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グマグ火山決戦編
第400話 新たな脅威
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「マジクの死は誰のせいでもない、マジクは皆を守るために逝った……ならば他の者を責めるわけにはいかん」
「ですが!!」
「もういい、お前達が責任を感じる必要などない。これ以上に自分を責めるな……お前達はよくやった」
「陛下……」
ドリスとリンからすれば今は何の罰も与えられない事が悔しくてならず、マジクを失った責任の一端は自分達にもある事は間違いない。だが、国王は敢えて二人を罰する真似はしない。
二人を罰した所でマジクが戻る事はなく、そんな事はマジクも望んではいない事は分かっていた。適当な罰を与えて二人を納得させる事はでっきたとしても、他の者も言い出しかねない。
「バッシュもお前達と同じように言っていた。大切な家臣を失った自分に国王になる資格があるのかとな……お前達を罰すればバッシュも罰しなければならん」
「バ、バッシュ王子が……」
「……知りませんでした」
「今はバッシュも落ち着いておる。だからあの子のためにもお前達を罰する事はできん、マジクの死はマジク自身の意志じゃ。ならば誰のせいでもない、その事を忘れるな」
もしも二人を罰すればバッシュも気が済まず、彼も自分を罰する様に嘆願するだろう。しかし、国王は自分の子を罰する事などできない、そのために誰もマジクの死の責任を取らせて罰を与える事ができるはずもなかった。
「さあ、面を上げよ。これからもお前達にはマジクの代わりにこの国を支えてもらわなければならん。どうか、その事は忘れるな」
「はっ……」
「……承知しました」
まだ完全には納得していない風だったが、リンもドリスも国王の言葉には逆らえず、本来の職務を果たすために引き下がろうとした。だが、突如として玉座の間が開け放たれ、許可もなく騎士が入り込んできた。
「へ、陛下……!!」
「何事だ!!ここを何処だと……うっ!?」
「お、お前……何だ、その有様は!?」
入り込んできた騎士は身体が酷く汚れており、しかも怪我をしているのか頭に血を流していた。その様子を見て他の兵士達が慌てて取り押さえようとするが、国王は兵士達を制止して入り込んできた騎士に用件を尋ねる。
「待て!!お主、その格好を見る限りは銀狼騎士団の者じゃな?」
「お前は……アルス!?どうしてここにいる、リノ王子と共に行動しているお前が何故!?」
「ふ、副団長……申し訳ございません」
玉座の間に入り込んできたのは銀狼騎士団の団員であり、この国の第二王子であるリノの護衛として同行して王都を離れていた騎士だと発覚する。
アルスという名前の騎士の元にリンは駆けつけると、彼女はアルスの姿を見て眉をしかめ、いったい彼に何が起きたのかを尋ねた。
「何だ、その格好は……リノ王子はどうした!?この王都に戻られているのか!?」
「い、いえ……ここまでの道中、休みなく移動し続けてきたので……」
「リンさん、落ち着いて……どうやらこの方はかなり疲れているようです。まずは落ち着かせない限りは話も聞けませんわ」
「分かっている!!分かってはいるが……」
ドリスの言葉にリンは唇を噛みしめ、どうして自分の仕える主人のリノの護衛を任せていた騎士だけが戻って来たのかとリンは気が気ではない。やがて落ち着きを取り戻してきたのか、騎士は報告を行う。
「わ、私はリノ王子の命を受けて王都へ戻り、援軍要請のためにここへ訪れました」
「援軍……どういう意味だ!?」
「わざわざ王都まで戻ってくるなんて……今はリノ王子は何処に居られるのですか」
「辺境の地に存在するイチノという街です……ここから距離は馬で移動しても一か月は掛かります」
「イチノ、だと……」
リノは国王の命令を受けて「ゴブリンキング」なる魔物の調査を行い、一年近くも王都を離れて各領地を渡り歩き、調査を行っていた。そして彼女はイチノという街でゴブリンキングの手掛かりを掴んだという。
「リノ王子はイチノと呼ばれる街の近くにある山でゴブリンとホブゴブリンの集団が砦を形成している事を突き留めました。我々はそこに攻め入りましたが、予想以上に数が多く、撤退を余儀なくされました……その後、砦内のホブゴブリンとゴブリンの軍団がイチノに攻め寄せ、我々は街の警備兵と共に対処しましたが……想像以上に数が多く、防戦一方でした」
「ゴブリンの軍団じゃと……」
「たかがゴブリンに敗れたというのか!?我が銀狼騎士団が!!」
「や、奴等はただのゴブリンではありません……武装する知識を持ち合わせ、更には他の魔獣を従え、戦術を駆使して攻撃を仕掛けてくるのです……それにどうやら敵の中にはゴブリン以外や魔獣以外の存在も控えているとか……」
リンとしては銀狼騎士団がたかがゴブリンの軍団に敗れた事が信じられないが、アルスによれば彼が戦ったゴブリン達は今まで自分が戦ってきたゴブリンとは全く別物の生き物のように感じた事を伝えた。
「ですが!!」
「もういい、お前達が責任を感じる必要などない。これ以上に自分を責めるな……お前達はよくやった」
「陛下……」
ドリスとリンからすれば今は何の罰も与えられない事が悔しくてならず、マジクを失った責任の一端は自分達にもある事は間違いない。だが、国王は敢えて二人を罰する真似はしない。
二人を罰した所でマジクが戻る事はなく、そんな事はマジクも望んではいない事は分かっていた。適当な罰を与えて二人を納得させる事はでっきたとしても、他の者も言い出しかねない。
「バッシュもお前達と同じように言っていた。大切な家臣を失った自分に国王になる資格があるのかとな……お前達を罰すればバッシュも罰しなければならん」
「バ、バッシュ王子が……」
「……知りませんでした」
「今はバッシュも落ち着いておる。だからあの子のためにもお前達を罰する事はできん、マジクの死はマジク自身の意志じゃ。ならば誰のせいでもない、その事を忘れるな」
もしも二人を罰すればバッシュも気が済まず、彼も自分を罰する様に嘆願するだろう。しかし、国王は自分の子を罰する事などできない、そのために誰もマジクの死の責任を取らせて罰を与える事ができるはずもなかった。
「さあ、面を上げよ。これからもお前達にはマジクの代わりにこの国を支えてもらわなければならん。どうか、その事は忘れるな」
「はっ……」
「……承知しました」
まだ完全には納得していない風だったが、リンもドリスも国王の言葉には逆らえず、本来の職務を果たすために引き下がろうとした。だが、突如として玉座の間が開け放たれ、許可もなく騎士が入り込んできた。
「へ、陛下……!!」
「何事だ!!ここを何処だと……うっ!?」
「お、お前……何だ、その有様は!?」
入り込んできた騎士は身体が酷く汚れており、しかも怪我をしているのか頭に血を流していた。その様子を見て他の兵士達が慌てて取り押さえようとするが、国王は兵士達を制止して入り込んできた騎士に用件を尋ねる。
「待て!!お主、その格好を見る限りは銀狼騎士団の者じゃな?」
「お前は……アルス!?どうしてここにいる、リノ王子と共に行動しているお前が何故!?」
「ふ、副団長……申し訳ございません」
玉座の間に入り込んできたのは銀狼騎士団の団員であり、この国の第二王子であるリノの護衛として同行して王都を離れていた騎士だと発覚する。
アルスという名前の騎士の元にリンは駆けつけると、彼女はアルスの姿を見て眉をしかめ、いったい彼に何が起きたのかを尋ねた。
「何だ、その格好は……リノ王子はどうした!?この王都に戻られているのか!?」
「い、いえ……ここまでの道中、休みなく移動し続けてきたので……」
「リンさん、落ち着いて……どうやらこの方はかなり疲れているようです。まずは落ち着かせない限りは話も聞けませんわ」
「分かっている!!分かってはいるが……」
ドリスの言葉にリンは唇を噛みしめ、どうして自分の仕える主人のリノの護衛を任せていた騎士だけが戻って来たのかとリンは気が気ではない。やがて落ち着きを取り戻してきたのか、騎士は報告を行う。
「わ、私はリノ王子の命を受けて王都へ戻り、援軍要請のためにここへ訪れました」
「援軍……どういう意味だ!?」
「わざわざ王都まで戻ってくるなんて……今はリノ王子は何処に居られるのですか」
「辺境の地に存在するイチノという街です……ここから距離は馬で移動しても一か月は掛かります」
「イチノ、だと……」
リノは国王の命令を受けて「ゴブリンキング」なる魔物の調査を行い、一年近くも王都を離れて各領地を渡り歩き、調査を行っていた。そして彼女はイチノという街でゴブリンキングの手掛かりを掴んだという。
「リノ王子はイチノと呼ばれる街の近くにある山でゴブリンとホブゴブリンの集団が砦を形成している事を突き留めました。我々はそこに攻め入りましたが、予想以上に数が多く、撤退を余儀なくされました……その後、砦内のホブゴブリンとゴブリンの軍団がイチノに攻め寄せ、我々は街の警備兵と共に対処しましたが……想像以上に数が多く、防戦一方でした」
「ゴブリンの軍団じゃと……」
「たかがゴブリンに敗れたというのか!?我が銀狼騎士団が!!」
「や、奴等はただのゴブリンではありません……武装する知識を持ち合わせ、更には他の魔獣を従え、戦術を駆使して攻撃を仕掛けてくるのです……それにどうやら敵の中にはゴブリン以外や魔獣以外の存在も控えているとか……」
リンとしては銀狼騎士団がたかがゴブリンの軍団に敗れた事が信じられないが、アルスによれば彼が戦ったゴブリン達は今まで自分が戦ってきたゴブリンとは全く別物の生き物のように感じた事を伝えた。
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