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王都での騒動
第205話 ガーゴイルの暴走
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(忌々しい……あいつめ、何が儂の命を守るだ!!結局、何の役にも立たなかったではないか……!!)
ナイんの治療を受けながらバーリは憎々し気な表情を浮かべ、結局は外国の商人から買い取ったガーゴイルは討ち取られてしまった。
(くそ、くそ、くそっ……このままでは儂は終わりだ、どうにかせねば……)
バーリは無意識にペンダントを握りしめ、どうにか助かる方法を考える。治療を終わればバーリは拘束され、警備兵に突き出されるだろう。そうなれば彼は終わりであり、その前に何としても手を打たなければならない。
必死にバーリはこの状況を脱する方法を探していると、彼の掌の中に握りしめられているペンダントが怪しく光り輝き、まるでバーリの焦る気持ちに反応する様に強くなっていく。
(そうだ、まだガーゴイルは残っている!!奴等を呼び起こせばこいつらを……!!)
屋敷の中に残されているガーゴイルの石像を思い出したバーリは、全ての石像を目覚めさせればナイ達を始末できると思い込む。その瞬間、バーリの握りしめていたペンダントが一段と輝きを増し、他の者にも気づかれる。
「きゃっ……何よ、この光!?」
「このおじさんの手が光ってるよ!?」
「まさか……あのペンダントをっ!?」
「おい、何を持っている!?」
「ぐうっ……!?」
流石に異変に気付いたナイ達はバーリの掌を開かせると、そこには光り輝くペンダントが存在した。すぐにナイはペンダントを回収しようとしたが、彼が手を伸ばす前にペンダントは唐突に罅割れ、勝手に砕け散ってしまう。
「あっ!?」
「ペ、ペンダントが……」
「砕けた!?どうして!?」
「バーリ、いったい何をした!!」
「ぐはっ!?」
ナイはバーリの首筋を掴むが、先ほどの怪我の影響かバーリは既に意識を失い、白目を剥いて気絶していた。その様子を見てこれでは話が聞けないと思ったナイは仕方なくペンダントに視線を向ける。
いったい何が起きたのかペンダントは粉々に砕け散り、もう色を失っていた。魔石の類は魔力を失うと色を失うため、このペンダント型の魔道具は効力を失った事を意味していた。
「くそ、どうなってるんだ……」
「これでガーゴイルを操っているように見えたわね。でも、ガーゴイルはもう……」
「復活したり……しないよね?」
恐る恐るナイ達は先ほどは貸したガーゴイルに視線を向けるが、二つに両断されたガーゴイルが動く様子はない。そもそも経験石を破壊された時点で事切れており、この状態ではどんな事をしても生き返るはずがない。
ペンダントが砕けた事にナイ達は不安を抱くが、特に今の所は何も起きておらず、それならば早々にこの場を立ち去る必要がある。だが、ここで開け放たれた扉の方から人影が現れ、それは非常に焦った様子のミイナだった。
「皆、無事!?」
「ミイナ!?」
「良かった、無事だったのね!!」
「ミイナちゃん、大丈夫!?」
「そんな事、言っている場合じゃない!!」
珍しくミイナは焦った様子を浮かべ、彼女は扉を閉めるとすぐに鍵を掛け、近くにある家具を運び出す。その様子を見てナイは戸惑うが、ミイナは扉を抑えつけながら告げる。
「私が抑えている内に早く皆は外に脱出して……屋敷の中は大変な事になっている」
「大変な事?それっていったい……」
「とにかく急いで……来た!!」
「えっ!?」
ミイナが抑え込んでいる扉の外側から強い衝撃が走り、それに対して必死にミイナは扉の前に置いた家具を支え込む。扉に何度も強い衝撃が走り、遂には鍵が壊され、無理やりに開けようとしてきた。
『ギャアアアッ!!』
「うわぁっ!?」
「な、何!?」
「まさか……ガーゴイル!?」
「くぅっ……早く、窓から逃げて!!」
扉の隙間からガーゴイルと思われる右腕が飛び出し、無理やりに扉をこじ開けようとしていた。ミイナは必死に抑え込み、それを見たナイは慌てて彼女の元に駆け寄って一緒に抑え込む。
「せぇのっ!!」
「ふんっ!!」
『ギャアッ……!?』
二人がかりでナイ達は扉を抑えつけると、流石にガーゴイルも敵わず、扉は閉じられた。ナイはミイナと共に扉を抑えつけて侵入を拒む。
だが、いくら扉を閉じてもガーゴイルは諦める様子はなく、今度は扉を開く事を諦めて扉の破壊を試みる。扉に何度も強い衝撃が走り、鋭い爪が扉を抉り、無理やりに中に入り込もうとする。
『ギャギャギャッ!!』
「まずい、このままだと持たない!?」
「早く、逃げて…””」
「逃げてって……ここは三階よ!?」
「私達ならどうにかなるかもしれないけど……」
「ひっ……」
「ううっ……」
窓から逃げる様にミイナは促すが、ヒナとモモはともかく、ただの一般人であるノイや気絶しているバーリを連れて逃げる事はできない。そうこうしている間にもガーゴイルは扉を破壊し、中へ入り込もうとしてきた。
ナイんの治療を受けながらバーリは憎々し気な表情を浮かべ、結局は外国の商人から買い取ったガーゴイルは討ち取られてしまった。
(くそ、くそ、くそっ……このままでは儂は終わりだ、どうにかせねば……)
バーリは無意識にペンダントを握りしめ、どうにか助かる方法を考える。治療を終わればバーリは拘束され、警備兵に突き出されるだろう。そうなれば彼は終わりであり、その前に何としても手を打たなければならない。
必死にバーリはこの状況を脱する方法を探していると、彼の掌の中に握りしめられているペンダントが怪しく光り輝き、まるでバーリの焦る気持ちに反応する様に強くなっていく。
(そうだ、まだガーゴイルは残っている!!奴等を呼び起こせばこいつらを……!!)
屋敷の中に残されているガーゴイルの石像を思い出したバーリは、全ての石像を目覚めさせればナイ達を始末できると思い込む。その瞬間、バーリの握りしめていたペンダントが一段と輝きを増し、他の者にも気づかれる。
「きゃっ……何よ、この光!?」
「このおじさんの手が光ってるよ!?」
「まさか……あのペンダントをっ!?」
「おい、何を持っている!?」
「ぐうっ……!?」
流石に異変に気付いたナイ達はバーリの掌を開かせると、そこには光り輝くペンダントが存在した。すぐにナイはペンダントを回収しようとしたが、彼が手を伸ばす前にペンダントは唐突に罅割れ、勝手に砕け散ってしまう。
「あっ!?」
「ペ、ペンダントが……」
「砕けた!?どうして!?」
「バーリ、いったい何をした!!」
「ぐはっ!?」
ナイはバーリの首筋を掴むが、先ほどの怪我の影響かバーリは既に意識を失い、白目を剥いて気絶していた。その様子を見てこれでは話が聞けないと思ったナイは仕方なくペンダントに視線を向ける。
いったい何が起きたのかペンダントは粉々に砕け散り、もう色を失っていた。魔石の類は魔力を失うと色を失うため、このペンダント型の魔道具は効力を失った事を意味していた。
「くそ、どうなってるんだ……」
「これでガーゴイルを操っているように見えたわね。でも、ガーゴイルはもう……」
「復活したり……しないよね?」
恐る恐るナイ達は先ほどは貸したガーゴイルに視線を向けるが、二つに両断されたガーゴイルが動く様子はない。そもそも経験石を破壊された時点で事切れており、この状態ではどんな事をしても生き返るはずがない。
ペンダントが砕けた事にナイ達は不安を抱くが、特に今の所は何も起きておらず、それならば早々にこの場を立ち去る必要がある。だが、ここで開け放たれた扉の方から人影が現れ、それは非常に焦った様子のミイナだった。
「皆、無事!?」
「ミイナ!?」
「良かった、無事だったのね!!」
「ミイナちゃん、大丈夫!?」
「そんな事、言っている場合じゃない!!」
珍しくミイナは焦った様子を浮かべ、彼女は扉を閉めるとすぐに鍵を掛け、近くにある家具を運び出す。その様子を見てナイは戸惑うが、ミイナは扉を抑えつけながら告げる。
「私が抑えている内に早く皆は外に脱出して……屋敷の中は大変な事になっている」
「大変な事?それっていったい……」
「とにかく急いで……来た!!」
「えっ!?」
ミイナが抑え込んでいる扉の外側から強い衝撃が走り、それに対して必死にミイナは扉の前に置いた家具を支え込む。扉に何度も強い衝撃が走り、遂には鍵が壊され、無理やりに開けようとしてきた。
『ギャアアアッ!!』
「うわぁっ!?」
「な、何!?」
「まさか……ガーゴイル!?」
「くぅっ……早く、窓から逃げて!!」
扉の隙間からガーゴイルと思われる右腕が飛び出し、無理やりに扉をこじ開けようとしていた。ミイナは必死に抑え込み、それを見たナイは慌てて彼女の元に駆け寄って一緒に抑え込む。
「せぇのっ!!」
「ふんっ!!」
『ギャアッ……!?』
二人がかりでナイ達は扉を抑えつけると、流石にガーゴイルも敵わず、扉は閉じられた。ナイはミイナと共に扉を抑えつけて侵入を拒む。
だが、いくら扉を閉じてもガーゴイルは諦める様子はなく、今度は扉を開く事を諦めて扉の破壊を試みる。扉に何度も強い衝撃が走り、鋭い爪が扉を抉り、無理やりに中に入り込もうとする。
『ギャギャギャッ!!』
「まずい、このままだと持たない!?」
「早く、逃げて…””」
「逃げてって……ここは三階よ!?」
「私達ならどうにかなるかもしれないけど……」
「ひっ……」
「ううっ……」
窓から逃げる様にミイナは促すが、ヒナとモモはともかく、ただの一般人であるノイや気絶しているバーリを連れて逃げる事はできない。そうこうしている間にもガーゴイルは扉を破壊し、中へ入り込もうとしてきた。
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