氷弾の魔術師

カタナヅキ

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王都での日常

第86話 白狼種の子供

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「確かここに……あった!!」
「クゥ~ンッ?」


馬車に戻ったコオリは魔物の素材の中から生肉を発見する。どうやらバルルが保管し忘れていた代物らしく、彼は生肉を白狼種の子供に差し出す。


「えっと、食べてもいいよ」
「スンスンッ……」


コオリから差しだされた生肉に白狼種の子供は鼻を近づけ、臭いを確認すると少し警戒した様子で口にする。しばらくの間は肉を咀嚼すると、安全だと判断したのか凄い勢いで肉を喰らう。

狼が肉を食べている姿を見てコオリは孤児院で飼っていた犬の事を思い出す。その犬はコオリが川に溺れた時に助けてくれた事もあったが、彼が適性の儀式を受ける少し前に寿命で亡くなった。


(こうしてみてるとウルを思い出すな……)


ウルと名付けた自分の愛犬の事を思い出しながらコオリは白狼種の子供を見下ろし、食べ終わるまで待つ事にした。冷静に考えればいくら子供とはいえ、魔獣を相手に餌をやるのは危険な行為なのだが、何となくだがコオリは白狼種の子供から敵意は感じられなかった。


「お前、ここに住んでいるのか?」
「クゥ~ンッ……」


白狼種の子供が食べ終わるとコオリは声をかけたが、子供は首を傾げてコオリを見つめる。その様子を見てコオリはどうするべきか悩み、もしもバルル達に白狼種の子供の事を話したら面倒な事になりそうだと思う。


(師匠は常々魔物には警戒しろと言ってたしな……もしも報告したら怒られるだけじゃ済まないかも……)


元冒険者であるバルルは魔物に対して過敏に反応し、彼女が白狼種の子供の事を知れば始末するように命じる可能性もあった。普段の彼女は口は悪いが優しい性格だが、魔物相手となると決して容赦はしない。

猟師せあるアルルに至っては伝説の魔獣である白狼種を追ってこの山に暮らしているため、白狼種の子供を彼の前に見せるのは危険過ぎた。下手をしたら自らの手で殺そうとするかもしれず、コオリは白狼種の子供に告げた。


「ここはお前のいるべき場所じゃないから、今日の所は帰りなよ……といってもこの雨だと厳しいか」
「クゥ~ンッ……」


降りしきる雨の中で白狼種の子供を追い出す事に罪悪感を抱いたコオリは、馬車の中で一晩だけ過ごす事を許す。


「仕方ない、雨が止むまでここにいてもいいよ。けど、荷物を漁ったりしたら許さないからな」
「ウォンッ」
「……本当に言葉が通じてるみたいだな」


コオリの言葉に返事をするように白狼種の子供は鳴き声を上げ、コオリはそんな彼を見て不思議に思う。その後はコオリは白狼種の子供を残して自分の部屋へと戻り、少し心配だったが眠りにつく――





――コオリは目を覚ますと窓の外を確認すると、雨が上がっている事に気付いた。彼は急いで馬車に向かうと、既に白狼種の子供の姿はなかった。特に馬車の内部が荒らされている様子もないため、コオリが命じた通りに大人しく一晩過ごしたらしい。


「……夢、だったのかな?」


馬車の中を覗いたコオリは昨夜の出来事が全て自分の夢であり、そもそも絶滅したはずの白狼種の子供が現れた事自体が現実味がない。そう考えれば辻褄が合い、コオリは安堵した。


「そっか、夢に決まってるよね」
「……夢って?」
「わあっ!?びっくりした!!」


急に後ろから声を掛けられたコオリは驚いて振り返ると、そこには寝ぼけ眼のミイナが立っていた。ミイナは枕を抱きしめており、どうやら寝ぼけている様子だった。彼女がいきなり現れた事にコオリは驚いたが、一方でミイナの方は不思議そうに鼻を鳴らす。


「すんすんっ……」
「ちょっ……どうしたの?」
「……コオリの身体から少しだけ嗅いだことのない匂いがする」
「えっ!?」
「多分、狼の臭い……魔獣でも狩って来たの?」
「いや、それは……」


獣人族のミイナは嗅覚にも優れ、ほんの僅かではあるがコオリから臭いを嗅ぎ取った。その彼女の言葉にコオリは昨日の出来事が夢ではなかったと悟る――





――同時刻、白狼山の麓に白狼種の子供が歩いていた。白狼種の子供は山頂の方を振り返り、大きな鳴き声を上げた。


「ウォオオオンッ――!!」


子供とはいえ、その鳴き声を聞いた白狼山の野生の動物達は震え上がった――





――その頃、赤毛熊との戦闘で片目に傷を負ったリオンは数日後、高熱を出して倒れてしまった。


「リオン様!!しっかりしてください!!」
「ぐうっ……耳元で騒ぐな」
「も、申し訳ございません!!」


横たわるリオンをジイは心配した様子で見つめ、彼はリオンの額に触れると熱がまた上がっている事に気付く。このままではリオンの命が危うく、どうにかしなければならないと思った彼は騎士達に怒鳴りつける。


「ええい、まだ薬師は連れてこれんのか!?」
「も、申し訳ございません!!間もなく到着するはずなのですが……」
「だから騒ぐな……お前の声が頭に響いて休む事もできん」
「す、すいません……」


怒りのあまりに喚き散らすジイにリオンは注意すると、彼等の元に遂に待ちに待った人物が到着した。


「お待たせしました!!薬師殿をお連れしました!!」
「おお、やっと来たか!!」
「……早く通せ」


案内役の騎士が「薬師」と呼ばれる人物を連れてくると、すぐに部屋の中に白いローブで身を包んだが現れた。その女性を見た途端、ジイは呆気に取られた。


「ま、待て……誰だその娘は?いつもの薬師はどうした!?」
「そ、それが……」
「どうも初めまして、私の名前はイリアです。いつも師がお世話になっています」
「師だと!?という事はお主は薬師殿の弟子か!?」


ジイは現れた少女に驚愕の表情を浮かべ、リオンも彼女を見て疑問を抱く。いつもは彼が病気や怪我をした時は老齢の男性の薬師が訪れて治療するのだが、今回はいつもの薬師ではなく、その弟子を名乗る少女が現れる。

少女の年齢はリオンとそれほど変わらず、恐らくは彼と同い年ぐらいだろうと思われた。少女は驚いた表情のまま固まるジイの横を通り過ぎ、横たわっているリオンの容体を伺う。


「なるほど、これは思っていた以上に酷い状態ですね」
「ま、待て!!小娘、これはどういうことだ!?いつもの薬師殿はどうした!?」
「三日ほど前にお亡くなりになりました。だから弟子の私が代わりに仕事を引き受けます」
「亡くなった!?な、何故!?」


さらりと自分の師が無くなった事を語るイリアと名乗る少女にジイは驚愕するが、彼女はリオンの片目の傷を確認しながら説明する。


「医者の不摂生ですよ。あの人、お酒が大好きだったでしょう?それで酒を飲み過ぎて身体を壊してずっと寝たきりだったんですけど、遂にぽっくり逝ってしまいました」
「ぽっくり!?」
「貴様……その年齢で師の代わりに仕事ができるのか?」
「もうあの人から学べる事は全部学びましたから、あの人にできて私にできない事なんてありませんよ」


説明を行いながらもイリアはリオンの目元を確認し、赤毛熊に傷つけられた傷跡を確認して薬を取り出す。彼女が取り出したのは緑色の泥のような物が入った瓶を取り出し、それを傷跡に塗り込む。


「鼻を抑えてください、かなり臭いますからね」
「うっ!?」
「き、貴様!!リオン様になんて失礼な真似を……!!」
「いいから黙っててください!!このままだと死んじゃいますよ!?」
「うっ!?」


イリアの言葉にジイは彼女に伸ばした腕を止め、その間にイリアは飲み薬を取り出してリオンの口元に運ぶ。こちらもかなりきつい臭いがしたが、リオンは我慢して飲み込む。


「全部飲んでください」
「うぐっ……何だ、これは?」
「私が調合した解熱剤です。ほら、身体も楽になってきたでしょう?」
「……ああ」


薬を飲んだ途端にリオンの身体の熱が下がり、一気に身体が楽になった。イリアはその後も包帯を取り出して彼の片目を塞ぎ、その後も様々な薬を飲ませる――





――翌日、リオンは体調を復帰すると片目を塞いでいた包帯を外す。すると彼が赤毛熊から受けた傷跡が完全に消えてしまい、元通りの状態に戻っていた。それを見た騎士達は驚き、リオン自身も傷跡が消えたのを見て驚く。


「傷が消えた……これもお前の薬のお陰か?」
「そうですよ。そもそも体調を崩したのはあの傷跡のせいです」
「どういう事だ?」
「怪我を受けた後にちゃんと適切な治療をしなかったんでしょう?そのせいで熱を出してぶっ倒れたんですよ。赤毛熊の爪には毒に近い成分がありますから、それが体内に入ったせいで体調を崩したんです」
「……そうだったのか」


赤毛熊の爪に毒がある事をリオンは初めて知り、もしもイリアが治療していなければ彼は今頃死んでいたかもしれない。リオンはイリアに感謝すると、彼女は早々に立ち去る。


「なら私はここで失礼します。あ、ちゃんと報酬の方は期日までに振り込んでおいてください」
「……助けてくれた事には感謝する。だが、その口調は何とかならないのか」
「命の恩人なんだから大目に見てください。それじゃあ、また怪我をしたら呼んでください」
「変わった女だ……」


イリアをリオンは見送ると、彼は傷跡が完全に消えた片目に手を伸ばし、立ち去っていくイリアに笑みを浮かべた――






――白狼種の子供と遭遇した件はコオリは他の者に話すと、その話を聞いたアルルは非常に驚いた。彼は伝説の魔獣である白狼種を狩るためにこの白狼山に住み着いたらしいが、何十年もここで暮らしていたが白狼種に会った事はないという。


「……本当に白狼種の子供がここへ来たのか?」
「寝ぼけて夢でも見てたんじゃないのかい?」
「でも、コオリから狼の臭いがした」
「狼ね……けど、白狼種はもう百年前に絶滅したんだよ?」
「でも、本当に見たんです」


白狼種は百年前に絶滅したと国に仕える魔物の専門家が発表したが、コオリは昨日の出来事は夢ではないと思った。話を聞かされた者達は半信半疑といった表情を浮かべるが、アルルは複雑そうな表情を浮かべる。


「もしも本当に坊主が見たのが白狼種だとしたら……」
「爺さんの目標が生きていたという事になるね。猟師の血が騒ぐかい?」
「ああ、そうだな……だが、俺はどんな獲物だろうと子供は殺さねえと決めてるんだ」


猟師としてアルルはこれまでに様々な動物や魔獣を狩ってきたが、彼の信条は獲物であっても子供は殺さないと決めていた。親だけではなく子供まで殺してしまうと生態系に乱れが生じてしまうため、彼は絶対に子供を殺さないと決めていた。

白狼種が生きていたとなればアルルは夢を叶える好機だが、コオリが発見した白狼種は小さな子供であるのならば彼の信念に則って殺す事はできない。しかし、夢にまで見た白狼種が今の時代も生きていた事にアルルは嬉しく思う。


「坊主の話が本当なら白狼種は生きていたという事になる……しかも、会ったのが子供という事は親もいるという事だ」
「良かったね、というべきかね……爺さん、どうするつもりだい?」
「とりあえずは山を調べてくる。その間、お前達はここにいろ。ついでに今日の獲物を狩ってきてやる」
「あ、あの……僕も一緒に付いて行っていいですか?」
「ん?お前さんもか?言っておくが遊びじゃないぞ」
「あんまりうちの弟子を舐めるんじゃないよ。課外授業の一環でよく外に出ているからね。森も山も何度も言った事があるよ」


山の様子を調べてくると言い出したアルルにコオリは咄嗟に同行を申し出る。彼としてはアルルが白狼種の子供を殺すつもりはないと聞いて安心したが、その親が生きているとしたら彼の標的となりえる。

白狼種の子供と出会ったのは昨日の晩だけだが、できればコオリとしては仲良くなった白狼種の子供を悲しませるような事態は避けたい。もしもアルルが白狼種の親を発見して殺してしまえば残された子供はどれほど辛い目に遭うのか考えるだけで心が苦しい。


(やっぱり言わなかったほうが良かったかも……でも、相手が伝説の魔獣なら簡単に殺される事はないかもしれな。むしろアルルさんの方が危ないかも)


どうしても白狼種の子供が気になったコオリはアルルに同行を申し出ると、バルルの助言もあって彼は仕方がないという風に自分に付いてくる事を許可した。


「しょうがねえな、それなら一緒に付いてこい。但し、あしでまといになるようならすぐに家に帰すからな」
「それならあたしも付いて行ってやるよ」
「当然、私も」
「うえっ……それだと俺も行かないと駄目だろ。一人で残って何をしろってんだよ」
「皆……ありがとうございます」


コオリが行くのならば他の三人も同行する事を決め、アルルは面倒そうな表情を浮かべながらも皆を連れて山の見回りへ向かう――





――白狼山は岩山ではあるが意外と動物を見かける、理由はこの場所には魔物が寄り付かない事が原因である。動物達は魔物を恐れるため、魔物が近付かない場所を好んで住処を形成する。

アルルは岩山だけではなく、岩山の近辺に移動して獲物を狩る事も多い。時には魔獣を狩る事もあるらしく、彼によればこれまで討伐した獲物の中で一番の大物は赤毛熊という魔物らしい。


「お前さん達は赤毛熊を知っているか?」
「赤毛熊、ですか」
「ああ、何度かぶっ倒した事があるね。だけど、タイマンでやるにはちょっときつい相手だったね」
「赤毛熊は火耐性持ちだからな」
「それなら私と相性が悪そう。もしも見つけたら先輩が囮になって」
「嫌に決まってんだろ!?」


冒険者時代にバルルは赤毛熊を何度か討伐した事があるが、赤毛熊は火属性の魔法に耐性を持つらしく、彼女としてはもう二度と遭遇したくない程の厄介な相手だと語る。


「赤毛熊はオークやボアを捕食する程の危険な魔獣だからね、それに熱に強い耐性があるから火属性の魔法は殆ど通じないし、並の武器じゃ傷一つ付ける事もできない」
「そんなに強いんですか?」
「今のあたしでも油断したらどうしようもないね……まあ、この辺には住んでないから安心しな」
「いや、それがな……実を言えば最近、熊がこの山に住み着いたかもしれん」
「熊?ここに熊なんていないと言ってたじゃないかい」


アルルの発言にバルルは驚き、昔に彼女はアルルから白狼山には熊は生息していないという話を聞いていた。しかし、彼によると最近熊らしき動物が山の中に入り込んだ形跡が見つかったという。
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