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番外編 獣人国の刺客
第895話 テンの苦い思い出
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「それであんた、ここへ来た用事は何だい?」
「あ、えっと……実はアルトと一緒に迷宮都市に向かう事になったのでその事を報告しようと思って」
「迷宮都市……?」
ナイの言葉にテンは訝し気な表情を浮かべると、これまでの事情をナイは簡潔に話す。話を聞き終えたテンは呆れた表情を浮かべ、彼女は面倒くさそうに頭を掻きながらも協力する事を伝える。
「なるほどね、そういう事ならヒイロとミイナは連れて行っていいよ。というか、あの二人は白狼騎士団だからね。そもそもあたしが許可を出す必要はないけどね……」
「ありがとうございます。なら、アルトには伝えておきます」
「うちの奴等も何人か同行させるよ。それにしてもあの王子様は古城の調査なんてまだ諦めていなかったのかい」
「テンさんもアルトが古城の事を調べているのは知っていたんですか?」
「まあね……一つだけ忠告しておくよ、あんたが強いのは知っているけど迷宮都市を甘く見るんじゃないよ。あの場所がどうして迷宮都市と言われているのかは知っているかい?」
「いえ……」
「あそこは魔窟なんだよ。魔物が何処からか現れるか分からない、道も複雑で似たような形の廃墟が延々と広がっている……方向感覚が狂わないようにせいぜい気を付けるんだね」
テンによると迷宮都市の名前の由来は言葉通りに「迷宮」の如く複雑な構造らしく、似たような形状の廃墟が延々と広がっているせいで方向感覚が狂わされるという。
この建物が似通っている理由は当時の建築法に問題があるらしく、他にも道が複雑なのは王都が他国からの侵入を考慮して敵に攻めにくいように複雑な街道を敢えて築き上げたと言われている。
「迷宮都市にはあたしも何度か挑んだ事はあるけど、あそこは一切の油断が許されない。都市内に生息する魔物は普通の野生の魔物とは違うんだ」
「違う?どんな風に違うんですか?」
「街中で戦う事に慣れているのさ。あいつらは常日頃から廃墟が広がる場所で暮らしている、だからこそ廃墟を利用した戦い方を熟知している」
「廃墟を利用した……?」
「まあ、口で説明しても分からないだろうね。ともかく、あの場所では決して油断するんじゃないよ。いくら強くなったと言っても他の人間を守りながら戦う以上は警戒心は怠るんじゃないよ」
「あ、はい」
テンはナイの胸元に拳を押し当て、迷宮都市に挑む場合は決して警戒心を緩めないように注意する。彼女は王妃が健在だった頃の聖女騎士団が迷宮都市に挑んだ事を思い出す。
――まだテンが10代前半だった時、王妃と聖女騎士団と共に迷宮都市に訪れた事がある。彼女達の目的は古城の調査のためであり、聖女騎士団は人造ゴーレムと遭遇した。
人造ゴーレムと聖女騎士団は激戦を繰り広げたが、結局は撤退せざるを得ない状況に追い込まれた。当時から王国最強の王国騎士団と謳われていた聖女騎士団だったが、そんな彼女達の力を以てしても古城の調査は果たせなかった。
そんな危険な迷宮都市にアルトとナイが出向く事にテンは不安を抱くが、彼女は不用意に王都を離れるわけにはいかなかった。まだ未確定の情報だが、闇ギルドの残党が集まっているという情報が届き、その対応のために聖女騎士団は王都を離れられない。
(人造ゴーレム……王妃様でもどうする事もできなかった相手、だけどこいつならもしかしたら……)
人造ゴーレムと実際に戦った事があるテンは彼等の恐ろしさをよく理解しており、彼女が尊敬する王妃でさえも人造ゴーレムを倒しきる事はできなかった。魔法に対して絶対の耐性を誇る人造ゴーレムが相手ではどんなに強力な魔法剣でも相性が悪く、王妃の持つ「氷華」と「炎華」を以てしてもどうする事もできなかった。
だが、人造ゴーレムを倒せるとしたら魔剣の力に頼り切らず、圧倒的な破壊力を引き出せる剛剣の使い手ならば勝機はある。しかし、テン程の剛力の剣士でも人造ゴーレムを倒すには至らず、生半可な腕力の剣士ではどうする事も出来ないだろう。
――だが、ここにいるナイは生半可な力の剣士ではなく、恐らくは国内最強の剛剣の剣士である。彼の腕力を勝る人間が居るとすればゴウカぐらいであり、王妃でもどうする事もできなかった相手を倒せる可能性は十分にある。
自分が最も尊敬する王妃がどうしようもできなかった相手を、まだ16才の少年が倒せるかもしれないという事実にテンは苦笑いを浮かべる。この時に彼女はマホの言葉を思い出し、確かに彼女の言う通りに知らず知らずのうちに「若者」は育っていた。
(あたし達のような旧世代の出番はそろそろなくなるかもね……)
テンは若者が育っている事を実感し、近い将来にこの国を支えるのは自分達ではなく、この国の若者達がその役目を担う事を予感した。
「ところであんたら迷宮都市には何人で向かうつもりだい?ヒイロとミイナは置いておいて……他に誰か参加する予定はあるのかい?」
「えっと……アルトからはリーナに同行を頼むように言われたんですけど、そのリーナはもう迷宮都市の魔物の生態系の調査に出向いているらしいです。それと今回の古城の調査はアルトだけじゃなくてイリア魔導士の依頼でもあるんです」
「イリア魔導士かい……こう言ったらなんだけど、あたしはあの娘が苦手でね」
「そうなんですか?」
立場的にはイリアは実はテンよりも上の地位にあるため、自分よりもずっと年下の少女を上司として気を遣わなければならず、しかも性格的にテンはイリアの事を苦手としていた。
イリアは魔導士というよりは薬師として優秀な人材であり、そもそも彼女が魔導士の称号を与えられたのはシンが裏で手を回したからである。だが、イリアは貴重な付与魔法であり、彼女の支援魔法は大多数の人間を強化できるので魔術師としての能力も優れているのは事実だった。だから宰相亡き後も未だに魔導士の座に居続けている。
「あの娘が裏切ったお陰で宰相を追い詰める事ができたのは認めるけどね……何の罰も与えずに自由にさせているのはどうかと思うけどね」
「でも、イリアさんの作った薬のお陰で大勢の人が助かってますし……」
「それはまあ、理解しているけどね」
テンとしてはイリアが特に処罰を受けていない事に疑問を抱き、彼女も宰相の指示に従っていたとはいえ、これまでに白面の暗殺者達を操るための毒薬を作り出していた事は紛れもない事実だった。
しかし、その毒薬の解毒薬を作り出したのも彼女であり、それに王都に流通する上級回復薬はイリアの考案で作り出された代物である。この上級回復薬のお陰で王都に訪れる商人も増えて経済も発展している。
尤もイリアの師匠であるイシの方はこれまで犯した罪を償うため、彼は自ら監獄に入った。イシのこれまでの功績を考えればその気になれば監獄行きは免れたが、彼は医者としてのけじめをつけるために自ら監獄に入った。その反面にイシが不在となった事でイリア以外に優秀な医者はいなくなったため、彼女を収監させるわけにはいかなくなったという事情もある。
「イシの奴は元気にしてるのかね。あんた、何か知っているかい?」
「この間、ロランさんの面会に行くときに会いましたよ。今は模範囚として特別に監獄の医療班に配属したそうです」
「へえ……そいつを聞けて安心したよ」
イシは現在は囚人でありながら監獄内では医療班に配属され、看守や囚人が怪我や病気をした時に治療を行う仕事を与えられている。城で働いていた時は不貞腐れて碌な仕事を行っていなかったが、今は心を入れ替えて真面目に仕事をしているらしい。
「イシ医師は真面目に更生しようとしてるのに、弟子の方は何のお咎めもなしで好き勝手動いているのがどうにもあたしは納得できないね……」
「でも……イリアさんは悪い人じゃないと思います。ただ、自分に正直というか……」
「そうかい、まあ別にあたしとしては悪さしなければどうでもいいけどね」
ナイはイリアの事は悪人だとは思わず、良くも悪くも彼女は自分に対してだけは正直な人間だと思っていた。イリアがそもそも魔導士になったのは自分の研究に専念するためであり、彼女の人生の最終目標は「精霊薬《エリクサー》」を作り上げる事である。
――精霊薬とはこの世界にかつて実在したと言われる伝説の秘薬であり、この薬を飲めばどんな怪我も病気も完治すると伝えられている。しかし、現代には精霊薬は一つも残されておらず、名前と効能だけは今の時代でも伝わっていた。
長年の間、精霊薬が実在するのか怪しまれていた。一説によれば勇者が作り出した薬と言われているが、勇者が死んだ後は精霊薬の製造方法は失われたという。
イリアの目的は失われた精霊薬を自分の手で作り出す事であり、その過程で彼女は通常の回復薬よりも効能が高い上級回復薬を作り出している。実際に精霊薬が存在するのかどうかは不明だが、イリアは精霊薬を作り出すためならば手段を選ばない。
どうしてイリアが迷宮都市の古城の調査を行おうとしたのか、その理由はナイに送り込まれた手紙にも記されていた。彼女はかつて勇者が存在した時代に作り出された古城ならば勇者に関する記録も残っているかもしれず、そこに勇者が作り出した精霊薬の製造法に関わる秘密も掴めるかもしれないという理由で彼女は迷宮都市へ赴く。
彼女にとって予想外だったのは想像以上に迷宮都市が危険な場所であり、そして古城に入り込むためには人造ゴーレムを突破する方法を見つけ出さなければならない。そこで彼女は貧弱の英雄であるナイに力を借りたいと助けを求めてきたのだ。
「あ、えっと……実はアルトと一緒に迷宮都市に向かう事になったのでその事を報告しようと思って」
「迷宮都市……?」
ナイの言葉にテンは訝し気な表情を浮かべると、これまでの事情をナイは簡潔に話す。話を聞き終えたテンは呆れた表情を浮かべ、彼女は面倒くさそうに頭を掻きながらも協力する事を伝える。
「なるほどね、そういう事ならヒイロとミイナは連れて行っていいよ。というか、あの二人は白狼騎士団だからね。そもそもあたしが許可を出す必要はないけどね……」
「ありがとうございます。なら、アルトには伝えておきます」
「うちの奴等も何人か同行させるよ。それにしてもあの王子様は古城の調査なんてまだ諦めていなかったのかい」
「テンさんもアルトが古城の事を調べているのは知っていたんですか?」
「まあね……一つだけ忠告しておくよ、あんたが強いのは知っているけど迷宮都市を甘く見るんじゃないよ。あの場所がどうして迷宮都市と言われているのかは知っているかい?」
「いえ……」
「あそこは魔窟なんだよ。魔物が何処からか現れるか分からない、道も複雑で似たような形の廃墟が延々と広がっている……方向感覚が狂わないようにせいぜい気を付けるんだね」
テンによると迷宮都市の名前の由来は言葉通りに「迷宮」の如く複雑な構造らしく、似たような形状の廃墟が延々と広がっているせいで方向感覚が狂わされるという。
この建物が似通っている理由は当時の建築法に問題があるらしく、他にも道が複雑なのは王都が他国からの侵入を考慮して敵に攻めにくいように複雑な街道を敢えて築き上げたと言われている。
「迷宮都市にはあたしも何度か挑んだ事はあるけど、あそこは一切の油断が許されない。都市内に生息する魔物は普通の野生の魔物とは違うんだ」
「違う?どんな風に違うんですか?」
「街中で戦う事に慣れているのさ。あいつらは常日頃から廃墟が広がる場所で暮らしている、だからこそ廃墟を利用した戦い方を熟知している」
「廃墟を利用した……?」
「まあ、口で説明しても分からないだろうね。ともかく、あの場所では決して油断するんじゃないよ。いくら強くなったと言っても他の人間を守りながら戦う以上は警戒心は怠るんじゃないよ」
「あ、はい」
テンはナイの胸元に拳を押し当て、迷宮都市に挑む場合は決して警戒心を緩めないように注意する。彼女は王妃が健在だった頃の聖女騎士団が迷宮都市に挑んだ事を思い出す。
――まだテンが10代前半だった時、王妃と聖女騎士団と共に迷宮都市に訪れた事がある。彼女達の目的は古城の調査のためであり、聖女騎士団は人造ゴーレムと遭遇した。
人造ゴーレムと聖女騎士団は激戦を繰り広げたが、結局は撤退せざるを得ない状況に追い込まれた。当時から王国最強の王国騎士団と謳われていた聖女騎士団だったが、そんな彼女達の力を以てしても古城の調査は果たせなかった。
そんな危険な迷宮都市にアルトとナイが出向く事にテンは不安を抱くが、彼女は不用意に王都を離れるわけにはいかなかった。まだ未確定の情報だが、闇ギルドの残党が集まっているという情報が届き、その対応のために聖女騎士団は王都を離れられない。
(人造ゴーレム……王妃様でもどうする事もできなかった相手、だけどこいつならもしかしたら……)
人造ゴーレムと実際に戦った事があるテンは彼等の恐ろしさをよく理解しており、彼女が尊敬する王妃でさえも人造ゴーレムを倒しきる事はできなかった。魔法に対して絶対の耐性を誇る人造ゴーレムが相手ではどんなに強力な魔法剣でも相性が悪く、王妃の持つ「氷華」と「炎華」を以てしてもどうする事もできなかった。
だが、人造ゴーレムを倒せるとしたら魔剣の力に頼り切らず、圧倒的な破壊力を引き出せる剛剣の使い手ならば勝機はある。しかし、テン程の剛力の剣士でも人造ゴーレムを倒すには至らず、生半可な腕力の剣士ではどうする事も出来ないだろう。
――だが、ここにいるナイは生半可な力の剣士ではなく、恐らくは国内最強の剛剣の剣士である。彼の腕力を勝る人間が居るとすればゴウカぐらいであり、王妃でもどうする事もできなかった相手を倒せる可能性は十分にある。
自分が最も尊敬する王妃がどうしようもできなかった相手を、まだ16才の少年が倒せるかもしれないという事実にテンは苦笑いを浮かべる。この時に彼女はマホの言葉を思い出し、確かに彼女の言う通りに知らず知らずのうちに「若者」は育っていた。
(あたし達のような旧世代の出番はそろそろなくなるかもね……)
テンは若者が育っている事を実感し、近い将来にこの国を支えるのは自分達ではなく、この国の若者達がその役目を担う事を予感した。
「ところであんたら迷宮都市には何人で向かうつもりだい?ヒイロとミイナは置いておいて……他に誰か参加する予定はあるのかい?」
「えっと……アルトからはリーナに同行を頼むように言われたんですけど、そのリーナはもう迷宮都市の魔物の生態系の調査に出向いているらしいです。それと今回の古城の調査はアルトだけじゃなくてイリア魔導士の依頼でもあるんです」
「イリア魔導士かい……こう言ったらなんだけど、あたしはあの娘が苦手でね」
「そうなんですか?」
立場的にはイリアは実はテンよりも上の地位にあるため、自分よりもずっと年下の少女を上司として気を遣わなければならず、しかも性格的にテンはイリアの事を苦手としていた。
イリアは魔導士というよりは薬師として優秀な人材であり、そもそも彼女が魔導士の称号を与えられたのはシンが裏で手を回したからである。だが、イリアは貴重な付与魔法であり、彼女の支援魔法は大多数の人間を強化できるので魔術師としての能力も優れているのは事実だった。だから宰相亡き後も未だに魔導士の座に居続けている。
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「でも、イリアさんの作った薬のお陰で大勢の人が助かってますし……」
「それはまあ、理解しているけどね」
テンとしてはイリアが特に処罰を受けていない事に疑問を抱き、彼女も宰相の指示に従っていたとはいえ、これまでに白面の暗殺者達を操るための毒薬を作り出していた事は紛れもない事実だった。
しかし、その毒薬の解毒薬を作り出したのも彼女であり、それに王都に流通する上級回復薬はイリアの考案で作り出された代物である。この上級回復薬のお陰で王都に訪れる商人も増えて経済も発展している。
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「イシの奴は元気にしてるのかね。あんた、何か知っているかい?」
「この間、ロランさんの面会に行くときに会いましたよ。今は模範囚として特別に監獄の医療班に配属したそうです」
「へえ……そいつを聞けて安心したよ」
イシは現在は囚人でありながら監獄内では医療班に配属され、看守や囚人が怪我や病気をした時に治療を行う仕事を与えられている。城で働いていた時は不貞腐れて碌な仕事を行っていなかったが、今は心を入れ替えて真面目に仕事をしているらしい。
「イシ医師は真面目に更生しようとしてるのに、弟子の方は何のお咎めもなしで好き勝手動いているのがどうにもあたしは納得できないね……」
「でも……イリアさんは悪い人じゃないと思います。ただ、自分に正直というか……」
「そうかい、まあ別にあたしとしては悪さしなければどうでもいいけどね」
ナイはイリアの事は悪人だとは思わず、良くも悪くも彼女は自分に対してだけは正直な人間だと思っていた。イリアがそもそも魔導士になったのは自分の研究に専念するためであり、彼女の人生の最終目標は「精霊薬《エリクサー》」を作り上げる事である。
――精霊薬とはこの世界にかつて実在したと言われる伝説の秘薬であり、この薬を飲めばどんな怪我も病気も完治すると伝えられている。しかし、現代には精霊薬は一つも残されておらず、名前と効能だけは今の時代でも伝わっていた。
長年の間、精霊薬が実在するのか怪しまれていた。一説によれば勇者が作り出した薬と言われているが、勇者が死んだ後は精霊薬の製造方法は失われたという。
イリアの目的は失われた精霊薬を自分の手で作り出す事であり、その過程で彼女は通常の回復薬よりも効能が高い上級回復薬を作り出している。実際に精霊薬が存在するのかどうかは不明だが、イリアは精霊薬を作り出すためならば手段を選ばない。
どうしてイリアが迷宮都市の古城の調査を行おうとしたのか、その理由はナイに送り込まれた手紙にも記されていた。彼女はかつて勇者が存在した時代に作り出された古城ならば勇者に関する記録も残っているかもしれず、そこに勇者が作り出した精霊薬の製造法に関わる秘密も掴めるかもしれないという理由で彼女は迷宮都市へ赴く。
彼女にとって予想外だったのは想像以上に迷宮都市が危険な場所であり、そして古城に入り込むためには人造ゴーレムを突破する方法を見つけ出さなければならない。そこで彼女は貧弱の英雄であるナイに力を借りたいと助けを求めてきたのだ。
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