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旋斧の秘密
第334話 ナイの装備の強化
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「さて、まずはナイ君が身に着けている装備を全部脱いでくれるかい?」
「えっ!?ぬ、脱ぐって……ナイ君を裸にするの!?」
「何でそうなるのよ!!武具と防具を外すだけでしょう!?」
アルトの言葉にモモは頬を赤らめて顔を手で抑えるが、しっかりと指の隙間から様子を伺っていた。そんな彼女にヒナはツッコミを入れ、その間にナイは身に着けている装備を外して机に置く。
「えっと……旋斧、刺剣、闘拳、ゴマンの盾、魔法腕輪、フックショット、解体用の短剣に……鎖帷子も外した方が良い?」
「ああ、全ての武具と防具を外してくれ。全部確かめさせてもらうよ」
「というかナイ君、いろんなのを持ってるのね」
「どきどき……(←装備を外すナイを見て意識している)」
机の上にこれまでナイが身に着けていた装備品が置かれ、それらを確かめていく。この時にアルトは以前に改造を加えたフックショットに視線を向け、ドルトンから授かった闘拳を持ち上げる。
「ふむ、このフックショットは反魔の盾に仕込んでいた奴だね。だけど、盾に仕込むよりもこっちの防具と組み合わせる方がいいかもしれない」
「えっ……そんな事が出来るの?」
「ああ、許可さえ貰えれば今すぐに改造できるよ。それで構わないかい?」
「それは……」
ナイはアルトの言葉を聞いて迷った表情を浮かべ、この闘拳はドルトンからの贈り物であり、できれば改造を加えたくはなかった。だが、大型ゴーレムとの戦闘を考えると装備の強化は必要な事だとアルトは告げる。
「ナイ君がこの防具の事を大切にしている事は分かるよ。だけどね、防具は身に着ける人間を守るための道具なんだ。これをあげた人も君のためなら納得してくれるんじゃないかい?」
「ドルトンさんなら……多分、怒らないと思う」
ドルトンの事を思い出したナイは彼ならば闘拳を改造したとしてもそれがナイのためになるならば怒りはしないだろう。ドルトンはアルが亡くなった後はナイの事を彼の代わりに守ろうとした優しい人であり、そんな彼ならば闘拳の改造も許してくれるだろう。
アルトの言葉を聞いてナイは闘拳の改造を承諾すると、早速彼は工具の準備を行う。彼は手慣れた様子でフックショットを分解すると、闘拳を調べ上げて組み込んでいく。
「わあっ……凄~い」
「まるで一流の鍛冶師ね……王子様、こんな技術を何処で身に付けたのかしら」
「しっ、集中しているみたいだから静かにした方が良いよ」
「…………」
作業中のアルトは黙々と改造を行い、闘拳にフックショットを組み合わせ、しばらく時間が経過すると彼は額の汗を拭って改造を終えた闘拳を渡す。
「ふうっ……終わったよ、確かめてくれるかい?」
「えっ、もう!?」
「改造って、こんなに早く済むの!?」
「す、凄いわね……」
ナイはアルトから闘拳を受け取ると、外見はあまり変化はないが、手首の部分に風属性の魔石が嵌め込まれていた。以前はこの魔石を回すとフックショットが射出されたが、更に改造を加えて使いやすいようにしたらしい。
「ナイ君、これを付けて天井に腕を向けた状態で手首を曲げてくれ。そうすればフックショットが放たれるよ」
「え?……こう?」
言われるがままにナイは闘拳を装着した状態で手首を曲げると、風属性の魔石が反応したのか闘拳に取り付けられていたミスリルの刃が射出された。
鋼線が取り付けられた刃は天井に深くめり込み、その様子を見ていたナイ達は驚きの声を上げる。刃は煉瓦製の天井に深く刺さり、更にその状態でアルトナイに手首を曲げるように促す。
「もう一度手首を曲げてくれるかい?」
「分かった……うわっ!?」
「ナイ君!?」
「と、飛んだ!?」
言われるがままにナイは手首を再び曲げると、風属性の魔石が反応して鋼線が闘拳の内部に引き寄せ、この際にナイの身体も浮き上がる。天井にフックショットを撃ち込んでいたのでぶら下がる形となり、ナイは驚いた様子で闘拳に視線を向けた。
「手首を動かす事で魔石が反応するように改造したんだ。これなら片手でも打ちこめるだろう?」
「す、凄い……けど、これだと間違って手首を曲げると射出されない?」
「大丈夫だ、魔石は簡単に取り外せるようにしたから必要のない時は魔石を外してくれ。そうすればフックショットが誤発する事はないよ」
「あ、そうなんだ……これは使えるかもしれない」
ナイは天井に突き刺さった刃を引き抜くと地面に着地し、アルトの言う通りに風属性の魔石を取り外す。これならば必要時以外にフックショットを誤射する事もなく、しかも片手で撃てるので役立ちそうだった。
「よし、次は君の短剣を強化しよう」
「刺剣を?でも、強化といってもどうするの?」
「流石に魔剣のように改造する事は出来ないけど、威力を上げる方法はあるよ。柄の部分に魔石を取り付けて……」
――その後もアルトはナイの装備に改造を加え、全ての装備の改造を終えた頃には夕方を迎えていた。
「えっ!?ぬ、脱ぐって……ナイ君を裸にするの!?」
「何でそうなるのよ!!武具と防具を外すだけでしょう!?」
アルトの言葉にモモは頬を赤らめて顔を手で抑えるが、しっかりと指の隙間から様子を伺っていた。そんな彼女にヒナはツッコミを入れ、その間にナイは身に着けている装備を外して机に置く。
「えっと……旋斧、刺剣、闘拳、ゴマンの盾、魔法腕輪、フックショット、解体用の短剣に……鎖帷子も外した方が良い?」
「ああ、全ての武具と防具を外してくれ。全部確かめさせてもらうよ」
「というかナイ君、いろんなのを持ってるのね」
「どきどき……(←装備を外すナイを見て意識している)」
机の上にこれまでナイが身に着けていた装備品が置かれ、それらを確かめていく。この時にアルトは以前に改造を加えたフックショットに視線を向け、ドルトンから授かった闘拳を持ち上げる。
「ふむ、このフックショットは反魔の盾に仕込んでいた奴だね。だけど、盾に仕込むよりもこっちの防具と組み合わせる方がいいかもしれない」
「えっ……そんな事が出来るの?」
「ああ、許可さえ貰えれば今すぐに改造できるよ。それで構わないかい?」
「それは……」
ナイはアルトの言葉を聞いて迷った表情を浮かべ、この闘拳はドルトンからの贈り物であり、できれば改造を加えたくはなかった。だが、大型ゴーレムとの戦闘を考えると装備の強化は必要な事だとアルトは告げる。
「ナイ君がこの防具の事を大切にしている事は分かるよ。だけどね、防具は身に着ける人間を守るための道具なんだ。これをあげた人も君のためなら納得してくれるんじゃないかい?」
「ドルトンさんなら……多分、怒らないと思う」
ドルトンの事を思い出したナイは彼ならば闘拳を改造したとしてもそれがナイのためになるならば怒りはしないだろう。ドルトンはアルが亡くなった後はナイの事を彼の代わりに守ろうとした優しい人であり、そんな彼ならば闘拳の改造も許してくれるだろう。
アルトの言葉を聞いてナイは闘拳の改造を承諾すると、早速彼は工具の準備を行う。彼は手慣れた様子でフックショットを分解すると、闘拳を調べ上げて組み込んでいく。
「わあっ……凄~い」
「まるで一流の鍛冶師ね……王子様、こんな技術を何処で身に付けたのかしら」
「しっ、集中しているみたいだから静かにした方が良いよ」
「…………」
作業中のアルトは黙々と改造を行い、闘拳にフックショットを組み合わせ、しばらく時間が経過すると彼は額の汗を拭って改造を終えた闘拳を渡す。
「ふうっ……終わったよ、確かめてくれるかい?」
「えっ、もう!?」
「改造って、こんなに早く済むの!?」
「す、凄いわね……」
ナイはアルトから闘拳を受け取ると、外見はあまり変化はないが、手首の部分に風属性の魔石が嵌め込まれていた。以前はこの魔石を回すとフックショットが射出されたが、更に改造を加えて使いやすいようにしたらしい。
「ナイ君、これを付けて天井に腕を向けた状態で手首を曲げてくれ。そうすればフックショットが放たれるよ」
「え?……こう?」
言われるがままにナイは闘拳を装着した状態で手首を曲げると、風属性の魔石が反応したのか闘拳に取り付けられていたミスリルの刃が射出された。
鋼線が取り付けられた刃は天井に深くめり込み、その様子を見ていたナイ達は驚きの声を上げる。刃は煉瓦製の天井に深く刺さり、更にその状態でアルトナイに手首を曲げるように促す。
「もう一度手首を曲げてくれるかい?」
「分かった……うわっ!?」
「ナイ君!?」
「と、飛んだ!?」
言われるがままにナイは手首を再び曲げると、風属性の魔石が反応して鋼線が闘拳の内部に引き寄せ、この際にナイの身体も浮き上がる。天井にフックショットを撃ち込んでいたのでぶら下がる形となり、ナイは驚いた様子で闘拳に視線を向けた。
「手首を動かす事で魔石が反応するように改造したんだ。これなら片手でも打ちこめるだろう?」
「す、凄い……けど、これだと間違って手首を曲げると射出されない?」
「大丈夫だ、魔石は簡単に取り外せるようにしたから必要のない時は魔石を外してくれ。そうすればフックショットが誤発する事はないよ」
「あ、そうなんだ……これは使えるかもしれない」
ナイは天井に突き刺さった刃を引き抜くと地面に着地し、アルトの言う通りに風属性の魔石を取り外す。これならば必要時以外にフックショットを誤射する事もなく、しかも片手で撃てるので役立ちそうだった。
「よし、次は君の短剣を強化しよう」
「刺剣を?でも、強化といってもどうするの?」
「流石に魔剣のように改造する事は出来ないけど、威力を上げる方法はあるよ。柄の部分に魔石を取り付けて……」
――その後もアルトはナイの装備に改造を加え、全ての装備の改造を終えた頃には夕方を迎えていた。
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