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グマグ火山決戦編
閑話 過去編:和国とダイダラボッチ
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――遥か昔、この世界では「和国」と呼ばれる国が存在した。和国は元々は王国の東に存在した国であるが、人口は1000人程度の小国だったという。
和国を築いたのはこの世界ではない別の世界から訪れたという黒髪の人間達だった。元々、この世界の人間は黒髪の者は存在しなかったが、唐突に彼等はこの世界へ現れ、国を築いたという。
彼等はどのような手段と方法を用いてこの世界に訪れたのかは不明だが、和国の住民に直に話を聞いた者の話によると、彼等は元の世界で暮らしている時に空間に「亀裂」のような物が発生し、それに飲み込まれたら何時の間にかこの世界へ訪れていたという。
俄かには信じがたい話だが、彼等の世界では「神隠し」と呼ばれる現象が存在し、人が突然にいなくなることがあるという。もしかしたら彼等の世界で神隠しにあった人物は他の世界へ飛ばされた可能性も高い。
他の世界から訪れた者達は元の世界に戻る方法が分からず、この世界で暮らすしかなかった。しかし、黒髪の彼等はこの世界の人間からは異端な存在に扱われ、迫害される事も少なくなかった。
そこでこの世界に訪れた黒髪の人間達は自分達の国を作り出し、その国の名前を自分達かつて住んでいた国の昔の名前を付けた。そして出来上がったのが和国であり、彼等は王国が建国されるずっと前の時代から存在する国である。
どうして彼等が急にこの世界に訪れたのかは原因は不明だが、分かった事があるとすれば丁度彼等が訪れるのは魔物が増殖する時期と同じであり、100年単位で彼等の世界ではこの世界に訪れる者が多い。だからこそこの世界の人々は彼等の事を最初は不気味に思った。中には魔物が増えた原因は彼等にあるのではないかと疑う者もいたという。
しかし、和国の住民は不思議な武器と武術を扱い、彼等に興味を抱いた国々は交流を行い、徐々にではあるが和国の人間達は受け入れられるようになった。
だが、そんな和国が滅びたのは唐突な出来事だった。ある時に和国の領内に大量のゴブリンが出現し、軍団を結成する。小国である和国は他国に救援を求めたが、ゴブリンを従えていた巨大な緑の巨人に都を滅ぼされた。
その巨人を見た和国の住民は自分達の国に伝わる「ダイダラボッチ」と呼ばれる存在を思い浮かべ、巨人の事をこの世界のダイダラボッチだと恐れたという。
和国は滅ぼされたが、生き残った住民は交流のあった国々に引き取られ、国は崩壊してしまう。やがてダイダラボッチと恐れらられた緑の巨人はいずこかに姿を消し、ゴブリンの軍団も他の国が派遣した軍隊によって滅ぼされた。
結局は和国は滅びた後は再興されず、四散した和国の住民は受け入れてくれた国で生活し、この頃からこの世界の人間は和国の住民と交わり、黒髪の子供が生まれるようになったという。
しかし、和国が滅びてから数百年も経過したというのに亡き先祖のために国を再建しようとする和国の子孫も生き残っていた。
和国を築いたのはこの世界ではない別の世界から訪れたという黒髪の人間達だった。元々、この世界の人間は黒髪の者は存在しなかったが、唐突に彼等はこの世界へ現れ、国を築いたという。
彼等はどのような手段と方法を用いてこの世界に訪れたのかは不明だが、和国の住民に直に話を聞いた者の話によると、彼等は元の世界で暮らしている時に空間に「亀裂」のような物が発生し、それに飲み込まれたら何時の間にかこの世界へ訪れていたという。
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しかし、和国の住民は不思議な武器と武術を扱い、彼等に興味を抱いた国々は交流を行い、徐々にではあるが和国の人間達は受け入れられるようになった。
だが、そんな和国が滅びたのは唐突な出来事だった。ある時に和国の領内に大量のゴブリンが出現し、軍団を結成する。小国である和国は他国に救援を求めたが、ゴブリンを従えていた巨大な緑の巨人に都を滅ぼされた。
その巨人を見た和国の住民は自分達の国に伝わる「ダイダラボッチ」と呼ばれる存在を思い浮かべ、巨人の事をこの世界のダイダラボッチだと恐れたという。
和国は滅ぼされたが、生き残った住民は交流のあった国々に引き取られ、国は崩壊してしまう。やがてダイダラボッチと恐れらられた緑の巨人はいずこかに姿を消し、ゴブリンの軍団も他の国が派遣した軍隊によって滅ぼされた。
結局は和国は滅びた後は再興されず、四散した和国の住民は受け入れてくれた国で生活し、この頃からこの世界の人間は和国の住民と交わり、黒髪の子供が生まれるようになったという。
しかし、和国が滅びてから数百年も経過したというのに亡き先祖のために国を再建しようとする和国の子孫も生き残っていた。
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