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王国の闇
第770話話 隠し武器庫
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「皆さんが無事で本当に良かったです。でも、これからどうしますか?」
「決まっているだろう、すぐに王城へ戻ってシンを捕まえる!!奴め、我々をこんな目に遭わせた報いを受けさせてやろう!!」
「そうですわね、もう言い逃れはできませんわ。例え国王様が止めようとしても私は宰相を捕まえます!!」
「俺はゴウカの元へ向かわせてもらうぞ!!あいつだけは許さねえ、一発ぶん殴らないと気が収まらないからな!!」
「まあ、落ち着かんか皆の衆……気持ちは分かるが、今の状況では難しいぞ」
興奮した様子で自分達をこんな目に遭わせた者達の元へ向かおうとするアッシュ達に対し、一人だけ冷静なハマーンは全員を落ち着かせようとした。
「宰相を捕まえるにしろ、ゴウカの元へ向かうにしろ、今の儂等は武器も防具も奪われた状態じゃぞ。こんな状態で戦闘にでもなれば坊主の足を引っ張る事になる」
「ならばこの闘技場内に保管されている武器庫へ向かうぞ!!ここには魔物が利用する武器も保管されている!!」
「そんなもん、何の役に立つんじゃ?魔物が使う武器じゃぞ、碌に手入れもされておらんだろう」
闘技場では魔物に武器を防具を与えて戦わせる事もあるが、大抵使い古された代物であり、敢えて壊れやすい武器や防具を身に付けさせて戦わせる。下手に新品の武器や防具を与えると闘技場の参加者が不利になるため、まともな武器は保管していない。
ここに集まっている者達はシンから「国の脅威」と認識された一流の武芸者揃いであり、一流の鍛冶師としては彼等に相応しい武器を用意させたいと考えたハマーンは、自慢げな表情で自分の顔を指差す。
「まずは儂の店に向かうぞ、儂の秘蔵の武器と防具を今回だけ貸してやろう」
「それは本当か、ハマーン殿!?」
「それは有難いが……大丈夫なのか?ナイの話によるとハマーン殿の店も襲われたそうだが……」
「安心せい、儂は万が一の場合に備えて地下に秘密の武器庫を作っておる。そこは儂にしか開く事が出来ない仕掛けを施しておるからな、そこまで移動すればお主等に見合った武器と防具を渡してやろう」
「ほう、それは有難い!!ではハマーン殿の店に向かうぞ!!」
「分かりました。それじゃあ、僕が先行するので他の人は後から付いて来て下さい」
ハマーンの話を聞いて全員がまずは装備を調達するため、最初に彼の店に向かう事を決めた。ナイを先頭に全員が階段を上り、遂に地下からの脱出を果たす。
ここでリン達にとっての予想外な出来事は闘技場の見張りに関してであり、階段を上った先の通路を見て驚く。そこには十数名の王国騎士が倒れており、彼等はドリスとリンを裏切ってシンに寝返った王国騎士達で間違いなかった。
「こ、これは!?」
「あっ……そう言えば言い忘れてました。この人達がここで見張っていたんで、話しかけたら急に襲い掛かって来たんで仕方なく倒したんです」
「倒した?これだけの数の王国騎士を一人で!?」
「はい、そうですけど……」
ナイが申し訳なさそうな表情で答えると、ドリス達は信じられない表情を浮かべて倒れた騎士達の様子を確認する。王国騎士は騎士の中でも特別な地位であり、この国最強の精鋭と言っても過言ではない。
そんな王国騎士を十数名も相手にしてナイはたった一人で叩きのめし、しかも存在を忘れる程に彼の記憶には残っていなかった事を意味する。この事実にドリスとリンは冷や汗を流し、アッシュの方もナイが依然と比べて一段と成長した事を悟る。
(し、信じられませんわ……これだけの数の王国騎士を相手にして無傷だなんて)
(私でもこれだけの数の王国騎士を同時に相手にするのは……)
(また一段と強くなったか……これは、本格的に娘の婿として接しなければならんのかもしれんな)
ドリスとリンは裏切った王国騎士達の元上司であり、彼等の強さはよく知っている。それだけにナイが事もなさげに王国騎士を倒したという話を聞いて動揺を隠せず、一方でガオウとハマーンは既に邪魔者を排除したナイを褒め称える。
「はっ、やるじゃねえか坊主!!だが、ここから先はお前だけに活躍させないぞ!!」
「うむ、ここからは共に戦うぞ!!儂もここまでされた以上、流石に我慢できん!!さあ、行くぞ皆の者!!」
ハマーンの言葉に全員が頷き、ドリスとリンは何かを思い出したようにナイに問い質す。
「ちょ、ちょっと待ってくださいましっ!!」
「ましっ……?」
「今のは少し嚙んだだけですわ!!それよりもナイさん、ここに魔物はいませんでしたの!?」
「ああ、私達を追い詰めた魔物がいるはずだ」
「魔物?それならもう全員倒したと思いますけど……」
魔物という言葉にナイは闘技場の前に現れたオークの集団と、魔人族であるリザードマン、更にはゴブリンキラーらしき個体を倒した事を告げる。これらの魔物達はドリスとリンは昨日に交戦しており、その話を聞いたドリスとリンは驚愕した。
「決まっているだろう、すぐに王城へ戻ってシンを捕まえる!!奴め、我々をこんな目に遭わせた報いを受けさせてやろう!!」
「そうですわね、もう言い逃れはできませんわ。例え国王様が止めようとしても私は宰相を捕まえます!!」
「俺はゴウカの元へ向かわせてもらうぞ!!あいつだけは許さねえ、一発ぶん殴らないと気が収まらないからな!!」
「まあ、落ち着かんか皆の衆……気持ちは分かるが、今の状況では難しいぞ」
興奮した様子で自分達をこんな目に遭わせた者達の元へ向かおうとするアッシュ達に対し、一人だけ冷静なハマーンは全員を落ち着かせようとした。
「宰相を捕まえるにしろ、ゴウカの元へ向かうにしろ、今の儂等は武器も防具も奪われた状態じゃぞ。こんな状態で戦闘にでもなれば坊主の足を引っ張る事になる」
「ならばこの闘技場内に保管されている武器庫へ向かうぞ!!ここには魔物が利用する武器も保管されている!!」
「そんなもん、何の役に立つんじゃ?魔物が使う武器じゃぞ、碌に手入れもされておらんだろう」
闘技場では魔物に武器を防具を与えて戦わせる事もあるが、大抵使い古された代物であり、敢えて壊れやすい武器や防具を身に付けさせて戦わせる。下手に新品の武器や防具を与えると闘技場の参加者が不利になるため、まともな武器は保管していない。
ここに集まっている者達はシンから「国の脅威」と認識された一流の武芸者揃いであり、一流の鍛冶師としては彼等に相応しい武器を用意させたいと考えたハマーンは、自慢げな表情で自分の顔を指差す。
「まずは儂の店に向かうぞ、儂の秘蔵の武器と防具を今回だけ貸してやろう」
「それは本当か、ハマーン殿!?」
「それは有難いが……大丈夫なのか?ナイの話によるとハマーン殿の店も襲われたそうだが……」
「安心せい、儂は万が一の場合に備えて地下に秘密の武器庫を作っておる。そこは儂にしか開く事が出来ない仕掛けを施しておるからな、そこまで移動すればお主等に見合った武器と防具を渡してやろう」
「ほう、それは有難い!!ではハマーン殿の店に向かうぞ!!」
「分かりました。それじゃあ、僕が先行するので他の人は後から付いて来て下さい」
ハマーンの話を聞いて全員がまずは装備を調達するため、最初に彼の店に向かう事を決めた。ナイを先頭に全員が階段を上り、遂に地下からの脱出を果たす。
ここでリン達にとっての予想外な出来事は闘技場の見張りに関してであり、階段を上った先の通路を見て驚く。そこには十数名の王国騎士が倒れており、彼等はドリスとリンを裏切ってシンに寝返った王国騎士達で間違いなかった。
「こ、これは!?」
「あっ……そう言えば言い忘れてました。この人達がここで見張っていたんで、話しかけたら急に襲い掛かって来たんで仕方なく倒したんです」
「倒した?これだけの数の王国騎士を一人で!?」
「はい、そうですけど……」
ナイが申し訳なさそうな表情で答えると、ドリス達は信じられない表情を浮かべて倒れた騎士達の様子を確認する。王国騎士は騎士の中でも特別な地位であり、この国最強の精鋭と言っても過言ではない。
そんな王国騎士を十数名も相手にしてナイはたった一人で叩きのめし、しかも存在を忘れる程に彼の記憶には残っていなかった事を意味する。この事実にドリスとリンは冷や汗を流し、アッシュの方もナイが依然と比べて一段と成長した事を悟る。
(し、信じられませんわ……これだけの数の王国騎士を相手にして無傷だなんて)
(私でもこれだけの数の王国騎士を同時に相手にするのは……)
(また一段と強くなったか……これは、本格的に娘の婿として接しなければならんのかもしれんな)
ドリスとリンは裏切った王国騎士達の元上司であり、彼等の強さはよく知っている。それだけにナイが事もなさげに王国騎士を倒したという話を聞いて動揺を隠せず、一方でガオウとハマーンは既に邪魔者を排除したナイを褒め称える。
「はっ、やるじゃねえか坊主!!だが、ここから先はお前だけに活躍させないぞ!!」
「うむ、ここからは共に戦うぞ!!儂もここまでされた以上、流石に我慢できん!!さあ、行くぞ皆の者!!」
ハマーンの言葉に全員が頷き、ドリスとリンは何かを思い出したようにナイに問い質す。
「ちょ、ちょっと待ってくださいましっ!!」
「ましっ……?」
「今のは少し嚙んだだけですわ!!それよりもナイさん、ここに魔物はいませんでしたの!?」
「ああ、私達を追い詰めた魔物がいるはずだ」
「魔物?それならもう全員倒したと思いますけど……」
魔物という言葉にナイは闘技場の前に現れたオークの集団と、魔人族であるリザードマン、更にはゴブリンキラーらしき個体を倒した事を告げる。これらの魔物達はドリスとリンは昨日に交戦しており、その話を聞いたドリスとリンは驚愕した。
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