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グマグ火山決戦編
第372話 ガオウの実力
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「わあっ……ナイ君、凄いね!!」
「私達も負けていられません!!」
「ていっ」
『ゴアッ……!?』
ナイがレッドゴーレムを倒す光景を見てリーナは感心した声を上げ、ヒイロとミイナも負けずにレッドゴーレムに挑む。
ミイナは如意斧を振り回し、巧みに柄を伸ばして攻撃を行う。彼女の魔斧はヒイロやナイのように魔力を宿して攻撃する事はできないが、柄の部分を伸ばして攻撃を行う事はできる。
「大回転」
「ゴアッ!?」
「アガァッ!?」
「ゴオオッ!?」
柄を伸ばした状態でミイナは如意斧を振り回すと、周囲に立っていたレッドゴーレムは刃を叩き込まれて怯む。ミイナは小柄ではあるがナイに匹敵する腕力の持ち主であり、彼女の如意斧も魔斧なのでレッドゴーレムの肉体に攻撃しても溶けはしない。
ミイナの攻撃で怯んだレッドゴーレムに対してヒイロも魔剣を振りかざし、彼女は頭部に向けて剣を放つ。この際にドリスの爆槍を参考に彼女は刃の先端に魔力を集中させ、炎を噴出させながら放つ。
「烈火斬!!」
「ゴガァッ……!?」
レッドゴーレムの頭部に刃が食い込み、そのまま胸元にまで刃は走ると、経験石に届いたのかレッドゴーレムは目の光を失って動かなくなった。その様子を見てリーナも負けていられないと槍を振り回し、強烈な一撃を放つ。
「ここだぁっ!!」
「ゴアアッ……!?」
これまでの攻防でリーナはレッドゴーレムの経験石が存在する箇所を特定し、的確に槍を突き刺す。突き出された槍はレッドゴーレムの肉体を貫通すると、経験石が破壊されたレッドゴーレムは動かなくなった。
弱点の水属性の魔法攻撃が使えなくとも討伐隊に集められた実力者たちは難なく対処するが、全員がレッドゴーレムに対抗できる力を持っているわけではなく、中には追い込まれる王国騎士も居た。
「ひいいっ!?ぶ、武器が……」
「熱いっ!?」
「くそっ、こいつら力も強いぞ……うわぁっ!?」
『ゴオオッ!!』
レッドゴーレムに触れただけで武器が溶かされ、高熱に怯んで近付く事もできず、身を守ろうと盾で防いでもレッドゴーレムの怪力によって押し倒される者が出始めた。
「落ち着け、数はこちらが上だ!!力で勝てないのなら連携して戦えっ!!」
「そうですわ!!相手は魔物、容赦は無用ですわ!!」
「たくっ、王国騎士も意外とだらしないんだな!!」
リンとドリスが劣勢に立たされた騎士達に指示を出すと、リーナと同じく黄金級冒険者のガオウが動き出す。ガオウは両手に鉤爪を装着した状態でレッドゴーレムに駆けつけ、鉤爪を放つ。
彼の鉤爪はただの鉤爪ではなく、風属性の魔石が嵌め込まれていた。鉤爪を振り払うと鎌鼬のように斬撃が放たれ、レッドゴーレムの肉体を切り裂く。
「ゴアッ!?」
「ゴオオッ……!?」
「ほう、また腕を上げたか……どうじゃ、儂の作品は気に入ったか?」
「ああ、爺さんのお陰だよ!!だから無理せずにここは若者に任せて下がってろ!!」
「やかましいわい!!まだまだ若造に負けていられるか!!」
ハマーンはガオウの武器を見て感心した表情を浮かべ、実は彼の身に着けている武器はハマーンの製作した武器の一つである。ガオウは風属性の魔石を取り込んだ鉤爪を利用し、斬撃を飛ばしてレッドゴーレムを切り裂く。
この鉤爪が生み出す斬撃は距離が近ければ鋼鉄を切り裂く威力を誇るが、あまりに離れすぎていると威力が大幅に落ちてしまう。だから敵に近付く必要があり、ガオウは獣人族の身体能力を生かして駆け抜ける。
「行くぞ、巻き込まれたくなかったら離れてろ!!」
「うわぁっ!?」
「危ないっ!?」
「お、おい!!気を付けろ!!」
鉤爪を振り払いながらガオウは次々とレッドゴーレムに攻撃を繰り出し、この時に複数名の王国騎士が巻き添えになりかけるが、結局は誰一人として被害は受けていなかった。
(凄い、あの人……無茶苦茶に動き回っているように見えて他の人の援護も真面目に行っている)
ナイは「観察眼」を発動させてガオウの動作を見抜き、口は悪いがガオウは他の王国騎士のために援護に徹していた。だが、気になるのは彼が助けている相手は殆どが女性であり、何故か男性の王国騎士は手荒に扱っていた。
「おっと、ちょっと肩を借りるぜ!!」
「ぐあっ!?き、貴様……何をする!?」
「悪い悪い、そう怒るなよ……っと!!」
「きゃっ……あ、ありがとうございます」
大盾を構えていた甲冑の王国騎士の肩に足を踏みつけてガオウは上空に飛びあがると、他の場所で苦戦していた女騎士を助ける。どうやら意図的に女性を優先して助けているらしく、こんな状況でも女性だけを優遇する彼にハマーンは呆れた。
「こりゃっ!!女子ばかりを守るな、儂等もちゃんと援護せんか!!」
「やだね、俺は女好きなんだ。だいたい男なら泣き言を言うなよ」
「そんな事を言うとお主を助けてやらんぞ!!」
「結構だね、俺は他の男に助けられる程、ひ弱じゃないんだよ!!」
言葉は生意気だがガオウの実力は確からしく、彼はリーナにも匹敵する移動速度で次々とレッドゴーレムを蹴散らしていく。
「私達も負けていられません!!」
「ていっ」
『ゴアッ……!?』
ナイがレッドゴーレムを倒す光景を見てリーナは感心した声を上げ、ヒイロとミイナも負けずにレッドゴーレムに挑む。
ミイナは如意斧を振り回し、巧みに柄を伸ばして攻撃を行う。彼女の魔斧はヒイロやナイのように魔力を宿して攻撃する事はできないが、柄の部分を伸ばして攻撃を行う事はできる。
「大回転」
「ゴアッ!?」
「アガァッ!?」
「ゴオオッ!?」
柄を伸ばした状態でミイナは如意斧を振り回すと、周囲に立っていたレッドゴーレムは刃を叩き込まれて怯む。ミイナは小柄ではあるがナイに匹敵する腕力の持ち主であり、彼女の如意斧も魔斧なのでレッドゴーレムの肉体に攻撃しても溶けはしない。
ミイナの攻撃で怯んだレッドゴーレムに対してヒイロも魔剣を振りかざし、彼女は頭部に向けて剣を放つ。この際にドリスの爆槍を参考に彼女は刃の先端に魔力を集中させ、炎を噴出させながら放つ。
「烈火斬!!」
「ゴガァッ……!?」
レッドゴーレムの頭部に刃が食い込み、そのまま胸元にまで刃は走ると、経験石に届いたのかレッドゴーレムは目の光を失って動かなくなった。その様子を見てリーナも負けていられないと槍を振り回し、強烈な一撃を放つ。
「ここだぁっ!!」
「ゴアアッ……!?」
これまでの攻防でリーナはレッドゴーレムの経験石が存在する箇所を特定し、的確に槍を突き刺す。突き出された槍はレッドゴーレムの肉体を貫通すると、経験石が破壊されたレッドゴーレムは動かなくなった。
弱点の水属性の魔法攻撃が使えなくとも討伐隊に集められた実力者たちは難なく対処するが、全員がレッドゴーレムに対抗できる力を持っているわけではなく、中には追い込まれる王国騎士も居た。
「ひいいっ!?ぶ、武器が……」
「熱いっ!?」
「くそっ、こいつら力も強いぞ……うわぁっ!?」
『ゴオオッ!!』
レッドゴーレムに触れただけで武器が溶かされ、高熱に怯んで近付く事もできず、身を守ろうと盾で防いでもレッドゴーレムの怪力によって押し倒される者が出始めた。
「落ち着け、数はこちらが上だ!!力で勝てないのなら連携して戦えっ!!」
「そうですわ!!相手は魔物、容赦は無用ですわ!!」
「たくっ、王国騎士も意外とだらしないんだな!!」
リンとドリスが劣勢に立たされた騎士達に指示を出すと、リーナと同じく黄金級冒険者のガオウが動き出す。ガオウは両手に鉤爪を装着した状態でレッドゴーレムに駆けつけ、鉤爪を放つ。
彼の鉤爪はただの鉤爪ではなく、風属性の魔石が嵌め込まれていた。鉤爪を振り払うと鎌鼬のように斬撃が放たれ、レッドゴーレムの肉体を切り裂く。
「ゴアッ!?」
「ゴオオッ……!?」
「ほう、また腕を上げたか……どうじゃ、儂の作品は気に入ったか?」
「ああ、爺さんのお陰だよ!!だから無理せずにここは若者に任せて下がってろ!!」
「やかましいわい!!まだまだ若造に負けていられるか!!」
ハマーンはガオウの武器を見て感心した表情を浮かべ、実は彼の身に着けている武器はハマーンの製作した武器の一つである。ガオウは風属性の魔石を取り込んだ鉤爪を利用し、斬撃を飛ばしてレッドゴーレムを切り裂く。
この鉤爪が生み出す斬撃は距離が近ければ鋼鉄を切り裂く威力を誇るが、あまりに離れすぎていると威力が大幅に落ちてしまう。だから敵に近付く必要があり、ガオウは獣人族の身体能力を生かして駆け抜ける。
「行くぞ、巻き込まれたくなかったら離れてろ!!」
「うわぁっ!?」
「危ないっ!?」
「お、おい!!気を付けろ!!」
鉤爪を振り払いながらガオウは次々とレッドゴーレムに攻撃を繰り出し、この時に複数名の王国騎士が巻き添えになりかけるが、結局は誰一人として被害は受けていなかった。
(凄い、あの人……無茶苦茶に動き回っているように見えて他の人の援護も真面目に行っている)
ナイは「観察眼」を発動させてガオウの動作を見抜き、口は悪いがガオウは他の王国騎士のために援護に徹していた。だが、気になるのは彼が助けている相手は殆どが女性であり、何故か男性の王国騎士は手荒に扱っていた。
「おっと、ちょっと肩を借りるぜ!!」
「ぐあっ!?き、貴様……何をする!?」
「悪い悪い、そう怒るなよ……っと!!」
「きゃっ……あ、ありがとうございます」
大盾を構えていた甲冑の王国騎士の肩に足を踏みつけてガオウは上空に飛びあがると、他の場所で苦戦していた女騎士を助ける。どうやら意図的に女性を優先して助けているらしく、こんな状況でも女性だけを優遇する彼にハマーンは呆れた。
「こりゃっ!!女子ばかりを守るな、儂等もちゃんと援護せんか!!」
「やだね、俺は女好きなんだ。だいたい男なら泣き言を言うなよ」
「そんな事を言うとお主を助けてやらんぞ!!」
「結構だね、俺は他の男に助けられる程、ひ弱じゃないんだよ!!」
言葉は生意気だがガオウの実力は確からしく、彼はリーナにも匹敵する移動速度で次々とレッドゴーレムを蹴散らしていく。
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