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王都での日常
第101話 意外な助っ人
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「退け、リンダ!!巻き添えを喰らうぞ!!」
「くぅっ!?その声は……やはりバルトですか!?」
「先輩!?」
「どうしてここに……」
学生寮の屋根に待機していたのはバルトであり、彼の登場に驚いたのはコオリ達も同様だった。バルトは杖を構えるとコオリ達と生徒会の間の地面に再び魔法を放つ。
「スラッシュ!!」
「うわっ!?」
「これは……」
「くっ、バルト!!余計な真似はしないでください!!」
風の斬撃がコオリ達と生徒会の間に割り込んだ事で再び土煙が舞い上がり、生徒会の人間だけが土煙に巻き込まれえる。一方でコオリ達の方はお互いに肩を貸して立ち上がり、その場を離れる事に成功した。
バルトに対してコオリとミイナは見上げると、彼は笑みを浮かべて親指を立てた。どうやら彼はコオリ達に協力するつもりらしく、生徒会の人間に注意を促す。
「おい、お前等!!あいつらは校門の方に向かったぞ!!」
「な、何だって!?」
「くそ、余計な真似をしやがって……」
「副会長、向かいましょう!!」
「…………」
土煙が晴れる頃にはコオリ達は建物の陰に隠れる事に成功し、二人を見失った生徒会にバルトは見当違いの方向に逃げた事を伝える。リンダ以外の生徒はバルトの言葉を信じて校門がある方角に向かおうとしたが、リンダはバルトに問い質す。
「バルト!!どうして貴方がここにいるのですか?夜間の外出は禁じられているはずです!!」
「うるせえな、別にいいだろ。そんな事より今は逃げた連中を追うのが先だろうが」
「……本当に校門に逃げたのですね?」
「ああ、さっさと行けよ!!何だったら俺の力を貸してやろうか?」
「いいえ、結構です!!貴方はここに居なさい、規則を破った罰は後できっちり受けさせます!!」
「へいへい、分かりましたよ」
バルトを置いてリンダ達は彼が示した方角に駆け出し、それを確認したコオリとミイナは安堵した。もしもバルトがいなければ二人とも捕まっていた可能性が高く、そんな二人に対してバルトは屋根の上から手を振る。
「お前等、今の内だ。さっさと行け、派手に騒いだたから学生寮の連中も起きちまうぞ」
「は、はい!!でも、先輩がどうして……」
「へへへ、お前等が何か企んでいるのは知っていたからな。だからこうして屋根に待機してたんだ」
「本当に助かった……ありがとう」
「ありがとうございます、先輩!!」
コオリ達はバルトに礼を告げると後輩たちからの言葉に彼は少しだけ照れた表情を浮かべ、他の生徒が起きてくる前に逃げるように告げた。
「さあ、さっさと行け!!お前等外に出るつもりなんだろう?」
「先輩は一緒に行かないんですか?」
「俺はここに残る。流石にちょっとやり過ぎたからな、リンダの奴にこれ以上に恨みを買ったら面倒だしな……まあ、俺の事は気にするな」
「コオリ、バルトの犠牲を無駄にしたら駄目。先に行こう」
「おいこら、勝手に人を死んだみたいに言うんじゃねえよ!?」
「先輩、恩に着ます!!必ず先輩の分の仇も討ちます!!」
「俺は死んでねえぞ!?」
バルトの助力もあって遂にコオリ達は学園の外へ抜け出すために行動を開始する。生徒会と見回りの教師に見つからぬうちに二人はその場を離れ、残されたバルトは二人を見送った――
――遂に魔法学園を取り囲む防壁の前に二人は辿り着くと、コオリは周囲を確認して誰にも見られていない事を把握し、事前に調達していた縄を取り出す。まずは大きめの氷塊を作り出し、それを縄に括り付けた状態で防壁に目掛けて移動させる。
「よし、これで壁を乗り越えられるよ」
「流石はコオリ、なら私は先に行く」
ミイナは持ち前の身体能力で防壁に向けて駆け出し、一気に跳躍すると壁を走って頂上にまで辿り着く。まるで猫のような身軽さにコオリは驚かされ、一方で自分も慌てて縄を伝って登る。
ちなみに魔法学園を取り囲む防壁は特別な素材で構成され、並の魔術師の魔法では壊れない程の魔法耐性と強度を誇る。理由としては魔法学園に通う生徒が魔法を悪用して脱走する事を阻止するため、魔法で破壊できないように頑丈な防壁を用意する必要があった。
(この壁を越えれば城下町だ……見つからないように迅速に動かないと)
既に学校内では教師と生徒会が動いているはずであり、彼等に見つかる前に脱出しなければならない。コオリは縄を登り切ると、縄を忘れずに引き上げて置く。
「ミイナ、周りには注意して」
「大丈夫、バルトのお陰で今は誰もいない」
「そう、それなら良かった……後で先輩にお礼を言わないとね」
「お土産でも買って帰る?」
「こんな時間にお土産屋さんが開いてるかな……」
遂に二人は学園に抜け出す事に成功し、城下町へと降り立つ。これまでとは違い、夜間の外出は禁止されており、もしもバレたら退学になるかもしれない。
「ううっ……校則を破っちゃった。バレたら退学になるかも」
「大丈夫、その時は私が何とかする」
「何とかってどうやって……いや、今は犯人を捜そう」
ミイナの言葉にコオリは気にかかったが、彼は今はバルルを傷つけた犯人を捜す事にした。バルルはそんな事は望んでいないかもしれないが、それでも弟子として師を傷つけた相手を許せるはずがない。
(ここから先は慎重に行動しないと……見回り中の兵士や冒険者に見つからないように気をつけよう)
屋根の上から街道を見下ろすと、頻繁に兵士達が歩き回っている姿を確認する。既に時刻は深夜を迎えているが、例の「冒険者狩り」なる存在のせいで城下町の警備は高まっていた。
子供であるコオリ達が外にうろついていれば怪しまれる事は必須であり、二人は見つからないように気をつけて行動しなければならない。もしも見つかれば大変な事態に陥り、その時は正体が気づかれる前に逃げ出さなければならない。
「何処から探す?」
「とりあえずはドルトンさんの所に行こう。もしかしたら何か情報を知っているかも……」
「分かった、それなら私が先行する」
獣人族で嗅覚も鋭いミイナが先に移動し、彼女は安全を確認してからコオリに付いてくるように促す。例の冒険者狩りのせいで夜間の兵士の見回りが強化されており、彼等にも見つからないように気を付けなければならない。
「もう少しでドルトンの家に辿り着く……でも、寝てたらどうする?」
「多分、大丈夫だよ。前に仕事で夜遅くまで起きている事が多いと言ってたから……」
二人はドルトンの店に辿り着くと、窓から光を確認した。それを見たコオリとミイナは互いの顔を見て頷き、他の人間に見つかる前に店の前に移動する。
「ドルトンさん、開けてください!!」
「しっ……声が大きい」
「あ、そうだった……」
扉を叩きながらコオリは声をかけるとミイナが注意を促し、幸いにも近くには警備兵や冒険者の姿はなかった。しかし、あまりに時間を掛けると見回りの兵士に気付かれる恐れもあり、早くドルトンが気づいて扉を開ける事を二人は祈った。
しかし、二人の祈りは虚しくいくら扉を叩いてもドルトンが現れる様子がない。最初は居留守を使っているのかと思ったが、もしかしたら部屋の中に灯りを点けた状態で眠ってしまったのかもしれない。
「ドルトンさん、もう寝ちゃったのかな……」
「仕方ない、窓から声をかけるしかない」
「そうだね……それでも駄目だったらここから離れようか」
コオリとミイナは窓から中の様子を確かめようとすると、二人は窓を覗いた途端に衝撃を受けた。部屋の中でドルトンが倒れており、彼の傍には割れた酒瓶が落ちていた。
「くぅっ!?その声は……やはりバルトですか!?」
「先輩!?」
「どうしてここに……」
学生寮の屋根に待機していたのはバルトであり、彼の登場に驚いたのはコオリ達も同様だった。バルトは杖を構えるとコオリ達と生徒会の間の地面に再び魔法を放つ。
「スラッシュ!!」
「うわっ!?」
「これは……」
「くっ、バルト!!余計な真似はしないでください!!」
風の斬撃がコオリ達と生徒会の間に割り込んだ事で再び土煙が舞い上がり、生徒会の人間だけが土煙に巻き込まれえる。一方でコオリ達の方はお互いに肩を貸して立ち上がり、その場を離れる事に成功した。
バルトに対してコオリとミイナは見上げると、彼は笑みを浮かべて親指を立てた。どうやら彼はコオリ達に協力するつもりらしく、生徒会の人間に注意を促す。
「おい、お前等!!あいつらは校門の方に向かったぞ!!」
「な、何だって!?」
「くそ、余計な真似をしやがって……」
「副会長、向かいましょう!!」
「…………」
土煙が晴れる頃にはコオリ達は建物の陰に隠れる事に成功し、二人を見失った生徒会にバルトは見当違いの方向に逃げた事を伝える。リンダ以外の生徒はバルトの言葉を信じて校門がある方角に向かおうとしたが、リンダはバルトに問い質す。
「バルト!!どうして貴方がここにいるのですか?夜間の外出は禁じられているはずです!!」
「うるせえな、別にいいだろ。そんな事より今は逃げた連中を追うのが先だろうが」
「……本当に校門に逃げたのですね?」
「ああ、さっさと行けよ!!何だったら俺の力を貸してやろうか?」
「いいえ、結構です!!貴方はここに居なさい、規則を破った罰は後できっちり受けさせます!!」
「へいへい、分かりましたよ」
バルトを置いてリンダ達は彼が示した方角に駆け出し、それを確認したコオリとミイナは安堵した。もしもバルトがいなければ二人とも捕まっていた可能性が高く、そんな二人に対してバルトは屋根の上から手を振る。
「お前等、今の内だ。さっさと行け、派手に騒いだたから学生寮の連中も起きちまうぞ」
「は、はい!!でも、先輩がどうして……」
「へへへ、お前等が何か企んでいるのは知っていたからな。だからこうして屋根に待機してたんだ」
「本当に助かった……ありがとう」
「ありがとうございます、先輩!!」
コオリ達はバルトに礼を告げると後輩たちからの言葉に彼は少しだけ照れた表情を浮かべ、他の生徒が起きてくる前に逃げるように告げた。
「さあ、さっさと行け!!お前等外に出るつもりなんだろう?」
「先輩は一緒に行かないんですか?」
「俺はここに残る。流石にちょっとやり過ぎたからな、リンダの奴にこれ以上に恨みを買ったら面倒だしな……まあ、俺の事は気にするな」
「コオリ、バルトの犠牲を無駄にしたら駄目。先に行こう」
「おいこら、勝手に人を死んだみたいに言うんじゃねえよ!?」
「先輩、恩に着ます!!必ず先輩の分の仇も討ちます!!」
「俺は死んでねえぞ!?」
バルトの助力もあって遂にコオリ達は学園の外へ抜け出すために行動を開始する。生徒会と見回りの教師に見つからぬうちに二人はその場を離れ、残されたバルトは二人を見送った――
――遂に魔法学園を取り囲む防壁の前に二人は辿り着くと、コオリは周囲を確認して誰にも見られていない事を把握し、事前に調達していた縄を取り出す。まずは大きめの氷塊を作り出し、それを縄に括り付けた状態で防壁に目掛けて移動させる。
「よし、これで壁を乗り越えられるよ」
「流石はコオリ、なら私は先に行く」
ミイナは持ち前の身体能力で防壁に向けて駆け出し、一気に跳躍すると壁を走って頂上にまで辿り着く。まるで猫のような身軽さにコオリは驚かされ、一方で自分も慌てて縄を伝って登る。
ちなみに魔法学園を取り囲む防壁は特別な素材で構成され、並の魔術師の魔法では壊れない程の魔法耐性と強度を誇る。理由としては魔法学園に通う生徒が魔法を悪用して脱走する事を阻止するため、魔法で破壊できないように頑丈な防壁を用意する必要があった。
(この壁を越えれば城下町だ……見つからないように迅速に動かないと)
既に学校内では教師と生徒会が動いているはずであり、彼等に見つかる前に脱出しなければならない。コオリは縄を登り切ると、縄を忘れずに引き上げて置く。
「ミイナ、周りには注意して」
「大丈夫、バルトのお陰で今は誰もいない」
「そう、それなら良かった……後で先輩にお礼を言わないとね」
「お土産でも買って帰る?」
「こんな時間にお土産屋さんが開いてるかな……」
遂に二人は学園に抜け出す事に成功し、城下町へと降り立つ。これまでとは違い、夜間の外出は禁止されており、もしもバレたら退学になるかもしれない。
「ううっ……校則を破っちゃった。バレたら退学になるかも」
「大丈夫、その時は私が何とかする」
「何とかってどうやって……いや、今は犯人を捜そう」
ミイナの言葉にコオリは気にかかったが、彼は今はバルルを傷つけた犯人を捜す事にした。バルルはそんな事は望んでいないかもしれないが、それでも弟子として師を傷つけた相手を許せるはずがない。
(ここから先は慎重に行動しないと……見回り中の兵士や冒険者に見つからないように気をつけよう)
屋根の上から街道を見下ろすと、頻繁に兵士達が歩き回っている姿を確認する。既に時刻は深夜を迎えているが、例の「冒険者狩り」なる存在のせいで城下町の警備は高まっていた。
子供であるコオリ達が外にうろついていれば怪しまれる事は必須であり、二人は見つからないように気をつけて行動しなければならない。もしも見つかれば大変な事態に陥り、その時は正体が気づかれる前に逃げ出さなければならない。
「何処から探す?」
「とりあえずはドルトンさんの所に行こう。もしかしたら何か情報を知っているかも……」
「分かった、それなら私が先行する」
獣人族で嗅覚も鋭いミイナが先に移動し、彼女は安全を確認してからコオリに付いてくるように促す。例の冒険者狩りのせいで夜間の兵士の見回りが強化されており、彼等にも見つからないように気を付けなければならない。
「もう少しでドルトンの家に辿り着く……でも、寝てたらどうする?」
「多分、大丈夫だよ。前に仕事で夜遅くまで起きている事が多いと言ってたから……」
二人はドルトンの店に辿り着くと、窓から光を確認した。それを見たコオリとミイナは互いの顔を見て頷き、他の人間に見つかる前に店の前に移動する。
「ドルトンさん、開けてください!!」
「しっ……声が大きい」
「あ、そうだった……」
扉を叩きながらコオリは声をかけるとミイナが注意を促し、幸いにも近くには警備兵や冒険者の姿はなかった。しかし、あまりに時間を掛けると見回りの兵士に気付かれる恐れもあり、早くドルトンが気づいて扉を開ける事を二人は祈った。
しかし、二人の祈りは虚しくいくら扉を叩いてもドルトンが現れる様子がない。最初は居留守を使っているのかと思ったが、もしかしたら部屋の中に灯りを点けた状態で眠ってしまったのかもしれない。
「ドルトンさん、もう寝ちゃったのかな……」
「仕方ない、窓から声をかけるしかない」
「そうだね……それでも駄目だったらここから離れようか」
コオリとミイナは窓から中の様子を確かめようとすると、二人は窓を覗いた途端に衝撃を受けた。部屋の中でドルトンが倒れており、彼の傍には割れた酒瓶が落ちていた。
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