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ゴブリンキングの脅威
第410話 今後の旋斧の扱い
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「皆、離れて!!」
「きゃあっ!?」
「わああっ!?」
「ちっ!!」
「いかん!!」
ナイの言葉にテンはヒナとモモを後ろに付き飛ばし、ハマーンは咄嗟に伏せると、ナイは工房の壁に目掛けて剣を振り払う。その結果、刀身から三日月のような火炎の刃が放たれ、工房の壁を破壊した。
以前にもナイは刀身に纏った魔力を切り離す経験はあったが、あの時と比べても威力が段違いであり、高い熱耐性を誇る素材で構成されているはずの工房の壁が抉れてしまう。それを見たハマーンは愕然とした。
「な、なんという事を……」
「ご、ごめんなさい!!弁償しますから!!」
「いや、弁償は良いが……いったい何が起きたのだ?」
ハマーンは工房の壁を抉り込むほどの威力の魔法剣に戸惑いを隠せず、一方でナイも何が起きたのか感覚的に理解した。
「た、多分……地属性の魔法を送り込んだ時、旋斧の内部に火属性の魔力を押し込む形で炎が出ちゃったんです。しかも、かなり凄い勢いで……」
「地属性の魔力が火属性の魔力を押し込んで炎を生み出しただと……それにこの威力、普通に炎で溶かすだけじゃねえ。凄い勢いが加わっていたんだろう。もしかしたら、重力を帯びた炎を生み出せるのか?」
工房の壁はただ溶けるのではなく、衝撃を受けたような亀裂が残っており、この事からナイが放った火炎は強烈な衝撃も生み出している事が判明する。
恐らくは火属性の魔力と地属性の魔力の性質が合わさり、重力を帯びた炎を生み出して攻撃が出来るようになったのだ。その威力は軽く魔力を送り込んだだけでもハマーンの頑丈な工房の壁を破壊し、もしも本気でしようしていたら彼の店を壊していたかもしれない。
「ほ、本当にごめんなさい……」
「悪かったね、うちのガキが迷惑をかけて……」
「いや、気にせんでくれ。しかし、この壁を破壊するとは……よし、次を頼むぞ」
「え、まだ続けるんですか?」
「当たり前じゃ!!ここまで来たら全部試すぞ!!但し、場所は移動してもらうが……」
「ですよね……」
流石のハマーンもこれ以上に店を壊されると堪らず、ナイ達は店の裏手へと移動した――
――誰にも迷惑をけない事を確認すると、ナイは店の裏手にて旋斧を構え、今度は風属性の魔法剣を試す。闇属性を最後にしたのはナイの判断であり、迂闊に今の旋斧に闇属性の魔法剣は使いたくはなかった。
「じゃあ、行きますね」
「ああ、気を付けてくれ」
「この盾、本当に大丈夫なんだろうね……」
「応援してるよ!!」
「今度は慎重にね……」
ナイから少し離れた場所にはハマーンの店で販売している魔法金属の大盾を構えたテンの姿が存在し、他の者達は後ろで隠れていた。ナイはその様子を見て苦笑いを浮かべながらも風属性を発動させた。
(今度は出力を最初から弱めて……)
風属性の魔力を送り込む際はナイは最初から出力を抑えると、刀身に風属性の魔力が到達した瞬間、火属性の魔力を送り込んだ時のように刀身に炎が纏う。
火属性の魔法剣と同じように風属性の魔力を送り込むと刀身の内部に蓄積された火属性の魔力が反応して炎を生み出すようだが、火属性の魔法剣との違いは「火力」と「規模」だった。
「うわっ!?」
「いかん、早く消すんだ!!」
風属性の場合は炎の規模を高めるらしく、慌ててナイは魔力を送り込むのを辞めると瞬時に消え去る。その様子を見て他の者達は安心し、もしも室内で魔法剣を発動させていたとんでもない事態に陥っていた。
「ふうっ……外に出ておいて良かったな」
「す、すいません」
「いや、謝る必要はない。さあ、次で最後か……見せてくれ」
「はい……」
ナイは緊張した表情を浮かべ、旋斧を握りしめる。最後に残ったのは闇属性であり、できる事ならばナイとしては闇属性だけは避けたかった。
闇属性の魔法剣は生物へ利用すると聖属性の魔力を打ち消し、まるで猛毒のように身体に巡って体の自由を奪う。あの火竜でさえも闇属性の魔力を纏った旋斧の攻撃を受けた瞬間に身体が鈍り、碌に動く事が出来なかった。それほどまでに闇属性の魔法剣は恐ろしい力を持つ。
この状態の旋斧に闇属性の魔法剣は危険だと思うが、調べてみない限りはどのような危険があるのか把握できない。その事を理解した上でナイは魔法剣を発動させると、刀身に突如として変化が起きた。
(何だ、これは……!?)
刀身に魔力を送り込んだ瞬間、旋斧の全体が黒色に変色し、やがて黒色の炎が全体に纏う。それを見たナイは今まで似ない程の異様な雰囲気を放つ炎に恐れを抱き、それは他の者も一緒だった。
「黒い炎……だと?」
「何だいこいつは……不気味だね」
「ひうっ……」
「も、もういいんじゃないの?」
黒色の炎を見ただけで他の者達もその異様な雰囲気に恐れを抱き、ナイもすぐに解除する。幸いにも闇属性の魔力を送り込むのを辞めると炎はすぐに消え去り、旋斧も元の状態に戻った。
「きゃあっ!?」
「わああっ!?」
「ちっ!!」
「いかん!!」
ナイの言葉にテンはヒナとモモを後ろに付き飛ばし、ハマーンは咄嗟に伏せると、ナイは工房の壁に目掛けて剣を振り払う。その結果、刀身から三日月のような火炎の刃が放たれ、工房の壁を破壊した。
以前にもナイは刀身に纏った魔力を切り離す経験はあったが、あの時と比べても威力が段違いであり、高い熱耐性を誇る素材で構成されているはずの工房の壁が抉れてしまう。それを見たハマーンは愕然とした。
「な、なんという事を……」
「ご、ごめんなさい!!弁償しますから!!」
「いや、弁償は良いが……いったい何が起きたのだ?」
ハマーンは工房の壁を抉り込むほどの威力の魔法剣に戸惑いを隠せず、一方でナイも何が起きたのか感覚的に理解した。
「た、多分……地属性の魔法を送り込んだ時、旋斧の内部に火属性の魔力を押し込む形で炎が出ちゃったんです。しかも、かなり凄い勢いで……」
「地属性の魔力が火属性の魔力を押し込んで炎を生み出しただと……それにこの威力、普通に炎で溶かすだけじゃねえ。凄い勢いが加わっていたんだろう。もしかしたら、重力を帯びた炎を生み出せるのか?」
工房の壁はただ溶けるのではなく、衝撃を受けたような亀裂が残っており、この事からナイが放った火炎は強烈な衝撃も生み出している事が判明する。
恐らくは火属性の魔力と地属性の魔力の性質が合わさり、重力を帯びた炎を生み出して攻撃が出来るようになったのだ。その威力は軽く魔力を送り込んだだけでもハマーンの頑丈な工房の壁を破壊し、もしも本気でしようしていたら彼の店を壊していたかもしれない。
「ほ、本当にごめんなさい……」
「悪かったね、うちのガキが迷惑をかけて……」
「いや、気にせんでくれ。しかし、この壁を破壊するとは……よし、次を頼むぞ」
「え、まだ続けるんですか?」
「当たり前じゃ!!ここまで来たら全部試すぞ!!但し、場所は移動してもらうが……」
「ですよね……」
流石のハマーンもこれ以上に店を壊されると堪らず、ナイ達は店の裏手へと移動した――
――誰にも迷惑をけない事を確認すると、ナイは店の裏手にて旋斧を構え、今度は風属性の魔法剣を試す。闇属性を最後にしたのはナイの判断であり、迂闊に今の旋斧に闇属性の魔法剣は使いたくはなかった。
「じゃあ、行きますね」
「ああ、気を付けてくれ」
「この盾、本当に大丈夫なんだろうね……」
「応援してるよ!!」
「今度は慎重にね……」
ナイから少し離れた場所にはハマーンの店で販売している魔法金属の大盾を構えたテンの姿が存在し、他の者達は後ろで隠れていた。ナイはその様子を見て苦笑いを浮かべながらも風属性を発動させた。
(今度は出力を最初から弱めて……)
風属性の魔力を送り込む際はナイは最初から出力を抑えると、刀身に風属性の魔力が到達した瞬間、火属性の魔力を送り込んだ時のように刀身に炎が纏う。
火属性の魔法剣と同じように風属性の魔力を送り込むと刀身の内部に蓄積された火属性の魔力が反応して炎を生み出すようだが、火属性の魔法剣との違いは「火力」と「規模」だった。
「うわっ!?」
「いかん、早く消すんだ!!」
風属性の場合は炎の規模を高めるらしく、慌ててナイは魔力を送り込むのを辞めると瞬時に消え去る。その様子を見て他の者達は安心し、もしも室内で魔法剣を発動させていたとんでもない事態に陥っていた。
「ふうっ……外に出ておいて良かったな」
「す、すいません」
「いや、謝る必要はない。さあ、次で最後か……見せてくれ」
「はい……」
ナイは緊張した表情を浮かべ、旋斧を握りしめる。最後に残ったのは闇属性であり、できる事ならばナイとしては闇属性だけは避けたかった。
闇属性の魔法剣は生物へ利用すると聖属性の魔力を打ち消し、まるで猛毒のように身体に巡って体の自由を奪う。あの火竜でさえも闇属性の魔力を纏った旋斧の攻撃を受けた瞬間に身体が鈍り、碌に動く事が出来なかった。それほどまでに闇属性の魔法剣は恐ろしい力を持つ。
この状態の旋斧に闇属性の魔法剣は危険だと思うが、調べてみない限りはどのような危険があるのか把握できない。その事を理解した上でナイは魔法剣を発動させると、刀身に突如として変化が起きた。
(何だ、これは……!?)
刀身に魔力を送り込んだ瞬間、旋斧の全体が黒色に変色し、やがて黒色の炎が全体に纏う。それを見たナイは今まで似ない程の異様な雰囲気を放つ炎に恐れを抱き、それは他の者も一緒だった。
「黒い炎……だと?」
「何だいこいつは……不気味だね」
「ひうっ……」
「も、もういいんじゃないの?」
黒色の炎を見ただけで他の者達もその異様な雰囲気に恐れを抱き、ナイもすぐに解除する。幸いにも闇属性の魔力を送り込むのを辞めると炎はすぐに消え去り、旋斧も元の状態に戻った。
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