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王国の闇
第823話 船内の攻防
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――ドリスがリザードゴブリンを討ち取った頃、飛行船の方でもリンとアッシュはリザードマンと対峙していた。二人は狭い船内の中で器用に動き回るリザードマンに苦戦を強いられていた。
「シャアアッ!!」
「くっ……うわぁっ!?」
「リン、大丈夫か!?」
リザードマンは天井に両手を張り付くと、そのまま尻尾を振りかざしてリンに攻撃を行う。尻尾にも鱗がこびり付いており、まるで金属の鞭のようにしならせてリンに放つ。彼女は暴風で防ごうとしたが、衝撃を抑えきれずに後ろの壁に叩き付けられる。
リザードマンは驚異的な握力や自分の爪などを利用して壁や天井に張り付き、アッシュとリンを相手に狭い通路内で優勢に戦っていた。その一方でリンの方はアッシュが居るので魔法剣を発揮できず、一方でアッシュの方も思う存分に力を発揮できない。
(むうっ……飛行船をこれ以上に破壊しないように手加減して戦うのは無理か)
(くそっ……こんな場所でなければ魔法剣を発揮できるというのに)
狭い通路内でリンが暴風の力を発揮すれば与える被害はリザードマンだけではなく、アッシュの方も無事ではすまない。だが、このままでは二人ともリザードマンにやられるのは間違いないが、ここでリザードマンは何かに気付いた様に目を見開く。
「ガアアッ!?」
「何だ!?」
「これは……苦しんでいるのか?」
リザードマンは唐突に両手で頭を抑え、苦しそうに身体を震わせた。その様子を見てアッシュとリンは何が何だか分からないが、攻撃の好機だと判断した。
二人は前後からリザードマンを挟むと、お互いに武器を繰り出す。だが、その攻撃が届く前にリザードマンは顔を上げると、胸元を膨らませて壁に目掛けて火炎の塊を放つ。
「アガァッ!!」
「いかんっ!?」
「くっ!?」
火炎の塊が壁に衝突する寸前、アッシュは距離を置いてリンは暴風を構えた。次の瞬間に通路内で火炎の塊が弾け、二人に目掛けて大量の火の粉が飛び散る。
リンは暴風の力で火の粉を振り払い、その一方でアッシュの方は薙刀を手元で回転させ、火の粉を掻き消す。建物の壁はリザードの火炎の吐息によて破壊され、その破壊された隙間からリザードマンは外へ飛び出す。
――シャアアアアッ!!
外へ逃げ出したリザードマンを見て慌ててリンとアッシュは後を追いかけようとした。飛行船の外にはアルトやハマーン達が存在するはずであり、彼等がリザードマンに襲われる前に飛び出す。
「うわっ!?」
「アルト王子!?大丈夫か!!」
「王子!?ご無事でしたか!!」
リザードマンが外に飛び出すと、アルトの驚愕の声が響き渡り、慌ててアッシュとリンはアルトの元へ向かう。
「二人とも無事だったのか!!だが、今のはいったい何なんだ!?」
「我々にも分かりません。急にリザードマンの奴が逃げ出して……」
「私は奴を負う!!アッシュ公爵は王子を頼む!!」
「リン、待て!?」
リンは逃げ出したリザードマンの追跡のために駆け出し、彼女を止めようとしたアッシュだが、ここでアルトを放置するわけにもいかずに止める暇もなかった――
――その一方で逃げ出したリザードマンは造船所から出ていくと、建物の屋根の上に移動する。その光景を確認したリンは暴風を利用し、自分の身体を浮き上がらせた。
「頼むぞ、相棒!!」
リンは暴風の力を利用して空を飛ぶ事もできた。風属性の魔導士であるマホの飛行魔法と似てはいるが、彼女の場合は風の斬撃を上手く利用して風圧に身を任せて空を飛ぶ。。
リザードマンは屋根の上を飛び回り、その後をリンは追いかける。いったい何処に向かっているのかは分からないが、リンは嫌な予感がした。
(こいつ、放っておくと何を仕出かすか分からない……ここで始末しなければ!!)
彼女はリザードマンを放置すると後々に厄介な事になると判断し、急いで後を追いかける。しかし、リザードマンの進行方向の先に人影を発見し、それを見た彼女は目を見開く。
(あの方は……!?)
次の建物に飛び移ろうとした瞬間、リンはリザードマンの向かう先に存在する人影の顔を見て驚愕した。だが、人影の方はリンに気付くと、彼女に向けて杖の様な物を構えた。
「……ボルト」
「ぐあああっ!?」
空中に浮かんだ状態のリンに向けて何者かは杖を構えると、彼女に電撃を放つ。リンは避ける事も出来ずに電撃を受けてしまい、そのまま彼女は地上へと落下した。
地上へ墜落する寸前、リンが手にしていた暴風がひとりでに風圧を発生させ、まるで主人を守るかのように落下の速度を落とす。リンは地面に倒れると、彼女は薄れゆく意識の中で呟く。
「どう、して……!?」
リンは建物の屋根の上の人物に視線を向けると、それは紛れもなくグマグ火山にて死亡した「マジク」だった――
「シャアアッ!!」
「くっ……うわぁっ!?」
「リン、大丈夫か!?」
リザードマンは天井に両手を張り付くと、そのまま尻尾を振りかざしてリンに攻撃を行う。尻尾にも鱗がこびり付いており、まるで金属の鞭のようにしならせてリンに放つ。彼女は暴風で防ごうとしたが、衝撃を抑えきれずに後ろの壁に叩き付けられる。
リザードマンは驚異的な握力や自分の爪などを利用して壁や天井に張り付き、アッシュとリンを相手に狭い通路内で優勢に戦っていた。その一方でリンの方はアッシュが居るので魔法剣を発揮できず、一方でアッシュの方も思う存分に力を発揮できない。
(むうっ……飛行船をこれ以上に破壊しないように手加減して戦うのは無理か)
(くそっ……こんな場所でなければ魔法剣を発揮できるというのに)
狭い通路内でリンが暴風の力を発揮すれば与える被害はリザードマンだけではなく、アッシュの方も無事ではすまない。だが、このままでは二人ともリザードマンにやられるのは間違いないが、ここでリザードマンは何かに気付いた様に目を見開く。
「ガアアッ!?」
「何だ!?」
「これは……苦しんでいるのか?」
リザードマンは唐突に両手で頭を抑え、苦しそうに身体を震わせた。その様子を見てアッシュとリンは何が何だか分からないが、攻撃の好機だと判断した。
二人は前後からリザードマンを挟むと、お互いに武器を繰り出す。だが、その攻撃が届く前にリザードマンは顔を上げると、胸元を膨らませて壁に目掛けて火炎の塊を放つ。
「アガァッ!!」
「いかんっ!?」
「くっ!?」
火炎の塊が壁に衝突する寸前、アッシュは距離を置いてリンは暴風を構えた。次の瞬間に通路内で火炎の塊が弾け、二人に目掛けて大量の火の粉が飛び散る。
リンは暴風の力で火の粉を振り払い、その一方でアッシュの方は薙刀を手元で回転させ、火の粉を掻き消す。建物の壁はリザードの火炎の吐息によて破壊され、その破壊された隙間からリザードマンは外へ飛び出す。
――シャアアアアッ!!
外へ逃げ出したリザードマンを見て慌ててリンとアッシュは後を追いかけようとした。飛行船の外にはアルトやハマーン達が存在するはずであり、彼等がリザードマンに襲われる前に飛び出す。
「うわっ!?」
「アルト王子!?大丈夫か!!」
「王子!?ご無事でしたか!!」
リザードマンが外に飛び出すと、アルトの驚愕の声が響き渡り、慌ててアッシュとリンはアルトの元へ向かう。
「二人とも無事だったのか!!だが、今のはいったい何なんだ!?」
「我々にも分かりません。急にリザードマンの奴が逃げ出して……」
「私は奴を負う!!アッシュ公爵は王子を頼む!!」
「リン、待て!?」
リンは逃げ出したリザードマンの追跡のために駆け出し、彼女を止めようとしたアッシュだが、ここでアルトを放置するわけにもいかずに止める暇もなかった――
――その一方で逃げ出したリザードマンは造船所から出ていくと、建物の屋根の上に移動する。その光景を確認したリンは暴風を利用し、自分の身体を浮き上がらせた。
「頼むぞ、相棒!!」
リンは暴風の力を利用して空を飛ぶ事もできた。風属性の魔導士であるマホの飛行魔法と似てはいるが、彼女の場合は風の斬撃を上手く利用して風圧に身を任せて空を飛ぶ。。
リザードマンは屋根の上を飛び回り、その後をリンは追いかける。いったい何処に向かっているのかは分からないが、リンは嫌な予感がした。
(こいつ、放っておくと何を仕出かすか分からない……ここで始末しなければ!!)
彼女はリザードマンを放置すると後々に厄介な事になると判断し、急いで後を追いかける。しかし、リザードマンの進行方向の先に人影を発見し、それを見た彼女は目を見開く。
(あの方は……!?)
次の建物に飛び移ろうとした瞬間、リンはリザードマンの向かう先に存在する人影の顔を見て驚愕した。だが、人影の方はリンに気付くと、彼女に向けて杖の様な物を構えた。
「……ボルト」
「ぐあああっ!?」
空中に浮かんだ状態のリンに向けて何者かは杖を構えると、彼女に電撃を放つ。リンは避ける事も出来ずに電撃を受けてしまい、そのまま彼女は地上へと落下した。
地上へ墜落する寸前、リンが手にしていた暴風がひとりでに風圧を発生させ、まるで主人を守るかのように落下の速度を落とす。リンは地面に倒れると、彼女は薄れゆく意識の中で呟く。
「どう、して……!?」
リンは建物の屋根の上の人物に視線を向けると、それは紛れもなくグマグ火山にて死亡した「マジク」だった――
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