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王都での騒動
第179話 屋敷へ侵入するには……
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「あ~~~!!貴方はあの時の!?よくも私の前に顔を出せましたね!!ここで合ったが半日目です!!」
「ひいっ!?」
「ちょ、どうしたんですか急に!?」
ヒイロは男の顔を見ると彼に襲い掛かろうとするが、慌ててナイが間に割って入る。ここでヒイロに男を倒させるわけにもいかず、とりあえずは彼女を落ち着かせて話を聞こうとした。
「退いて下さい!!この男は前に私を詐欺で騙したんです!!」
「詐欺?」
「へへっ……そ、その節はどうも」
「あの時はよくも騙してくれましたね!!幸運のネックレスというから買ったのに調べてみたら他の店の転売品じゃないですか!!しかも相場の3倍は高かったです!!」
「あんた、そんな事までしてたのか……」
ナイは呆れた表情で男に振り返ると、男は罰が悪そうな表情を浮かべる。だが、この男の協力がなければ屋敷へ侵入する事も出来ず、ナイはヒイロを抑えながらも話を切り出す。
「ヒイロさん、落ち着いて……まずは話を聞いて下さい」
「話!?話とはどういう意味ですか?そもそもなんで貴方がこの男と一緒に……はっ、まさかグルだったんですか!?本当は貴方も悪党の一味で私達を罠に嵌めようと!?」
「こら、落ち着きなさい。思い込みが激しいのがあんたの悪い癖ね」
「もう、喧嘩は駄目だよ~」
悪党である男を連れてきたナイに対してヒイロは妙な勘違いをしそうになるが、そんな彼女を他の二人も落ち着かせ、ナイから引き剥がす。
誤解を抱かれる前にナイはこれまでの出来事を話し、自分もミイナを救うために探していた事、そしてここまでの経緯を説明した――
「――申し訳ございません!!まさか、ナイさんまでミイナさんのためにそこまでう動いていたなんて……先ほどの無礼をお許しください!!」
「いや、そんな土下座までしなくてもいいですから……」
「でも、まさかバーリに捕まっているなんて……」
「ミ、ミイナちゃんが危ないよ……どうすればいいの?」
話を聞き終えたヒイロは自分がとんでもない勘違いをしていたと知って謝罪し、そんな彼女に対してナイは顔を上げるように促して今後の事を話し合う。
「この男の協力があれば屋敷の中に入り込む事までできます。でも、その後が問題で……」
「屋敷の中に入れたとしても、必ずどんな用件で訪れたのかを尋ねられる。用もないのに戻ってきたら怪しまれるのは俺だからな……だから、適当な理由を付けて屋敷に行くしかない」
「適当な理由?」
「例えば……そうだな、バーリの奴への貢物を持っていけば怪しまれる事もなく屋敷に入れるし、無事に帰れるだろう」
「貢物って、どんな物を持っていく気よ?」
「バーリは金よりも価値の高い芸術品を持って行けば喜ぶはずだ。だが、そんな物はここにはないよな?なら、奴の他の好きな物を持っていくしかない……分かるな?」
男の言葉にナイ達は首を傾げ、バーリの好きな物を持っていくと言われてもすぐには分からなかったが、ここでナイは思い出す。それはバーリが無類の女好きであるという事を。
「まさか……!?」
「そう、そのまさかだ。バーリが好きなのは若くて見目麗しい女だ……年齢が多少幼くても問題はない。奴の守備範囲はかなり広いからな」
「なっ!?まさか、貴方……女の子をバーリに差し出して屋敷の中に侵入しろというのですか!?」
「それ以外に方法はないんだよ。奴の気に入りそうな女を用意すれば確実に屋敷の中に入れるし、怪しまれる事もない」
「最低な作戦ね……でも、他に方法がないのね」
誰か若くて可愛い女子を連れて行けばバーリに怪しまれる事もなく、屋敷の中に入り込める。その方法が一番確実で屋敷の中にも侵入できるのだが、この作戦を行うには重要な問題があった。
屋敷に侵入するためとはいえ、誰か女の子を連れてバーリに差し出すという時点で危険が大きすぎる。差し出された女の子の身が危なくなり、もしも作戦が失敗すればその子も犠牲になってしまう。
「くっ……それなら私が囮になります!!私をバーリに差し出して下さい!!そうすれば隙を突いてバーリを拘束し、捕まっている人たちを解放させます!!」
「それは……無理だな」
「どうしてですか!?私が若くなくて可愛い女の子じゃないというんですか!?」
「いや、そういう事じゃなくてな……まあ、あんたなら年齢も外見も良いからバーリも気に入るかもしれない。だけど、あんたの顔はもう知られている可能性が高い。きっと、屋敷の中には俺と同業者もいるはずだからな……」
「なるほど……ヒイロは確かにあんたの所属する組織の連中とやりあっているといったわね。なら、ヒイロの顔を知っている人間が居てもおかしくはない」
「あれ?でも、それだとおじさんも危ないんじゃない?もうおじさんも命を狙われてるんだよね?」
「誰がおじさんだ!!俺の名前はモウタツだ!!」
ここで男は名前を明かし、自分はおじさんではないと言い張るが、モモのいう事も一理あった。既に彼は組織から狙われる立場であり、組織の人間もいるであろう屋敷に戻って大丈夫なのかと思われるが、その辺も考えているらしい。
「ひいっ!?」
「ちょ、どうしたんですか急に!?」
ヒイロは男の顔を見ると彼に襲い掛かろうとするが、慌ててナイが間に割って入る。ここでヒイロに男を倒させるわけにもいかず、とりあえずは彼女を落ち着かせて話を聞こうとした。
「退いて下さい!!この男は前に私を詐欺で騙したんです!!」
「詐欺?」
「へへっ……そ、その節はどうも」
「あの時はよくも騙してくれましたね!!幸運のネックレスというから買ったのに調べてみたら他の店の転売品じゃないですか!!しかも相場の3倍は高かったです!!」
「あんた、そんな事までしてたのか……」
ナイは呆れた表情で男に振り返ると、男は罰が悪そうな表情を浮かべる。だが、この男の協力がなければ屋敷へ侵入する事も出来ず、ナイはヒイロを抑えながらも話を切り出す。
「ヒイロさん、落ち着いて……まずは話を聞いて下さい」
「話!?話とはどういう意味ですか?そもそもなんで貴方がこの男と一緒に……はっ、まさかグルだったんですか!?本当は貴方も悪党の一味で私達を罠に嵌めようと!?」
「こら、落ち着きなさい。思い込みが激しいのがあんたの悪い癖ね」
「もう、喧嘩は駄目だよ~」
悪党である男を連れてきたナイに対してヒイロは妙な勘違いをしそうになるが、そんな彼女を他の二人も落ち着かせ、ナイから引き剥がす。
誤解を抱かれる前にナイはこれまでの出来事を話し、自分もミイナを救うために探していた事、そしてここまでの経緯を説明した――
「――申し訳ございません!!まさか、ナイさんまでミイナさんのためにそこまでう動いていたなんて……先ほどの無礼をお許しください!!」
「いや、そんな土下座までしなくてもいいですから……」
「でも、まさかバーリに捕まっているなんて……」
「ミ、ミイナちゃんが危ないよ……どうすればいいの?」
話を聞き終えたヒイロは自分がとんでもない勘違いをしていたと知って謝罪し、そんな彼女に対してナイは顔を上げるように促して今後の事を話し合う。
「この男の協力があれば屋敷の中に入り込む事までできます。でも、その後が問題で……」
「屋敷の中に入れたとしても、必ずどんな用件で訪れたのかを尋ねられる。用もないのに戻ってきたら怪しまれるのは俺だからな……だから、適当な理由を付けて屋敷に行くしかない」
「適当な理由?」
「例えば……そうだな、バーリの奴への貢物を持っていけば怪しまれる事もなく屋敷に入れるし、無事に帰れるだろう」
「貢物って、どんな物を持っていく気よ?」
「バーリは金よりも価値の高い芸術品を持って行けば喜ぶはずだ。だが、そんな物はここにはないよな?なら、奴の他の好きな物を持っていくしかない……分かるな?」
男の言葉にナイ達は首を傾げ、バーリの好きな物を持っていくと言われてもすぐには分からなかったが、ここでナイは思い出す。それはバーリが無類の女好きであるという事を。
「まさか……!?」
「そう、そのまさかだ。バーリが好きなのは若くて見目麗しい女だ……年齢が多少幼くても問題はない。奴の守備範囲はかなり広いからな」
「なっ!?まさか、貴方……女の子をバーリに差し出して屋敷の中に侵入しろというのですか!?」
「それ以外に方法はないんだよ。奴の気に入りそうな女を用意すれば確実に屋敷の中に入れるし、怪しまれる事もない」
「最低な作戦ね……でも、他に方法がないのね」
誰か若くて可愛い女子を連れて行けばバーリに怪しまれる事もなく、屋敷の中に入り込める。その方法が一番確実で屋敷の中にも侵入できるのだが、この作戦を行うには重要な問題があった。
屋敷に侵入するためとはいえ、誰か女の子を連れてバーリに差し出すという時点で危険が大きすぎる。差し出された女の子の身が危なくなり、もしも作戦が失敗すればその子も犠牲になってしまう。
「くっ……それなら私が囮になります!!私をバーリに差し出して下さい!!そうすれば隙を突いてバーリを拘束し、捕まっている人たちを解放させます!!」
「それは……無理だな」
「どうしてですか!?私が若くなくて可愛い女の子じゃないというんですか!?」
「いや、そういう事じゃなくてな……まあ、あんたなら年齢も外見も良いからバーリも気に入るかもしれない。だけど、あんたの顔はもう知られている可能性が高い。きっと、屋敷の中には俺と同業者もいるはずだからな……」
「なるほど……ヒイロは確かにあんたの所属する組織の連中とやりあっているといったわね。なら、ヒイロの顔を知っている人間が居てもおかしくはない」
「あれ?でも、それだとおじさんも危ないんじゃない?もうおじさんも命を狙われてるんだよね?」
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ここで男は名前を明かし、自分はおじさんではないと言い張るが、モモのいう事も一理あった。既に彼は組織から狙われる立場であり、組織の人間もいるであろう屋敷に戻って大丈夫なのかと思われるが、その辺も考えているらしい。
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