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王都での日常
第93話 魔力回復
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「ガアアアッ!!」
「ひっ!?」
「バルト!?早く逃げてっ!!」
赤毛熊がバルトに迫ると、あまりの迫力に足が震えて逃げられない。それを見ていたミイナは咄嗟に屋根から飛び降りて赤毛熊の元へ向かう。
「炎爪!!」
「ガアッ……!?」
ミイナが両手に火属性の魔力で構成した爪を纏うと、赤毛熊は彼女に注意を反らす。昼間にバルルに火達磨にされたせいで赤毛熊は炎に敏感に反応し、彼女は赤毛熊の背後へ回り込む。
獣人族の身体能力を生かして彼女は赤毛熊の背中に向けて態勢を屈めた状態で突っ込む。火耐性の能力を持つ赤毛熊に直接攻撃しても大した損傷は与えられないが、それでも彼女は攻撃を仕掛けるしかなかった。
「爪斬り!!」
「ガウッ!?」
赤毛熊の足元に振り払われた炎の爪が衝突すると、赤毛熊は怯んだ。しかし、火耐性がある赤毛熊には火属性の魔法は殆ど通じず、彼女の攻撃では致命傷は与えられない。
「今のうちに逃げて!!」
「あ、ああっ……」
「グゥウッ……!!」
バルトはミイナに言われて正気を取り戻し、赤毛熊が彼女に注意を引いている隙に距離を置く。一方で赤毛熊の方はミイナの攻撃が自分には効かない事と判断すると、彼女に目掛けて容赦なく攻撃を繰り出す。
「ウガァッ!!」
「にゃんっ!!」
振り下ろされた赤毛熊の爪に対してミイナは華麗に回避を行うと、彼女はあちこち動き回って赤毛熊を翻弄した。赤毛熊はすばしっこく動くミイナを見て狙いが定まらず、その間に他の者も動く。
「ミイナ!!下がって!!」
「コオリ!?」
「ウォオオンッ!!」
「ガアッ!?」
コオリとギンの声が響くとミイナと赤毛熊は声のした方向に顔を向けると、そこにはギンとコオリの姿があった。ギンは彼を守るように立ち尽くし、その後ろでコオリは既に杖を構えていた。
彼の周囲には複数の氷弾が作り出されており、それらを同時に撃ち込んで赤毛熊の注意を自分に向けようとした。
「散弾《ショット》!!」
「ガアアッ!?」
単体の威力は大したことはないが、身体のあちこちに同時に氷弾を撃たれた赤毛熊は怯んだ。それを逃さずにコオリは新たな氷弾を作り出し、今度は氷弾同士を重ねて撃ち込む「氷連弾」を撃ち込む。
「このぉっ!!」
「グゥウウッ!?」
「い、行け!!押してるぞ!!」
「コオリ、頑張って!!」
「ウォンッ!!」
先に撃ち込んだ氷弾が消える前にコオリは同じ箇所に氷弾を撃ち込み、赤毛熊の肉体に氷弾がめり込む。それを見ていたバルトとミイナは声を上げ、ギンも応援する様に鳴き声を上げる。だが、赤毛熊は力を込めると身体にめり込んだ氷弾を振り払う。
「ガアアアアッ!!」
「うわっ!?」
「そんなっ!?」
「くそっ、化物か!?」
「グルルルッ!!」
氷塊を弾き飛ばした赤毛熊を見てコオリ達は唖然とするが、赤毛熊は鬱陶しい攻撃を仕掛けたコオリの元へ向かう。先ほどの戦闘で赤毛熊はこの場の最大の脅威は彼だと判断して近付いたが、それを邪魔したのはギンだった。
「ウォオオオンッ!!」
「ガアアアッ!!」
ギンはコオリを守るように立つと赤毛熊はそんな彼を払いのけようと腕を伸ばす。しかし、その攻撃に合わせてギンは鋭い牙を刃物の如く利用して赤毛熊の腕を斬りつける。
「ガウッ!!」
「ウガァッ!?」
赤毛熊の伸ばした腕にギンの鋭い牙が横切ると、鋼鉄以上の強度を誇るはずの赤毛熊の体毛が斬り裂かれて血飛沫が舞い上がる。初めて赤毛熊は血を流し、それを見ていたコオリ達も驚きを隠せない。
(切った!?師匠や先輩の魔法でも傷つける事ができなかったのに!?)
ギンの攻撃が通じた事にコオリは驚きを隠せず、子供とはいえ彼が伝説の魔獣と恐れられた白狼種である事を思い出す。同時に斬撃が通用したのを見てコオリは赤毛熊に弾き飛ばされたに意識を向ける。
いくつかの氷弾は魔法の効力が切れて消えてしまったが、まだ魔力が残っている氷弾は何個か残っており、それらを操作して赤毛熊の顔面に叩き込む。
「喰らえっ!!」
「ウガァアアアッ!?」
「い、いいぞ!!やっちまえっ!!」
「コオリ、あと少し!!」
「ウォオンッ!!」
予想外の攻撃を受けて赤毛熊は悲鳴を上げ、目元を抑えて動けない。追撃の好機ではあるが、流石に氷弾を作り過ぎたせいでコオリは頭痛に襲われた。
(くぅっ……限界か!?)
魔力の消費しすぎて肉体が限界を迎え、疲労困憊で動けなくなったコオリは膝を崩す。
「はあっ、はあっ……!!」
「コオリ!?」
「お、おい!!どうしたんだ!?」
「ウォンッ!?」
遂に限界を迎えたコオリは荒い息を吐きながら膝をつくと、それを見ていた他の者たちが心配した声を上げる。しかし、攻撃が中断された事で赤毛熊は目を血走らせてでコオリに迫る。
「ガァアアアアッ!!」
「ひっ!?」
「グルルルッ……!!」
「や、やばい!!おい、コオリを助けるぞ!!」
「言われなくても……!!」
赤毛熊は全身から血を流しながらも自分を攻撃したコオリに迫り、それを見ていたバルトとミイナも彼を救うために動こうとした。ギンはコオリの前に立って彼を庇おうとするが、それに対して赤毛熊は先にギンを振り払う。
「ウガァッ!!」
「ウォンッ!?」
ギンは赤毛熊の振り翳した爪に反射的に跳躍して攻撃を避けてしまった。しかし、空中では足場がないために逃げる事はできず、赤毛熊は空中に浮かんだギンに頭突きを喰らわせて叩き落す。
「ガアアアアッ!!」
「ギャインッ!?」
「ギン!?」
ギンは赤毛熊の攻撃を受けて地面に叩き付けられ、あまりの怪力に地面にめり込んでしまう。まだ生きてはいると思われるが気を失ったのか動かない。厄介なギンを排除した赤毛熊は身体をふらつかせながらもコオリへ迫る。
「グゥウウッ……!!」
「このっ……よくもギンを!!」
「駄目!!コオリ、落ち着いて!!」
「ちくしょう、いい加減にくたばれよ!?」
「化物がっ……!!」
自分を庇ったギンが攻撃されるのを見てコオリは激高し、赤毛熊へ向かおうとしたがそれを止めたのはミイナだった。一方でバルトの方は赤毛熊に対して杖を構えて攻撃の準備を行う。
ここまでの戦闘で赤毛熊も損傷と疲労が大きく、最初の頃と比べて威圧感もなくなっていた。戦いに慣れてきた事もあってかバルトは今度こそ赤毛熊に攻撃を当てるために魔法を放つ。
「スラッシュ!!」
「ギャウッ!?」
初めて彼の魔法が赤毛熊の背中に的中し、三日月状の風の斬撃を受けた事で赤毛熊は倒れ込む。しかし、赤毛熊は四つん這いの状態で起き上がると、血走った目でコオリ達を睨みつけた。
「グゥウウウッ……!!」
「こ、こいつ……まだ動けるの!?」
「本当に化物……」
「くそがっ……それなら倒れるまでやってやる!!」
バルトは追撃を加えようと杖を構えた時、それに気づいた赤毛熊は咄嗟に後ろ足を繰り出して地面の土砂を放つ。バルトは土砂を浴びてしまい、視界が封じられる。
「ガウッ!?」
「ぐああっ!?」
「先輩!?」
「目潰し!?そんな知能まで……」
土砂を利用して赤毛熊がバルトに目潰しを仕掛けた事にミイナは驚き、一方でこの場で魔法をまともに扱えたバルトが視界を封じられた事で戦えるのはコオリとミイナだけとなった。
コオリの残された魔力で次の攻撃が限界であり、一か八か「氷硬弾」で赤毛熊の急所を打ち抜くしかなかった。それ以外に勝ち目はなく、コオリは少しでも魔力を回復させるために目を閉じた。
(学園長との修行を思い出すんだ……心を落ち着かせろ)
マリアに教わった精神鍛錬は毎日行い、魔力の回復速度を上げる事で杖に魔力を蓄積させる。そして十分に魔力が集まったと判断するとミイナに注意した。
「ミイナ、下がってて!!」
「コオリ!?」
「ガアアアアッ!!」
自分を守るように立っていたミイナを押し退けてコオリは三又の杖を繰り出すと、赤毛熊はそんな彼に目掛けて突っ込む。傷を負いながらも最後の力を振り絞って自分を仕留めようとする赤毛熊に対し、コオリも最後の魔力を振り絞って攻撃を放つ。
「ひっ!?」
「バルト!?早く逃げてっ!!」
赤毛熊がバルトに迫ると、あまりの迫力に足が震えて逃げられない。それを見ていたミイナは咄嗟に屋根から飛び降りて赤毛熊の元へ向かう。
「炎爪!!」
「ガアッ……!?」
ミイナが両手に火属性の魔力で構成した爪を纏うと、赤毛熊は彼女に注意を反らす。昼間にバルルに火達磨にされたせいで赤毛熊は炎に敏感に反応し、彼女は赤毛熊の背後へ回り込む。
獣人族の身体能力を生かして彼女は赤毛熊の背中に向けて態勢を屈めた状態で突っ込む。火耐性の能力を持つ赤毛熊に直接攻撃しても大した損傷は与えられないが、それでも彼女は攻撃を仕掛けるしかなかった。
「爪斬り!!」
「ガウッ!?」
赤毛熊の足元に振り払われた炎の爪が衝突すると、赤毛熊は怯んだ。しかし、火耐性がある赤毛熊には火属性の魔法は殆ど通じず、彼女の攻撃では致命傷は与えられない。
「今のうちに逃げて!!」
「あ、ああっ……」
「グゥウッ……!!」
バルトはミイナに言われて正気を取り戻し、赤毛熊が彼女に注意を引いている隙に距離を置く。一方で赤毛熊の方はミイナの攻撃が自分には効かない事と判断すると、彼女に目掛けて容赦なく攻撃を繰り出す。
「ウガァッ!!」
「にゃんっ!!」
振り下ろされた赤毛熊の爪に対してミイナは華麗に回避を行うと、彼女はあちこち動き回って赤毛熊を翻弄した。赤毛熊はすばしっこく動くミイナを見て狙いが定まらず、その間に他の者も動く。
「ミイナ!!下がって!!」
「コオリ!?」
「ウォオオンッ!!」
「ガアッ!?」
コオリとギンの声が響くとミイナと赤毛熊は声のした方向に顔を向けると、そこにはギンとコオリの姿があった。ギンは彼を守るように立ち尽くし、その後ろでコオリは既に杖を構えていた。
彼の周囲には複数の氷弾が作り出されており、それらを同時に撃ち込んで赤毛熊の注意を自分に向けようとした。
「散弾《ショット》!!」
「ガアアッ!?」
単体の威力は大したことはないが、身体のあちこちに同時に氷弾を撃たれた赤毛熊は怯んだ。それを逃さずにコオリは新たな氷弾を作り出し、今度は氷弾同士を重ねて撃ち込む「氷連弾」を撃ち込む。
「このぉっ!!」
「グゥウウッ!?」
「い、行け!!押してるぞ!!」
「コオリ、頑張って!!」
「ウォンッ!!」
先に撃ち込んだ氷弾が消える前にコオリは同じ箇所に氷弾を撃ち込み、赤毛熊の肉体に氷弾がめり込む。それを見ていたバルトとミイナは声を上げ、ギンも応援する様に鳴き声を上げる。だが、赤毛熊は力を込めると身体にめり込んだ氷弾を振り払う。
「ガアアアアッ!!」
「うわっ!?」
「そんなっ!?」
「くそっ、化物か!?」
「グルルルッ!!」
氷塊を弾き飛ばした赤毛熊を見てコオリ達は唖然とするが、赤毛熊は鬱陶しい攻撃を仕掛けたコオリの元へ向かう。先ほどの戦闘で赤毛熊はこの場の最大の脅威は彼だと判断して近付いたが、それを邪魔したのはギンだった。
「ウォオオオンッ!!」
「ガアアアッ!!」
ギンはコオリを守るように立つと赤毛熊はそんな彼を払いのけようと腕を伸ばす。しかし、その攻撃に合わせてギンは鋭い牙を刃物の如く利用して赤毛熊の腕を斬りつける。
「ガウッ!!」
「ウガァッ!?」
赤毛熊の伸ばした腕にギンの鋭い牙が横切ると、鋼鉄以上の強度を誇るはずの赤毛熊の体毛が斬り裂かれて血飛沫が舞い上がる。初めて赤毛熊は血を流し、それを見ていたコオリ達も驚きを隠せない。
(切った!?師匠や先輩の魔法でも傷つける事ができなかったのに!?)
ギンの攻撃が通じた事にコオリは驚きを隠せず、子供とはいえ彼が伝説の魔獣と恐れられた白狼種である事を思い出す。同時に斬撃が通用したのを見てコオリは赤毛熊に弾き飛ばされたに意識を向ける。
いくつかの氷弾は魔法の効力が切れて消えてしまったが、まだ魔力が残っている氷弾は何個か残っており、それらを操作して赤毛熊の顔面に叩き込む。
「喰らえっ!!」
「ウガァアアアッ!?」
「い、いいぞ!!やっちまえっ!!」
「コオリ、あと少し!!」
「ウォオンッ!!」
予想外の攻撃を受けて赤毛熊は悲鳴を上げ、目元を抑えて動けない。追撃の好機ではあるが、流石に氷弾を作り過ぎたせいでコオリは頭痛に襲われた。
(くぅっ……限界か!?)
魔力の消費しすぎて肉体が限界を迎え、疲労困憊で動けなくなったコオリは膝を崩す。
「はあっ、はあっ……!!」
「コオリ!?」
「お、おい!!どうしたんだ!?」
「ウォンッ!?」
遂に限界を迎えたコオリは荒い息を吐きながら膝をつくと、それを見ていた他の者たちが心配した声を上げる。しかし、攻撃が中断された事で赤毛熊は目を血走らせてでコオリに迫る。
「ガァアアアアッ!!」
「ひっ!?」
「グルルルッ……!!」
「や、やばい!!おい、コオリを助けるぞ!!」
「言われなくても……!!」
赤毛熊は全身から血を流しながらも自分を攻撃したコオリに迫り、それを見ていたバルトとミイナも彼を救うために動こうとした。ギンはコオリの前に立って彼を庇おうとするが、それに対して赤毛熊は先にギンを振り払う。
「ウガァッ!!」
「ウォンッ!?」
ギンは赤毛熊の振り翳した爪に反射的に跳躍して攻撃を避けてしまった。しかし、空中では足場がないために逃げる事はできず、赤毛熊は空中に浮かんだギンに頭突きを喰らわせて叩き落す。
「ガアアアアッ!!」
「ギャインッ!?」
「ギン!?」
ギンは赤毛熊の攻撃を受けて地面に叩き付けられ、あまりの怪力に地面にめり込んでしまう。まだ生きてはいると思われるが気を失ったのか動かない。厄介なギンを排除した赤毛熊は身体をふらつかせながらもコオリへ迫る。
「グゥウウッ……!!」
「このっ……よくもギンを!!」
「駄目!!コオリ、落ち着いて!!」
「ちくしょう、いい加減にくたばれよ!?」
「化物がっ……!!」
自分を庇ったギンが攻撃されるのを見てコオリは激高し、赤毛熊へ向かおうとしたがそれを止めたのはミイナだった。一方でバルトの方は赤毛熊に対して杖を構えて攻撃の準備を行う。
ここまでの戦闘で赤毛熊も損傷と疲労が大きく、最初の頃と比べて威圧感もなくなっていた。戦いに慣れてきた事もあってかバルトは今度こそ赤毛熊に攻撃を当てるために魔法を放つ。
「スラッシュ!!」
「ギャウッ!?」
初めて彼の魔法が赤毛熊の背中に的中し、三日月状の風の斬撃を受けた事で赤毛熊は倒れ込む。しかし、赤毛熊は四つん這いの状態で起き上がると、血走った目でコオリ達を睨みつけた。
「グゥウウウッ……!!」
「こ、こいつ……まだ動けるの!?」
「本当に化物……」
「くそがっ……それなら倒れるまでやってやる!!」
バルトは追撃を加えようと杖を構えた時、それに気づいた赤毛熊は咄嗟に後ろ足を繰り出して地面の土砂を放つ。バルトは土砂を浴びてしまい、視界が封じられる。
「ガウッ!?」
「ぐああっ!?」
「先輩!?」
「目潰し!?そんな知能まで……」
土砂を利用して赤毛熊がバルトに目潰しを仕掛けた事にミイナは驚き、一方でこの場で魔法をまともに扱えたバルトが視界を封じられた事で戦えるのはコオリとミイナだけとなった。
コオリの残された魔力で次の攻撃が限界であり、一か八か「氷硬弾」で赤毛熊の急所を打ち抜くしかなかった。それ以外に勝ち目はなく、コオリは少しでも魔力を回復させるために目を閉じた。
(学園長との修行を思い出すんだ……心を落ち着かせろ)
マリアに教わった精神鍛錬は毎日行い、魔力の回復速度を上げる事で杖に魔力を蓄積させる。そして十分に魔力が集まったと判断するとミイナに注意した。
「ミイナ、下がってて!!」
「コオリ!?」
「ガアアアアッ!!」
自分を守るように立っていたミイナを押し退けてコオリは三又の杖を繰り出すと、赤毛熊はそんな彼に目掛けて突っ込む。傷を負いながらも最後の力を振り絞って自分を仕留めようとする赤毛熊に対し、コオリも最後の魔力を振り絞って攻撃を放つ。
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