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忌み子と呼ばれた少年
第49話 強化薬
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「このっ!!」
『ギィアッ!?』
自分に迫ってきたゴブリンの集団に対してナイは小壺の中身を振りまき、数匹のゴブリンに目潰しを行う。先頭を移動していたゴブリン達が立ち止まった事で後ろに続ていたゴブリン達が激突し、地面に倒れ込む。
「ギャウッ!?」
「ギィアッ!?」
「グギィッ……!?」
ナイに近付こうとしたゴブリン達が転倒する姿にホブゴブリンは驚き、一方でナイは目潰しが上手く成功した事に安堵する。この状況下においては薬草の粉末は傷の治療に使うよりも相手をかく乱させるために利用する方が正しい。
粉末を利用した目潰しは前に山に登った時にホブゴブリンを相手に利用しており、過去の経験が生かされた。ナイはゴブリン達が転んでいる間にホブゴブリンの元へ向かう。
「うおおっ!!」
「ギギィッ!?」
「ギィアッ!?」
旋斧を振り回しながらナイは転倒を免れたゴブリン達も追い払い、ホブゴブリンの元へ向かう。だが、ゴブリンの中で唯一ホブゴブリンだけは武装しており、人間から奪った装備を身に付けていた。
ナイに殺された仲間が生身であるのに対し、ゴブリンを統率するホブゴブリンは事前に人間の旅人から奪った皮鎧を身に付けていた。更に奪ったのは防具だけではなく、その背中には剣も背負っていた。
「グギィッ!!」
「うわっ!?」
背中の剣を抜いたホブゴブリンはナイが振り抜いた旋斧を弾き返し、お互いに距離を取った。ホブゴブリンが剣も隠し持っていた事にナイは驚く。
(まさか剣まで持ってるなんて……!?)
旋斧を構えたナイと剣を握りしめるホブゴブリンが向かい合い、お互いに相手の出方を伺う。その光景を見てゴブリンも村人も動く事ができず、緊迫感が漂う。
(怖い……けど、怖くない!!ここで勝つんだ!!)
恐怖心を打ち消そうとナイは気合を込めた声を上げ、旋斧を振りかざす。それに対してホブゴブリンも剣を振り抜き、お互いの刃を交わす。
「このっ!!このっ!!」
「グギッ……ギィイッ!!」
旋斧を振り回すナイに対してホブゴブリンは後退し、単純な武器の強度と重量は旋斧が分があった。ホブゴブリンが手にした長剣では旋斧をまともに受ける事はできず、徐々に押されていく。
だが、旋斧を振りかざす度にナイも腕が疲れ始めて限界が近い。腕力強化と怪力の技能を身に付けても今のナイのレベルと年齢では旋斧は身の丈に合った武器とは言えず、息切れも激しくなる。
「はあっ、はあっ……くそ、どうして……!!」
「グギギッ……!!」
疲れ始めたナイを見てホブゴブリンは笑みを浮かべ、このまま戦い続ければいずれナイの方が限界を迎えるのは目に見えていた。それならば自分が危険を犯して戦う必要ないと判断したホブゴブリンはゴブリン達に命令を出す。
「グギィッ!!グギィイイッ!!」
「ギィアッ!?」
「ギギィッ!!」
呆然と見ているゴブリン達に対してホブゴブリンは怒鳴りつける様に鳴き声を上げると、慌ててゴブリン達は起き上がり、ナイを取り囲むように移動する。この状況下でゴブリンの群れに取り囲まれたナイを見て村人たちは焦りを抱く。
「お、おい!!まずいぞ、助けに行かないと!!」
「助けるって……どうやってだ!?」
「そ、それは……」
ゴブリンに囲まれたナイを見て村人たちは動くべくか悩むが、不用意に手を出せば自分達も標的にされそうで踏み出す事ができない。その様子を見たホブゴブリンは笑みを浮かべ、ナイを助ける者はいない事に気付いた。
村人たちが怖気づいて助けにいけない事に対してはナイも酷いとは思えず、最初にナイも魔物と初めて遭遇した時はあまりの恐怖に動けなかった。村人たちが魔物と直に対峙するのは初めての経験であり、動けないのも無理はない。しかし、このままではナイは自分は殺されてしまうと考える。
(何とかしないと……そうだ、あれがあったはずだ)
ナイはドルトンから渡された「強化薬《パワーポーション》」の事を思い出す。この強化薬を飲めば一次的に肉体が強化され、普段以上の力を引き出せると聞いていた。
(これを飲めば……)
ゴブリンが襲い掛かる前にナイは懐に手を伸ばして強化薬を取り出す。彼が得体のしれない薬を取り出したのを見てホブゴブリンは嫌な予感を浮かべ、ゴブリンに襲い掛かるように指示を出す。
「グギィッ!!」
『ギギィイイッ!!』
「っ……!?」
ナイは瓶の蓋を開き、口元に含んだ瞬間にゴブリンの集団が一斉に襲い掛かり、その光景を目にしたナイは目を見開く。そして次の瞬間、ナイの身体にゴブリン達が纏わりついて地面に押し倒そうとした。
「ま、まずい!!殺されるぞ!!」
「くそ、やるしかねえっ!!」
「行くぞ、お前等……うおっ!?」
「グギィイイッ!!」
ゴブリンの群れに押し倒されたナイを見て村の大人達も流石に見ていられずに助けに向かおうとしたが、それをホブゴブリンが遮る。大人達はホブゴブリンの咆哮を聞いただけで怖気づき、動けなかった。
『ギィアッ!?』
自分に迫ってきたゴブリンの集団に対してナイは小壺の中身を振りまき、数匹のゴブリンに目潰しを行う。先頭を移動していたゴブリン達が立ち止まった事で後ろに続ていたゴブリン達が激突し、地面に倒れ込む。
「ギャウッ!?」
「ギィアッ!?」
「グギィッ……!?」
ナイに近付こうとしたゴブリン達が転倒する姿にホブゴブリンは驚き、一方でナイは目潰しが上手く成功した事に安堵する。この状況下においては薬草の粉末は傷の治療に使うよりも相手をかく乱させるために利用する方が正しい。
粉末を利用した目潰しは前に山に登った時にホブゴブリンを相手に利用しており、過去の経験が生かされた。ナイはゴブリン達が転んでいる間にホブゴブリンの元へ向かう。
「うおおっ!!」
「ギギィッ!?」
「ギィアッ!?」
旋斧を振り回しながらナイは転倒を免れたゴブリン達も追い払い、ホブゴブリンの元へ向かう。だが、ゴブリンの中で唯一ホブゴブリンだけは武装しており、人間から奪った装備を身に付けていた。
ナイに殺された仲間が生身であるのに対し、ゴブリンを統率するホブゴブリンは事前に人間の旅人から奪った皮鎧を身に付けていた。更に奪ったのは防具だけではなく、その背中には剣も背負っていた。
「グギィッ!!」
「うわっ!?」
背中の剣を抜いたホブゴブリンはナイが振り抜いた旋斧を弾き返し、お互いに距離を取った。ホブゴブリンが剣も隠し持っていた事にナイは驚く。
(まさか剣まで持ってるなんて……!?)
旋斧を構えたナイと剣を握りしめるホブゴブリンが向かい合い、お互いに相手の出方を伺う。その光景を見てゴブリンも村人も動く事ができず、緊迫感が漂う。
(怖い……けど、怖くない!!ここで勝つんだ!!)
恐怖心を打ち消そうとナイは気合を込めた声を上げ、旋斧を振りかざす。それに対してホブゴブリンも剣を振り抜き、お互いの刃を交わす。
「このっ!!このっ!!」
「グギッ……ギィイッ!!」
旋斧を振り回すナイに対してホブゴブリンは後退し、単純な武器の強度と重量は旋斧が分があった。ホブゴブリンが手にした長剣では旋斧をまともに受ける事はできず、徐々に押されていく。
だが、旋斧を振りかざす度にナイも腕が疲れ始めて限界が近い。腕力強化と怪力の技能を身に付けても今のナイのレベルと年齢では旋斧は身の丈に合った武器とは言えず、息切れも激しくなる。
「はあっ、はあっ……くそ、どうして……!!」
「グギギッ……!!」
疲れ始めたナイを見てホブゴブリンは笑みを浮かべ、このまま戦い続ければいずれナイの方が限界を迎えるのは目に見えていた。それならば自分が危険を犯して戦う必要ないと判断したホブゴブリンはゴブリン達に命令を出す。
「グギィッ!!グギィイイッ!!」
「ギィアッ!?」
「ギギィッ!!」
呆然と見ているゴブリン達に対してホブゴブリンは怒鳴りつける様に鳴き声を上げると、慌ててゴブリン達は起き上がり、ナイを取り囲むように移動する。この状況下でゴブリンの群れに取り囲まれたナイを見て村人たちは焦りを抱く。
「お、おい!!まずいぞ、助けに行かないと!!」
「助けるって……どうやってだ!?」
「そ、それは……」
ゴブリンに囲まれたナイを見て村人たちは動くべくか悩むが、不用意に手を出せば自分達も標的にされそうで踏み出す事ができない。その様子を見たホブゴブリンは笑みを浮かべ、ナイを助ける者はいない事に気付いた。
村人たちが怖気づいて助けにいけない事に対してはナイも酷いとは思えず、最初にナイも魔物と初めて遭遇した時はあまりの恐怖に動けなかった。村人たちが魔物と直に対峙するのは初めての経験であり、動けないのも無理はない。しかし、このままではナイは自分は殺されてしまうと考える。
(何とかしないと……そうだ、あれがあったはずだ)
ナイはドルトンから渡された「強化薬《パワーポーション》」の事を思い出す。この強化薬を飲めば一次的に肉体が強化され、普段以上の力を引き出せると聞いていた。
(これを飲めば……)
ゴブリンが襲い掛かる前にナイは懐に手を伸ばして強化薬を取り出す。彼が得体のしれない薬を取り出したのを見てホブゴブリンは嫌な予感を浮かべ、ゴブリンに襲い掛かるように指示を出す。
「グギィッ!!」
『ギギィイイッ!!』
「っ……!?」
ナイは瓶の蓋を開き、口元に含んだ瞬間にゴブリンの集団が一斉に襲い掛かり、その光景を目にしたナイは目を見開く。そして次の瞬間、ナイの身体にゴブリン達が纏わりついて地面に押し倒そうとした。
「ま、まずい!!殺されるぞ!!」
「くそ、やるしかねえっ!!」
「行くぞ、お前等……うおっ!?」
「グギィイイッ!!」
ゴブリンの群れに押し倒されたナイを見て村の大人達も流石に見ていられずに助けに向かおうとしたが、それをホブゴブリンが遮る。大人達はホブゴブリンの咆哮を聞いただけで怖気づき、動けなかった。
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