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忌み子と呼ばれた少年
第71話 技能「頑丈」「受身」「経験値増加」
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「経験値増加と……それと頑丈と受身も覚えておくかな」
敵を倒した時や経験石を破壊した時に得られる経験値を増加する「経験値増加」その他にも防御面を強化する「頑丈」と「受身」の習得を行う。
まだSPは残っているが、今の所はこの3つの技能を覚えて置く事に留めてナイは先へと進む。本来ならば技能を覚える際は慎重に選ぶ必要があり、念のためにナイはSPを残しておく。
「一先ずはこれぐらいでいいか、じゃあビャクの所にいかないと……」
滝へ向けてナイは移動を再開し、しばらく歩くと川を発見した。この川を遡れば目的地である滝へと辿り着く。だが、その前にビャクの餌を用意しようとレアは川に視線を向ける。
「魚でも持って行こうかな……よし」
ナイは川原を確認し、川の端の方に存在する岩を発見した。それを確認したナイは近くを見渡して手ごろな大きさの石を両手で持ち上げる。
「ふんっ!!」
両手で抱えるほどの大きな石を抱えた状態でナイは「剛力」を発動させ、勢いよく川の端に存在する岩に向けて叩き込む。その結果、岩の下に潜り込んでいた魚たちに衝撃が走り、水面に数匹の魚が浮かぶ。
浮き上がった魚を確認してナイは頷き、一瞬だけならば剛力を発動させても肉体に大きな負担は掛からない
(剛力は強力な技能だけど、ずっと使うと大変な事になるからな……発動する時は一瞬でいいんだ)
改めてナイは剛力の正しい使い方を見抜き、昔は考えも無しに剛力を使い続けたせいで身体が壊れかけたが、戦闘の際は剛力を発動するのは相手に攻撃を仕掛ける時だけで十分だと再認識する。
水面に浮かんだ魚を拾い上げながらナイはビャクが待っているであろう洞窟へ向かおうとした時、ここで彼は足音を耳にする。なにか大きな生き物が近付いてくる足音が聞こえ、疑問を抱いた彼は後方を振り返る。
――グゥウウウッ……!!
後方を振り返ると、そこには体長が3メートルを越える巨大な赤毛の熊が存在した。あまりにも巨大な熊にナイは硬直する。一方で巨大熊はナイを見て牙を剥き出しにして威嚇を行う。
(こ、こいつ……まさか赤毛熊!?)
巨大熊の外見を見たナイは瞬時に正体を見抜き、以前にアルから聞かされたことがある魔獣だった。赤毛熊は本来はナイ達の村が存在する山に生息する魔獣であり、村人の間では「山の主」として恐れられていた。
赤毛熊は滅多に山奥から抜け出す事はないが、その狂暴さと力強さだけはよく知られていた。ホブゴブリンやオークであろうと一撃で殺すほどの腕力、普通の熊よりも俊敏で馬であろうと逃げ切る事は出来ず、逃げようとする獲物を執念深く追い掛け回す性格、正に山の主と言っても過言ではない恐ろしい存在だった。
(どうして、こいつがここに……!?)
本来は山奥に生息するはずの赤毛熊が森にいる事にナイは戸惑い、アルの話だと赤毛熊は獲物を定めた相手を決して逃さず、どれだけ逃げても必ず追いかけてくる存在だとよく聞かされていた。
これまで遭遇したどんな魔物よりも最悪の化物が自分の前に現れた事にナイは動揺するが、赤毛熊は既にナイを標的と定めたて咆哮を放つ。
「ガアアアアアッ!!」
「うわっ!?」
赤毛熊は一瞬にして距離を詰めると、オークよりも太い腕を振りかざし、鋭い爪をナイへ向けて放つ。咄嗟にナイは横に飛んで逃げる事に成功したが、直後に彼の傍に存在した岩が破壊される。
素手で岩を破壊した赤毛熊の腕力と金属のように硬い爪の鋭さにナイは顔色を青ざめるが、赤毛熊は自分の攻撃を躱したナイを睨みつけた
「グゥウッ……!!」
「くっ……こっちへ来るな!!」
ナイは咄嗟に身に付けていた刺剣を取り出すと、赤毛熊に目掛けて放り込む。その攻撃に対して赤毛熊は腕を振り払い、器用に爪で弾き返す。
「ガアアッ!!」
「うわっ!?ち、近寄るな!!」
刺剣を弾かれたナイは慌てて身に付けている籠を放り投げるが、その籠も赤毛熊は腕を振り払うだけで粉々に砕け散る。ホブゴブリンやオークでさえも一撃で屠るほどの威力を誇る攻撃を見てナイは精神的に追い詰められていく。
(爺ちゃんの言う通りだ……こいつ、とんでもない化物だ!?)
先日に倒したホブゴブリンとは比べ物にならないほどの強敵にナイは焦り、どうするべきかを考える。今の自分では到底敵うはずがないと思いながらもナイは本当に方法はないのかと必死に頭を働かせた。
だが、考えている間にも赤毛熊は口元を開き、今度はナイに喰らいつこうと近付いてきた。その光景を見てナイは反射的に背中の旋斧を引き抜き牙を刃で受け止める。
※現代では石打漁法は禁止されています。真似しちゃ駄目ですよ!!
敵を倒した時や経験石を破壊した時に得られる経験値を増加する「経験値増加」その他にも防御面を強化する「頑丈」と「受身」の習得を行う。
まだSPは残っているが、今の所はこの3つの技能を覚えて置く事に留めてナイは先へと進む。本来ならば技能を覚える際は慎重に選ぶ必要があり、念のためにナイはSPを残しておく。
「一先ずはこれぐらいでいいか、じゃあビャクの所にいかないと……」
滝へ向けてナイは移動を再開し、しばらく歩くと川を発見した。この川を遡れば目的地である滝へと辿り着く。だが、その前にビャクの餌を用意しようとレアは川に視線を向ける。
「魚でも持って行こうかな……よし」
ナイは川原を確認し、川の端の方に存在する岩を発見した。それを確認したナイは近くを見渡して手ごろな大きさの石を両手で持ち上げる。
「ふんっ!!」
両手で抱えるほどの大きな石を抱えた状態でナイは「剛力」を発動させ、勢いよく川の端に存在する岩に向けて叩き込む。その結果、岩の下に潜り込んでいた魚たちに衝撃が走り、水面に数匹の魚が浮かぶ。
浮き上がった魚を確認してナイは頷き、一瞬だけならば剛力を発動させても肉体に大きな負担は掛からない
(剛力は強力な技能だけど、ずっと使うと大変な事になるからな……発動する時は一瞬でいいんだ)
改めてナイは剛力の正しい使い方を見抜き、昔は考えも無しに剛力を使い続けたせいで身体が壊れかけたが、戦闘の際は剛力を発動するのは相手に攻撃を仕掛ける時だけで十分だと再認識する。
水面に浮かんだ魚を拾い上げながらナイはビャクが待っているであろう洞窟へ向かおうとした時、ここで彼は足音を耳にする。なにか大きな生き物が近付いてくる足音が聞こえ、疑問を抱いた彼は後方を振り返る。
――グゥウウウッ……!!
後方を振り返ると、そこには体長が3メートルを越える巨大な赤毛の熊が存在した。あまりにも巨大な熊にナイは硬直する。一方で巨大熊はナイを見て牙を剥き出しにして威嚇を行う。
(こ、こいつ……まさか赤毛熊!?)
巨大熊の外見を見たナイは瞬時に正体を見抜き、以前にアルから聞かされたことがある魔獣だった。赤毛熊は本来はナイ達の村が存在する山に生息する魔獣であり、村人の間では「山の主」として恐れられていた。
赤毛熊は滅多に山奥から抜け出す事はないが、その狂暴さと力強さだけはよく知られていた。ホブゴブリンやオークであろうと一撃で殺すほどの腕力、普通の熊よりも俊敏で馬であろうと逃げ切る事は出来ず、逃げようとする獲物を執念深く追い掛け回す性格、正に山の主と言っても過言ではない恐ろしい存在だった。
(どうして、こいつがここに……!?)
本来は山奥に生息するはずの赤毛熊が森にいる事にナイは戸惑い、アルの話だと赤毛熊は獲物を定めた相手を決して逃さず、どれだけ逃げても必ず追いかけてくる存在だとよく聞かされていた。
これまで遭遇したどんな魔物よりも最悪の化物が自分の前に現れた事にナイは動揺するが、赤毛熊は既にナイを標的と定めたて咆哮を放つ。
「ガアアアアアッ!!」
「うわっ!?」
赤毛熊は一瞬にして距離を詰めると、オークよりも太い腕を振りかざし、鋭い爪をナイへ向けて放つ。咄嗟にナイは横に飛んで逃げる事に成功したが、直後に彼の傍に存在した岩が破壊される。
素手で岩を破壊した赤毛熊の腕力と金属のように硬い爪の鋭さにナイは顔色を青ざめるが、赤毛熊は自分の攻撃を躱したナイを睨みつけた
「グゥウッ……!!」
「くっ……こっちへ来るな!!」
ナイは咄嗟に身に付けていた刺剣を取り出すと、赤毛熊に目掛けて放り込む。その攻撃に対して赤毛熊は腕を振り払い、器用に爪で弾き返す。
「ガアアッ!!」
「うわっ!?ち、近寄るな!!」
刺剣を弾かれたナイは慌てて身に付けている籠を放り投げるが、その籠も赤毛熊は腕を振り払うだけで粉々に砕け散る。ホブゴブリンやオークでさえも一撃で屠るほどの威力を誇る攻撃を見てナイは精神的に追い詰められていく。
(爺ちゃんの言う通りだ……こいつ、とんでもない化物だ!?)
先日に倒したホブゴブリンとは比べ物にならないほどの強敵にナイは焦り、どうするべきかを考える。今の自分では到底敵うはずがないと思いながらもナイは本当に方法はないのかと必死に頭を働かせた。
だが、考えている間にも赤毛熊は口元を開き、今度はナイに喰らいつこうと近付いてきた。その光景を見てナイは反射的に背中の旋斧を引き抜き牙を刃で受け止める。
※現代では石打漁法は禁止されています。真似しちゃ駄目ですよ!!
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