり、二人は左右に分かれるとポイズンタートルの両目を同時に狙う。

リンは鞘に剣を収めた状態で風属性の魔力を集中させ、ガオウは持ち前の跳躍力を生かして再び直接眼球を斬りつけようと機会を伺う。しかし、ポイズンタートルは予想外の行動を取る。


「フゴォオッ――!!」
「なぁっ!?」
「首がっ……!?」
「っ……!?」


ポイズンタートルは本物の亀のように首を甲羅の中に、これによって三人は攻撃対象を見失ってしまう。首を甲羅の中に隠されては注意を反らす事も直接に攻撃する事もできず、三人は意表を突かれて動きを止めてしまう。

更にポイズンタートルは首を引っ込めた状態で、身体を回転させて尻尾を薙ぎ払う。再び迫りくる尻尾に対してリンとガオウは飛び上がって攻撃を回避するしかなかった。


『くっ!!』
『ちっ!!』


ガオウとリンはどうにか反応して避ける事には成功したが、ナイだけは跳躍せずにある方向を見つめていた。それは木々の間に挟まっているフィルであり、彼は意識を取り戻したのか木々を抜け出そうとした時に迫りくる尻尾を見て悲鳴を上げる。


『ひいいいっ!?』
『はっ!?』
『なっ!?』
『フィルさん!!』


既に空中に浮かんで回避行動に移っていたガオウとリンは何も出来ず、フィルを守る事ができるのは地上にいるナイだけであった。ナイは迫りくる尻尾に対して岩砕剣を振りかざし、強化術を発動した状態で岩砕剣を振り下ろす。


『だああああっ!!』
「フゴォオオオッ!!」


岩砕剣の一撃がポイズンタートルの尻尾に衝突した瞬間、激しい金属音が鳴り響いてナイの身体が吹き飛ばされる。この時にフィルも一緒に巻き込まれるが、ポイズンタートルの尻尾も動きを止める。

ナイの渾身の一撃によって尻尾の勢いを止める事には成功したが、まともに衝撃を受けたナイは吹き飛び、それに巻き込まれたフィルも共に地面に転がり込む。それを見ていたガオウとリンは表情を青ざめた。


『ナイ!?無事か!!』
『坊主!!くそガキ、生きているか!?』
『あ、ああ……ど、どうして……』
「がはぁっ……!?」


吹き飛ばされた際にナイは仮面が何処かに吹き飛んでしまい、そんなナイの前にフィルは唖然と彼の顔を見下ろす。ナイが必死に庇ったお陰でフィルは軽傷で済んだが、その代わりに彼を庇ったナイは致命傷を負ってしまった。


『ど、どうして……何で、こんなっ……』
『くそガキ!!坊主は無事か!?』
『生きているのか!?』


フィルは愕然としながらもナイを抱き上げると、ガオウとリンが彼の元に駆けつけてナイの怪我を確認する。だが、一目でわかる程にナイはまともに動ける状態ではなかった。

レベル1ではあるがナイは厳しい鍛錬と身に付けた技能を鍛え上げてきた事で彼の肉体は常人とは比べ物にならない頑丈さと耐久性を誇る。しかし、先のポイズンタートルの攻撃を真正面から受け止めた際、彼の両腕はあらぬ方向に折れ曲がっていた。


『うっ……酷い、骨が折れているどころじゃないぞ』
『何をしている、早く薬を飲ませるんだ!!』
『は、はい!!』


リンの言葉を聞いて慌ててフィルは自分の手持ちの薬を探すが、先ほど吹き飛ばされた時に落としたのか薬が見当たらなかった。だが、彼は出発前にナイがイリアから薬を受け取っていた事を思い出し、すぐに彼の懐に手を伸ばして緑聖水を取り出す。


『く、薬……薬を飲ませないと……』
『落ち着け、指が震えているぞ馬鹿!!それだと薬をこぼしちまうだろうが!!』
『ナイ、意識はあるか?ゆっくりと焦らずに飲むんだぞ!!』
「うっ……」


ナイは辛うじて意識は残っているのか瞼を開くが、その瞳は虚ろで碌に声も聞こえていない様子だった。それでもフィルが緑聖水の小瓶を口元に近付けると、少しずつではあるが薬を飲み始める。

治るかどうかはイリアが作り出した緑聖水に期待するしかなく、彼の治療はフィルに任せてリンとガオウはポイズンタートルに向き合う。ポイズンタートルの方はナイの先ほどの攻撃で尻尾に深い切り傷が生まれて血を流していた。


「フガァアアアッ!?」
『おい、見ろよ……あの野郎、坊主の攻撃を受けて苦しんでるあまりに顔を出しやがった』
『だが、我々だけでは奴は倒せない……ここは退くぞ』
『仕方ねえか……』


ここまでの攻防で悔しいながらにガオウとリンは自分達の力ではポイズンタートルはどうしようもできない相手だと理解しており、ここは悔しく思いながらも撤退するしかないと判断した。しかし、ポイズンタートルが易々と彼等を逃がすはずがない。


「フゴォオオオッ……!!」
『ちっ……こいつ、俺達を逃がすつもりはないらしいな』
『誰かが足止めしないと逃げられそうにないか』
『そ、そんな……』


ポイズンタートルは首を動かしてナイ達を睨みつけ、特に自分の尻尾に怪我を負わせたナイを血走った目で睨みつける。どうやら完全にポイズンタートルを怒らせてしまったらしく、ガオウとリンは武器を構えた。

このまま撤退を試みてもポイズンタートルが逃がすはずがなく、誰かがこの場に残ってポイズンタートルの注意を引く必要があった。つまりは誰か囮役となって他の者を逃がさなければならず、負傷したナイを一刻も早く安全な場所へ避難させなければならない。


『仕方ねえ……ここは俺が残る、リンさんだったな。あんたはそいつと坊主を頼むぞ』
『何?いや、しかし……』
『あんたがいないと霧で道に迷ってそいつらは船に戻れないかもしれないだろうが……ここは俺に任せておけ』
『なっ……!?』


ガオウは自分が囮役に残ると言い出し、船に戻るにはリンの風の魔法剣で霧を振り払わなければ元に戻れない可能性は十分にある。しかし、ナイでさえも一撃で倒された相手にガオウが一人だけ残って足止めをするなど無謀過ぎた。


『何を馬鹿な事を……あんた一人で何とかできる相手じゃないだろう!!』
『うるせえっ!!ならてめえに俺の代わりが務まるのか!?あんな化物を前にしただけで腰を抜かす臆病者が!!』
『うっ……』


フィルはガオウの言葉を言い返す事ができず、確かに彼はポイズンタートルの外見を見ただけで怖気づいてしまった。だが、フィルは自分を庇って代わりに致命傷を受けたナイの姿を思い出すと、彼は歯を食いしばってナイをリンに託す。


『僕もここに残る……をお願いします!!』
『な、何?』
『おい、くそガキ……てめえ、自分が何を言っているのか理解しているのか?』
『うるさい!!僕に指図するな!!』


覚悟を決めた表情でフィルは鎖の魔剣を取り出すと、彼は両手で鎖を振り回しながら戦闘準備を整える。フィルの行動にガオウもリンも呆気に取られるが、彼はリンが抱きかかえるナイに振り返って告げる。


『誇り高き戦士は……命を救ってくれた借りは、命で返す!!』
『はっ……言うようになったじゃねえか、
『お前達……分かった、ここは任せるぞ』


ガオウとフィルの覚悟を感じ取ったリンはこの場を二人に任せ、ナイを背中に抱えた状態で船の方向に目掛けて彼女は走り出す。ナイを抱えて逃げ出したリンの姿を見てポイズンタートルは怒りの咆哮を放ち、それに対してガオウとフィルは身構える。


「フゴォオオオオッ……!!」
『死んでも時間を稼ぐぞ!!』
『言われなくても……!!』


決死の覚悟でガオウとフィルはポイズンタートルと向かい合うと、ナイ達の後を追わせないために二人はポイズンタートルに向けて飛び掛かる――
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