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ゴブリンキングの脅威
第458話 敵か味方か……
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結局はイリアの小樽型爆弾は途中まではビャクが加えて運び込み、誰にも触れられない様に厳重に保管しておく。もしも間違って爆発したらこの船が木っ端みじんになるため、厳重に管理する必要があった。
「ふうっ、とりあえずはこれで終了しました。ここまで運んでくれてありがとうございます。お駄賃をあげましょう、銅貨一枚ぐらいでいいですか?」
「いや、子供ですかっ!!」
「わ~い、やったぁっ!!」
「「子供がいた!?」」
銅貨一枚を渡されて喜ぶモモにナイとヒナは突っ込みを入れるが、とりあえずはイリアの仕事は果たしたらしく、彼女は欠伸しながら自分の部屋に戻る事を告げた。
「じゃあ、私は眠いので戻らさせていただきますね。皆さん、おやすみなさい」
「お、おやすみなさい……」
「あ、そうだ……ナイさん、私の薬は飲みました?」
「え?」
帰る際にイリアは思い出したようにナイに振り返り、彼女の言葉を聞いてナイは以前にイリアから魔力回復薬を受け取った事を思い出す。まだ薬は手元に残しており、飲んでいない事を伝える。
「いえ、まだ使ってませんけど……」
「そうですか……一応、私の自信作なんですけど飲んだ時の感想を聞かせてください。回復効果とか、喉越しとか……」
「はあ……分かりました」
「ではおやすみなさい」
イリアは意味深な表情を浮かべると、今度こそ自分の部屋へと戻っていく。その様子を見てナイは不思議に思うが、ヒナとモモと共に見張りへと戻る――
――廊下を歩いている最中、イリアは途中である部屋の前を通り過ぎた。そこは暗殺者四名を閉じ込め、後に死体で発見された場所である。現在は部屋は封鎖され、見張りも立っていない。
イリアは通り過ぎる際に一度だけ部屋に視線を向け、改めて自分の部屋へと戻る。実はこの部屋からイリアが使用している部屋はそれほど遠くではなく、彼女は自分の部屋へと戻ると中の様子を確認する。
(……誰かが入ってきましたね)
部屋の中に入った途端にイリアは「観察眼」の技能を発動させ、微妙に部屋の中の家具の位置が移動している事に気付く。恐らくはイリアがいない間に部屋の中を何者かが入り込み、調査を行ったのだろう。
部屋の中には調合の際に利用する器具も存在し、薬を作り出すための素材も用意している。それらの類も調べられた形跡が残っており、イリアは鼻を鳴らす。
「いったい誰の仕業ですかね……アッシュ公爵か、あるいは……」
不敵な笑みを浮かべながらイリアはベッドの上に座り込み、普段から身に着けている荷物の中から紫色の花を取り出す。
「さて……私も自分の仕事を果たしますかね」
イリアは机の上に調合器具を並べ、紫色の花を利用してある薬の調合を行う。彼女は薬師としても一流の腕を誇り、瞬く間に彼女の手元に紫色の液体が入った薬瓶が誕生する。
「さあ、行きましょうかね……あの人の所に」
薬瓶を手にしたイリアは自分の部屋を出ていくと、もう一人の魔導士が休んでいる場所へ向かう――
「ふうっ、とりあえずはこれで終了しました。ここまで運んでくれてありがとうございます。お駄賃をあげましょう、銅貨一枚ぐらいでいいですか?」
「いや、子供ですかっ!!」
「わ~い、やったぁっ!!」
「「子供がいた!?」」
銅貨一枚を渡されて喜ぶモモにナイとヒナは突っ込みを入れるが、とりあえずはイリアの仕事は果たしたらしく、彼女は欠伸しながら自分の部屋に戻る事を告げた。
「じゃあ、私は眠いので戻らさせていただきますね。皆さん、おやすみなさい」
「お、おやすみなさい……」
「あ、そうだ……ナイさん、私の薬は飲みました?」
「え?」
帰る際にイリアは思い出したようにナイに振り返り、彼女の言葉を聞いてナイは以前にイリアから魔力回復薬を受け取った事を思い出す。まだ薬は手元に残しており、飲んでいない事を伝える。
「いえ、まだ使ってませんけど……」
「そうですか……一応、私の自信作なんですけど飲んだ時の感想を聞かせてください。回復効果とか、喉越しとか……」
「はあ……分かりました」
「ではおやすみなさい」
イリアは意味深な表情を浮かべると、今度こそ自分の部屋へと戻っていく。その様子を見てナイは不思議に思うが、ヒナとモモと共に見張りへと戻る――
――廊下を歩いている最中、イリアは途中である部屋の前を通り過ぎた。そこは暗殺者四名を閉じ込め、後に死体で発見された場所である。現在は部屋は封鎖され、見張りも立っていない。
イリアは通り過ぎる際に一度だけ部屋に視線を向け、改めて自分の部屋へと戻る。実はこの部屋からイリアが使用している部屋はそれほど遠くではなく、彼女は自分の部屋へと戻ると中の様子を確認する。
(……誰かが入ってきましたね)
部屋の中に入った途端にイリアは「観察眼」の技能を発動させ、微妙に部屋の中の家具の位置が移動している事に気付く。恐らくはイリアがいない間に部屋の中を何者かが入り込み、調査を行ったのだろう。
部屋の中には調合の際に利用する器具も存在し、薬を作り出すための素材も用意している。それらの類も調べられた形跡が残っており、イリアは鼻を鳴らす。
「いったい誰の仕業ですかね……アッシュ公爵か、あるいは……」
不敵な笑みを浮かべながらイリアはベッドの上に座り込み、普段から身に着けている荷物の中から紫色の花を取り出す。
「さて……私も自分の仕事を果たしますかね」
イリアは机の上に調合器具を並べ、紫色の花を利用してある薬の調合を行う。彼女は薬師としても一流の腕を誇り、瞬く間に彼女の手元に紫色の液体が入った薬瓶が誕生する。
「さあ、行きましょうかね……あの人の所に」
薬瓶を手にしたイリアは自分の部屋を出ていくと、もう一人の魔導士が休んでいる場所へ向かう――
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