70 / 1,110
忌み子と呼ばれた少年
第70話 技能「投擲」「解体」「脚力強化」「調理」
しおりを挟む
「ホブゴブリンを一撃で殺せる魔獣……そんな化物がこの森にいるのか?」
ナイはホブゴブリンの死骸に視線を向けて冷や汗が止まらず、こんな芸当はオークでも不可能だった。そうなるとオーク以上の力を持つ存在が森の中に居るのかと考えた時、ここで彼は懐に手を伸ばす。
「……またこれに頼る時が来たのかもしれない」
ナイが取り出したのは水晶の破片であり、ここ最近は魔物を倒してレベルが上がる機会も多かったため、ナイは水晶の破片を利用して現時点のステータスの確認を行う。
2年前よりもナイ自身も成長し、戦闘技術も向上したので最近は特に技能を覚える事もなかったが、嫌な予感を覚えたナイは現時点のステータスの確認を行う。
―――ナイ―――
種族:人間
状態:普通
年齢:12才
レベル:1
SP《スキルポイント》:50(使用可能)
―――異能―――
貧弱――日付が変更する事にレベルがリセットされる
―――技能―――
・迎撃――敵対する相手が攻撃を仕掛けた際、迅速な攻撃動作で反攻に転じる
・観察眼――観察能力を高め、周囲の状況を詳しく把握できる
・採取――採取の際、良質な素材が多く手に入りやすくなる
・解体――死骸から素材を剥ぎ取る技術が向上する
・調合――調合の成功率が格段に上昇する
・腕力強化――腕力が強化される
・怪力――肉体の限界近くまで力を発揮する事ができる
・剛力――限界を越えた腕力を一時期的に発揮できる
・脚力強化――脚力を強化される
・自然回復――自然回復力が高め、病気や怪我が治りやすくなる
・投擲――投擲を行う際、標的に的中させられる
・調理――調理に関する技術が向上する
――――――――――
これが現在のナイのステータスであり、この2年の間に覚えた技能の数は「投擲」「解体」「脚力強化」「調理」しか増えていない。どうしてもっと新しい技能を覚えなかったのかというと、理由としては覚える必要がなかったからである。
村に襲撃を仕掛けてきたホブゴブリンの討伐の後、ナイ自身は身体も心も強くなった。以前は魔物を見ただけで震え上がったが、ホブゴブリンを打ち破った事でナイ自身も強くなり、並の魔物に後れを取る事はなくなった。
現時点で身に付けた技能だけでも十分に魔物と戦えるので新しい技能を覚える必要はなかったが、ホブゴブリンの死骸を前にしてナイは直感で危険を感じ取り、今以上に強くなるために久々に新しい技能を覚える事にした。
(新しく習得できる技能は……あれ、また数が増えてる)
未収得の技能一覧の画面へ切り替えると、この2年の間にナイが成長したせいか新しく覚えられる技能が幾つか増えていた。
――習得可能技能一覧――
・命中――弓矢、投擲系の武具で攻撃する場合、命中率が上昇する(SP消費量:10)
・頑丈――肉体の耐久性が上昇する(SP消費量:10)
・受身――外部から受けた衝撃を緩和する(SP消費量:10)
・俊足――移動速度が上昇する(SP消費量:10)
・跳躍――跳躍力が強化される(SP消費量:10)
・隠密――気配を限りなく消し去り、存在感を薄くさせる(消費SP:10)
・気配感知――生物の気配を感知できるようになる(SP消費量:10)
・索敵――潜伏している敵の位置を捉える事ができる(SP消費量:10)
・無音歩行――足音を鳴らさずに移動する(消費SP:10)
・暗視――暗闇の中でも周囲の状況を把握できる(消費SP:10)
・経験値増加――敵を倒す、あるいは経験石を破壊した時に入手する経験値の増加(SP消費量:10)
・栽培――植物を育成する際、通常よりも成長速度が早まり、植物の持つ効果も高まる(SP消費量:10)
――――――――――――
戦闘に役立つ技能だけではなく、中には戦闘以外の面で活躍すると思われる技能もいくつか存在した。それらを確認しながらもナイは現時点のSPでどの技能を習得するべきか考える。
「SPが50となると覚えられる技能は5個か……最近は魔物を倒してばかりだからもっとあると思ってたけど」
これまでに倒してきた魔物の数を思い返し、意外にもSPの数が少ない事にナイは不思議に思う。子供の頃は割と簡単にレベルを上げてSPも蓄積する事が出来ていたのだが、最近は何故かレベルが上がりにくくなってきた。
二年前はゴブリンを1匹でも倒せば簡単にレベルが上がったのだが、今ではゴブリンを数匹倒してもレベルが1から上がらない事もあり、何故かは分からないが昔と比べてナイはレベルが上がりにくくなっていた。肉体が成長した事が原因なのか、あるいは別の要因があるのかは不明だが、ともかく昔よりもレベルは上がりにくくなっている。
それでも普通の人間と比べたらナイは「貧弱」のお陰でレベルが毎日リセットされるため、レベルが上がりやすい体質なのは間違いない。それに技能の中には経験値を増量させる技能もあるため、この際にナイは「経験値増加」の技能も覚えて置く事にした。
ナイはホブゴブリンの死骸に視線を向けて冷や汗が止まらず、こんな芸当はオークでも不可能だった。そうなるとオーク以上の力を持つ存在が森の中に居るのかと考えた時、ここで彼は懐に手を伸ばす。
「……またこれに頼る時が来たのかもしれない」
ナイが取り出したのは水晶の破片であり、ここ最近は魔物を倒してレベルが上がる機会も多かったため、ナイは水晶の破片を利用して現時点のステータスの確認を行う。
2年前よりもナイ自身も成長し、戦闘技術も向上したので最近は特に技能を覚える事もなかったが、嫌な予感を覚えたナイは現時点のステータスの確認を行う。
―――ナイ―――
種族:人間
状態:普通
年齢:12才
レベル:1
SP《スキルポイント》:50(使用可能)
―――異能―――
貧弱――日付が変更する事にレベルがリセットされる
―――技能―――
・迎撃――敵対する相手が攻撃を仕掛けた際、迅速な攻撃動作で反攻に転じる
・観察眼――観察能力を高め、周囲の状況を詳しく把握できる
・採取――採取の際、良質な素材が多く手に入りやすくなる
・解体――死骸から素材を剥ぎ取る技術が向上する
・調合――調合の成功率が格段に上昇する
・腕力強化――腕力が強化される
・怪力――肉体の限界近くまで力を発揮する事ができる
・剛力――限界を越えた腕力を一時期的に発揮できる
・脚力強化――脚力を強化される
・自然回復――自然回復力が高め、病気や怪我が治りやすくなる
・投擲――投擲を行う際、標的に的中させられる
・調理――調理に関する技術が向上する
――――――――――
これが現在のナイのステータスであり、この2年の間に覚えた技能の数は「投擲」「解体」「脚力強化」「調理」しか増えていない。どうしてもっと新しい技能を覚えなかったのかというと、理由としては覚える必要がなかったからである。
村に襲撃を仕掛けてきたホブゴブリンの討伐の後、ナイ自身は身体も心も強くなった。以前は魔物を見ただけで震え上がったが、ホブゴブリンを打ち破った事でナイ自身も強くなり、並の魔物に後れを取る事はなくなった。
現時点で身に付けた技能だけでも十分に魔物と戦えるので新しい技能を覚える必要はなかったが、ホブゴブリンの死骸を前にしてナイは直感で危険を感じ取り、今以上に強くなるために久々に新しい技能を覚える事にした。
(新しく習得できる技能は……あれ、また数が増えてる)
未収得の技能一覧の画面へ切り替えると、この2年の間にナイが成長したせいか新しく覚えられる技能が幾つか増えていた。
――習得可能技能一覧――
・命中――弓矢、投擲系の武具で攻撃する場合、命中率が上昇する(SP消費量:10)
・頑丈――肉体の耐久性が上昇する(SP消費量:10)
・受身――外部から受けた衝撃を緩和する(SP消費量:10)
・俊足――移動速度が上昇する(SP消費量:10)
・跳躍――跳躍力が強化される(SP消費量:10)
・隠密――気配を限りなく消し去り、存在感を薄くさせる(消費SP:10)
・気配感知――生物の気配を感知できるようになる(SP消費量:10)
・索敵――潜伏している敵の位置を捉える事ができる(SP消費量:10)
・無音歩行――足音を鳴らさずに移動する(消費SP:10)
・暗視――暗闇の中でも周囲の状況を把握できる(消費SP:10)
・経験値増加――敵を倒す、あるいは経験石を破壊した時に入手する経験値の増加(SP消費量:10)
・栽培――植物を育成する際、通常よりも成長速度が早まり、植物の持つ効果も高まる(SP消費量:10)
――――――――――――
戦闘に役立つ技能だけではなく、中には戦闘以外の面で活躍すると思われる技能もいくつか存在した。それらを確認しながらもナイは現時点のSPでどの技能を習得するべきか考える。
「SPが50となると覚えられる技能は5個か……最近は魔物を倒してばかりだからもっとあると思ってたけど」
これまでに倒してきた魔物の数を思い返し、意外にもSPの数が少ない事にナイは不思議に思う。子供の頃は割と簡単にレベルを上げてSPも蓄積する事が出来ていたのだが、最近は何故かレベルが上がりにくくなってきた。
二年前はゴブリンを1匹でも倒せば簡単にレベルが上がったのだが、今ではゴブリンを数匹倒してもレベルが1から上がらない事もあり、何故かは分からないが昔と比べてナイはレベルが上がりにくくなっていた。肉体が成長した事が原因なのか、あるいは別の要因があるのかは不明だが、ともかく昔よりもレベルは上がりにくくなっている。
それでも普通の人間と比べたらナイは「貧弱」のお陰でレベルが毎日リセットされるため、レベルが上がりやすい体質なのは間違いない。それに技能の中には経験値を増量させる技能もあるため、この際にナイは「経験値増加」の技能も覚えて置く事にした。
10
お気に入りに追加
72
あなたにおすすめの小説

ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!
カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!!
祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。
「よし、とりあえず叩いてみよう!!」
ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。
※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜
月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。
蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。
呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。
泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。
ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。
おっさん若返り異世界ファンタジーです。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる