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王都での日常
第85話 日課
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――アルルの家に招かれたコオリ達は数日の間は彼の世話になる事になり、今日はアルルの狩った猪で鍋を作る。この時に意外な事にバルルが料理を手伝い、彼女は手慣れた手つきで調理を行う。
「ほら、できあがったよ!!」
「おおっ!!美味そうじゃないか!!」
「本当に美味しそう……バルルが料理できたのが意外」
「失礼な奴だね、こう見えてもあたしは宿屋の女将だよ!!料理ぐらいできるに決まってるだろ!!」
「宿屋?女将?先生じゃなかったのか?」
「あ、そういえばそうだった……すっかり忘れていた」
最近は教師として働きっぱなしだったので忘れがちだが、バルルは元々は王都の宿屋の主人を勤めている。現在は宿屋は従業員に任せているが、元々は宿屋の主人として時には料理を行っていたという。
彼女の料理は絶品で皆が夢中に鍋を喰らい、王都では滅多に食べれない猪の肉を味わう。コオリは肉に嚙り付きながらも外に視線を向け、雨が降り注いでいる事を知る。
「あ、雨が降ってきたみたいですね」
「ああ、この時期はよく降るんだ。多分、朝まで降り続けるだろうな」
「雨か……あんまり私は好きじゃないね」
「どうして?」
「冒険者時代にちょっとね……雨が降ると野宿の時が一番面倒なんだよ」
バルルは雨が嫌いらしく、彼女がまだ冒険者時代の頃はよく旅をしていたが、雨が降る度に色々と面倒な作業をさせられて嫌いになったという。野宿の時は身体が濡れないように雨宿りできる場所を探したり、どうしても見つからないときは道具を利用して自分で雨が濡れないように工夫した。
雨が降っている中での行動は非常に危険であり、服に水が染み込んで重くなれば体力も消耗し、また身体の熱が下がって病気になる可能性もある。しかも大雨の場合は川が氾濫する危険性もあるため、夜営の際は川から離れた場所で眠らなければならない。
「冒険者の時は雨のせいで色々と大変だったんだよ。一回だけ雨のせいで帰還が遅れて指定された依頼の報告期間に間に合わずに失敗扱いされた事もあったね……」
「く、苦労したんですね」
「冒険者はそんな大変なのか……ちょっと興味があったんだけどな」
「冒険者に憧れるのは止めときな。あたしの場合は生きるために仕方なくなったけど、冒険者というのはあんた達が思う程華やかな職業じゃないんだよ」
「こらこら、あんまり子供の夢を壊すようなことを言うなよ」
「現実の厳しさを教えるのも大人の役目さ」
バルルは自分が冒険者時代にどれだけ苦労していたのかを語り、その話を聞いていたアルルは苦笑いを浮かべる。世間一般の冒険者という職業は危険な魔物から人々を救う頼りになる存在として認知されているが、実際は魔物退治以外の仕事の方が多い。
冒険者の仕事は魔物退治の他に雑用を頼まれる事も多く、この点が傭兵とは大きく違う。傭兵の場合は雇われれば戦場に赴き、時には護衛の仕事を行う。しかし、雑用などを任される事はないが、冒険者の場合は傭兵と違って様々な仕事を引き受ける。
仕事の大半が魔物退治の依頼なのは事実だが、他にも商人や貴族の護衛、荷物の運搬や雑用に至るまで様々な仕事を行う。バルルも冒険者になったばかりの頃は色々な事をさせられたらしく、その中には料理に関する仕事もあったという。
「あたしが料理をするようになったのも人手が足りなくて料理を手伝ってほしいという仕事を引き受けていたからだね」
「えっ!?そんな仕事までさせられるのか?」
「まあ、最初の内は野菜の皮むき程度の仕事しか与えられなかったけどね。だんだんと慣れてくると火を使った調理もさせられるようになったし、いつの間にか料理もできるようになっていたわけさ」
「ほ、本当に色々とな仕事をするんですね」
「魔物を退治するより、一日中料理していた時の方が報酬が高かった時は泣けたね……」
バルルが料理を覚えた理由も冒険者として仕事をしてきた結果らしく、流石に今の時代ではわざわざ冒険者に料理を手伝わせるような仕事はなくなったが、主に「何でも屋」のように冒険者は様々な仕事を任せられる職業らしい。
(何だか絵本の中の冒険者とは違うんだな……)
コオリが幼少期に読んでいた絵本の中には冒険者を題材にした絵本も数多かったが、絵本の主人公たちは華麗に魔物を倒すだけでバルルのように雑用仕事などは行わない。絵本を製作する時に実際の冒険者の仕事内容を記したらきっと売れないと判断したのだろう。
バルルの冒険者時代の苦労話を聞かされた三人は彼女に同情する一方、滅多に聞く事ができない冒険者の仕事内容を知れて楽しめた。夜も更けてきたので三人はそれぞれの部屋で休む事になった――
――自分の貸し与えられた部屋に入るとコオリは寝る前に杖を取り出し、いつもの日課を行う。彼は眠る前に魔法の修行を行い、今回はどれだけ多くの魔法を発現できるのかを試す。
「ふうっ……流石にこれ以上はきついか」
部屋の中に無数の氷塊が漂い、額に汗を流しながらもコオリは杖を握りしめていた。三又の杖はアルルに渡したので現在の彼は予備の小杖しか持っていない。アルルの話だと明日には返すそうだが、それまでは小杖でしか魔法を扱えない。
作り出した氷塊を操作しながらもコオリは窓に視線を向け、降りしきる雨を観察する。バルルは雨が嫌いと言ったがコオリはむしろ雨は好きだった。雨が降っている時は孤児院の中でいくら本を読んでもよかった。晴れの時は他の子に誘われて外で遊ぶ事も多かったが、実はコオリは読書好きだった。
(絵本の主人公のようにまだ凄い魔法は使えるようになったとは言えないけど、それでも少しは成長できたかな?)
自分の掌を見つめてコオリは自分が魔術師としてどれだけ成長したのか気にかかるが、この時に彼は部屋の中に浮かんでいる氷塊に視線を向けた。
「さてと……いつものあれをしないとな」
コオリは作り出した氷塊を一か所に集めると、合体させて大きな氷塊を作り出す。その氷の上に立ったまま精神鍛錬を行う。
「ふうっ……」
どうして自分の作り出した氷塊に乗り込んで精神鍛錬を行うのかと言うと、精神が乱れるとコオリが乗り込んでいる氷塊は瓦解する。そうなった場合はコオリは床に落ちるため、それを阻止するために常に気を張らなければならない。
自分自身を追い込みながら鍛錬に集中し、魔力を回復させる作業に集中する。この数か月の訓練のお陰で体力も磨かれ、寝る前の運動には最適だった。
(魔力を作り出すコツも掴めてきたな……これなら戦闘中でも魔力を回復する事ができるかもしれない)
バルルによれば熟練の魔術師は戦闘の合間に魔力を回復させる事もできるらしく、彼女はそんな真似はできないらしいがコオリならばいずれ戦闘の最中でも魔力を回復して戦う事ができるかもしれない。
魔力量が少ないコオリの場合は他の魔術師と違って魔力を回復させる時間が短くて済み、更に魔力を回復させれば今まで以上に魔法を強化できる可能性もあった。
「ふうっ、もういいかな。これ以上やるとお腹が空きそうだし……」
魔力をある程度まで回復させたコオリは氷塊から降りようとすると、この時に彼は窓の外に何か影のような物が通り過ぎた気がした。少し気になったコオリは窓の外に近付くと、思いもよらぬ光景を目にした。
(えっ……あれは!?)
窓の外を覗き込むとコオリは思いもよらぬ光景を目にした。大粒の雨が降りしきる中、一匹の狼が歩いていた。その狼は全身が白い毛で覆われ、それを見たコオリは驚きを隠せない。
この世界において白い毛皮の狼は「白狼種」以外にはあり得ず、まさか伝説の魔獣と称される魔獣が現れたのかと驚く。しかも現れたのは小さな狼でまだ子供だと思われた。
(白狼種!?でも、どうしてここに……)
白狼山はかつては白狼種の住処だと言われていたが、百年ほど前から姿を見せなくなった。ここに暮らすアルルも白狼種の事に関しては何も話さず、だからこそコオリは白狼種が既に絶滅したと思い込んでいた。
しかし、現実に彼の視界には白狼種の子供らしき狼が現れた。しかもかなり衰弱しているらしく、弱った様子で歩いていた。それを見たコオリはすぐに他の者を呼ぶべきか悩む。
(た、助けた方がいいのかな?でも、白狼種も魔獣だし……)
基本的には野生の魔獣は人間を敵対ししているため、下手に助けようとすればコオリの身が危ない。しかし、このまま見過ごすと白狼種の子供が死ぬかもしれないと思い、気付いたら窓から身を乗り出していた。
「だ、大丈夫?」
「クゥンッ……」
雨で濡れる白狼種の元にコオリは恐る恐る近付き、念のために杖は手放さない。そんな彼に気付いた白狼種の子供は振り返ると、人間を見ても特に敵意は剥き出しにせず、むしろ彼の元に近付いて舌を出す。
「ハッ、ハッ……」
「えっと……もしかしてお腹が空いてるの?」
「ウォンッ」
言葉が通じるかどうかは分からないがコオリが話しかけると白狼種の子供は鳴き声を上げ、それが肯定の返事のように聞こえた。コオリは困った様子で白狼種の子供が食べられる物があったのか考え、不意に旅の道中で手に入れた魔物の素材を思い出す。
(そういえばまだ馬車の中に……)
バルルは宿代代わりに魔物の素材をアルルに引き渡そうとしたが、彼はそれを断った。この時にバルルが魔物の素材を馬車の中に戻していた事を思い出したコオリは白狼種の子供を連れて馬車へ向かう。
「ほら、できあがったよ!!」
「おおっ!!美味そうじゃないか!!」
「本当に美味しそう……バルルが料理できたのが意外」
「失礼な奴だね、こう見えてもあたしは宿屋の女将だよ!!料理ぐらいできるに決まってるだろ!!」
「宿屋?女将?先生じゃなかったのか?」
「あ、そういえばそうだった……すっかり忘れていた」
最近は教師として働きっぱなしだったので忘れがちだが、バルルは元々は王都の宿屋の主人を勤めている。現在は宿屋は従業員に任せているが、元々は宿屋の主人として時には料理を行っていたという。
彼女の料理は絶品で皆が夢中に鍋を喰らい、王都では滅多に食べれない猪の肉を味わう。コオリは肉に嚙り付きながらも外に視線を向け、雨が降り注いでいる事を知る。
「あ、雨が降ってきたみたいですね」
「ああ、この時期はよく降るんだ。多分、朝まで降り続けるだろうな」
「雨か……あんまり私は好きじゃないね」
「どうして?」
「冒険者時代にちょっとね……雨が降ると野宿の時が一番面倒なんだよ」
バルルは雨が嫌いらしく、彼女がまだ冒険者時代の頃はよく旅をしていたが、雨が降る度に色々と面倒な作業をさせられて嫌いになったという。野宿の時は身体が濡れないように雨宿りできる場所を探したり、どうしても見つからないときは道具を利用して自分で雨が濡れないように工夫した。
雨が降っている中での行動は非常に危険であり、服に水が染み込んで重くなれば体力も消耗し、また身体の熱が下がって病気になる可能性もある。しかも大雨の場合は川が氾濫する危険性もあるため、夜営の際は川から離れた場所で眠らなければならない。
「冒険者の時は雨のせいで色々と大変だったんだよ。一回だけ雨のせいで帰還が遅れて指定された依頼の報告期間に間に合わずに失敗扱いされた事もあったね……」
「く、苦労したんですね」
「冒険者はそんな大変なのか……ちょっと興味があったんだけどな」
「冒険者に憧れるのは止めときな。あたしの場合は生きるために仕方なくなったけど、冒険者というのはあんた達が思う程華やかな職業じゃないんだよ」
「こらこら、あんまり子供の夢を壊すようなことを言うなよ」
「現実の厳しさを教えるのも大人の役目さ」
バルルは自分が冒険者時代にどれだけ苦労していたのかを語り、その話を聞いていたアルルは苦笑いを浮かべる。世間一般の冒険者という職業は危険な魔物から人々を救う頼りになる存在として認知されているが、実際は魔物退治以外の仕事の方が多い。
冒険者の仕事は魔物退治の他に雑用を頼まれる事も多く、この点が傭兵とは大きく違う。傭兵の場合は雇われれば戦場に赴き、時には護衛の仕事を行う。しかし、雑用などを任される事はないが、冒険者の場合は傭兵と違って様々な仕事を引き受ける。
仕事の大半が魔物退治の依頼なのは事実だが、他にも商人や貴族の護衛、荷物の運搬や雑用に至るまで様々な仕事を行う。バルルも冒険者になったばかりの頃は色々な事をさせられたらしく、その中には料理に関する仕事もあったという。
「あたしが料理をするようになったのも人手が足りなくて料理を手伝ってほしいという仕事を引き受けていたからだね」
「えっ!?そんな仕事までさせられるのか?」
「まあ、最初の内は野菜の皮むき程度の仕事しか与えられなかったけどね。だんだんと慣れてくると火を使った調理もさせられるようになったし、いつの間にか料理もできるようになっていたわけさ」
「ほ、本当に色々とな仕事をするんですね」
「魔物を退治するより、一日中料理していた時の方が報酬が高かった時は泣けたね……」
バルルが料理を覚えた理由も冒険者として仕事をしてきた結果らしく、流石に今の時代ではわざわざ冒険者に料理を手伝わせるような仕事はなくなったが、主に「何でも屋」のように冒険者は様々な仕事を任せられる職業らしい。
(何だか絵本の中の冒険者とは違うんだな……)
コオリが幼少期に読んでいた絵本の中には冒険者を題材にした絵本も数多かったが、絵本の主人公たちは華麗に魔物を倒すだけでバルルのように雑用仕事などは行わない。絵本を製作する時に実際の冒険者の仕事内容を記したらきっと売れないと判断したのだろう。
バルルの冒険者時代の苦労話を聞かされた三人は彼女に同情する一方、滅多に聞く事ができない冒険者の仕事内容を知れて楽しめた。夜も更けてきたので三人はそれぞれの部屋で休む事になった――
――自分の貸し与えられた部屋に入るとコオリは寝る前に杖を取り出し、いつもの日課を行う。彼は眠る前に魔法の修行を行い、今回はどれだけ多くの魔法を発現できるのかを試す。
「ふうっ……流石にこれ以上はきついか」
部屋の中に無数の氷塊が漂い、額に汗を流しながらもコオリは杖を握りしめていた。三又の杖はアルルに渡したので現在の彼は予備の小杖しか持っていない。アルルの話だと明日には返すそうだが、それまでは小杖でしか魔法を扱えない。
作り出した氷塊を操作しながらもコオリは窓に視線を向け、降りしきる雨を観察する。バルルは雨が嫌いと言ったがコオリはむしろ雨は好きだった。雨が降っている時は孤児院の中でいくら本を読んでもよかった。晴れの時は他の子に誘われて外で遊ぶ事も多かったが、実はコオリは読書好きだった。
(絵本の主人公のようにまだ凄い魔法は使えるようになったとは言えないけど、それでも少しは成長できたかな?)
自分の掌を見つめてコオリは自分が魔術師としてどれだけ成長したのか気にかかるが、この時に彼は部屋の中に浮かんでいる氷塊に視線を向けた。
「さてと……いつものあれをしないとな」
コオリは作り出した氷塊を一か所に集めると、合体させて大きな氷塊を作り出す。その氷の上に立ったまま精神鍛錬を行う。
「ふうっ……」
どうして自分の作り出した氷塊に乗り込んで精神鍛錬を行うのかと言うと、精神が乱れるとコオリが乗り込んでいる氷塊は瓦解する。そうなった場合はコオリは床に落ちるため、それを阻止するために常に気を張らなければならない。
自分自身を追い込みながら鍛錬に集中し、魔力を回復させる作業に集中する。この数か月の訓練のお陰で体力も磨かれ、寝る前の運動には最適だった。
(魔力を作り出すコツも掴めてきたな……これなら戦闘中でも魔力を回復する事ができるかもしれない)
バルルによれば熟練の魔術師は戦闘の合間に魔力を回復させる事もできるらしく、彼女はそんな真似はできないらしいがコオリならばいずれ戦闘の最中でも魔力を回復して戦う事ができるかもしれない。
魔力量が少ないコオリの場合は他の魔術師と違って魔力を回復させる時間が短くて済み、更に魔力を回復させれば今まで以上に魔法を強化できる可能性もあった。
「ふうっ、もういいかな。これ以上やるとお腹が空きそうだし……」
魔力をある程度まで回復させたコオリは氷塊から降りようとすると、この時に彼は窓の外に何か影のような物が通り過ぎた気がした。少し気になったコオリは窓の外に近付くと、思いもよらぬ光景を目にした。
(えっ……あれは!?)
窓の外を覗き込むとコオリは思いもよらぬ光景を目にした。大粒の雨が降りしきる中、一匹の狼が歩いていた。その狼は全身が白い毛で覆われ、それを見たコオリは驚きを隠せない。
この世界において白い毛皮の狼は「白狼種」以外にはあり得ず、まさか伝説の魔獣と称される魔獣が現れたのかと驚く。しかも現れたのは小さな狼でまだ子供だと思われた。
(白狼種!?でも、どうしてここに……)
白狼山はかつては白狼種の住処だと言われていたが、百年ほど前から姿を見せなくなった。ここに暮らすアルルも白狼種の事に関しては何も話さず、だからこそコオリは白狼種が既に絶滅したと思い込んでいた。
しかし、現実に彼の視界には白狼種の子供らしき狼が現れた。しかもかなり衰弱しているらしく、弱った様子で歩いていた。それを見たコオリはすぐに他の者を呼ぶべきか悩む。
(た、助けた方がいいのかな?でも、白狼種も魔獣だし……)
基本的には野生の魔獣は人間を敵対ししているため、下手に助けようとすればコオリの身が危ない。しかし、このまま見過ごすと白狼種の子供が死ぬかもしれないと思い、気付いたら窓から身を乗り出していた。
「だ、大丈夫?」
「クゥンッ……」
雨で濡れる白狼種の元にコオリは恐る恐る近付き、念のために杖は手放さない。そんな彼に気付いた白狼種の子供は振り返ると、人間を見ても特に敵意は剥き出しにせず、むしろ彼の元に近付いて舌を出す。
「ハッ、ハッ……」
「えっと……もしかしてお腹が空いてるの?」
「ウォンッ」
言葉が通じるかどうかは分からないがコオリが話しかけると白狼種の子供は鳴き声を上げ、それが肯定の返事のように聞こえた。コオリは困った様子で白狼種の子供が食べられる物があったのか考え、不意に旅の道中で手に入れた魔物の素材を思い出す。
(そういえばまだ馬車の中に……)
バルルは宿代代わりに魔物の素材をアルルに引き渡そうとしたが、彼はそれを断った。この時にバルルが魔物の素材を馬車の中に戻していた事を思い出したコオリは白狼種の子供を連れて馬車へ向かう。
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