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ゴブリンキングの脅威
第454話 ナイVSガオウ
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「では、試合を開始するぞ!!二人とも、準備はいいな?」
「ああ、何時でもいいぞ」
「あ、ちょっと待ってください……誰か、この剣を預かってくれない?」
ナイは試合が始める前に岩砕剣を取り上げ、恐らくは試合中に使う事は無いと思うので他の人間に預けようとした。二つの大剣を所持した状態だと動きが鈍るため、重量のある岩砕剣は今回は使わない事にした。
ガオウのような獣人族は人間よりも身軽で足が速い者が多く、素早い相手と戦う場合は重量が大きい岩砕剣で戦うのは不利だった。旋斧も大剣と化したので重さは増したが、それでも複数の魔法剣を使えるという点で旋斧の方が有利だと判断し、岩砕剣は預かってもらう。
「ミイナ、悪いけど持っててくれる?」
「仕方ない……今日の昼ご飯のおかずを分けてくれるならいい」
「ちゃっかりしているな……」
「あ、待って!!私が持っててあげるよ!!」
この中で集まった面子の中ではナイに次ぐ怪力を誇るミイナが預かるのが順当だと思われたが、ここでモモが間に入って彼女の代わりに岩砕剣に手を伸ばす。モモとしてはナイの役に立とうと思ったのだろうが、ナイは岩砕剣を渡す際に躊躇する。
「いや、モモ……気持ちは有難いけど、この大剣は重いからモモだと持ち上げる事も」
「え?何か言った?」
「持ち上げた!?」
モモは会話の際中にナイから岩砕剣を取り上げ、軽々と持ち上げる。その様子を見て他の者も驚き、テンが愛用する退魔刀よりも重量があるはずの岩砕剣をモモは簡単に持ち上げ、そのまま運んでいく。
「モ、モモちゃん……相変わらず凄い力だね」
「そうかな?別にこれぐらいの重さならリーナちゃんも持てると思うけど……」
「僕も持てるとは思うけど……そんな簡単に持ち上げられないよ」
冒険者として魔物と戦い続けているリーナはレベルも高く、普通の人間と比べたら身体能力は高い。しかし、レベルが上昇する度に筋力は強化されると言っても、彼女の場合はミイナやモモのように岩砕剣などの重量のある武器は持ち上げる事はできても軽扱いこなす事はできない。
リーナの場合は槍の使い手であるため、重い物を持つ力よりも槍などの武器で突く筋力が強く、退魔刀や岩砕剣などの武器は扱う事はできない。レベルが上がれば単純に力が増すというわけでもなく、そういう意味ではモモは彼女よりも力持ちと言える。
「すいません、準備が終わりました。何時でもどうぞ」
「うむ、では始めるぞ」
「ああ、早くしろ」
改めてナイはガオウと向き合うと旋斧を構えた。今回の相手はリーナ以来の黄金級冒険者のため、決して油断はできない。ハマーンは腕を上げると、試合の合図と共に腕を下ろす。
「始めっ!!」
「おらぁっ!!」
「くぅっ!?」
試合を開始した瞬間、ガオウはナイの元に目掛けて突っ込み、その移動速度はリーナにも匹敵した。彼は両腕の鉤爪を振りかざし、肉食獣が爪を振り下ろすうように荒々しい動作で攻撃を行う。
「牙斬!!」
「うわっ!?」
不規則な攻撃の軌道でガオウはナイの旋斧に対して鉤爪を放つと、金属音が鳴り響く。ナイは旋斧を手にした両手が軽く痺れ、即座に後退した。
ガオウは自分の攻撃を受けたナイを見て笑みを浮かべ、そこからさらに速度を上昇させてナイへと接近する。正面から向かってきたガオウに大してナイは旋斧を振り払う。
「やあっ!!」
「おっと」
「跳んだ!?」
刃が迫った瞬間、ガオウは上空へ跳び上がると、空中で身体を回転させながら鉤爪を放つ。その攻撃に対して咄嗟にナイは右腕に装着した反魔の盾を構えた。
「うおらぁっ!!」
「くっ!?」
反魔の盾を装着した右腕に衝撃が走り、鉤爪が触れた瞬間に衝撃波が発生した。反魔の盾は外部から攻撃を受けた場合、威力を増幅させて衝撃波を放つ。しかし、ガオウは空中で衝撃波を受けても怯まず、それどころか衝撃波を利用して逆に距離を取った。
どうやら反魔の盾で防がれる事は想定済みらしく、ガオウは笑みを浮かべると改めて鉤爪を構え、それに対してナイは旋斧を構え直す。想像以上にガオウの動きは早く、身軽で動きが捉えきれない。
(この人、本当に強い……今まで戦った相手の中で一番早いかもしれない)
リーナも早かったが、獣人族の場合は人間よりも高い運動能力を誇り、その動作は同じく獣人族のガロの動きに近い。しかし、ナイも負けるのは嫌なので旋斧を構えると、反撃の隙を伺う。
(動きの速い相手を捉えるには……これしかない)
旋斧を横向きに構えたナイは、もしもガオウが突っ込んで来た時に横薙ぎに振り払い、攻撃範囲を広げるしかないと判断した。そんなナイの考えを読み取ったのかガオウは眉をしかめ、挑発する様に告げる。
「考えが見え見えなんだよ!!」
「っ……!!」
ガオウは馬鹿正直に真正面から突っ込むような真似はせず、再び跳躍してナイの元へ向かう。上空からの攻撃ならばナイも旋斧を上に向けて放つしかなく、攻撃範囲を絞らねばならない。
「ああ、何時でもいいぞ」
「あ、ちょっと待ってください……誰か、この剣を預かってくれない?」
ナイは試合が始める前に岩砕剣を取り上げ、恐らくは試合中に使う事は無いと思うので他の人間に預けようとした。二つの大剣を所持した状態だと動きが鈍るため、重量のある岩砕剣は今回は使わない事にした。
ガオウのような獣人族は人間よりも身軽で足が速い者が多く、素早い相手と戦う場合は重量が大きい岩砕剣で戦うのは不利だった。旋斧も大剣と化したので重さは増したが、それでも複数の魔法剣を使えるという点で旋斧の方が有利だと判断し、岩砕剣は預かってもらう。
「ミイナ、悪いけど持っててくれる?」
「仕方ない……今日の昼ご飯のおかずを分けてくれるならいい」
「ちゃっかりしているな……」
「あ、待って!!私が持っててあげるよ!!」
この中で集まった面子の中ではナイに次ぐ怪力を誇るミイナが預かるのが順当だと思われたが、ここでモモが間に入って彼女の代わりに岩砕剣に手を伸ばす。モモとしてはナイの役に立とうと思ったのだろうが、ナイは岩砕剣を渡す際に躊躇する。
「いや、モモ……気持ちは有難いけど、この大剣は重いからモモだと持ち上げる事も」
「え?何か言った?」
「持ち上げた!?」
モモは会話の際中にナイから岩砕剣を取り上げ、軽々と持ち上げる。その様子を見て他の者も驚き、テンが愛用する退魔刀よりも重量があるはずの岩砕剣をモモは簡単に持ち上げ、そのまま運んでいく。
「モ、モモちゃん……相変わらず凄い力だね」
「そうかな?別にこれぐらいの重さならリーナちゃんも持てると思うけど……」
「僕も持てるとは思うけど……そんな簡単に持ち上げられないよ」
冒険者として魔物と戦い続けているリーナはレベルも高く、普通の人間と比べたら身体能力は高い。しかし、レベルが上昇する度に筋力は強化されると言っても、彼女の場合はミイナやモモのように岩砕剣などの重量のある武器は持ち上げる事はできても軽扱いこなす事はできない。
リーナの場合は槍の使い手であるため、重い物を持つ力よりも槍などの武器で突く筋力が強く、退魔刀や岩砕剣などの武器は扱う事はできない。レベルが上がれば単純に力が増すというわけでもなく、そういう意味ではモモは彼女よりも力持ちと言える。
「すいません、準備が終わりました。何時でもどうぞ」
「うむ、では始めるぞ」
「ああ、早くしろ」
改めてナイはガオウと向き合うと旋斧を構えた。今回の相手はリーナ以来の黄金級冒険者のため、決して油断はできない。ハマーンは腕を上げると、試合の合図と共に腕を下ろす。
「始めっ!!」
「おらぁっ!!」
「くぅっ!?」
試合を開始した瞬間、ガオウはナイの元に目掛けて突っ込み、その移動速度はリーナにも匹敵した。彼は両腕の鉤爪を振りかざし、肉食獣が爪を振り下ろすうように荒々しい動作で攻撃を行う。
「牙斬!!」
「うわっ!?」
不規則な攻撃の軌道でガオウはナイの旋斧に対して鉤爪を放つと、金属音が鳴り響く。ナイは旋斧を手にした両手が軽く痺れ、即座に後退した。
ガオウは自分の攻撃を受けたナイを見て笑みを浮かべ、そこからさらに速度を上昇させてナイへと接近する。正面から向かってきたガオウに大してナイは旋斧を振り払う。
「やあっ!!」
「おっと」
「跳んだ!?」
刃が迫った瞬間、ガオウは上空へ跳び上がると、空中で身体を回転させながら鉤爪を放つ。その攻撃に対して咄嗟にナイは右腕に装着した反魔の盾を構えた。
「うおらぁっ!!」
「くっ!?」
反魔の盾を装着した右腕に衝撃が走り、鉤爪が触れた瞬間に衝撃波が発生した。反魔の盾は外部から攻撃を受けた場合、威力を増幅させて衝撃波を放つ。しかし、ガオウは空中で衝撃波を受けても怯まず、それどころか衝撃波を利用して逆に距離を取った。
どうやら反魔の盾で防がれる事は想定済みらしく、ガオウは笑みを浮かべると改めて鉤爪を構え、それに対してナイは旋斧を構え直す。想像以上にガオウの動きは早く、身軽で動きが捉えきれない。
(この人、本当に強い……今まで戦った相手の中で一番早いかもしれない)
リーナも早かったが、獣人族の場合は人間よりも高い運動能力を誇り、その動作は同じく獣人族のガロの動きに近い。しかし、ナイも負けるのは嫌なので旋斧を構えると、反撃の隙を伺う。
(動きの速い相手を捉えるには……これしかない)
旋斧を横向きに構えたナイは、もしもガオウが突っ込んで来た時に横薙ぎに振り払い、攻撃範囲を広げるしかないと判断した。そんなナイの考えを読み取ったのかガオウは眉をしかめ、挑発する様に告げる。
「考えが見え見えなんだよ!!」
「っ……!!」
ガオウは馬鹿正直に真正面から突っ込むような真似はせず、再び跳躍してナイの元へ向かう。上空からの攻撃ならばナイも旋斧を上に向けて放つしかなく、攻撃範囲を絞らねばならない。
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洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
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この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
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