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王都での日常
第83話 かつての強敵
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「わ、儂に何の用だ!?言っておくがお前等とはもう関わるつもりなど……」
「ほう、恩を仇で報いるつもりか?誰のお陰でお前は魔法学園の教師になれたと思っている?」
「うっ!?」
リクの言葉にタンは冷や汗を流し、彼が魔法学園の教師になれたのは先代の学園長が推薦だが、その学園長は闇ギルドに深い関りを持つ人物だった。
元々タンは王国に仕える「宮廷魔術師」と呼ばれる職に就いていたが、ある時に彼は事故を起こして解雇された。そんな時に彼の面倒を見てくれたのは先代の学園長であり、彼がいなければ教師になれずに路頭に迷っていた。しかし、そんな学園長がマリアに告発された時にタンは彼を見捨ててしまう。
「お前はあの御方を裏切った時に始末する事もできた。しかし、それをすればあの女も黙っていない。だから今まで見逃していたが……貴様が首になれば話は別だ。ここで始末してやる」
「ま、待て!!いや、待ってくれ!!儂とてあの御方を裏切るつもりなど……」
「安心しろ、貴様はまだ教員だ。だからここで殺しはしない……その代わりに我々の言う事を聞いてもらうぞ」
「な、何をするつもりだ!?」
自分を殺すつもりかとタンは怯えるが、リクとしてはここで彼を殺すわけにはいかない。まだ彼は魔法学園の教師である以上は使い道があるため、彼に取引を持ち掛けた。
「ある二人の生徒の情報を我々に提供してもらおう。そうすれば命だけは見逃してやる」
「せ、生徒?学園長の……いや、マリアの情報を知りたいのではないのか?」
「貴様如きがあの女の情報を嗅ぎつけるとは思っておらん。それに怪しい動きをすればあの女はすぐに勘付くだろう」
「ぐうっ……」
タンはリクの言葉に言い返す事はできず、彼の言う通りにマリアは彼にとっても恐ろしい存在だった。盗賊ギルドとしてもマリアと事を荒立てるのは避けなければならず、あくまでもタンが調べられる範囲の情報を探るように言い渡す。
「調べるのはこの羊皮紙に書かれている生徒二人だ。特にこちらの方は居場所を知っているのならばすぐに連絡しろ」
「待て!!連絡しろと言われてもどうやって……」
「ここは俺の店だと言っただろう。情報をまとめたら真っ先にここへ来い……期限は三日だ、それまでに情報を集めなければ殺す」
「ひいっ!?」
リクは去り際に恐ろしく鋭い目つきでタンを睨みつけると、彼はあまりの迫力に腰を抜かす。そんな彼を見てリクは鼻で笑い、その場を立ち去った――
――酒場から逃げるようにタンは出ていくと、彼は自分の家に戻って渡された羊皮紙を机の上に置く。顔色を真っ青にしながらも机の上に置いた羊皮紙を見下ろし、彼はもう後戻りはできない事を悟る。
(が、学園長に報告を……いや、駄目だ!!盗賊ギルドは儂の行動を監視しているはず……今も見られているかもしれん)
マリアに助けを求めるべきかタンは考えたが、何時何処で盗賊ギルドの人間が監視しているのかも分からず、そもそもマリアが彼を助ける保証はない。
(駄目だ、もしも話せば必ず儂と先代の学園長の関係がバレてしまう。そうなれば下手をすれば儂は捕まってしまう……それぐらいならば盗賊ギルドの要求を受けた方がマシだ!!)
タンはマリアを裏切って盗賊ギルドの要求を引き受ける事を決め、彼は羊皮紙に記された二人の生徒の名前を確認した。奇しくも両名ともにタンが担当する生徒と因縁深い相手であり、ただの偶然かと疑問を抱く。
「何故、奴等はこの二人を……?」
羊皮紙に記されている名前は「リオン」と「コオリ」と記され、どちらも魔法学園の一年生の生徒の中で月の徽章を与えられた人間だった――
――長期休暇の間もコオリ達は訓練漬けの日々を送っていたが、流石に毎日訓練させるのは問題があるという事でバルルは旅行を提案する。
「実は王都から少し離れた山にあたしの知り合いが暮らしていてね、そこには温泉も湧いているから一緒に行くかい?」
「温泉!?僕、入った事がないです!!」
「私も温泉は好き」
「そうかい、なら一緒に行くかい?」
「お、俺も一緒に行っていいんすか?」
「当たり前だよ。こっちも人手が多い方が助かるからね」
バルルの提案に乗ったコオリ達は彼女の知り合いが暮らしているという山へ向かう。王都から北の方角にあるらしく、早速だが馬車を手配したバルルは三人を連れて出発した。
今回の遠出は冒険者の護衛を付けず、魔物が襲って来ても自分達だけで対応するようにする。本当ならば外に出向く場合は傭兵や冒険者を雇うのが安全なのだが、今のコオリ達ならば王都近辺に生息する魔物など大した脅威ではなかった。
「ガアアアッ!!」
「ヒヒンッ!?」
「ちっ、また現れたのかい!!今度はファングの群れだよ!!」
「またかよ!!」
「面倒……私は寝てていい?」
「ミイナ、真面目に戦って!!」
馬車の前にファングの群れが現れると馬は怯えて立ち止まり、バルルがコオリ達に声をかけた。移動中はコオリはミイナの膝枕をさせられていたが、魔物が現れたとなると悠長に休んではいられず、全員が外に飛び出す。
「グルルルッ……!!」
「ガアアッ!!」
「ガウッ、ガウッ!!」
「随分と興奮している様子だね、油断するんじゃないよ」
「たくっ、これで今日何度目の襲撃だ?」
「最近、魔物が数を増やしているとは聞いてましたけど……」
「面倒くさい……二人が何とかして」
ファングの群れが馬車の前に立ち塞がると、コオリとバルトは杖を取り出すがミイナの方は欠伸を行う。全くと言っていいほどに彼女は緊張感を抱いておらず、一方でファングの群れは獲物を発見して我慢できずに一斉に襲い掛かる。
「「「ガアアッ!!」」」
「来るよ、まずはあんたからだ!!」
「分かってるよ!!」
前方から突っ込んできたファングの集団に対してバルトが前に出ると、彼は杖を振り払う動作を行う。この数か月の間にバルトも腕を磨き、彼は杖を振り払うだけで中級魔法を発動させる事ができるようになった。
「おらぁっ!!」
「ギャインッ!?」
「先輩、流石!!」
杖を振り払っただけで衝撃波が発生し、空中に飛び上がったファングの集団が吹き飛ぶ。バルトが使用したのは「スラッシュ」であるが、効果範囲を広げる事で同時に複数の敵を倒す事ができた。
しかし、ファングは「風耐性」の能力を持つので彼の風属性の魔法では致命傷は与えられず、吹き飛んだファングの群れの中には何事もなかったように地上に着地する個体もちらほらといた。それを見たバルルはコオリに援護する様に促す。
「コオリ、面倒だからあんたの魔法で仕留めな」
「はい!!」
「時間稼ぎは任せろ!!」
「それぐらいなら任せて」
バルルの指示を聞いてコオリは杖を構えると、彼を庇うようにバルトとミイナが前に立つ。二人がファングの群れを引き付けている間にコオリは三又の杖から魔法を発動させ、三つに分かれた杖の先端部から同時に三つの氷塊を作り出す。
(焦るな、練習通りにやればいいんだ。二人がいれば大丈夫)
バルトとミイナが自分を守ってくれると信じてコオリは魔法を発動させ、次々と氷弾を撃ち込む。三つの杖先から同時に発射された氷弾は三匹のファングの頭に的中させた。
「今だ!!」
「「「ギャインッ!?」」」
頭を撃ち抜かれたファングは悲鳴を上げて倒れ込み、通常ならば頭を貫通するほどの威力はあるのだが、数を増やすと意識が分散して本来の威力を発揮できない。だが、気絶に追い込むだけの威力はあり、次々とファングを蹴散らす。
コオリに近付こうとするファングはミイナとバルトが対処し、二人の援護のお陰でコオリは冷静に魔法で対処する事ができた。数分後、コオリ達の前には気絶したファングの群れが地面に広がっていた。
「ふうっ……師匠、終わりました」
「大分腕を上げたじゃないかい」
「ははっ、凄すぎて何も言えねえよ……」
「試合の時に使ってたらバルトも死んでたかも」
「おいこら、さりげなく先輩を呼び捨てにするんじゃねえよ!?」
かつては追い詰められたファングも今のコオリにとっては大した敵ではなくなっていた――
「ほう、恩を仇で報いるつもりか?誰のお陰でお前は魔法学園の教師になれたと思っている?」
「うっ!?」
リクの言葉にタンは冷や汗を流し、彼が魔法学園の教師になれたのは先代の学園長が推薦だが、その学園長は闇ギルドに深い関りを持つ人物だった。
元々タンは王国に仕える「宮廷魔術師」と呼ばれる職に就いていたが、ある時に彼は事故を起こして解雇された。そんな時に彼の面倒を見てくれたのは先代の学園長であり、彼がいなければ教師になれずに路頭に迷っていた。しかし、そんな学園長がマリアに告発された時にタンは彼を見捨ててしまう。
「お前はあの御方を裏切った時に始末する事もできた。しかし、それをすればあの女も黙っていない。だから今まで見逃していたが……貴様が首になれば話は別だ。ここで始末してやる」
「ま、待て!!いや、待ってくれ!!儂とてあの御方を裏切るつもりなど……」
「安心しろ、貴様はまだ教員だ。だからここで殺しはしない……その代わりに我々の言う事を聞いてもらうぞ」
「な、何をするつもりだ!?」
自分を殺すつもりかとタンは怯えるが、リクとしてはここで彼を殺すわけにはいかない。まだ彼は魔法学園の教師である以上は使い道があるため、彼に取引を持ち掛けた。
「ある二人の生徒の情報を我々に提供してもらおう。そうすれば命だけは見逃してやる」
「せ、生徒?学園長の……いや、マリアの情報を知りたいのではないのか?」
「貴様如きがあの女の情報を嗅ぎつけるとは思っておらん。それに怪しい動きをすればあの女はすぐに勘付くだろう」
「ぐうっ……」
タンはリクの言葉に言い返す事はできず、彼の言う通りにマリアは彼にとっても恐ろしい存在だった。盗賊ギルドとしてもマリアと事を荒立てるのは避けなければならず、あくまでもタンが調べられる範囲の情報を探るように言い渡す。
「調べるのはこの羊皮紙に書かれている生徒二人だ。特にこちらの方は居場所を知っているのならばすぐに連絡しろ」
「待て!!連絡しろと言われてもどうやって……」
「ここは俺の店だと言っただろう。情報をまとめたら真っ先にここへ来い……期限は三日だ、それまでに情報を集めなければ殺す」
「ひいっ!?」
リクは去り際に恐ろしく鋭い目つきでタンを睨みつけると、彼はあまりの迫力に腰を抜かす。そんな彼を見てリクは鼻で笑い、その場を立ち去った――
――酒場から逃げるようにタンは出ていくと、彼は自分の家に戻って渡された羊皮紙を机の上に置く。顔色を真っ青にしながらも机の上に置いた羊皮紙を見下ろし、彼はもう後戻りはできない事を悟る。
(が、学園長に報告を……いや、駄目だ!!盗賊ギルドは儂の行動を監視しているはず……今も見られているかもしれん)
マリアに助けを求めるべきかタンは考えたが、何時何処で盗賊ギルドの人間が監視しているのかも分からず、そもそもマリアが彼を助ける保証はない。
(駄目だ、もしも話せば必ず儂と先代の学園長の関係がバレてしまう。そうなれば下手をすれば儂は捕まってしまう……それぐらいならば盗賊ギルドの要求を受けた方がマシだ!!)
タンはマリアを裏切って盗賊ギルドの要求を引き受ける事を決め、彼は羊皮紙に記された二人の生徒の名前を確認した。奇しくも両名ともにタンが担当する生徒と因縁深い相手であり、ただの偶然かと疑問を抱く。
「何故、奴等はこの二人を……?」
羊皮紙に記されている名前は「リオン」と「コオリ」と記され、どちらも魔法学園の一年生の生徒の中で月の徽章を与えられた人間だった――
――長期休暇の間もコオリ達は訓練漬けの日々を送っていたが、流石に毎日訓練させるのは問題があるという事でバルルは旅行を提案する。
「実は王都から少し離れた山にあたしの知り合いが暮らしていてね、そこには温泉も湧いているから一緒に行くかい?」
「温泉!?僕、入った事がないです!!」
「私も温泉は好き」
「そうかい、なら一緒に行くかい?」
「お、俺も一緒に行っていいんすか?」
「当たり前だよ。こっちも人手が多い方が助かるからね」
バルルの提案に乗ったコオリ達は彼女の知り合いが暮らしているという山へ向かう。王都から北の方角にあるらしく、早速だが馬車を手配したバルルは三人を連れて出発した。
今回の遠出は冒険者の護衛を付けず、魔物が襲って来ても自分達だけで対応するようにする。本当ならば外に出向く場合は傭兵や冒険者を雇うのが安全なのだが、今のコオリ達ならば王都近辺に生息する魔物など大した脅威ではなかった。
「ガアアアッ!!」
「ヒヒンッ!?」
「ちっ、また現れたのかい!!今度はファングの群れだよ!!」
「またかよ!!」
「面倒……私は寝てていい?」
「ミイナ、真面目に戦って!!」
馬車の前にファングの群れが現れると馬は怯えて立ち止まり、バルルがコオリ達に声をかけた。移動中はコオリはミイナの膝枕をさせられていたが、魔物が現れたとなると悠長に休んではいられず、全員が外に飛び出す。
「グルルルッ……!!」
「ガアアッ!!」
「ガウッ、ガウッ!!」
「随分と興奮している様子だね、油断するんじゃないよ」
「たくっ、これで今日何度目の襲撃だ?」
「最近、魔物が数を増やしているとは聞いてましたけど……」
「面倒くさい……二人が何とかして」
ファングの群れが馬車の前に立ち塞がると、コオリとバルトは杖を取り出すがミイナの方は欠伸を行う。全くと言っていいほどに彼女は緊張感を抱いておらず、一方でファングの群れは獲物を発見して我慢できずに一斉に襲い掛かる。
「「「ガアアッ!!」」」
「来るよ、まずはあんたからだ!!」
「分かってるよ!!」
前方から突っ込んできたファングの集団に対してバルトが前に出ると、彼は杖を振り払う動作を行う。この数か月の間にバルトも腕を磨き、彼は杖を振り払うだけで中級魔法を発動させる事ができるようになった。
「おらぁっ!!」
「ギャインッ!?」
「先輩、流石!!」
杖を振り払っただけで衝撃波が発生し、空中に飛び上がったファングの集団が吹き飛ぶ。バルトが使用したのは「スラッシュ」であるが、効果範囲を広げる事で同時に複数の敵を倒す事ができた。
しかし、ファングは「風耐性」の能力を持つので彼の風属性の魔法では致命傷は与えられず、吹き飛んだファングの群れの中には何事もなかったように地上に着地する個体もちらほらといた。それを見たバルルはコオリに援護する様に促す。
「コオリ、面倒だからあんたの魔法で仕留めな」
「はい!!」
「時間稼ぎは任せろ!!」
「それぐらいなら任せて」
バルルの指示を聞いてコオリは杖を構えると、彼を庇うようにバルトとミイナが前に立つ。二人がファングの群れを引き付けている間にコオリは三又の杖から魔法を発動させ、三つに分かれた杖の先端部から同時に三つの氷塊を作り出す。
(焦るな、練習通りにやればいいんだ。二人がいれば大丈夫)
バルトとミイナが自分を守ってくれると信じてコオリは魔法を発動させ、次々と氷弾を撃ち込む。三つの杖先から同時に発射された氷弾は三匹のファングの頭に的中させた。
「今だ!!」
「「「ギャインッ!?」」」
頭を撃ち抜かれたファングは悲鳴を上げて倒れ込み、通常ならば頭を貫通するほどの威力はあるのだが、数を増やすと意識が分散して本来の威力を発揮できない。だが、気絶に追い込むだけの威力はあり、次々とファングを蹴散らす。
コオリに近付こうとするファングはミイナとバルトが対処し、二人の援護のお陰でコオリは冷静に魔法で対処する事ができた。数分後、コオリ達の前には気絶したファングの群れが地面に広がっていた。
「ふうっ……師匠、終わりました」
「大分腕を上げたじゃないかい」
「ははっ、凄すぎて何も言えねえよ……」
「試合の時に使ってたらバルトも死んでたかも」
「おいこら、さりげなく先輩を呼び捨てにするんじゃねえよ!?」
かつては追い詰められたファングも今のコオリにとっては大した敵ではなくなっていた――
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